コラム

仕事がデキる人事・総務のビジネスメール術


【第5回】業務効率を下げる“曖昧な”メール文作成を防ぐポイント

2016.11.16

  • ツール
  • 教育・研修
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「返信が欲しいと書いたのに、なかなか返信メールが来ない」「事前に研修内容を告知したのに参加者が準備をしてこない」。今回も人事・総務担当者からメールに関する困りごとをいくつかいただきました。しかし、あなた自身が送っているメールの内容が“曖昧なため”に、そのような状況が起きているという可能性はないでしょうか。社内外でたくさんメールのやりとりが多い人事・総務担当者にとって、“明確な”メールを作成できることは、業務効率化の第一歩につながるはずです。

相手が思い通りに動いてくれないのは、送り手のメールが問題

いただいた困りごとの共通点は「相手が自分の思ったように動いてくれない」ということです。しかし、メールのコミュニケーションの基本は「相手のミスは自分が誘発する」「自分が変われば相手も変わる」であり、送り手のメールの書き方が問題であることが多いのです。では、どのように改善すればよいか解説します。

「いつまでに返信してほしいか」日時は明確に記載しましょう

返信が欲しいと書いたのに、なかなかメールが来ない場合、具体的に返信期限を書いていないことが多いのです。「今週中にご返信ください」と書いたとしても、金曜日の17時、18時、23時59分、という人から土日を想定する人まで様々です。「木曜日の18時までにご返信ください」等、期限のあるときは、誰が聞いても同じ時刻をイメージできるような書き方を心がけましょう。

「できるだけ早く」「お手すきのときに」は禁止ワード

日時を指定するのが申し訳ないと、遠慮がちに利用することが多い表現ですが、これは自分が期限を曖昧にしています。「まだ返信が来ない」「〇日たっても返信して来ないなんて非常識」という人もいますが、書き方に問題あり。誰もが忙しく、お手すきのときはないので、いつまでたっても返信は来ないと思ってください。

必要なものは、具体的かつ明確に記載しましょう

事前に研修内容を告知したのに参加者が準備をしてこない。こんなとき、例えばメールに「本研修に当たっては、各自準備してください」と書いていないでしょうか。これでは「自分たちで研修の内容から必要なものを想定して、準備してください」と、相手に考えさせています。
それなのに「こちらの意図通りの準備をしてこない」というのは、コミュニケーションとしても問題です。どう伝えたかではなく、どう伝わったかが重要なのです。

参加者から見ると、準備と言われても当日の持ち物のことなのか、事前に課題があるのかすら分わかりません。「持ち物」「事前課題」など、準備内容を明確に書きましょう。さらに、日時や研修の場所、タイトルと並列に情報として並べることで、参加者は必ず見逃してはいけない情報であるという意識をして、目を通します。

事前課題があるなら、「○○の資料を読んできてください」「○○の資料を全て記入して持参ください」等、相手にしてきてほしい行動を具体的に記載します。また、当日の持ち物が多いなら持ち物全てを書き出して番号を振るなど、受信者がチェック漏れをしないような工夫を行います。情報が箇条書きで並んでいれば、受信者はチェックリストとして活用できるというメリットもあります。メールの文章内や添付ファイル等バラバラと依頼事項を書くよりもずっと、ヌケモレのない回答を得られるでしょう。
もしも持ち物を忘れた場合は、どのようなデメリットがあるのか(資料中心に進めるため理解が難しくなる、後日再度受講をしてもらう)なども書いておくと「○○だから忘れてはいけない」と印象に残りやすくなります。

曖昧なメール文の改善例:「人事担当者(Y)がメンター(新卒研修担当者)へ研修の実施を通達するメール」

【改善前】

新卒研修担当者へ

お疲れ様です。
今年も来年度入社社員へ、「内定者課題」を実施します。
つきましては、11月22日(火)15時、会議室にて担当者向けの事前研修を実施します。
各自、当日までに準備をお願いいたします。

 

【改善例】

新卒研修担当者各位

お疲れ様です。
人事課研修担当のYです。

来年度入社予定の内定者に向け、各配属先より課題を出すにあたって
事前研修を以下の通り実施します。

■日時:11月22日(火)15時~16時
■場所:第3会議室
■目的:内定者への課題の調整並びに、連絡時の注意事項、スケジュールの調整
■対象:各所属の新卒研修担当者(来年度の担当メンター)

■当日の内容
・課題候補の報告(各部署より)
・報告に合わせて討議を行い、内容について決定
・課題実施のスケジュール確認
・内定者への指導の注意点、連絡方法について等

■当日持ち物
・筆記用具
・昨年度実施した、内定者課題に対する報告書(4月に人事課へ提出済みのもの)
・次回内定者に実施する課題(案)
 ※詳細は、以下「事前準備依頼事項」をご覧ください

■事前準備依頼事項
・次回内定者に実施する課題(案)を作成し、ご持参ください。
・案は、1つではなく2~3つご準備ください。
・タイトルと、検討中の内容の概要で結構です。
(「課題候補の報告(各部署より)」時に、報告いただきます。)
・全テーマ共通として「業界と業務理解につながる課題」としてください。
・課題の内容、ボリューム、形式案については過去資料をご確認ください。
以下ファイルサーバーに、3年分を保管しています。
 【過去資料:C://123456SV/新卒研修/内定者課題】

■お問合せ
・人事課研修担当のYまでお問い合わせください。

転送の目的は冒頭に明確に記載しましょう

受信メールの続きの処理を任せようと転送したのに、その後の対応がなされていなかった、「転送したのに、続きの処理が放置されている」というトラブルもよくあります。しかし受信側からすると、参考のために送られてきたと思っていたため、特に行動に移さなかった、またどうして自分に転送したんだろうと、そもそも転送されてきた意図が分わからなくて放置していた、というケースもあります。これも、転送のメッセージの書き方が曖昧で、趣旨が分わからなくなり受信者が動けなかったことが原因です。

転送のときには冒頭に、参考や情報共有のための転送なのか、続きの処理等を依頼するためにメールを送るのかを明確にメッセージとして記載しましょう。何も書かずに転送するのは完全NGです。しかし、だからといって「このメール転送します」と書くだけでは、転送の目的が曖昧になり伝わらないため、これもNGです。

まとめ

自分のメールが曖昧であることが原因で、「相手が思い通りに動いてくれない」「不快にさせている」とまで思っている人はいません。さらに、「あなたのメールは曖昧で分かりにくいです」とは、なかなか指摘をしてもらえません。メールのスキルは自分自身で改善していくことが基本です。ぜひ一度、客観的に自分のメールを見直してみてください。

 

執筆者紹介

長野ゆか(ながの・ゆか)(一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師、オフィスミカサ代表) 元大阪府八尾市職員。市民からのメールでの疑問、要望、苦情対応から大手企業の社員等とのやり取りまで、実務経験が豊富。送受信実績は10万通を超える。講演や執筆活動を通じてビジネスメール教育の普及に携わる。


■一般社団法人日本ビジネスメール協会
電話:03-5577-3210
メール:info@businessmail.or.jp
ホームページ:http://businessmail.or.jp/

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