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国籍を問わず入社後の“働きぶり”が予測できる心理検査 【内田クレペリン検査】
2023.07.28
「内田クレペリン検査」※は、日本で開発された最も古い心理検査の一つで、産業、教育、医療の現場で、幅広く活用されてきた。採用選抜のみでなく、実は安全管理、メンタルヘルスの領域でも多用されている検査だ。グローバル化に伴い、国内で外国人採用に使われたり、海外進出をしている企業による海外での利用が多いことも特徴である。
この検査は1923年頃から研究が開始され、2023年で100年を数える。長い歴史を持ちながら、進化し続けている「内田クレペリン検査」の魅力と検査の特徴に焦点を当て、日本・精神技術研究所の心理サービス部マネージャー・安井敬子さん(下写真)にお話を伺った。
【2023年5月25日取材:池田亮貴、文:大城理江】
※「内田クレペリン検査」とは、「作業検査法」と呼ばれるジャンルの検査で、簡単な一桁の足し算を一分毎に行を変えながら行い、全体の計算量(作業量)、一分毎の計算量の変化の仕方(作業曲線)と誤答から、受検者の能力面と性格や行動面の特徴を総合的に測定する検査。
面接や質問テストでは見えにくい、入社後の仕事のパフォーマンスを予測する検査
「内田クレペリン検査」は採用試験として取り上げられることも多いのですが、実はもともと‟採用試験として開発された検査ではない”ということが一つの特徴です。企業の採用に限らず、安全衛生管理やカウンセリング、スポーツ指導、臨床試験など、さまざまな場面で活用されています。
採用選抜においては、作為や攻略をしにくい特徴を持つため、応募者の働きぶりを客観的に測定することが可能です。
一般的な適性検査は、受検者が質問に回答していく形が多いかと思いますが、この検査では実際に“仕事”を行ってもらい、その“仕事”のパフォーマンスを客観的に評価します。自己認知や自己理解の程度が結果に反映されにくく、この点が採用選抜において強みとなります。
1年ほど前に、利用者様へ「内田クレペリン検査」に関するアンケートを実施し、当検査を利用いただいている理由をお尋ねしたことがあります。その結果、圧倒的に多かった回答は「他の検査では測れない項目が測定できる」というものでした。面接や質問テストでは見えにくい“仕事のパフォーマンス”を測定できる点が、評価されたのだと思います。
個々の能力だけでなく性格や行動の分析も可能
わたしたちの日頃の“働きぶり”には、持っている能力だけでなく、その能力がいかに発揮されるかが影響し、ここには個人差がみられます。
そして当然のことながら、同じ人の‟仕事”にも波があり、機械のように常に一定の結果が得られるわけではありません。検査を通してたくさんの方の‟働きぶり”を確認しますと、多くの方に共通するパフォーマンスがみられる一方、なかなか他者には見られないような行動特徴を持つ方もいらっしゃいます。「内田クレペリン検査」の結果には、その方その方の“働きぶり”が、日頃どのような行動としてあらわれる可能性があるのかが示されます。
検査を利用している組織には、官公庁(人事委員会、教育委員会、警察ほか)や民間企業、医療機関、教育機関などがあり、利用者の方は自組織が関わる方々(応募者、従業員、生徒など)のパフォーマンスや個性を理解したり、支援したりする目的で検査を活用しています。各組織の利用規模は年間数千人単位から数名までと幅広く、導入時に初期費用がかからないことも選ばれる理由の一つのようです。
安全管理を目的とした活用法
この検査では、受検者の“自己コントロールの特徴”や“事故とも関連するような行動傾向”が見えてきます。 そうしたことから、「内田クレペリン検査」は、採用選抜だけでなく、安全衛生管理の分野でも長く活用されてきました。代表的なのは鉄道業界で、検査は運転手や車掌などの採用時に使用され、その後も心身のコンディションの変化などを継続的に把握するために、定期的な実施が国土交通省の省令で義務付けられています。
