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【中小企業の経営者・労務担当者】2023年10月施行「年収の壁」対策の具体的な内容まで知っている人は9.5%

2024.04.24

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弥生株式会社(東京・千代田、以下「弥生」)は、ユーザーの中小企業経営者・労務担当者1,217名を対象に実施した、「『年収の壁』についての意識調査」の結果を発表した。
調査結果によると、2023年10月施行の「年収の壁」対策※1について、「聞いたことはある」を含めた認知率は87.7%だったものの、具体的な内容まで知っている人は9.5%にとどまったことが明らかになった。また、「年収の壁」対策について認知している人のうち、実際の利用者(申請手続き中を含む)は15.1%だった。以下、リリースより。

※1 厚生労働省が新設した「年収の壁・支援強化パッケージ」。106万円の壁についてはキャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コース、130万円の壁については事業主の証明によって被扶養者認定を受けられる制度。

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調査サマリー

  1. 2023年10月施行の「年収の壁」対策について、「聞いたことはある」を含めた認知率は87.7%。具体的な内容まで知っている人は9.5%、ある程度の内容まで知っている人は46.8%、聞いたことはあるが内容はわからない人は31.4%
  2. 「年収の壁」対策について認知している人のうち、実際の利用者(申請手続き中を含む)は15.1%
  3. 未利用者の「年収の壁」対策についての利用意向は、利用したい人が34.6%、使用しない(する予定はない)人が31.7%、わからないが33.7%
  4. 利用したい理由の上位は「人材確保につながるから」「従業員のモチベーションが高まるから」
  5. 利用しない/する予定はない、未定の理由上位は「申請手続きが煩雑/面倒」「制度が理解できていないから」

2023年10月施行の「年収の壁」対策については高い認知度

調査結果によれば、2023年10月に厚生労働省より施行された「年収の壁・支援強化パッケージ」の認知率は非常に高く、87.7%の回答者が認知していることが明らかになりました。一方で、この施策の具体的な内容を知っている人は9.5%に留まり、認知しているものの内容を理解していない人も31.4%に上りました。内容の理解に関しては、まだ進んでいない状況が見受けられます。

弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに「年収の壁」に関する調査を実施

年収の壁」対策の利用意向は分かれる結果に

「年収の壁」対策について認知している人のうち、実際に利用している、また申請手続き中の回答者は15.1%と留まりました。

利用していない人の利用意向に関しては、回答者の間で分かれる結果となりました。34.6%が利用したいと考えており、31.7%は利用しないと回答、33.7%は未定という結果が出ました。

利用したいと考える理由としては、「人材確保につながるから」「従業員のモチベーションが高まるから」という声が挙がり、中小企業が人材面で課題を抱えていることが示唆されました。一方で利用しない・未定の理由としては、「申請手続きが煩雑/面倒」「制度が理解できていない」といった課題が挙げられました。

弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに「年収の壁」に関する調査を実施

弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに「年収の壁」に関する調査を実施

弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに「年収の壁」に関する調査を実施

弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに「年収の壁」に関する調査を実施

具体的なお困りごとを聞きました

  • 扶養の範囲内で働きたいアルバイトのシフト調整。本人も労働意欲がありこちらも仕事があるのに出勤調整をしなければならない。それが年末の忙しい時期に重なるのでかなり困る(経営者/従業員2~5名)
  • 時給や特別手当などの金額を上げると年収の壁にぶつかり、時間を減らすと雇用保険の要件(月20時間)を満たさない場合がある、人手不足も有り悩ましいです。(経営者/従業員20~30人)
  • 130万円年収制限のパート職員がいる。夫の会社の配偶者手当の関係で130万未満で働いている。もっと、働いてもらいたい。(労務部門管理職/従業員2~5人)
  • 人材不足、高齢化が進み若い人でスキルが高く向上心の高い人が入らない(労務部門管理職/従業員20~30人)
  • 出来るだけ従業員の要望に沿えるようにとしたら、勤怠管理が複雑になった。年収の関係で有給ではなく欠勤にしたり、早退したり等。(労務担当/従業員20~30人)
  • 会社・従業員双方が社会保険料の掛からない範囲内でと思っている。当然就業時間が短くなるが仕事量は変わらない。サービス残業や持ち帰りが増えるのではと心配している。盛期、給与が変わるので計算や届け出が面倒に思う。(労務担当/従業員5~10人)

総括

本調査から、中小企業経営者や労務担当者の間では「年収の壁対策」に対する認知が高い一方で、具体的な内容の理解や実際の活用はまだ進んでいないことが示唆されています。利用意向にはばらつきがあり、特に人材確保や従業員モチベーション向上などを期待する声がある一方で、申請手続きの煩雑さや制度理解の不足などの課題が利用の障害として挙げられています。また、調査において具体的なコメントとして、アルバイトの扶養範囲内の調整や人材不足、勤怠管理の複雑化などが浮かび上がりました。このような課題解決には、対策の具体的な周知などが必要とされます。

調査概要

調査期間:2024年3月5日~11日
調査対象:弥生にユーザー登録している中小企業※2の経営者・労務担当者1,217名
調査方法:インターネットによるアンケート調査

*調査データの引用に関するお願い
調査データをご使用いただく際は、下記クレジットをご記載ください。
出典:「中小企業の経営者・労務担当者の「年収の壁」に関する意識調査」弥生調べ
データを加工してのご使用はお控えください。グラフデザインの再作成は可能です。

※2 調査対象の従業員数内訳
~9名:417
10~19名:236
20~49名:302
50~99名:147
100名~:115

「年収の壁」について

年収の壁とは、税金や社会保険料がかかり始める年収の金額を指します。年収の壁を超えると手取り収入が減るため、パートタイムで働く人の多くが労働時間を調整しているといわれます。年収の壁の影響でパートタイム労働者の稼働時間が限定されると、多くの企業で人手不足に陥ることが懸念されます。

弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに「年収の壁」に関する調査を実施

「年収の壁」対策について

106万円の壁、130万円の壁に対応するには、厚生労働省が新設した「年収の壁・支援強化パッケージ」を活用できます。
106万円の壁についてはキャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースにより、年収106万円を超えて働くなどして新たに社会保険適用となった労働者の収入を増加する取組を行った事業主に助成されます。130万円の壁については事業主の証明によって、収入が一時的に上がり年収130万円を超えたとしても、被扶養者認定を受けられる制度です。

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弥生株式会社について

弥生はスモールビジネスの事業の立ち上げと発展の過程で生まれるさまざまな課題にお応えする「事業コンシェルジュ」をビジョンとする企業です。会計・商取引・給与計算などのバックオフィス業務を支援するソフトウエア「弥生シリーズ(クラウドサービス/デスクトップソフト)」と、起業や資金調達などを支援する「事業支援サービス」の開発・販売・サポートをしています。代表的な製品・サービスである「弥生シリーズ」は登録ユーザー数310万を超え、多くのお客さまにご利用いただいています。

代表者:代表取締役 社長執行役員 前山貴弘
創業:1978年
従業員数:978名(派遣・契約社員含む、2023年9月現在)
事業内容:業務ソフトウエアおよび関連サービスの開発・販売・サポート
本社所在地:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX21F
URL:https://www.yayoi-kk.co.jp

【プレスリリース「弥生、中小企業の経営者・労務担当者向けに『年収の壁』に関する調査を実施」(PR TIMES)より|2024年4月4日・弥生株式会社】

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