「会計事務所白書2023 デジタル化に関する意識調査」株式会社ミロク情報サービス
義務化の電子取引データ保存には「これから対応」が30%以上も。「会計事務所白書2023」を公開
2023.12.14
ミロク情報サービス(東京・新宿 以下「MJS」)は、会計事務所および企業・事業主など780名を対象に実施したデジタル化に関する意識調査の結果を、「会計事務所白書2023」として発表した。調査期間は2023年9月28日〜2023年10月16日。
会計事務所白書2023:https://www.accnt.jp/report/2023/
調査結果によると、電子帳簿保存法への対応で会計事務所は、「完全に対応している事務所」が7%、「これから対応する事務所」が50%と、多くの事務所がこれから対応する段階である一方で、企業・事業主では、「部分的に対応が完了している」が44%、「これから対応する」が30%、「完全に対応している」は15%と対応のフェーズが企業により異なっていた。対応が進まない理由として、会計事務所と企業・事業主の双方で「制度に対する理解不足」が主な理由として挙げられている。以下、リリースより。
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調査背景
近年、国はデジタル化を大きく推進し、その動きを無視できない状況にありますが、多くの会計事務所や企業・事業主がデジタル化の流れに関心があるものの、その裏では物価指数の高騰や人材不足問題など、デジタル化を足踏みするような状況もあることも想像できます。
これらを踏まえ2023年度の会計事務所白書は、「デジタル化に関する意識調査」をテーマに、DX、AI、電子帳簿保存法、インボイス制度に関する調査を実施いたしました。ここに、調査結果の要旨をご報告いたします。
調査概要
- 調査名 :会計事務所白書2023 デジタル化に関する意識調査
(会計事務所編/企業・事業主編) - 調査主 :株式会社ミロク情報サービス
- 調査対象 :合計780名
―会計事務所(職員含む)272名
―企業のバックバックオフィスまたはIT担当者、事業主 508名 - 調査期間 :2023年9月28日~2023年10月16日
- 調査エリア:全国
- 調査方法 :インターネット調査
調査結果(要旨)
<会計事務所編>
- デジタル化の課題は「データの連携や統合」をはじめ、複合的な課題が存在
- AIで効率化できる業務は「仕訳業務」が多数となり、業務効率化が期待されている
- インボイス制度対応の課題は、「業務負担の拡大」と「制度への理解」がネック
- 5割の事務所が電子帳簿保存法の電子取引データ保存に「これから対応する」
- 顧問料の値上げは3割の事務所が実施
- 4割の事務所が顧問先からITに関するサポートを求められている
<企業・事業主編>
- デジタル化の課題は「従業員のスキルアップ」と「データの連携や統合」が多数
- 社内にITに強い人材が「いる」企業・事業主が5割以上
- AI導入による主要なメリットとして、効率化と正確性が求められる傾向
- 取引先から受領する請求書の形式は「紙と電子両方」の企業・事業主が約8割
- 3割の企業・事業主が電子帳簿保存法の電子取引データ保存に「これから対応する」
- 顧問事務所からの補助金案内は「あった」「なかった」がほぼ同数
※調査結果をウェブで公開中です https://www.accnt.jp/report/2023/
調査詳細(一部)
今後デジタル化(AI)で効率化できる業務
- 会計事務所では、「仕訳業務」が68%で最多
- 企業・事業主では、「経理処理」が49%で最多、「データ分析」「給与・勤怠管理」など定期的に発生する業務も約4割を占める
➡会計事務所、企業・事業主ともに会計業務に対して効率化の期待が集まる
Q 今後デジタル化(AI)で効率化できる業務は何ですか? (複数選択可)
<会計事務所編>
<企業・事業主編>
ITに強い人材の確保
- 会計事務所では、「いない」が66%
- 企業・事業主では、「いる」が56%
➡会計事務所と企業・事業主でITに強い人材数に差がある状況
Q ITに強い人材が事務所内・社内にいますか?
<会計事務所編>
<企業・事業主編>
インボイス制度開始後、取引先から受領する請求書の形式
- 「電子データと紙の両方」が81%で最多
➡取引に合わせて柔軟な対応ができるよう備えている企業が多い状況
Q インボイス制度開始後、取引先から受領する請求書の形式は何ですか?
<企業・事業主編>
インボイス制度対応で課題になったこと
- 会計事務所では、「業務負荷の拡大」「制度に対する理解」「顧客や取引先との調整」がそれぞれ60%前後
- 企業・事業主では、「制度に対する理解」が58%、次いで「業務負担の拡大」が45%
➡会計事務所、企業・事業主ともに課題は同じ傾向にある
Q インボイス制度への対応で課題になったことは何でしたか? (複数選択可)
<会計事務所編>
<企業・事業主編>
電子帳簿保存法の電子取引データ保存対応の状況
- 会計事務所では、「完全に対応している事務所」が7%、「これから対応する事務所」が50%と、多くの事務所がこれから対応する段階
- 企業・事業主では、「部分的に対応が完了している」が44%、「これから対応する」が30%、「完全に対応している」は15%と対応のフェーズが企業により異なる
➡完全に対応しているのは一部の会計事務所、企業・事業主の結果となった
Q あなたの事務所・会社では電子帳簿保存法の電子取引データ保存対応はどの程度進んでいますか。
<会計事務所編>
<企業・事業主編>
電子帳簿保存法の電子取引データ保存・電子インボイスへの対応が進まない理由
- 会計事務所、企業・事業主ともに「制度に対する理解不足」が最多
➡「必要性を感じていない」は会計事務所が3割で企業・事業主が1割となり認識に多少の差がある
Q 電子帳簿保存法の電子取引データ保存や電子インボイスへの対応が進まない理由があれば、その主な理由を教えてください。(複数選択可)
<会計事務所編>
<企業・事業主編>
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応による業務の効率化の状況
- 会計事務所、企業・事業主ともに「きっかけにならなかった」「わからない」が7割を超えている
➡会計事務所、企業・事業主とも効率化は限定的
Q 電子帳簿保存法とインボイス制度の対応は業務の効率化のきっかけになったと思いますか?
<会計事務所編>
<企業・事業主編>
会計事務所検索エンジン(https://www.accnt.jp/)
2023年11月1日より、インボイス制度の施行による経理担当者への負担や、経理現場の本音を実体化するべく、「経理の叫び解消プロジェクト」と銘打ち、特設WEBサイトを公開しました。特設WEBサイトでは上記の調査結果を始め、経理担当者の方々に寄り添ったコンテンツをご覧頂くことができます。
株式会社ミロク情報サービス(MJS)について(https://www.mjs.co.jp/)
全国の会計事務所と中堅・中小企業に対し、経営システムおよび経営ノウハウならびに経営情報サービスを提供しています。現在、約8,400の会計事務所ユーザーを有し、財務会計・税務を中心とした各種システムおよび経営・会計・税務等に関する多彩な情報サービスを提供しています。
また、中堅・中小企業に対して、財務を中心としたERPシステムおよび各種ソリューションサービスを提供し、企業の経営改革、業務改善を支援しており、現在、約10万社の中堅・中小企業ユーザーを有しています。
【プレスリリース「会計事務所・企業など対象の「会計事務所白書2023」デジタル化に関する意識調査結果を発表」|2023年12月6日・株式会社ミロク情報サービス】
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