サービスピックアップ
健康データを管理・分析。人事のための健康経営サポートサービス【WELSA】
2023.07.18
高齢化による人口構成の変化や人手不足への危機感により、近年、健康経営が推進されている。そのニーズに応え、インフォコム株式会社は健康経営サポートサービス「WELSA」を提供している。サービスの特徴や目的について、プロジェクトマネージャーの仲矢英之さんと営業リーダーの泉真吾さんにお話を伺った。【2023年5月9日取材:池田亮貴、文:鈴木詩織】
現場の「負」にフォーカス。負担を減らし俯瞰できるデータ化を
WELSAは、一言で言うと、企業の産業保健業務を簡単にし、そしてこれまでよりも健康経営へ一歩進めることができるサービスです。
近年は健康経営というキーワードが注目され、従業員一人ひとりの健康状態を「個」として見るのはもちろんですが、組織全体の健康状態も「集団」として俯瞰し、共通課題を把握して健康経営を進めていくという考え方が主流になってきています。
ストレスチェックに表されるようなメンタルのケアと、健康診断のようなフィジカルの健康管理、この両面を個人、そして組織の両方で見ていくというのが、WELSAの特徴です。
サービスを開発したきっかけは、インフォコムの中でヘルスケア関連の新規事業を立ち上げる動きでした。インフォコムとして以前からストレスチェックのサービスを社外に提供していたのですが、利用する企業さんの中で形骸化してしまってメリットが感じられず、一方で不調者や休職者が減らなくて、「これはメンタルの問題ではないのでは?」という話が出ていました。
よく考えると、メンタルの状況はストレスチェックとしてデータ化されている一方で、フィジカルは未だに紙で管理されており、全然データ化されていない。そのため社内の保健師が経験と感覚で対処している状態で、これでは大元の原因が何で、どういった傾向で不調者が減らないのか分からないのでは、というところが出発点でした。
試しに社内でデータ化したところ、メンタルが原因ではもちろん無くて、運動不足、さらに糖尿病の予備群が圧倒的に多かったのが分かりました。
やはりフィジカルもデータ化して俯瞰してみるというのは非常に価値がある、ということでこの事業がスタートします。
健康診断のデータ化に関しては、あるデータでは全企業の7割以上がまだまだ紙の管理、従業員数でいくと半分以上は紙で、DX化の必要性というのは元々あったと思っています。
国の動きとしても、厚生労働省のデータヘルス計画で、健康診断の結果をデータ化して組織ごとに見るようにと指導してもう何年も経っている。現場の企業の保健師さんも、やらなくてはいけないと思いながらも紙の検診結果を扱っていて何も進んでいない。そういう理想と現実のギャップ、「負」、のようなものがずっとあるなと把握はしていたんですね。
例えば労基署報告一つとっても、元々データで健康診断結果が入っていればいちいち紙を見ながら再検査の対象者の数を鉛筆で正の字つけて数えるような作業は不要なわけで、現場の「負」というのは私たちにとっては非常にフォーカスするポイントでした。
3つのステップで業務効率化から健康課題の解決まで
WELSAは大きく3つのステップでサービスを提供します。
ステップ1:データ化・見える化
健康診断の分野については、まだ紙で管理をされていらっしゃる企業さんが多いです。健康というのはある時点だけで見るものではなく、過去からの積み重ねで見ていくものですが、紙管理だとそれが難しい。また、再検査対象者や不調者、保健指導対象者などの洗い出しやアプローチに、そもそも紙を1枚1枚めくる作業が非常に非効率的であるというのが実態としてあります。それを解決するために、まずはデータ化と従業員へのアプローチのシステム化をご提案しています。
これによって業務の効率化ができ、過去からの経緯も含めて一元管理することができます。
ステップ2:分析・予測
次にステップ2では、蓄積したデータを単純に貯めるだけではなく、より分析的に活用していく「分析・予測」をご提案しています。
具体的には、WELSAの特徴として、健康リスク分析と将来の重大疾病リスク、つまり病気になる可能性の予測機能を兼備しています。
