人事の10分読書vol.31『孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み』
2023.09.20
@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。
第31回は、三木雄信氏の著書『孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み』(PHP研究所)を紹介する。
この記事は「会員限定記事」です。全文を読むには@人事の会員登録(無料)が必要です。
「学び続けられる組織」が育つ。本の要約サービスflier
本の要約サービスflierは、良書との出会いを促進する時短読書サービスです。ビジネス書のエッセンスを1冊10分で読める分量に要約しています。社員が負担なく効率的にビジネストレンドにキャッチアップできるため、自己成長に積極的な風土がつくれます。
▼累計250社が法人導入している書籍を通じた学びの場はこちら
https://bit.ly/3RvaNUs
おすすめポイント
本書の著者は、ソフトバンクグループの孫正義社長の下で、ナスダック・ジャパン市場開設や日本債券信用銀行(現:あおぞら銀行)の買収、通信事業の立ち上げなどといったプロジェクトのプロジェクト・マネジャーを務めてきた三木雄信氏だ。三木氏は「孫社長が指定する期日は、いつも最短最速でした」と振り返っている。まだソフトバンク社が今ほどの規模でなく、人手や予算などのリソースが限られている中、オフィシャルな権限のない著者は失敗の連続だったという。そのような経験を通して構築したノウハウをまとめたのが本書だ。
目まぐるしく環境が変化する中、業種・業態にかかわらず、不測の事態に対処し、道を開く「プロジェクト的な仕事」が増えている。その一方で、ビジネスパーソンがプロマネのノウハウを教わる機会はほとんどないし、現場を完璧に回せる人は決して多くない。裏を返せば、プロマネのスキルを身につけられれば、チャンスがそこかしこに転がっているということだ。実際、三木氏は、「『プロマネができる人材』はどの業界でも引く手あまた」と書いている。
プロマネが今なぜ、あらゆるビジネスシーンで求められているのか。そして、プロマネはそれぞれの場面で何をすべきか――。プロマネの極意を細やかにまとめた本書を読めば、時代が変わっても市場価値の高い人材でいられるだろう。
【Judas (ライター詳細)】
著者プロフィール
三木雄信(みき たけのぶ)
1972年福岡生まれ。東京大学経済学部卒業後、三菱地所を経てソフトバンクに入社。2000年、ソフトバンク社長室長。
マイクロソフトとのジョイントベンチャーや、ナスダック・ジャパン、日本債券信用銀行買収、およびソフトバンクの通信事業参入のベースとなったブロードバンド事業のプロジェクトマネージャーを務める。2006年にトライオン株式会社を設立、2015年に英語コーチング・プログラム『TORAIZ(トライズ)』を開始。日本の英語教育を抜本的に変え、グローバルな活躍ができる人材の育成を目指している。『【新書版】孫社長にたたきこまれた「数値化」仕事術』(PHP研究所)など著書多数。
『孫社長のプロジェクトを最短で達成した 仕事が速いチームのすごい仕組み』の要点
- できるプロマネの条件は「一緒に仕事をする人たちの時間を奪わないこと」だ。プロマネがうまく機能すると、最小の時間で最大の成果を出せるだけでなく、プロマネの評価がますます上がり、別のプロジェクトを担当するときもいいメンバーを集められる。
- プロジェクトの成否は、立ち上げ段階に大きく左右される。特に「チャーター(権限移譲証明書)」を書いてプロジェクト・オーナーに示す手順は必須だ。オーナーの意向やイメージを正確に把握して了承を得ることが、その後のプロセスで手戻りを発生させないために極めて重要である。
- スケジュール管理には「ガントチャート」より「プロジェクトマネジメントシート」のほうが効率的だ。
なぜ今「プロマネ」が必要とされるのか
進む「日常業務のプロジェクト化」
「プロマネ」とは、プロジェクト・マネジメント、あるいはプロジェクト・マネジャー(以下、プロマネ)を略した言葉だ。
これからの時代は、あらゆる仕事が“プロジェクト化”し、管理職のみならず、すべてのビジネスパーソンにプロジェクト・マネジメント能力が求められるようになる。その一方で、日本ではプロマネのスキルを有した人が圧倒的に少ないのが現状だ。
本書における“プロジェクト的な仕事”の定義は3つある。まず、明確な納期または締め切りがあり、ある一定期間に行なう仕事。次に、(日々継続的に仕事を一緒にしているわけではない)他部門の人、あるいは外部の企業や個人と共同で進める必要がある仕事。最後に、過去にやったことがない仕事で、達成したい目標は定まっているものの、それを実現する具体的な手段や手順があらかじめ明確になっていない仕事だ。
ビジネス環境が変化し、「AI化」「グローバル化」「カスタマイズ化」「高速化」の進む昨今では、これらの定義から外れる仕事のほうが珍しい。いわば「日常業務のプロジェクト化」が進んでいるのだ。この時代を生き抜くためには、プロジェクト・マネジメント能力を身につける必要がある。
プロマネに求められる能力
プロジェクト・マネジャーの役割をひと言で表現すれば「コミュニケーションの調整役」である。ここで言うコミュニケーションとは「横のコミュニケーション」、つまり他部門や外部の人とのやり取りだ。
プロマネに求められる横のコミュニケーションは、縦のコミュニケーションよりも難易度が高い。プロマネには人事権がないため、メンバー配置や評価を通して自身の働きやすい環境を構築することができないからだ。極論を言えば「プロマネに嫌われても、直属の上司に嫌われなければいい」と考えるメンバーがいてもおかしくない。加えて、様々な立場の人とやり取りをするため、言葉や文化の壁に直面することも多い。
「できるプロマネ」の条件
できるプロマネ」の最も重要な条件は「一緒に仕事をする人たちの時間を奪わないこと」だ。
