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見据えるべきは人材確保のその先。「叶え合う」価値観が新しい採用成果を生む【採用サイト制作】
2023.11.07
株式会社パラドックス(東京・渋谷)は、「志の実現に貢献する」ことをミッションに掲げており、ブランドコンサルティングとクリエイティブ開発を掛け合わせた豊富なノウハウで独自の価値提供を実現している。近年、特に課題が多岐にわたる採用領域でも存在感を発揮し、単なる人材確保を目的とはせず、企業のビジョン実現を加速させるべく、未来を共創する同志との価値観マッチングを軸とした採用コミュニケーションを支援している。
これまで多種多様な業界/業種のクライアントとともに採用ブランディングを手がけてきたブランディング・ディレクターの遠藤晋太郎さんと企業の理念浸透度を可視化するサーベイシステム「visions survey」の開発に携わったPARADOX創研の主任研究員の井手亮介さん(下写真)に、企業理念や事業内容、同社が提唱する「叶え合う組織」について語っていただいた。【取材2023年5月25、31日。聞き手:池田亮貴、文:黄理愛】
唯一無二の“志”を見つけ、言語化する。企業と従業員の「同志度」を測れるサーベイも
――御社の事業内容についてお聞かせください。
遠藤晋太郎さん(以下、遠藤):弊社は「志あふれる、日本をつくる。」の企業ビジョンに基づき、“志ブランディング”を軸にしたサービスを展開しています【下画像】。企業向けには、志実現に長期視点で貢献するため大きく4つの領域で、ブランディング戦略立案からクリエイティブ施策まで一気通貫で提供しています。
企業だけでなく個人に向けても、その人の「らしさ」や「強み」を見つけることで、誇りを持って働き、生きることを各事業を通じて応援しています。
私たちは、志の定義を「その人や企業にしかできない、世の中への唯一無二の役立ち方」としています。何のために生きるのか、働くのか。そうした意義や目的を見失ってしまうと、道を誤ってしまうこともある。
目的やそのための手段といった価値観を整理し、明確にし、差別化を図ることで、志――各々の「強み」や「らしさ」創出の実現に貢献したいと考えています。
ビジネスブランディング領域では、主にBtoB企業ほか自治体などの理念と経営の言行一致を図るために細部まで浸透させるサポートをしており、パーソナルブランディングの領域では、学生・若手社会人向けのコミュニティスペース運営やオウンドメディア事業に加えて、子どもたちの自由な表現を後押しする「じぶんに出会うアトリエ教室」Visions Paletteの運営などもしています。
――ビジネスブランディングの内容について詳しく教えてください。
遠藤:ベースとなっているのが、その企業にしか果たせない独自の「志」を理念として言語化、視覚化するコーポレートブランディングです【上画像】。まずは根幹となる部分、経営に対する価値観が言語化されていなければ長期的な成長を見据えたスタートは切れません。
よく使われる「顧客第一」「誠実・勤勉」というような標語の内容それ自体は大切なものですが、ブランディングという観点で考えると差別化が必須です。
その企業がなぜ創業し、今に至るまでどのような経緯があり、世の中の課題に向き合う過程でいかに強みを培ってきたか。目先の流行だけに捉われず、企業として変えてはならない不易のバランスを大切に、独自性のあるストーリーを紐ときながら企業理念に落とし込んでいきます。それによって説得力はもちろんですが、他社が簡単に真似できないブレない幹が作られるのです。
その後はブランドストーリーに基づいて、企業活動の全方位に理念が行き渡るように設計します。人事評価制度やマネジメントなど、インナーブランディング(理念浸透)の領域にもつながっていきますね。
井手亮介さん(以下、井手):理念は作って終わりでなく、作ってからが始まりです。理念と経営手法が言行一致され、さらに従業員の志とも重なっていなければ意味がありません。理念の実現に向けて必要な施策を、企業に伴走しながらご提案する。それが弊社のインナーブランディングです。
その際に大切にしているキーワードが「叶え合う組織」です。企業から一方的に行う従来型の理念浸透は、さまざまな価値観を持って働く従業員たちのモチベーション低下や不満を招きかねません。企業が大切にしていることだけを伝えるのではなく、企業側も働く一人ひとりの志を理解し、相互に貢献する。これを「叶え合い」と表現しています。
そうした思想に基づいて、弊社が独自に用いている計測指標が「同志度」というもの。専門のサーベイシステム「visions survey」を活用して企業と従業員の志の重なり度合いを可視化し、現状と打ち手を探ります。
「叶え合う組織」を実現するためには企業と従業員、双方が志を理解することが必要です。志は「価値観・強み・ありたい姿」に分解することで測りやすくなります。「visions survey」ではそれら要素に関する設問と、また前提として心理的安全性が担保された企業であるかどうかを把握するための設問が用意されています。
