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定着する採用のために。共感でマッチングするビジネスSNS【Wantedly】

2023.08.07

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少子高齢化による人手不足、価値観の多様化により、「待ち」の採用の限界が指摘されている。ウォンテッドリー株式会社(東京・港)は、「攻め」の採用のプラットフォームとして、ビジネスSNS「Wantedly」を提供する。サービスの特徴や背景について、取締役COOの恩田将司さん(下写真)にお話を伺った。【2023年5月23日取材:池田亮貴、文:鈴木詩織】

ウォンテッドリー株式会社_取締役COO_恩田 将司(おんだ・まさし)氏

目次
    1. 条件ではなく価値観でマッチングするビジネスSNS
    2. 定着には共感が重要
    3. 「想い」を軸に、双方向の情報発信を
    4. 求職者の新しい価値観に合わせた採用
    5. 採用マーケティングツールとして、情報発信の支援も充実
    6. 「共感採用」で「シゴトでココロオドル」
    7. サービス紹介:双方向の情報発信で定着率の高い採用を支援する「Wantedly」

条件ではなく価値観でマッチングするビジネスSNS

当社は気軽にオフィス訪問できる「Wantedly Visit」というサービスをメインに運営しています。サービス内容としては、企業さんが募集を掲載して、それにユーザーさんが応募したり、企業さんからユーザーさんに企業さんの方から送ったりと、仕事に関するマッチングを発生させるのが主な役割です。

サービス概要(株式会社ウォンテッドリー)

Wantedlyのサービス

一つの特徴としてはカジュアル面談、いきなり面接という形ではなく、まずお互いのことを知りましょうという面談を行って、お互いの理解をしてから面接に臨めるようなフェーズを設けてマッチングをしている点です。
もう一つは、いわゆる条件面、給与や勤務条件などは、募集に載せてはいけないというルールになっていることです。企業さんにどういう人がいるか、またはどういう「想い」で会社を運営しているかというような、価値観や事業面のミッションに対してマッチングを組むのが大きな特徴です。

採用活動(就職活動)のプロセスとしては、面接の前の段階を一つ挟むことになります。従来ですと履歴書、職務経歴書を出していきなり面接からスタートという流れになると思いますが、Wantedlyでは本人のアカウントのプロフィール情報というものがありまして、それをベースにお話をしましょう、というカジュアル面談が最初に行われます。その後、面接に進むかどうかという話をしていく。面接に進むことになれば、法律上条件などを明示しなければなりませんので、そのタイミングからは企業側から条件を明示していただいて、通常のいわゆる面接を進めていく形です。そうして選考が進んで、最終的にWantedlyの中で内定まで出る、入社までたどり着く、というケースも多いです。

通常の求人情報を見るときは条件面から絞り込むことが多いですが、ここでは「面白さフィルター」のようなもので最初に絞り込むので、順序が逆転します。仕事を選ぶ際のプロセスに構造的な変化が起こるわけです。

定着には共感が重要

当社はまずユーザーである求職者さん側の課題解決のところから始めたという面が非常に大きいです。「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションで会社を運営していますが、「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」ためには、どういう会社で働くのかがとても大切だというのが入り口でした。給与条件などの面でマッチングしてしまうと、より良い給与、より良い役職があれば他の会社へと移ってしまうので、定着して長く働いてもらうためには会社への共感が必要と考えたのが、サービスの始まりです。

ひるがえって、人事の方々からすると、今日は人材の流動化が激しくなっている中で、いかに定着してもらい、活躍してもらうか、ということは大きな課題だと思います。働くモチベーションの理論として、内発的動機づけと外発的動機づけの2つがありますが、内発的動機づけに働きかけることによって、本人がモチベーションを高く持ち、生産性も上げて長く働いてくれるということの実現を目指しています。人事の方々にとって、採用はあくまで一部と言いますか、結果的には入社して活躍してもらうというのがやりたいことだと思います。そこまで見据えたマッチングを行う点が、人事の方々には喜ばれているのではないでしょうか。

共感の重要性(株式会社ウォンテッドリー)

会社に共感していると、仕事に対するモチベーションが高くなる

当社はユーザーファーストで開発をするということが比較的多いので、ユーザーさんの課題を解決すると自然に、と言うと少々言い過ぎかもしれませんが、同時に人事の方側の課題も解決していくということを念頭に置いています。

