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【就職白書2024】24卒採用予定数を充足できた企業は36.1%、2月以前の動き早まる

2024.02.26

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リクルート(東京・千代田)の研究機関・就職みらい研究所は2月20日、学生の就職活動および企業の2024年卒採用活動の実態、2025年卒以降の採用見通しについてまとめた『就職白書2024』を発表した。

発表によると、24卒生を「採用予定数を充足できた」企業が36.1%と前年に比べ減少、内々定・内定出し開始時期は「卒業年次前年の2月までの累計」が18.6%と増加しており、2月以前の動きが早まっている。2025年卒の採用予定数は平均32.1人と、採用意欲は引き続き堅調と見られる。以下、リリースより。

関連記事:エントリー数前年比1.6倍、内定承諾率が大幅改善 。「note pro」がいま採用担当者に選ばれる理由とは?

学生(2024年卒振り返り)調査トピックス

入社予定企業等への就職活動開始当初の志望度は「当初からの第一志望群」が64.0%(2023年卒差+2.5ポイント)と増加。入社予定企業等に就職することへの納得度は「当てはまる・計」が77.2%(同+4.8ポイント)と増加。

就職白書2024

卒業年次5月までに最初の内定を取得する割合は70.4%。入社予定企業等からの内定取得時期は「卒業年次6月」が18.7%(同+0.4ポイント)で最も高い。実質就職活動期間は7.87カ月(同-0.49カ月)と約半月短期化。

就職白書2024

  • 就職活動プロセスの実施状況は、2023年卒に比べ「プレエントリー社数」「エントリーシートなどの書類提出社数」等が減少。一方、「内々定・内定取得社数」は前年同水準。
  • 最初の内定取得後に就職活動を継続した割合は68.7%で、継続した理由としては「より志望度の高い企業の選考を受けるため」が76.1%、次いで「内定取得先の企業でいいのか不安に感じたため」が27.0%であった。

企業(2024年卒振り返り)調査トピックス

採用充足状況は、「採用予定数を充足できた」企業が36.1%(2023年卒差-4.3ポイント)と減少。

就職白書2024

採用数が計画より少ない理由としては、「選考応募者が予定より少なかった」が66.2%(同+14.5ポイント)で最も高く、「内定辞退が予定より多かった」は43.4%(同-9.3ポイント)と前年より減少。

就職白書2024

  • 「採用予定数を100」とした場合の最終的な内定人数は80.7と、2023年卒の89.2から減少。未充足企業に限定した内定人数の割合は69.3と、2023年卒の81.1と比べて減少。
  • 内々定・内定出し開始時期は「卒業年次前年の2月までの累計」が18.6%(同+6.6ポイント)と、2月以前の動きが早まる。

企業(2025年卒以降の見通し)調査トピックス

  • 2025年卒の採用予定数は平均32.1人(2024年卒実績+0.6人)と引き続き採用意欲は堅調。
  • 採用活動開始時期の「卒業年次前年2月までに開始」の割合は、面接(対面)39.4%(同+13.0ポイント)、 面接(Web)49.8%(同+13.7ポイント)。
  • 2025年卒向けのキャリア形成支援プログラム(※1)の「実施(予定含む)」は56.3%。そのうち、【タイプ1】オープン・カンパニーの「実施・計」は90.1%、【タイプ3】汎用的能力・専門活用型インターンシップは41.6%。

※1 キャリア形成支援プログラムとは、インターンシップをはじめ、オープン・カンパニー、キャリア教育を含むキャリア形成支援に係る取り組みの総称を指す

解説 全般的に学生優位。企業は中長期のキャリア開発支援を

全体では入社先への納得度が増加する一方、納得していない学生も微増傾向

2024年卒学生の入社予定企業等へ就職することの納得度は77.2%と、前年と比べ高まりました。
前年同様、6割弱の学生が卒業年次前年9月までに就職活動を開始しており、インターンシップ等をきっかけに就職活動を意識して行動するスタイルが学生の中で定着してきたように見えます。プレエントリー社数やエントリーシートの提出社数など、活動量の減少が見られますが、内定取得社数は前年同水準でした。約7割の学生は内定を取得しても活動を継続しています。

より志望度の高い企業を受けること、内定先に不安を感じることなどが理由として挙げられ、内定を取得するだけでなく、納得のいく内定を得るまで活動を継続する様子がうかがえます。全体としては学生優位な環境ですが、入社予定先に納得していない学生も微増しています。

