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人事の10分読書vol.36『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』

2024.02.20

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@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。
第36回は、石角友愛氏の著書『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)を紹介する。

>>>「人事の10分読書」シリーズ

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目次
  1. おすすめポイント
  2. 著者プロフィール
  3. 『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』の要点
  4. AI時代を生き抜くためのリスキリング
  5. 【必読ポイント!】 リスキリングを成功させる方法
  6. 一読のすすめ

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おすすめポイント

「ChatGPT」の登場で、既存の様々な職業がなくなるかもしれない。そんな主張を目にする機会が増えた。AIの進化により、仕事でどのような可能性が広がるのか、新しい情報を追うだけでも精一杯という方もいるのではないだろうか。

革新的なテクノロジーが急激に広がるときは、危機ではなくチャンスといえる。いまでは大きく発展したIT企業や一般的になっているITの職種も、かつては変革を通じて誕生した。とはいえ、具体的にどのようにAIによる変革の波に乗ればよいのか、これまでのスキルをどう活かせるのか、不安を感じることもあるだろう。

本書では、リスキリングを成功させるための具体的な道筋が解説されている。今後は、過去に培ってきたスキルに相乗効果をもたらす新たなスキルを掛け合わせて、統合し、一生学び続ける「π型人材2.0」を目指すことが大事だという。

リスキリングといっても、大学院に通ったり資格をとったりするようなものから、本を読んで教養を得るものまで様々だ。個々の希望するキャリアや現在持つリソースに応じて、多様なリスキリングの道筋が存在する。

本書では、一人ひとりの強みや経験を基礎にして、どうすれば効果的なリスキリングができるのか、実践的なステップやアドバイスがふんだんに紹介されている。必ずや、自分に合ったキャリアの地図を描く方法が見つけられることだろう。

【大賀祐樹 (ライター詳細)】

著者プロフィール

石角友愛(いしずみ ともえ)
パロアルトインサイトCEO/AIビジネスデザイナー
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、芝国際中学・高等学校に対しAI人材育成プログラム「AIと私」を提供。順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)および東京大学工学部アドバイザリー・ボード、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。日経クロストレンド、毎日新聞、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などテレビ出演も多数。著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)、『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)など多数。
パロアルトインサイトHP:https://www.paloaltoinsight.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』の要点

  1. 大学で4年間学んで40年働くという「4to40」の時代から、4年間学んだ知識で4年間働くという「4to4」の時代へと変化している。そんないま、リスキリングの重要性が増している。
  2. リスキリングを成功させるには、これまでの自分のスキルに相乗効果をもたらす新たなスキルを掛け合わせて統合し、一生学び続けるという「π型人材2.0」になる必要がある。
  3. 前提条件を手放し、スキルを評価、分析して、リスキリングを実行し、条件交渉をして、スキルを統合するというのが、リスキリングのための「LEARN+A」ステップだ。

AI時代を生き抜くためのリスキリング

「4to40」から「4to4」へ

画像:『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』

日本では、生成AIの話になると、なぜか「ChatGPTでなくなる職業はどんな職業か?」というように、「ChatGPTに仕事を奪われる」という前提で話が進むことが多い。しかし、問題の本質は、「どんな職業が残り、なくなるのか」ではない。「どんな人が(良い条件で)働き続けられて、どんな人が働き続けられなくなるのか」という点である。

シリコンバレーではすでに、この新しい技術を使って、仕事をどこまで効率化でき、その時間で何を提供できるかを考えるフェーズに入っている。そもそもシリコンバレーでは、新しい技術を学べないと職を失う可能性が高まる。そのため、最初からChatGPTに代替されない仕事は何かといった議論はされない。定期的にリスキリングしなければ生き残れないと考える人が多いので、ChatGPTのような革新的なテクノロジーの登場にもすぐに対応しやすいのだろう。

大学で4年間教育を受けて40年働き、60歳で引退するという「4to40」のキャリアの時代が終わりつつある。これからは、4年間学んだ知識で4年働き、学び直しをしてスキルアップしてまた働くという「4to4」のキャリアの時代に突入する。