「想い」を軸に、双方向の情報発信を

Wantedlyは、「想い」を発信するというプラットフォームになっています。どういう人が、どういう気持ちで、何を目指して会社で働いているのかといったことを発信するわけです。そういう面で言えば、スタートアップ企業の方が、これからのビジョンや「想い」を表現しやすい部分があり、比較的使いやすいのかもしれません。

また、ビジョンや「想い」でマッチングをするプラットフォームなので、知名度があまり関係なくなるというのも特徴です。一般の媒体さんの場合、有名企業さんに応募が多数集まるという傾向が出てしまうと思います。それに対してWantedlyは、何をやっている会社かという視点でユーザーさんが選ぶことになるので、表現は良くないかもしれませんが、面白く見えた方が勝つ、応募を集められる。そういう意味では、知名度の低いスタートアップさんなどにとっては、他の採用媒体さんなどに載せるよりも、Wantedlyを運用した方が成果が出やすいという面もあるかと思います。中小企業さんやスタートアップさんにとっては特にそういう利点があるでしょう。

一方で、最近、と言うと少しタイムスパンが短いかもしれませんが、大手の企業さんでも、各企業さんが新規事業に注力しなければならない時代になっているのではないかと思います。そういう潮流の中で、大手の企業さんも、どこを目指して何を作っていくのかということについて非常に発信力が強くなってきていると感じます。そのため、大手でも意外にご利用くださる企業さんも増えてきておりますので、実際には多様な企業さんにご利用いただいているという感触です。

イメージ(ウォンテッドリー株式会社)

Wantedlyでは、画像や募集のタイトル、またはどういう社員を見えるようにするのかといった点や、各テキストもすべてフリーフォーマットになっています。そこで各企業さんの特色が出るような面がありますので、例えば「決まっていないことは決まっていない、だから一緒に考えていってほしい」といった正直な募集などもあります。そういうふうに、自由に企業さんの「想い」や態度を伝えられるという利点があります。

企業側がさまざまな情報を一方的に発信して、それを個人とすり合わせるという方法もありますが、Wantedlyでは個人のプロフィール画面もかなり充実していますので、逆に企業さんからも、その人のやってみたいことなどが見えるようになっています。他の媒体だとそういった記載はほとんどありませんよね。今までどこの大学を出てどこで何をしてきたかということは書いてあるけれども、結局その人が何をしたいのかという面はわからない。利用者さん目線からしても、自分に来たスカウトがなぜ来たのかわからない。Wantedlyの場合は、企業さんからも「あなたのプロフィールの何々を見てご連絡しました」というアプローチができて、お互いに意図が理解できる。

プロフィールイメージ(ウォンテッドリー株式会社)

プロフィール画面のイメージ

要するに、企業側のミッション、パーパスなどの「想い」を発信できて、個人もそれを発信できて、そのお互いの発信している「想い」を軸にマッチングできる、というのが大きな特徴です。

求職者の新しい価値観に合わせた採用

Wantedlyのご利用を検討いただくきっかけは、「今までやってきたことが通用しなくなった」というものが多いです。
もちろん初めて採用活動をする企業さんからのお問い合わせもありますが、これまでも採用活動をしてきた企業さんからお問い合わせを多くいただきます。今まで求人媒体に採用情報を載せていて、それなりに応募が来ていたのに、全然来なくなってしまった、などの変化をきっかけに考え方を変えようと検討される企業さんです。「今までのやり方では全然うまくいかなくなってしまいました」「何か新しいやり方が必要だと感じて」という理由で探して、採用掲載媒体とは違うという点が目に止まってお問い合わせをいただくようなケースがあります。

時代として、「パーパス経営」という言葉もありますが、そういう企業の理念や「想い」が重要視されるようになってきていますので、求職者さんもそういう点にかなり注目されているのではないでしょうか。
企業さんも求職者さんが仕事を選ぶ軸が変わってきていると感じていらっしゃるようです。今までは給与や条件などを一律のフォーマットで提示して、それで選んでもらうやり方が主流だったと思いますが、そうではなくて、「どういう人たちの中で働くか」「精神的満足をどう得るか」といった面を求める若い方が増えてきている。これに対してはやり方を変えなければ、という課題意識で、Wantedlyのような「共感採用」に行き着くという流れですね。