製造業でも、かなり古くから(戦前から)事故予防のために活用されていました。そして現在では、製造業や建設業、運輸業などの多岐にわたる業界で安全管理の目的で利用されています。
このように機械操作や運転、体を動かすような仕事を伴う方々に対しての実施は、安全管理上、有効な検査であることが知られています。
メンタルヘルス分野での有用性
「内田クレペリン検査」は、もともと精神医療の現場から生まれた検査で、日本の心理学者である内田勇三郎によって考案されました。そして今でも、医療現場では患者さんに用いられています。診療報酬の対象ともなっており、そういった意味でも安心してご利用いただける検査なのではないかと思います。
企業とメンタルヘルスという観点では、たとえば体調を崩して休職をされている方に対するリワークプログラムの中で利用されています。また復職を検討するとなった際、人事部門が休職者のコンディションを客観的に把握することは難しい面もあるため、検査の結果を通してその方のパフォーマンスやコンディションを把握し、復職可否の判断や復職計画を作成するための参考資料として利用いただいています。
外国人材への利用にも適した検査
検査の利用目的や対象者は、社会の変化にあわせ少しずつ変化をしています。先にお話ししたメンタルヘルス分野もその一つなのですが、もう一つが外国人材への利用です。
「内田クレペリン検査」は“検査中、言葉をほとんど用いない”という特徴を持っています。他の国や文化圏でも利用可能な適性検査として、現在はアジアを中心に14の国や地域で利用されています。各国のデータには、共通でみられる“人らしい働き方”が確認される一方で、国や地域による違いも見えてきています。日本基準での判定に加えて、各国に合わせた基準で判定を行うこともできるため、海外に進出する企業にとって利用がしやすいようです。
また日本国内に目を向けると、わたしたちは人手不足に直面しており、“外国人材の活用”、‟外国人との共生”といったテーマが大きく取り上げられています。日本で働く外国人材の数は今後も増え続けていくと思われます。もし皆さんの会社でも外国人材を採用することがありましたら、「内田クレペリン検査」を思い出してください。客観的な指標を手に入れることで、これまでよりも安心して採用面接に臨めたり、共に働く方の行動特性をいかして配置いただくことができ、社内の生産性向上にも役立てていただけると考えています。
遠隔地からの採用を可能にする、検査の新しい実施方法
オンライン面接や遠隔地採用の増加、また感染予防に対する意識の高まりを受け、「内田クレペリン検査」は新たな実施サービスの提供を開始しています。
その一つが、「UKリモート監督サービス」と呼ばれるサービスです。もともと対面での実施が基本となる検査ですが、このサービスを利用いただくことで、企業は受検者を一か所に集めことなく検査が実施できるようになりました。例えば自宅にいる方も検査が受検できます。“地理的な制約を受けずに優秀な人材を採用したい”という企業様には最適な実施方法です。
もう一点、人事の方には“実施負担を減らしたい”というニーズがありました。先にご紹介した「UKリモート監督」もこの実施負担を軽減するサービスとなるのですが、これとは別に「UK出張実施」と呼ばれるサービスを提供しています。このサービスを利用いただきますと、人事担当者の方は従来の対面の検査実施をまるごとアウトソースできます。実際に利用された人事の方には、“他の採用業務に集中できる”と好評です。
このように、活用シーンの変化だけでなく、検査の実施方法についても選択肢を広げているのが、今の「内田クレペリン検査」です。
採用スピードを向上させる新たな判定方法
環境の変化といえばもう1つ、採用シーンでは採用スピードを上げることへの需要が高まっていると感じます。企業で優秀な人材を迅速に確保したいとのニーズが高まる中、私たちは検査の実施方法だけでなく、新たな判定サービスの提供もスタートしています。
従来の「内田クレペリン検査」は、企業が“受検者から集めた検査用紙を弊社に送付し、弊社が判定する”方式が一般的でした。しかしこの方法は、検査用紙の送付や判定にどうしても時間がかかるため、すぐにでも内定を出したいという企業様には必ずしも適していません。
