人事の10分読書vol.29『これから市場価値が上がる人』
2023.07.20
@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。
第29回は、北野唯我氏の著書『これから市場価値が上がる人』(ポプラ社)を紹介する。
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おすすめポイント
コロナ禍を通じて働き方や社会のありようが一変し、これまでの当たり前が通用しなくなってきている。新卒一括採用や年功序列制度をめぐる議論も加速した。今後の日本では労働市場の流動化が進んでいくのではないだろうか。「リスキリング」「学びなおし」というキーワードに注目が集まっているのもそうした社会変化と無関係ではなさそうだ。
たとえ大きな組織に所属していたとしても、決して安穏としていられる時代ではなくなった。いつ不測の事態が起きてもいいように、個人として自己研鑽に努めることが求められている。
本書は、そのような状況下で働き盛りを迎えているビジネスパーソンに向けて書かれた。自分の市場価値を高めるためのさまざまな方法論や実践集が掲載され、ビジネスパーソンとして成長するためのスキルや心構えが詳しく紹介されている。
著者の北野唯我氏は、就職の情報サイトや支援サービスを手掛ける株式会社ワンキャリアの取締役を務める。「とはいえ思考」「思考のじゃんけん」など、オリジナリティあふれる知見の数々は、どれもキャリア設計のプロだからこそ語れるものばかりだ。
20代の若手から40代の中堅まで、一読すればきっと新たな着想やヒントが得られるだろう。「職業人としてどうキャリアを歩んでいくか思案している」、「キャリアプランに自信が持てない」、「会社の中での存在感を増していきたい」。そんな悩みや思いを抱く人におすすめの一冊である。
コロナ禍を通じて働き方や社会のありようが一変し、これまでの当たり前が通用しなくなってきている。新卒一括採用や年功序列制度をめぐる議論も加速した。今後の日本では労働市場の流動化が進んでいくのではないだろうか。「リスキリング」「学びなおし」というキーワードに注目が集まっているのもそうした社会変化と無関係ではなさそうだ。
たとえ大きな組織に所属していたとしても、決して安穏としていられる時代ではなくなった。いつ不測の事態が起きてもいいように、個人として自己研鑽に努めることが求められている。
本書は、そのような状況下で働き盛りを迎えているビジネスパーソンに向けて書かれた。自分の市場価値を高めるためのさまざまな方法論や実践集が掲載され、ビジネスパーソンとして成長するためのスキルや心構えが詳しく紹介されている。
著者の北野唯我氏は、就職の情報サイトや支援サービスを手掛ける株式会社ワンキャリアの取締役を務める。「とはいえ思考」「思考のじゃんけん」など、オリジナリティあふれる知見の数々は、どれもキャリア設計のプロだからこそ語れるものばかりだ。
20代の若手から40代の中堅まで、一読すればきっと新たな着想やヒントが得られるだろう。「職業人としてどうキャリアを歩んでいくか思案している」、「キャリアプランに自信が持てない」、「会社の中での存在感を増していきたい」。そんな悩みや思いを抱く人におすすめの一冊である。
【小林悠樹 (ライター詳細)】
著者プロフィール
北野唯我(きたの ゆいが)
1987年、兵庫県生まれ。神戸大学経営学部卒。新卒で博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で中期経営計画の策定、MA、組織改編、子会社の統廃合業務を担当。その後、ボストンコンサルティンググループに転職し、2016年、ワンキャリアに参画。現在、取締役として、全社戦略、事業開発、広報PR領域を担当。2021年10月、東京証券取引所マザーズ市場に上場。また、各メディアに「職業人生の設計」「組織戦略」の専門家としてコメントを寄せる。「すべてのプロセスにいる、いま挑戦しようとしている人に捧げる本」をモットーに、作家としても活動。著書に『転職の思考法』(ダイヤモンド社)、『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)、『分断を生むエジソン』(講談社)、『仕事の教科書』(日本図書センター)などがある。2020年より、事前審査型オンラインコミュニティ「SHOWS」を主宰。本書が初の新書となる
『これから市場価値が上がる人』の要点
- 経済活動は「価値の交換」である。この資本主義社会の本質である「ビジネス=価値の交換」という方程式から逃げてはいけない。
- 市場価値の高いビジネスパーソンとは、「どこに行ったとしても必要とされる人」のことである。人から必要とされるには、努力するだけでなく、「自分なりの工夫」をしなくてはならない。
- ピンチに遭遇したら「悩むのではなく考える」「圧倒的に行動する」「リーダーが口ではなく行動する」の3点を意識することで、ピンチがチャンスにつながる。
なぜあなたは評価されないのか
価値の交換
経済活動はいうなれば「価値の交換」である。時間を提供して給与をもらう、お金を払って商品を購入するなど、基本的には等価交換で成り立っている。この資本主義社会の本質である「ビジネス=価値の交換」という方程式から逃げてはいけない。
