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非正規雇用にも広がりを見せる「第3の賃上げ」のメリットとは?

2024.08.30

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実質的に従業員の手取りを増やす効果があり、企業の税負担も抑えられる福利厚生を「第3の賃上げ」と定義し、それを広めていく活動を行う「#第3の賃上げアクション」が、食事補助サービス「チケットレストラン」を手掛けるエデンレッドジャパン(東京・千代田)らによって展開されている。

参考:企業と社員、双方にメリットがある「第3の賃上げ」とは?

福利厚生を通じた「第3の賃上げ」は、雇用形態を問わず全従業員に提供できることから公平性が高く、企業規模を問わず少額でトライしやすいのが特長だ。従業員の生活支援にもつながることから、エンゲージメントや採用力アップに貢献するなど、実は企業側にとってのメリットも多いが、非正規雇用の従業員にも「第3の賃上げ」を提供できることを知っている人事担当者は、いまだ半数にも満たないのが現状だ。

そんな背景を受け、7月10日に「第3の賃上げ」の有益性をより多くの企業や人事担当者に周知すべく、「#第3の賃上げアクション」の発起人であるエデンレッドジャパン代表取締役社長・天野総太郎氏の呼びかけで、賛同企業およびアルバイトタイムスとともに、ラウンドテーブルが実施された。

目次
  1. 「第3の賃上げ」で雇用形態を問わず、長く働き続けられる環境を
  2. 「第3の賃上げ」は、非正規雇用に向けた強いメッセージに
  3. 企業が「第3の賃上げ」を非正規雇用に提供する理由

「第3の賃上げ」で雇用形態を問わず、長く働き続けられる環境を

株式会社エデンレッドジャパン 代表取締役社長・天野総太郎氏

会の冒頭、天野氏より開催の背景について説明があり、「非正規雇用者は日本で働く全雇用者の4割近く(37.1%)にあたる2,000万人以上を占めており、日本企業にとって貴重な戦力である一方、『年収の壁』などの問題により『働きたくても働けない』方々も存在し、非正規雇用の定着や、エンゲージメントに課題感を感じている企業が増えている」と、昨今の雇用問題を解説したうえで、次のように思いを語った。

「非正規雇用の方の中には、本来高い潜在能力を持つ子育て中のママや介護中の方、シニアの方などさまざまな方がいる。このようなフルタイム勤務が難しい方々が、自身のライフスタイルに合った働き方を実現できる『非正規雇用』は、単に間に合わせの労働力ではない。今、企業に求められているのは、雇用形態を問わず、誰もが貴重な戦力として、長く働ける環境を整えることではないか。そのためのアクションとして、ぜひ『第3の賃上げ」を活用いただきたい」

「第3の賃上げ」は、非正規雇用に向けた強いメッセージに

式会社アルバイトタイムスの小堤慎介氏

続いて、非正規雇用に詳しいアルバイトタイムスの小堤慎介氏が登壇し、採用市場の現状や、「第3の賃上げ」の有用性について解説した。

「大企業を中心に賃金は上昇傾向にある一方、中小企業において人材確保の問題が深刻化しており、非正規雇用の従業員に、給与アップと合わせ、いかに『この会社で働きたい』『長く働き続けたい』と思ってもらえる会社になるか、賃上げだけに頼らない採用戦術を取っていくことが何より重要だ。非正規雇用の従業員は、給与よりも働きやすさを重視する傾向にあるため、会社の魅力をきちんと発信し、いかにファンになっていただくかが大切。『第3の賃上げ』となる福利厚生は、企業が大切にしている理念を伝える強いメッセージになり得る」

企業が「第3の賃上げ」を非正規雇用に提供する理由

「非正規雇用における福利厚生のメリットとは?」と題したトークセッション|@人事ONLINE

その後、すでに「第3の賃上げ」としてチケットレストランを非正規雇用の従業員にも活用している、関西エアポートオペレーションサービスの人事担当・藤原崇史氏、サニクロの総務責任者・水越千寛氏、ダイナミックマッププラットフォームの樋口慶氏の3名が登壇し、「非正規雇用における福利厚生のメリットとは?」と題したトークセッションが行われた。