これを解決するのが「オンライン判定サービス」です。クラウド上にある専用の判定プログラムを利用することで、企業様は検査を実施した当日にも、速やかに検査結果を取得できます。特別な技術を必要とせずに、どなたでも適切な判定を行うことが可能です。
実際、採用スピードを重視するユーザーは多く、「オンライン判定サービス」の利用者は年々増加しています。即日の判定結果の取得に魅力を感じられる企業様には、ぜひ当サービスをお試しいただければと思います。
お問い合わせから気づく、検査への信頼
弊社では日々、導入を検討されている企業様からお問い合わせをいただくのですが、特徴的なのは、“既存の利用者様からの紹介”で問い合わせをいただくことも多いということです。さらに、転職経験者の方が、“以前の職場で「内田クレペリン検査」を利用しており、転職先からあらためて問合せをくださる”というパターンもしばしば見受けられます。このようなお問合せをいただきますと、当検査が皆さまのお役に立てているのだと実感します。今後も信頼され続ける検査であるよう、メンバー一同努力を重ねていきたいと思います。
日本からアジアに広がり、これからも進化を続ける検査
「内田クレペリン検査」は、従来から日本を代表する適性検査の一つとして、また安全管理に役立つ検査として重要な役割を果たしてきました。しかし、この検査を有効にお使いいただけるシーンはそれだけにとどまりません。医療領域と産業領域にまたいだメンタルヘルスの領域での有効活用、そして、グローバル社会の中で、国を超えて利用いただける検査として、これからますますの利用が見込まれています。
「内田クレペリン検査」の面白さは、人ならではのタスクパフォーマンスを“見える化”できることにあり、IT化が進む今日においても、様々なシーンでの活用が期待できます。特に日本国内で働く外国人は増加の一途をたどっており、国籍にかかわらず、互いの強みをいかしながら共に働ける環境をつくる上でも、この検査の重要性は増しています。
さらには、海外進出を考える企業にとっても、現地の応募者や従業員のパフォーマンスを可視化することができるため、進出を後押しするツールとなるのではないでしょうか。
時代は今、大きく変化をしています。その中にありながら、私たち日本・精神技術研究所はこの検査が大事にしてきた部分はぶれずに守りながら、かつ時代にあわせて新しいことにもチャレンジし続けたいと考えています。もし、外国人採用やメンタルヘルス、その他の採用課題でお悩みでしたら、お気軽に弊社のオンライン無料説明会にご参加ください。
今年、私たちは研究から100年の節目を迎えました。ここまで共に検査を育ててくださった関係者の皆さまに感謝しつつ、これからも有益な情報をご提供できるよう、研究と開発を重ねることができれば幸いです。【おわり】
※情報は取材時点。記事内の画像は株式会社日本・精神技術研究所より提供。
サービス紹介:年間70万人が受検する、日本を代表する信頼の心理検査「内田クレペリン検査」
「内田クレペリン検査」は、日本で開発された古い検査の一つで、産業、教育、医療などの現場で年間70万人以上が受検している心理検査。
この検査は、「作業検査法」と呼ばれるジャンルの心理検査で、一桁の足し算を行いながら計算量の変化を観察し、受検者の能力面や性格・行動面の特徴を総合的に評価することができる。また、受検者自身が気づいていないような特徴が作業に表れることもある。官公庁や企業などさまざまな業界で利用され、最近では海外へも展開している。
詳細および資料請求はこちら
https://at-jinji.jp/service/985/1210
■会社情報
株式会社 日本・精神技術研究所
本社:東京都千代田区九段南2-3-26 井関ビル2階
代表:代表取締役 内田桃人
設立:1967年11月21日
従業員数:12人
事業内容:心理測定事業、心理臨床教育事業、心理相談事業
HP:https://www.nsgk.co.jp/
【企画・制作:@人事編集部広告制作部】
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