Wantedlyは、共感でマッチングをするというところが一つの差別化ポイントです。さらに採用の内容面について言うと、いらっしゃるユーザーさんの属性が、ソフトウエアエンジニアやデザイナーなど、クリエイティブ系の人材が多いという特徴があります。他社さんではなかなか採用できない、見つからない職種の方が採用できる、というところも、最終的には差別化できるポイントとなっています。

求職者の価値観(ウォンテッドリー株式会社)

求職者の価値観の多様化により、条件だけでは選ばれなくなっている。

採用マーケティングツールとして、情報発信の支援も充実

Wantedly Visitは、「採用サービス」や「SNS」と称してはいますが、「採用マーケティングツール」としても訴求しています。企業側の「想い」をどう表現するか、また、ブログのような機能もありますので、どういうものを書いてどう見せるのかなど、マーケティング要素が多分に含まれているのです。

マーケターの方ならうまくできるけれども、人事の方には少し難しいかもしれない部分もあります。企業さんとの契約時にも、採用手法としては入ってきていただく方々に対してマーケティング的に発信していくことも重要だということをご説明しています。具体的なマーケティングの仕方、手法などは、当社としてセミナーを設けたり、一対一のミーティングでアドバイスしたりというサポートをしながら習得していただいています。

最初のサポートについては、当社としても注力しております。
また、個別のご相談も受け付けております。お問い合わせくださる企業さんには、できる限り、状況などを見ながらアドバイスします。

規模・業界を問わず役立つサービス

実態として、ご利用企業さんの中ではいわゆるITスタートアップと言われるような企業さんが割合としては非常に多いです。

やはりWantedlyのイメージとして、はじめはスタートアップ領域を中心に盛り上がってきたというところから、スタートアップしか使えないのではないかという誤解をされがちかもしれません。けれども実際には、大手企業さんや地方企業さん、ITではない製造業などなど、さまざまな企業さんにご利用いただいていますので、さらに広まっていけば、規模や業界を問わずいろいろな方に使っていただけるかなと思っています。また、中途採用だけではなく新卒採用、学生のインターンシップ採用などでも使えます。

ベンチャー企業の中途採用、転職、といった辺りが主に想起されがちですが、実は企業さんもさまざま、用途も中途だけではなく新卒も含め、幅広く対応できていることを、もっと発信したいと思います。

「共感採用」で「シゴトでココロオドル」

取締役COOの恩田将司さん(株式会社ウォンテッドリー)

Wantedlyは会社への共感を重視していますが、当社の中で、その人が楽しく働く、楽しく「シゴトでココロオドル」ための要素を定義しているんです。
一つは自律的に働く、自分で考えて自分で決めて推進していくということ。
二つ目は、仕事に対する共感、会社がやっていることはとてもいいと思っている、自分の仕事に意味を見いだしていく、といったこと。
三つ目は、挑戦、その人にとって簡単すぎず難しすぎない仕事である。
この3つがそろうと良いとしています。

マッチングの時には共感というのが大きくて、その人にとって、成長しそうな仕事なのかなど、自分と価値観がマッチする企業を選べるようなマッチングを進めていくと、自律・共感・挑戦という、「ココロオドル」定義が満たせていくのではないかと考えています。

※情報は取材時点。記事内の画像はウォンテッドリー株式会社より提供。

サービス紹介:双方向の情報発信で定着率の高い採用を支援する「Wantedly」

Wantedlyのサービスイメージ

「Wantedly」
企業と求職者がそれぞれの情報を発信し、価値観でマッチングすることを目指すビジネスSNS。企業の「想い」に求職者が共感することで、入社後もモチベーションを高く持てるような採用の実現を支援する。

詳細および資料請求はこちら
https://www.wantedly.com/about/list

会社情報

ウォンテッドリー株式会社
本社:〒108-0071 東京都港区白金台5-12-7 MG白金台ビル4F 
代表:代表取締役 仲 暁子
設立:2010年9月
事業内容:ビジネスSNS「Wantedly」の企画・開発・運営
HP:https://wantedlyinc.com/ja

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