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コラム

「組織内サイレントマイノリティ」須東朋広


社員がイキイキ働けるために―【第一回】なぜ組織・職場は劣化したのか?

2016.11.11

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約7割の社員が職場に何らかの不満を持っているという調査結果がある。不満の中身の半数近くは「業務遂行上の問題に関する不満」であり、次に3割近くは「職場内人間関係の不満」であった。

バブル崩壊後、売り上げが伸びない中、企業にとっては、経営として利益を出すためにどう効率化していくべきかが重要な課題となった。加納(2007)※は「超効率主義」という低コスト高効率を極限まで追求しようとする傾向が現代社会にまかり通っているという。具体的には働く人に対して「学歴も業績も問わない。即戦力となる人材が可能な限り低コストでほしい。ルーチンな作業をこなすのは高いコストのかかる正社員でなく作業量に応じて調整のきく非正規の社員で補いたい。幹部候補として育てるためには途中で退職する可能性が低く、育てた後も長く貢献してくれるできるだけ若い人材の方がよい」という風潮があるとしている。

高度成長期時代、職場リーダーは、トップの意向を部下一人ひとりのやる気が出るように言葉を選び直して伝える一方、部下の不満をきちんと「提案」という形に仕立て直して経営側に伝えることをしていた。その当時は様々な部署をローテーションで回らせ、その人の仕事ぶりや周りとの協調性に対する社内の「評判」を職場リーダーの登用に反映させていた。職場リーダーは、親方-弟子関係と呼べるくらい深い付き合いを通して、仕事を教え、人との関わり方を通して人間力を高める指導を社員に行っていた。これが有名な「徒弟制」である。そうして育てられた社員の中から、仕事ができ、かつ人望も備わっている魅力溢れる社員をリーダーに任用して、活力ある職場を作り、社員はイキイキとモチベ―ション高く働いていた。80年代後半、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた日本的経営の強さはこのようなリーダーシップの連鎖によって培われてきたからである。

バブル崩壊後の「超効率主義」的な考え方は、高度成長期時代の「人間力」を見てきた「評判」を度外視し、計数管理に強い人材を職場リーダーに据え、経営効率のために組織や業務の効率化を主導させた。また90年代後半には「リストラ」という社員解雇への着手を通じて社員との「心理的契約」は崩れ、やる気を奪い、職場の元気を奪ったのである。

その後21世紀に入り、リストラという社員減らしに加えて、現存する社員の給与にも手をつけるために成果主義が導入された。失敗が報酬につながるだけに、社員には、目標設定において無難な企画や短期的プロジェクトに終始しようとする姿勢が生じ、個人主義・短期志向に陥った。また、仕事や人に余裕がなくなり、OJTや技術伝承がなかなか進まなくなり、職場(現場力)は衰退していった。

職場を衰退させるマネジメントの在り方の特徴としては
・行き過ぎた効率重視人材の登用
・感情のない一方的なコミュニケーション
・職務不明確と過重労働を強いたストレッチ過多
・ノルマ管理と結果のみへの着目
という傾向が見られた。

結果を出して初めて人間扱いされ、部下の状況や心情を配慮しない。とにかく、業績必達のために、毎朝夕の会議で数字の到達状況と必達のための方法について報告を求める。面談も評価結果と改善点を一方的に通達、成長という名の業績向上するための方法について問われる。無限地獄の職場と化して、ワーク・ライフ・バランスとは名ばかりで長時間労働とサービス残業が蔓延した。そんな職場がいたるところで見受けられる。社員の安心安全は失われ、不安と危機を増大させる職場と化した。そのような職場リーダーの下ではマネジメントそのものが機能せず、社員が育たず戦力化もままならない。優秀な社員はモチベーションが低下、やる気を失い面従腹背に徹し言われたことしかやらない、また転職で職場を去るものも少なくない。その結果、職場は荒み業績が悪化した。社員の中にはメンタル不全を訴える人が増加した。

高度成長期においてはGDP成長率の伸び率は9~10%あった。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に見られるように、今よりも良い生活を手に入れるため、人々は汗水たらして働く。豊かになりたいという明確で迷いがなかった時代に出来た雇用人事システムは時代にマッチしていた。しかしバブル崩壊後、GDP成長率が1%程度という時代に高度成長期の雇用人事システムを機能させることに無理はないのだろうか?働く人の心に寄り添わない企業にとって都合の良い雇用人事システムに書き変えたことが、職場(現場力)の衰退をもたらしたのではないだろうか? 次回は現在からこれからに向かって、社員がイキイキ働けるために日本的雇用人事システムの残すべきこと、変えるべきことについて触れていきたい。

※加納寛子『情報社会論―超効率主義社会の構図』

執筆者紹介

須東朋広(すどう・ともひろ)(一般社団法人組織内サイレントマイノリティ代表理事) 2003年、最高人事責任者の在り方を研究するため、日本CHO協会を立ち上げ事務局長として8年半務める。2011年7月からはインテリジェンスHITO総研リサーチ部主席研究員として日本的雇用システムの在り方の研究から中高年、女性躍進、障がい者雇用、転職者、正社員の雇用やキャリアについて調査研究活動を行う。組織内でなんらかの理由で声を上げられない社員が増え、マジョリティ化しつつあることに対して、2016年10月、誰もがイキイキ働き続ける社会を実現するために『一般社団法人組織内サイレントマイノリティ』を立ち上げ。

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