採用充足の割合は調査開始以来で最低。活動は早期化するも、確保人数の割合は減少

採用充足企業の割合は36.1%と、前年に続き調査開始の2012年卒以来で最低値を更新し、厳しい状況が続きます。
未充足企業に限定して、採用予定数に対する最終的な内定人数の割合を見ると、7割を下回る結果となり、2023年卒の約8割から大きく低下しています。採用基準も「緩くした」が「厳しくした」を上回り、柔軟に対応しながら採用数を確保しようとする動きが見られます。

未充足の理由として「選考応募者が予定より少なかった」を挙げる企業が増えており、学生のエントリー数の減少の影響とみられますが、募集段階で苦戦する様子がうかがえます。激しい採用競争の中、面接開始や内定出し開始の時期も早まりました。

採用意欲は堅調。2025年卒向けキャリア形成支援プログラムの実施は56.3%

2025年卒採用は、構造的な人手不足もあり2024年卒に引き続き堅調な採用意欲を維持しており、すでに採用開始時期を決めている企業は、2024年卒よりも面接や内定出しの開始を前倒す意向が見られます。
採用方法として「スカウト・オファー型の採用」の実施予定が増加し、積極的な学生との接点づくりがうかがえます。「採用直結と明示したインターンシップからの採用」の予定も増加していますが、これは三省合意の改正により、インターンシップの枠組みが改められたことの影響も考えられます。

2025年卒より、就業体験要件や実施期間要件など5つの要件を満たすプログラムのみをインターンシップと呼称するようになり、そこで取得した学生情報は卒業年次前年3月より広報活動に、卒業年次6月より選考活動に使用できることとなりました。
上記のインターンシップを含む2025年卒向けキャリア形成支援プログラム全体の実施割合は56.3%でした。

調査を終えての所感

現在の就職・採用環境は、企業の採用意欲が堅調に推移する中、全般的には学生優位な状況と言えます。しかし、2024年卒の大卒求人倍率における5,000人以上企業の倍率は0.41倍と、大手企業については求人総数を就職希望者総数が大きく上回る状況で、全ての学生が当初の希望通りに内定を取得できるわけではありません。

多くの選択肢がある中で、納得できる1社を選ぶためには、就職活動を通じて、自分らしいと思える選社基準を探索し、他者のモノサシに振り回されることなく、自身で進路を決定することが重要になります。これまでの自身の経験をしっかり振り返るとともに、今後どのような人生を過ごしたいかを思い描き、社会との接点を通じて自分なりの選社基準を磨いていただきたいです。

学生の近くにいる学校関係者の皆さまには、学生が自分らしい判断軸を持って進路を選ぶことができるよう、内省支援の機会を提供していただきたいと考えています。企業の皆さまにおかれましては、短期的な採用充足だけを目的とした採用選考者の観点だけではなく、学生一人ひとりが自分らしい人生を歩んでいけるよう中長期のキャリア開発支援を目的としたキャリアアドバイザーとしての観点からも、情報開示や採用コミュニケーションを進めていただきたいと考えています。

【解説】

株式会社リクルート 就職みらい研究所 所長 栗田 貴祥氏栗田 貴祥(くりた たかよし)
株式会社リクルート 就職みらい研究所 所長

プロフィール(略歴)
1992年、株式会社リクルートに新卒入社、HR事業領域に従事。新卒採用・中
途採用・教育研修等の営業、営業・スタッフ部門の部門長、リクナビ編集長
を経て、2022年4月より現職。採用・就職に関するリサーチ活動を行いながら、
行政・経済団体の就職に関する会合に有識者として委員参加。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査対象:調査協力会社のモニターにスクリーニング調査を行い、民間企業等を対象に就職活動を行った全国の大学4年生・大学院2年生
有効回答数:1,802人
調査期間:2023年11月22日~2023年12月4日
調査機関:就職みらい研究所

【企業調査】
■大学生・大学院生の採用活動振り返り調査
調査方法:郵送調査・インターネット調査を併用
調査対象:全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の企業4,826社
有効回答数:1,488社(回収率30.8%)
調査期間:2023年12月1日~2024年1月10日
調査機関:就職みらい研究所

本件の詳細をこちらより御覧ください
『就職白書2024』2024年卒の就職・採用活動の振り返りと、2025年卒の採用見通しを調査(1MB)

※画像も上記詳細リリースより抜粋

【プレスリリース「『就職白書2024』2024年卒の就職・採用活動の振り返りと、2025年卒の採用見通しを調査」より|2024年2月20日・株式会社リクルート】

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