働く側は、学び直しによって新しいスキルや幅広い知見を得ることで、常に市場にとって自分の関連性(レレバント)が高い状態でいられ、求められる人材であり続けられる。企業の側も、社外から人を採用するよりリスキリングのために社内投資をしたほうが、コストを6分の1程度に抑えられるという試算がある。最近では日本でも、リスキリングの重要性が説かれており、一生学び続けないと働き続けることはできないという考え方が広がりつつある。

AI時代に求められる人材

リスキリングをするためには大学院に入ったり資格を取ったりしないといけないと思われるかもしれない。しかし、リスキリングには様々なレベルがある。ChatGPTのようなツールを使いこなせるようになったり、動画や書籍から教養系の知識を得たりするだけでも立派なリスキリングだ。必要なタイミングで学び直しができる人とできない人とでは、今後の給与水準や仕事の環境が大きく変わってくるだろう。

一生稼げる力を得るために、何をどのように学んでいけばよいのか。必要なのは、変化に対応できる「学びのプロ」になることだ。単に次々と資格を取得するだけでは時代に取り残されてしまう。学び直しは足し算ではなく、掛け算的な効果をもたらすものである必要がある。そこでキーワードになるのは、「π型人材2.0」と「LEARN+Aステップ」の2つだ。

これまでビジネスの世界で優秀とされてきたのは、ひとつの分野に深い専門知識を持つ「I型人材」や、深い専門分野と幅広い視野を持つ「T型人材」、別の専門分野を持った人との橋渡しや連携ができる「H型人材」だ。

「π型人材」とは、強みとなる専門分野を2つ(以上)持ち、それらをつなぐ広い視野を備えている人を指す。リスキリングの本質は、このπ型人材になるための学び直しだといえる。変化が激しいAI時代では、それをさらに進化させたπ型人材2.0こそ求められる人材像となる。

π型人材2.0

画像:『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』

本書 図2-9「π型人材2.0」のイメージ

π型人材2.0とは何か。πの文字の左脚の部分が、自分が現在持っているスキル、つまり「ドメインスキル」だ。企業で何年か働いたことがある人なら、営業スキル、マーケティングスキル、エンジニアとしてのプログラミングスキルなど、何らかのスキルが身についているはずである。このドメインスキルが何かを見つけるためには、スキルの棚卸による整理からリスキリングがスタートする。

つづいてπの文字の右脚の部分が、リスキリングで獲得する新しいスキルの「スパイク(とがった)スキル」だ。スパイクスキルは、ドメインスキルと相乗効果をもたらすものを選ぶことが重要になる。リスキリングは、足し算ではなく掛け算で考えることで、効果が何倍にもなるからだ。

ドメインスキルとスパイクスキルを統合する力が、πの字の横軸となる「マスタースキル」であり、これを「統合力」と定義することができる。イノベーションはゼロから生まれるのではなく、何かと何かを掛け合わせて生まれることがほとんどだ。異なる知識や分野、技術を結びつけて新しい価値を創造するように、ドメインスキルとスパイクスキルをマスタースキルで関連づけて統合できるのがπ型人材である。さらに、短いスパンの変化に対応して数年おきにリスキリングを行い、スパイクスキルを追加して、以前のスパイクスキルをドメインスキルとして強化させることでπのサイズを大きくしていけるのが、π型人材2.0である。

【必読ポイント!】 リスキリングを成功させる方法

「LEARN+A」ステップ

π型人材2.0を目指してスキルを増やすためのステップは、本書では「LEARN+A」ステップとして紹介されている。

「L」はLet goの略で、リスキリングをスタートさせるために今ある常識などの前提条件を手放すステップのことだ。

「E」はEvaluateの略で、自分のスキルを評価することでドメインスキルを洗い出すステップである。

「A」はAnalyzeのことで、何をスパイクスキルとして選べば効果的な掛け算になるか、選択肢を分析する段階になる。

「R」はRoll outを意味し、選んだリスキリングを実行する段階である。どうすれば挫折せずに効果的にスパイクスキルを手に入れられるかを考える必要がある。

「N」はNegotiateのことで、リスキリングによって得た力で会社側と条件を交渉する段階である。

そして「+A」とは、Associative Thinkingを意味する。ドメインスキルとスパイクスキルを統合する力としてのマスタースキルを表している。

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