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コラム

林修三先生のなるほど人事講座


人事・採用コンサルタントが語る「2018年卒採用に関する展望」

2016.09.21

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ついこの前に2017年卒採用がスタートしたと思ったら、なんだかあっと言う間に9月になり、早くも2018年卒採用の企画が動き始めるような時期になってきました。企業によっては、「2018年卒どころか2017年卒すら全然終わってないよ!」という状況もあるかと思いますが、それはそれ、これはこれ、ということで、今回は2018年卒採用に関する展望を考えていきたいと思います。

目次
  1. 全体スケジュールは、2017年卒と同様
  2. 応募企業を絞り込む学生の増加
  3. インターンシップの重要性が一層高まる方向に
  4. まとめ

全体スケジュールは、2017年卒と同様

報道でもありましたが、2018年卒のスケジュールは基本的に2017年卒と同様(3月広報~6月内定解禁)になるようです。とはいえ、今シーズン(2017年卒)でも多くの採用担当者が苦労なさっている通り、このスケジュールはあくまでも建前に過ぎませんが……。

応募企業を絞り込む学生の増加

私が今シーズン(2017年卒)の就活生と接してきて一番強く感じていることは、応募企業の絞り込み度合いが非常に強くなってきているということです。

個々の就活生にヒアリングをしていくと、ネット上での情報収集や会社説明会への参加社数などは昨シーズン(2016年卒)の就活生とあまり違いはないように感じます。しかし、そこから先、「選考に応募する」という段階で途端に絞り込みがキツくなっているようです。

この状況、就活生一人一人の目指す方向が明確であるがゆえの絞り込みであるならば(少なくとも本人達にとっては)問題ないのですが、実態はどうやら違うようです。

大きな理由の一つは、リスクヘッジ思考の欠如です。

応募先企業を絞り込んでいる就活生と話をする際は、「もしそこを落とされたらどうするの?」という質問をぶつけるようにしています。ですが多くの場合、返ってくる答えは「さあ~?」「その時になったら改めて考えます。」というものです。

社会人経験が長い身としては、そんなイチかバチかの勝負でいいのか!? と危機感を感じてしまいますが、彼ら自身は私の気持ちをよそに、特段焦りは感じていないようです。売り手市場(と言われているから)こその余裕ですね。

絞り込みを強めているもう一つの大きな理由として、「手を広げても、うまくやる自信がない」という考え方をしていることが挙げられます。小中高の教育の現場において、「現代の子供たちは自己肯定感が足りない」ということが非常に大きな課題になっていますが、大学生においても同様の課題が現れているようです。

自己肯定感が高くないがゆえに、多くの企業を受けると結果的に1社1社への対策が不十分になり、不採用に近づいてしまうと考えているようです。そのため、むしろ応募企業を絞り込んで十分に対策してから選考に臨んだほうが、かえって結果を出せると考えているように思われます。

いずれにせよ、中小企業にとってはまだまだ受難の採用活動が続きそうですね。

インターンシップの重要性が一層高まる方向に

さて、理由はどうあれ、就活生が応募企業を絞り込む傾向が強い以上、採用企業としては自社に絞り込んでもらうための施策を打たなければなりません。そのため、インターンシップの重要性が、今後ますます高まる方向に進むものと考えられます。

ただし、よほどの大企業を除き、1dayインターンシップはほとんど意味が無いものと考えるべきです。

もはや「1dayインターンシップ=単なる会社説明会」という事実は広く知れ渡っており、そのようなものでは学生を引き付けられません。

また、昨今ではキャリア支援課の肝いりでインターンシップを切り盛りしている大学が増えていますが、彼らの本音は、「単なる職業体験ではなく、ぜひそのまま採用に繋げて欲しい」という点にあります。そのため、少なくとも数日間はみっちりと学生の働きを見てもらえるようなプログラムの準備・実施が期待されています。

そこで、まず何よりも学生が魅力に感じるような経験のできるプログラムでありつつ、かつ自社の求める能力の有無を確認できるような内容での数日間以上のインターンシッププログラムを開発すること。これこそが、今後の中小企業の採用において大きなポイントになってくるでしょう。

そのようなインターンシップに学生が参加した場合、その時点ですでに本人の中では自社への絞り込みが意識されていることになりますし、企業側としても事実上の選考と自社への動機づけを同時に行えることになりますので、まさに一石二鳥、いや三鳥です。

まとめ

ここ数年は、従来の新卒採用活動の枠組みが大きく変化していく過渡期です。新しい効果的な取り組みを開発できれば、企業規模や知名度に関係なく採用力にとって大きなアドバンテージになりますので、ぜひ従来にとらわれない発想で採用活動フローを設計してみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介

林修三(はやし・しゅうぞう)(株式会社ヒュームコンサルティング代表取締役) 1975年生まれ。仙台市在住。東北大学法学部を卒業後、大手自動車部品メーカーの経営企画職~IT企業の人事・採用職を経て現職。現在は東北地方の複数の大学でキャリア系科目講師として学生の就職指導に努めるほか、人事・採用コンサルタントとしても活動中。

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