株式会社ヤマシタ
2024年度から新人事制度導入とともにみなし残業制度を段階的に廃止。生産性向上と、従業員のワークライフバランスを重視
2023.10.10
みなし残業手当を本給に組み込むことで「残業を前提としない働き方」へ
福祉用具レンタル・販売事業およびリネンサプライ事業を展開するヤマシタ(静岡県島田市)は10月3日、2024年度からみなし残業手当を本給に組み込む方針を明らかにし、段階的にみなし残業制度を廃止することを発表した。低い等級の社員から順次導入される予定で、リネンサプライ事業のドライバーに関してはみなし残業を継続する。
ヤマシタは、2030年までに850億円の売上を目指し、長期ビジョン2030『EX→CXを強みに非連続成長へ』の下、従業員のワークライフバランスを尊重し、「残業を前提としない働き方」の推進を決定した。この方針は、2024年4月に導入予定の新しい人事制度の一部として位置づけられ、報酬や評価の体系を大きく見直すことで、人財を中心とした経営の実現を目指している。以下、リリースより。
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みなし残業制度撤廃の背景
ヤマシタでは、長期ビジョン2030『EX→CXを強みに非連続成長へ』において、「EX=従業員の仕事のやりがい」と「CX=顧客の体験価値」を相互に高め合う好循環を強みに、2030年に850億円の売上目標を掲げています。
そうした中、EXからCXの好循環を生み出すには、まず、従業員のワークライフバランスが重要であるという考えのもと、『残業を前提としない働き方』に変えていくというメッセージを従業員に強く示す必要があると判断し、みなし残業制度を原則、撤廃するという決定に至りました。
なお、これは2024年4月導入の新人事制度の一部です。新人事制度では、報酬、等級、評価の制度と、働き方や成長支援の仕組みを抜本的に変え、従業員、組織の成長を加速する人的資本経営を実現する仕組みを目指しています。
概要
現在の当社のみなし残業手当は、役割等級制度(※1)のもと、等級ごとの役割給として支給しています。
2024年度からの取り組みでは、この役割給(みなし残業手当)を本給に組み込むことで、みなし残業制度を撤廃し、勤務時間数に応じて時間外勤務手当を支給します。みなし残業制度の撤廃は、2024年度から2026年度まで、等級別で段階的に行う予定で、まずは低い等級の社員から順次みなし残業手当を本給に組み込みます(※2)。
※1 社歴や年齢に関わらず、従業員に任せる役割に応じて等級を設定し報酬などを決める人事制度
※2 リネンサプライ事業に従事するドライバーについては、みなし残業を残す方針
今後
現状と同じ時間残業が実施された場合、2024年から2026年の累計で約6.6億円の人件費増を見込んでおり、生産性の向上による残業時間の削減が大きな課題となります。
ヤマシタではDXの推進や、拠点横断で業務改善を実施していく「業務改善会議」などで、生産性向上の取り組みを加速しています。その一例として、2022 年 7 月より開始した福祉用具のレンタル・販売契約における電子サインシステムの導入では、全社で月間約 1,100 時間(※)を削減しています。こうした生産性向上の取り組みを並行して行うことで、「残業を前提としない働き方」に変えていくことを目指します。
また、働く環境や生産性の向上を通じてEXを高めることで既存従業員の報酬を引き上げ、採用力の強化にもつなげていきます。
※2022 年8月~2022 年 12 月の月間平均の試算で、契約関連の事務作業を含めた月間総削減時間
代表取締役社長 山下和洋のコメント
ヤマシタは、長期ビジョン2030で『EX→CXを強みに非連続成長へ』を掲げ、“超高齢社会” “観光立国推進”といった社会的課題に向き合い、未来社会に貢献する会社を目指しています。
未来社会に貢献するためには、顧客価値を創造し、業界の変革をリードできる力が必要ですが、その源泉は、まぎれもなく人財です。「EX=従業員の仕事のやりがい」を高め、お客様に豊かさや期待を超えた感動体験をお届けするためには、まずはヤマシタの従業員の人生が豊かであることが必要だと考えました。
みなし残業は、捉え方によっては「給与に含まれているのだから、残業分はしっかり働くべき」という誤った認識を植え付ける可能性があり、長期ビジョン2030で進めていきたい生産性の向上や生活の質の充実という考えに反しています。従業員に仕事の時間と生活の時間のバランスをとってもらいながら、事業の非連続成長につながる生産性の高い働き方を制度面から支援したいと思い、みなし残業制度の撤廃に踏み切りました。
株式会社ヤマシタについて
1963年の創業以来「正しく生きる、豊かに生きる」を企業理念に掲げ、リネンサプライ、介護用品レンタル・販売の両事業で業界大手のポジションを確立。従業員の仕事のやりがいと顧客の体験価値を相互に高め合う好循環を強みに、2030年に850億円の売上目標を掲げている。
DXにも注力しており、既存事業×テクノロジーによってサービス品質と生産性を向上させながら、周辺の事業領域や海外にも進出。業界再編と高付加価値化の実現に挑戦することで非連続な成長を成し遂げ、2050年には売上高1兆円を目指す。
会社概要
所在地:本社:静岡県島田市中河 737
東京本部:東京都港区港南二丁目15番3号品川インターシティC棟8階
設立:1963年3月6日
代表者:代表取締役社長 山下和洋
事業内容:福祉用具レンタル・販売、居宅介護支援事業、リネンサプライ事業等
売上高:268.0億円(2023年3月期)
従業員数:2420名(2023年3月末日時点)
URL:https://www.yco.co.jp/
【ニュースリース「福祉用具レンタル、リネンサプライのヤマシタがみなし残業制度を廃止」より|2023年10月3日・株式会社ヤマシタ】
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