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特集

「就活アウトロー採用」~採用企業・人事担当者インタビュー


心の奥底の深い部分で、共感しあえるか~求めたのは“普通”じゃない採用

2016.10.05

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前回は就活アウトロー出身で、現在「gCストーリー」で働く佐藤政也さんへのインタビューをお送りしました。今回は、実際に佐藤政也さんを採用したgCストーリーの安部孝之さん(人事労務/広報室 室長)へのインタビューです。

「彼は幸せになれる」確信を持てたから採用した

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gCストーリーの安部孝之さん

「頭はいいけど、人生を相当こじらせている」。それが、佐藤くんの第一印象でした(笑)。当時から彼を知る人間は「変わっていないのはメガネだけ」というぐらい、本当に表情が柔らかくなりました。今は、いい顔で働いてくれています。

gCストーリーでは、「社員一人ひとりが自分らしく働ける職場環境が、個々人と組織のパフォーマンスを最も高くする」と考えています。どこかに不満や疑問を抱えたまま働いている人間がいると、本人だけでなく周囲にも負の影響を与えます。自分を余計に飾ろうとする無駄なエネルギーもすべて仕事に向けてほしいんです。

そんな私たちが、選考過程で見極めているのは、ただ一つ。「企業理念に共感できるか」です。社名のgCは、“growth for Contribution(貢献のための成長)”の頭文字。“きれいごとをしようじゃないか”とも言っていますが、誰かの幸せに貢献するために、成長していこうという考えです。

その理念について表面的に「いいな」と思うレベルではなく、心の底から本気で共感してもらえるかを見ています。それゆえ、面接では、その人の考え方を深く深く聞いていきます。面接でも働くうえでも、自分を飾ろうとしないで、「完全に自己開示してほしい」と伝えています。

ちなみに、新卒採用では平均7、8回面接をして、その前後でもたくさんの社員に会ってもらいます。進行が速いケースでは、2日間ほど集中して、10数名の社員に会ってもらいますが、佐藤くんの面接には3カ月近く時間をかけました。

彼は頭がいいので、これまで自分がどんな人生を歩んできたか、時系列に説明するのは得意なんですよ。その時にどう感じていたか、“きれいな自己開示”もできる。でも、私たちが知りたいのは、もっとその奥にある、心の動き、飾らない考えです。

自分の本当の内面と彼自身ちゃんと向き合えていなかったので、すべてをさらけ出してもらうまで、相当時間がかかりましたね。彼の場合、入社後のほうがむしろ大変だったかもしれませんが(笑)。選考過程では後半になるにつれ、徐々に心を開いてくれるようになりました。

彼がgCストーリーに入社してくれたらきっと成長してくれる。きっと幸せになれる。私たちが、そう確信を持てたので、内定を出しました。

佐藤くんの業務スキルは、まだまだ「新入社員1年目」ですが、根が真面目なのでちゃんと頑張ってくれています。ちゃんと頑張って、失敗して、怒られて、落ち込んで、立ち直っている。面倒見がいい上司のもとで、このサイクルを健全に繰り返しながら経験を積んでいるので、すごくいい状態だと感じています。

つらい遠回りを経験した人間には、「他人の痛み」にものすごく敏感だという強みがあります。そんな彼がひたむきに頑張る姿、葛藤している姿。その熱量は周囲の社員にも、いい影響を与えています。

彼のように高いエネルギーを持ちながら内にこもっていた人間が、その殻を破ったとき。新たな目標に向かう原動力は、すさまじいパワーを持つ、と期待しています。佐藤くんのエネルギーがだんだん強くなっているのを感じますが、「まだまだこんなものではないはず」と今後の成長を楽しみにしています。

“人事担当者”ではなく、“一人の人間”として参加する覚悟

右がキャリア解放区の納富順一氏

いまでこそ、このように未経験者の採用・育成に注力している当社ですが、実は、以前の中途採用ではスキル重視で選考していた時期もありました。業務上必要となるスキルを持つ人を優先的に採用していたんですね。

ところが、gCストーリーは理念と連動した人事評価が独特で、「世の中に貢献できたか否か」が唯一の判断基準です。売り上げも大事ですが、世の中や誰かのための「貢献」にならない売り上げは評価されません。

そんな会社は「売上第一主義」の社員には、居心地が悪いんです。そして、その負のオーラは、周囲にも必ず伝播してしまいます。それに、その人が辞めてしまえば、結局会社の売り上げも下がってしまいます。実際、私が入社して2年目の2013年ごろに、立て続けに数名が退職してしまいました。このタイミングで私が人事を担当する事になります。

実は、私も当時のスキル重視採用で入社した人間です。元々は考え方も売上第一主義で、「プライベートが最優先。仕事は週末に遊ぶためにある」と考えていました。30歳を機に、そういった働き方に疑問を抱き、「何のために働くのか?」という事を改めて考え直しながら転職活動をしていたタイミングで幸運にもgCストーリーに出会ったのです。そんな状況の為、「貢献の為に成長する」という会社の考え方に本質的な意味で腹落ちするまでには、本当に苦労しました。

幸いだったのが、私も10代までは、gCストーリーの理念と同じく「幸せ」が一番大切と考える人間だったことです。10代の後半で家庭の経済事情が悪くなり、そのまま競争社会を生き抜く中で、だんだん「人に負けたくない」「一番になりたい」と変化していた価値観は、2年の月日を要しましたが、元に戻りました。

「人間は『変わる』ことは難しくても、『元に戻る』ことはできるのかもしれない」と、このときから考えるようになりました。自分が人事を担当してからは、採用方針を大きく変更し、スキルより「理念」のマッチングを重視するようになりました。実のところ、そもそも「幸せ」を願わない人は、はたしているのだろうかとも考えています。

しかし、若い世代や未経験者にターゲットを絞っても、社員約80人の小規模ベンチャーでは、知名度もなく、なかなか思うように採用ができません。

“普通”の採用手法では難しいかもしれない――。ちょうどそう感じていたときに見つけたのが、“普通”ではない「就活アウトロー採用」でした。採用“市場”とは違う出会いを求めていた私たちには、すべてがピタリと当てはまるサービスでした。

企業名の看板も下ろして、一人の人間として、まっさらな気持ちで参加するのは、それなりの覚悟も必要でしたが、参加してよかったです。佐藤くんのような、素晴らしい人材が採用できましたから。「就職アウトロー採用」の企業セッションには、何度か参加させてもらっていますが、今後も定期的に利用していくと思います。

執筆者紹介

玉寄麻衣(たまよせ・まい) 1979年生まれ。立命館大学政策科学部卒業。外資系大手人材派遣・人材紹介会社で、営業として主に中小企業の人材採用をサポート。その後フリーランスのライターとなり、人材採用、人材育成、大学教育、広報・PR、企業経営等に関する取材・執筆を行う。

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