まず健康リスク分析については、健康経営優良法人の認定指標も加味しており、個人、組織の両面で健康リスク分析を行うことができます。また重大疾病リスクについて、これまでは、従業員の方は健康診断の結果だけ見てもご自身の健康状態がよく分からず、自分ごととして考えにくいという傾向がありました。そこで、この生活習慣や健康状態を放置すると自分がどういう病気になってしまうか、よりリアリティを持ってご認識いただくことによって、生活改善をはかったり、行動変容を促したりというようなところが重要になってきます。そのために、疾病リスクの予測機能をご提供しているのです。
これらを使って、個人、組織両面で健康改善の優先順位付けを行っていくことができます。
ステップ3:対策プログラム
最後に、分析ができたら、どこに課題があるかが明らかになっていますので、それに対してステップ3として、「対策プログラム」を提供しております。対策の内容としては、セミナーの開催や、生活習慣の行動変容を促すスマホアプリ、また産業医や保健師によるフォローなど、ご要望に応じさまざまなソリューションを提供していきます。
選ばれる理由:簡単、分析、低コスト
WELSAがユーザー様に評価いただいているポイントを3つほど挙げさせていただきます。
WELSAの評価ポイント1:操作性
比較になってしまいますが、他社さんの提供システムはシステマチックになっているケースが多くて、初見では操作が難しいというサービスもあるようです。
私どものサービスは、皆さんが直感的に操作できるようにUI、UXというのを非常に大事にして画面設計をしております。マニュアルはありますが、マニュアルが無くても操作できるような画面設計になっているというのが、選ばれるポイントの1つ目です。
WELSAの評価ポイント2:分析・予測
2つ目は、先ほどステップ1,2,3とお話ししたうちの、ステップ2の部分です。まさに健康経営を考えられる企業様が多い中で、このような健康リスク分析が非常に注目を集めております。
WELSAでは、機械的にリスク分析をしているのではなく、東京大学や国立がん研究センター、国立国際医療研究センターといったアカデミアとの共同研究により学術的な根拠のある分析をしております。そういった裏付けのある分析結果をもとに、健康課題を優先順位付けできるというところに、魅力を感じていただいております。
WELSAの評価ポイント3:低コスト
企業様の利用ニーズ、従業員人数などによってご利用金額が変動しますので、企業様の規模や用途に合わせてご提案できるところが、選ばれているポイントかと思います。
少しだけ補足をすると、WELSAの利用時には、従業員の一人ひとりにマイページが提供されます。
自分たちの健康診断の結果や、 疾病リスクなどをPCやスマホで見ることができるページなのですが、それも我々の特徴として評価していただいています。要するに、会社から強く言わなくても、そのページを見ることで、従業員が健康に対する意識を高めてくれるというところです。
人事のために作ったからこそ、プラスにつなげるアプローチ
WELSAは、現場の産業医や保健師の方はもちろん、人事の皆さんのために作ったサービスという位置付けができると思っています。
産業医の先生は、リスクを気にされて、 不調者を確実に洗い出して個々に対処していくというのが主なお仕事です。一方で人事はもう少し、例えば生産性の向上や、プレゼンティズム※への対策のように、もっと生き生きと健康的に働いてもらうため、マイナスを潰すだけではなくプラスに持っていきたいという思いがある。そういう部分のお手伝いが、WELSAは得意なのではないかと思っています。
そのためのフィードバックというものを実施しています。ストレスチェックが終わった後に、「御社の状態はこうです」というレポーティングの報告会を開いたり、また、1年間の健康診断が終わった段階で、ストレスチェックと健康診断を合わせて、「全社のフィジカル・メンタルの状態はこうです」というフィードバック会を開催したりしているのです。その場ではお客さんと、「ここが課題ですのでこういう対策をしていきましょう」「もっとこういうところを捉えた方が良いですね」といった話をして、改善に取り組ませていただいています。
※プレゼンティズム:出勤していても、心身の健康上の問題によって十分なパフォーマンスを発揮できない状態