「時間を奪う」の典型例として、上層部やクライアントの鶴の一声で仕事が振り出しに戻ってしまうケースがある。このケースでは、それまで作業に費やしてきた時間がムダになり、さらなる手間がかかって、納期に間に合わせるために残業せざるを得なくなる。また、上司やクライアントの了承を得ないために無駄な待ち時間が発生するケースも、メンバーの時間を奪うことにつながる。メンバーはひたすら待たされた上、突然「ようやくゴーサインが出たから、今日中にこの仕事をやってくれ」などと言われ、結局残業することになってしまう。
こうした状況が続くと、プロジェクトにアサインされることを嫌がる、またアサインされても手を抜くメンバーが増え、プロジェクトは機能しなくなるだろう。
一方、相手の時間を大切にするプロマネであれば、メンバーの士気は高く、最小の時間で最大の成果を出せて、プロマネの評価はますます上がる。そして、別のプロジェクトが立ち上がっても、「あの人がプロマネならぜひ一緒にやりたい」と手を挙げる人がたくさん出てくるはずだ。
プロジェクト・マネジメントの4つのプロセス
プロジェクトで重要なのは「品質」「納期」「コスト」のバランスだ。プロジェクトの目的を達成するために、「アウトプットのクオリティ」「スケジュール」「予算や人員」という3つの要素を調整しながら進める必要がある。
プロジェクト・マネジメントは次の4つのプロセスに整理できる。
- 立ち上げ:プロジェクトに関する重要事項の整理・明確化、プロジェクトの依頼者であり最終責任者であるオーナーとのすり合わせなど
- プランニング:タスク出し、スケジューリング、定例会の設定など
- 実行:定例会、進捗管理、様々な見直しなど
- 終了:評価、振り返りなど
こちらは会員限定記事です。
この記事の続きを読むには、@人事へのログインが必要です。
{{error}}
会員登録がお済みでない方は
こちらから登録を行ってください。
編集部おすすめサービス&関連記事
「チャットボット」「AI採用」ソフトバンク人事の業務効率化
ソフトバンク株式会社は2017年5月29日、新卒採用の選考にAIを活用することを発表。時代に先駆けて、新たな技術を活用し、大胆な業務効率化を実現しています。今回は、同社人事本部で、採用・人材開発統括部の統括部長を務める源田泰之氏に「IT技術を使った人事部門の効率化」について、お話をお聞きしました。
>>詳細をチェックする【@人事編集部】
元トリンプ代表・吉越浩一郎氏が語る、業務効率化の掟
赤字続きだった「トリンプ・インターナショナル・ジャパン」株式会社を、スピードと効率化を重視した経営手腕で女性下着業界第2位にまで成長させた吉越浩一郎氏。「働き方改革」の先駆者であり、実践者である吉越氏に、「業務効率化」「生産性向上」の極意についてお聞きします。
>>詳細をチェックする【@人事編集部】
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。
「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
企画会員限定
人事の10分読書vol.30『栗山ノート』
@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。第30回は、栗山英樹氏の著書『栗山ノート』(光文社...
2023.08.21
-
企画会員限定
人事の10分読書vol.29『これから市場価値が上がる人』
@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。第29回は、北野唯我氏の著書『これから市場価値が上...
2023.07.20
-
企画会員限定
人事の10分読書vol.28『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』
@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。第28回は、『一番大切なのに誰も教えてくれない メ...
2023.07.05
-
企画
Z世代の社員マネジメントの未来を探る 後編
Z世代が組織に長期的に貢献するためのアプローチ
現代の職場では、Z世代の社員をいかにマネジメントし、彼らのモチベーションを維持し続けるかが重要な課題の1つとなった。Z世代は、個人の価値観や成長を強く意識する傾向があり、組織の中で...
2024.11.19
-
企画
Z世代の社員マネジメントの未来を探る 前編
個人人格と組織人格のバランスと尊重
1990年代半ばから2010年代前半に生まれたZ世代は、従来の世代とは異なる価値観や働き方を持つことから、職場において新たなマネジメント課題を生み出している。特に、彼らは個人の価値...
2024.11.19
-
企画
中小企業の働き方改革実践
「早上がり制度」で1,000時間削減・生産性向上を実現。ハタメタルワークスの働き方改革とは?
働き方改革の一環として、長時間労働の改善と生産性向上を両立させることは、中小企業にとって大きな課題である。今回、株式会社ハタメタルワークス(東大阪市)が導入した「早上がり制度」によ...
2024.10.04
あわせて読みたい
あわせて読みたい
人気の記事
国内・海外ヘッドライン
THE SELECTION
-
PRTHE SELECTION企画
「置き型健康社食」がもたらす可能性とは
健康経営、採用強化、コミュニケーション活性化にも。 手軽に導入できる「食」の福利厚生
-
PRTHE SELECTION企画
街なかの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で、もっと社員の顔写真管理をラクに
社員証の写真、「最適化」できていますか? チーム力を強化する顔写真データ活用法とは
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
特集「人手不足業界の逆襲」~外食産業編~
「見える化」と「属人化」の組み合わせが鍵。 丸亀製麺が外食業界を変える日
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION会員限定特集
働きやすい職場づくり~サイバーエージェント編
「妊活支援」や 「働くママ・パパ支援」を、 一部の社員のものにしないためには?