画像のグレーで色分けされている部分は、回答者の自己認識を測る設問です。ピンクは企業が従業員をどれだけ理解・尊重しているか、反対にブルーは従業員が企業をどれだけ理解・尊重しているかを知るための設問になります。
選択項目だけでなくフリーテキスト欄もあるため回答が形式的にならず、従業員の心境や考えが把握しやすい点もポイントです。
インナーブランディングを導入するハードルの高さの一つに、成果が見えにくいという懸念があると思います。気合を入れて始めても、だんだんと何をしているか分からなくなってくる。ダイエットにも似ていますが、変化が数値で分かればモチベーションを持続できます。
「叶え合う組織」も一見すると抽象的に感じてしまう表現かもしれません。だからこそ現状を可視化するための指標作りをし、現状を曖昧にしないことにこだわりました。サーベイで課題や次の打ち手に気づきPDCAを回す過程で、業績や採用といった他の領域での成果も目に見えるようになってきます。
「何を提供しているのか」ではなく「何のために事業を行っているのか」。志を伝えることで、既存の採用活動では出会えなかった潜在層に届く
――近年の採用市場を見ながら感じること、今後の展望についてお聞かせください。
井手:現在、採用市場は企業より求職者の立場が強い、いわゆる「求職者が企業を選ぶ」時代になってきていますし、その流れは加速すると見ています。
これからは従業員一人ひとりが充実感を持って働く、それによって全体の業績も伸びていくというwin-winの関係を作れない企業は必然的に苦しくなっていくであろうことが容易に予測できます。実際に、大手企業が率先して人的資本経営の取り組みを進めていますよね。
そうした大きな流れの中、私たちは今まさに新たな採用戦略を打ち立てていくスタート地点に立たされていると感じています。
遠藤:採用サイトを例に挙げてお話しすると、事業領域はこれで、こんなプロジェクトストーリーがあって、社員の仕事はこれこれで…といったような企業情報の紹介だけに留まる作りはそろそろ脱しないといけない。そもそもの企業のDNAや価値観がどんなもので、それが目の前の仕事の目的や意義にはどう落とし込まれているかを、きちんと求職者の共感を生むコミュニケーションとして伝えられる採用ブランディングを行うことが大切だと思います。
とくに訴求すべきポイントは「何を提供しているのか/what」ではなく「何のために事業を行っているのか/why」ですね。目的→手段という順番で伝えることで同業他社との差別化を図り、これまで魅力が届いていなかった潜在層にもアプローチできるという考え方です。
やはり自ずと志を軸にした展開が必要になります。そのため、私たちがコーポレートブランディングを手がけたほとんどの企業で、採用ブランディングまで伴走させて頂いています。
井手:時間をかけて手がけていくため、KPIに追われていたり、採用にあまり時間や労力をかけたくない/かけられないという企業には刺さらないサービスかもしれません。逆に言うと、その時点である程度のスクリーニングにもなっている。志を言語化するためには自社のあり方を一度すべて見直さなければならないので、本気じゃなければ取り組めないんですよね。
一方、採用活動で見据えるべきは採用成果という入り口ではなくて、その先のカルチャーフィットや定着・活躍です。長期視点で企業も従業員も幸せになれる安定した経営を目指すなら「叶え合う」という考え方は無視できません。そうした認知をもっと広げていきたい。
遠藤:弊社が提唱する志の大切さは、企業だけでなく求職者にも啓蒙しています。志を持って生きていこうとする社会人・学生を応援すべく、昨年度には「visions」という新しいメディアプラットフォームも開発しました。衣食住に続いて「働」も、これからの時代はその人らしさを表現するスタイルのひとつになっていくと私たちは感じています。
志というものは概念なので、形にするのはもちろん難しい。しかし、数多くのブランディングを手がけてきた経験から、ストーリー作りと言語化には特別な自負があります。これからもさまざまな志を実体へ着地させることに知恵を絞り、私たちの使命である「志あふれる、日本をつくる。」の実現に努めていきます。
※情報は取材時点。記事内の画像は株式会社パラドックスより提供。
サービス紹介:志の実現に向け、未来を共創する同志を集める。「採用ブランディング」
企業にとって採用活動とは、志や理念を実現するために必要不可欠な同志集めであるとし、志を軸にしたその企業独自の採用ブランディング(メッセージング、コミュニケーション設計、クリエイティブアウトプット)を通じて、価値観や考え方に共感するターゲットとの出会いをつくっていく。
サービスの詳細や問い合わせ
https://prdx.co.jp/business/recruit/
会社情報
株式会社パラドックス
本社:〒150-6013 東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー13F
代表:代表取締役 鈴木猛之
設立:2001年
事業内容:企業、個人向けの各種ブランディング事業
HP:https://prdx.co.jp/
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