一元管理、DX、ヘルスリテラシーの向上を実現
WELSAは、「組織で働く人々」という視点で言えば、個人に対してもアプローチができるということも特徴かと思います。組織の課題発見というのと、個人にもう少し健康を手軽に、かつ身近に感じていただくという、この2点を実現したいなというのが強い思いですね。
まず、健康経営をやりたいけれど何から始めたら良いか分からないという方は、WELSAを有効に活用していただけると思っております。
また、従業員の健康を一元管理したいというニーズをよく聞きます。
実態として、メンタルとフィジカル、その他勤怠情報なども健康情報の一部ではありますが、これらの情報が散在していて、全く統合できていない。企業としてもHR領域について、一元管理したい、DX化を図りたいというニーズが強くあります。
WELSAは、そうしたニーズに非常に応えられるサービスだと思います。
多くの企業様が、ストレスチェックの仕組みはあるけれど、健康診断は紙だったりして、健康管理のご担当の方は煩雑な業務に追われてしまっていた。将来的な予測をするとか全体を見るといったことに何も手が回らない、課題を発見するのにすごく手間がかかって、難しくて何も手が回らない、というのが現状ではないかと思います。
その辺りについて、ITの力を使ってデータ化し、全体を見える化する。それで実態がはっきりと分かれば、健康経営の第一歩は踏み出しやすいのです。
簡単に現状を見ることができて、次に何をやろうか、何かやりたいなと思えるような環境を作れるというのが、WELSAの第一の役割です。
最後になりますが、従業員に健康意識を持ってもらいたいという点もあります。
従業員自身の健康については、企業に介入してもらいたくないという方は多いです。介入をするためには、従業員に自ら現状把握をして危機意識を持ってもらう必要がありますので、やはり従業員に健康意識を持ってもらいたいという企業さんには、WELSAは非常に適していると思います。
ヘルスリテラシーを高めたいという人事の方の声をよく聞きますので、ニーズがあるのではないかと感じています。
個人に対しても、自分の健康状態を継続的に、手軽にかつ簡単に見られて、リスクについては警告を受け取れる、そういう仕組みを提供できればと思います。
まずは業務を簡単に、そしてその先の分析、施策へ
まずは業務改善をしましょう。産業保健業務を効率的に、楽にしましょう。簡単にできるところは簡単にして、その上で一歩進めましょう。
健康経営を始めたいけれど何から始めたら良いか分からないという方、健康管理のご担当の方が、健康情報を一元管理して簡単に現状を見ることができる。そして次に何をやろうか、何かやりたいな、と思えるような環境を作れるのが、WELSAの第一の役割だと考えています。
※情報は取材時点。記事内の画像はインフォコム株式会社より提供。
サービス紹介:煩雑な業務を支援、健康経営の次の一歩をつくる「WELSA」
「WELSA」
「産業保健業務を かんたんに 一歩すすめる」をコンセプトに掲げる健康経営サポートサービス。メンタル・フィジカル両面の健康情報をデータ化し、会社と個人双方の健康リスクや課題を分析することで、企業の健康経営をサポートする。
詳細および資料請求はこちら
https://at-jinji.jp/service/959/1181
会社情報
インフォコム株式会社
本社:〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-2 東京ミッドタウン・イースト10階
代表:代表取締役社長 CEO 黒田 淳
設立:1983年2月
従業員数:631名(単体) 1,281名(連結) 2023年3月末現在
事業内容:【ITサービス】企業、医薬・医療機関、介護事業者や公共、教育研究機関等に対する情報システムの企画・開発・運用・管理等のITサービスの提供【ネットビジネス】スマートフォン向けの電子コミック配信サービス等の提供
HP:https://www.infocom.co.jp/ja/company/outline.html
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