この法則を忘れてしまうととたんに「与えた以上のものを得られない」「誰かからもらおう」という思考が働く。見返りを求めてしまい、結果として他責の考え方に陥る。
とはいえ、見返りを求めないというのも難しい。だから、「結局すべては価値の交換だ」ということに立ち返ろう。給料が低いのも、評価を得られないのも、実際のところ求めすぎているケースがほとんどだ。自分がそれ相応の価値しか提供できていないと考えるべきなのである。
求めすぎ問題への対処法
この求めすぎてしまう問題をどうすべきか。対処方法は2つある。
1つは「足るを知る」を意識し、今あるものに目を向ける。もう1つは投資の概念を持つということだ。
人が価値の交換に不満を持つ時、往々にして時間軸を無視している。自分が与えたことで得られる成果や効果は必ずしもすぐに出るとは限らない。例えば教育がその好例だろう。勉強をしたからといってすぐに成績が上がるわけではないが、長い目で見れば将来その見返りが得られるはずだ。
このように時間軸を長くとり、価値の交換に投資の概念を付け加えるとビジネス上のトラブルや食い違いを防げる。
優秀なビジネスパーソンとは
市場価値の高いビジネスパーソンとは、「どこでも食べていける人」もしくは「どこに行ったとしても必要とされる人」のことだ。
仕事は誰かに必要とされることで成立するため、どんな状況でも常に必要とされることが大切である。
そして、必要とされるための条件のひとつが、工夫ができるか否かだ。努力するのは当然で、自分の考えを持って試行錯誤し、その人なりのやり方で成果を生むということだ。
努力と工夫の違いは、「勉強すること」と「学ぶこと」の違いに似ている。見聞きしたことをそのまま行うのは勉強することであり、自分で決めた目標に向かう過程のなかで得られるものが学ぶことである。そうして得られたものをまた別の目標のために活用するというサイクルが成長につながっていく。
工夫のコツ
工夫する方法を考える際には、「Why(なぜやるのか)」「What(なにをすべきか)」「How(どのように進めるのか)」の3つの視点で目の前の仕事を捉えてみるといい。特にHowの視点は直接的に工夫につながりやすく、これまでとは違う手法を取り入れてみるといいだろう。
なお、誰もができる工夫としては「タスクの時間を短縮する」のがおすすめだ。各タスクにかかった時間を細かく計り、どの仕事にどれぐらいの時間がかかっているのかを定量的に把握する。
ある程度データが積み重ったらそれを分析し、ボトルネックを見つける。その阻害要因を解決できれば、おのずと仕事の実行スピードは上がるはずだ。
とはいえ思考
仕事をしていると、たとえ自分の考えが正しくても、相手にそれを受け入れてもらえないことがある。そんな時は、「とはいえ」という言葉を意識しよう。
例えば、新商品の家電を販売するケースを考えてみよう。セールスパーソンのほとんどは「家時間が豊かになります」「最新技術を使っているので美しい映像が楽しめます」といった、わかりやすい課題や不満を解決するような提案をするだろう。
ここまでは多くの人ができるのだが、その周辺にある感情を意識できる人は決して多くない。顧客が考えそうな「とはいえ、値段が高い」「とはいえ、設置や設定が面倒くさい」といった意見にも対策を練っておけば、よりスムーズなコミュニケーションを行える。
どんなに正しい意見であっても、それに対する「とはいえ」という理由や感情は少なくとも10個はあるはずだ。正しい意見を通したいのであれば、正論を振りかざすのではなく、「とはいえ」までを考えることが大切である。
習慣を見直す
天性や才能は「性質」と捉えるのが正確だ。そうした人の性質は「意識しないで自然にやっていること」や「監督者がいない状態で取りやすい行動パターン」に現れる。
例えば、会社での仕事は上司という監督者が存在し、その環境からの影響を少なからず受ける。一方、監督者がいなければ他者からの影響を受けることなく、内発的なモチベーションからの行動が生まれる。これこそがその人の性質である。
性質が生まれる行動は、やっていて疲れないため、無理なく続けられるのが特徴だ。もしこの性質に起因する行動を、他人を喜ばせることにつなげられれば、周囲からはその能力を「才能」と呼ばれるようになる。
古代ギリシャの哲学者・ディオゲネスは「習慣は第二の天性なり」という言葉を残した。日々の言動、習慣を見直すことで、後天的な天性を手に入れることもできるのだ。
【必読ポイント!】 市場価値を最大化するために
3つの思考法
会議やミーティングで的を射た発言ができるかはビジネスパーソンにとって重要なポイントである。なぜならビジネス上の印象は、話す時の実力が決定要因となるからだ。そして、その実力は思考の深さに表れる。もし思考が浅ければ周囲の人の心を揺さぶる言葉は生むことができない。
思考を深める方法として著者は「思考のじゃんけん」を実践している。これは、「論理的思考」「そもそも論」「アナロジーシンキング」という3つの思考法を組み合わせて、思考を深めていく方法だ。
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