関西エアポートオペレーションサービス株式会社の人事担当の藤原崇史氏|@人事ONLINE

▼関西エアポートオペレーションサービス 人事担当・藤原崇史氏
「空港運用に関わるあらゆるサービスを提供しており、夏・年末年始は繁忙期を迎える。年収の壁がある従業員は、勤務日数を調整する必要があり、第3の賃上げで少しでも手取りアップに貢献できること、そして毎日の食事のサポートができることは、従業員の帰属意識にもつながっており、大きなメリットに感じている。夏場はコンビニなどで飲料水などを購入する従業員が多い。

株式会社サニクロの総務責任者・水越千寛氏|@人事ONLINE

▼株式会社サニクロ 総務責任者・水越千寛氏
「部品検査の専門会社で従業員の8割以上が子持ちのママであり、パートタイマー。もともとパート従業員の給料を少しでも上げたいという思いがあったが、パート従業員には年収の壁があり、単純に給料を上げるだけでは解決しない。福利厚生制度によって従業員への第3の賃上げを行うことは、税制面において従業員にも会社にもメリットが大きい。他社との差別化にもなっており、採用面接でも『チケットレストラン』が話題に上がることもあって採用への効果を実感している」

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社の樋口慶氏|@人事ONLINE

▼ダイナミックマッププラットフォーム株式会社 樋口慶氏
「自動運転向け高精度3次元地図データを手掛けるITベンチャーで、20代から50代、60代まで幅広い世代の社員が活躍する。60歳超の嘱託社員にいかにモチベーション高く働いてもらえるかは重要な課題。シニア雇用というと一般的に定年前よりも給与ダウンとなる例が多いが、そのギャップを少しでも緩和するため、手取り面でメリットのある『第3の賃上げ』を正社員と同様に適用することで、気持ちよく働いていただきたいと考えた。実際、多くの従業員に活用されているのを肌で感じている」

福利厚生を戦略的に活用し、雇用形態に関わらず働く環境を整える

3者の話を聞いたアルバイトタイムス小堤氏は、「労働力人口が低減していく中、人員を確保するのに重要なのは、応募からの採用率と採用後の定着率を上げること。『第3の賃上げ』としてチケットレストランを活用している賛同企業の皆さんは、非正規雇用の採用活動において、すでに大きなアドバンテージを得ているはず」と評価した。

人手不足が大きな課題となる中、福利厚生を戦略的に活用し、雇用形態に関わらず働く環境を整えることは、賢い選択となるのかもしれない。

「#第3の賃上げアクション」プロジェクトサイト
https://edenred.jp/the3rd_chinage

関連記事:「食事補助上限枠緩和を促進する会」が衆議院議員へ要望書を提出。食事補助非課税枠の拡大が、今求められるワケとは?

イベント日時

イベント名:パート・アルバイト・契約社員にも「第3の賃上げ」を!「#第3の賃上げアクション」ラウンドテーブル
日時:2024年7月10日(水)
場所:エデンレッドジャパン本社(東京都港区)
主な登壇者:株式会社エデンレッドジャパン 代表取締役社長 天野総太郎氏
株式会社アルバイトタイムス 営業企画課 課長 小堤 慎介氏

参考情報

飲食店・福利厚生企業 534社賛同のもと、食事補助の上限枠緩和に向け、要望書を自民党議員へ提出
【緊急提言】 パート・アルバイト・契約社員 にも「第3の賃上げ」を!ラウンドテーブルを開催
・「チケットレストラン」 https://edenred.jp/ticketrestaurant/

※編集部注:本記事はエデンレッドジャパン社による提供情報を一部編集して制作したものです。画像の著作権は同社に帰属します。

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