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特集

「就活アウトロー採用」~元・就活アウトローインタビュー


「生きているのが楽になった」~元・就活アウトローのその後

2016.09.30

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2回に分けてお送りしてきた「就活アウトロー」シリーズ。ここからは実際に「就活アウトロー採用」に参加し、内定を取った佐藤政也さんへのインタビューをお送りします。

目次
  1. 「いい大学・いい会社・いい人生」
  2. 与えられた課題図書は『嫌われる勇気』

「いい大学・いい会社・いい人生」

元就活アウトローの佐藤政也氏

元就活アウトローの佐藤政也さん

「いい大学に入れば、いい会社に入れて、いい人生を送れる」。僕は、そんな価値観を持つ両親のもと、宮城県の田舎町で何の不自由もなく育ちました。県内トップクラスの高校で、成績も上位。このままいけば東北大学に入り、きっと地元の優良企業に入るんだろうと、親の価値観通りの人生を歩むことに、何の不安も疑問も持っていませんでした。

しかし、その後経済上の都合で高校を中途退学せざるを得なくなりました。

18歳。同級生たちが大学進学していく中、“普通”の就職はあきらめ、東京に上京。昔からあこがれていた脚本家の学校に通い始めました。その後、フリーのライターとなったものの、収入は思うように伸びず、3年後には生活すら危うくなりました。キャリアを立て直すために、当時需要が高かった介護の仕事に就くと同時に、通信制の大学に通うことに。

まじめに3年半仕事と学業を両立していたものの、大学卒業が間近に迫ったときには、自分がなんの為に働いているのか、完全に分からなくなりました。社会福祉士の資格を考えたものの、このまま介護の世界で生きていくのか。そんなことを悶々と考えていたときに、WEBで目に入ったのが「就活アウトロー採用」でした。

20代限定の就職支援サービス。29歳の僕には、最後のチャンスです。瞬間的に「これだ!」と思い、申し込みました。

参加して最初に感じたことは、ものすごく当たり前のことですが「世の中にはいろんな人がいる」でした。僕はやはりどこかで、昔持っていた「いい大学・いい会社・いい人生」のレールに戻りたかった。でも、戻れないことも理解しているからつらくて苦しい。自分の人生を受け入れることが、まだできていなかったんです。

でも、その場にいる就活アウトローたちは、個々人でまったく価値観が違いました。強烈な個性を持つ人間もいるし、僕の価値観と正反対の考えを持つ人間もたくさんいました。僕が参加した回は、合宿はなく、自分たちで考えた内容のワークセッションで、参加者と交流を深めるスタイルでした。

他の回に比べて、時間が長かったそうなのですが、僕には、この時間が本当にありがたかったです。人に弱みを見せるのが苦手で、それまで自分の悩みどころか、高校中退以降の過去すら、他人に打ち明けたことがなかったんです。

本当に時間をかけて参加者たちと交流する中で、少しずつ自分の話ができるようになりました。人生に「正しい答えはない」と気がつけたのもこのころです。

与えられた課題図書は『嫌われる勇気』

それでも、参加当初は「佐藤くん、プライドが高いよね」と言われるだけでもムッとしていました(笑)。当時の僕は、確かにプライドが高かったのですが、自分では「そんなことない」と素直に受け入れることができなかったんです。

そんな僕が、大きく変わりだしたのは、gCストーリーの安部孝之さんと出会ってからです。変にプライドだけが高い僕とは違い、安部さんはフィルターをかけずに物事をまっすぐ見ていました。そして、他人の気持ちにすごく寄り添う方でした。まだ企業名も業務内容も知らなかったけど、「こんな人たちと一緒に働きたい」と感じました。

堅苦しくない面接が順調に1次、2次と進み、期待が膨らむ中、3次面接でうまく話せず、「落ちた」と感じました。すると、与えられたのは課題図書でした。

アドラー心理学の『嫌われる勇気』を読んで何を感じたか。僕にはもっともっと内省が必要で、そこは自分で努力をするしかない。そのヒントになる本ということでした。思えばこのころ、自分では内面を外に出しているつもりでも、結局自分に自信がないから、他人の目ばかり気にしていたんです。

その後、3回の面接を経て、無事内定を頂いたものの、入社後も捨てたつもりだったこの感情が戻ってきて失敗しました。面接で何度も「gCストーリーで働くには、完全な自己開示が必要だ」と言われて覚悟はしていたのですが、やはり新しい環境の中で、「自分をよく見せたい」「恥をかきたくない」「どう思われているか不安」といった気持ちが出てしまっていたんです。“自己開示”は、入社時点でようやく半分だと言われました。

自分も知らない自分の内面と向き合う作業は、本当に苦しい。業務を覚えていくことよりも、むしろそちらのほうが大変でした。アウトローの仲間たちからは、「最も自己開示が苦手な佐藤くんが、最も自己開示を求められる企業に入ったね」と言われました。

実は他に内定もあったのですが、そこは自分の内面を出し切っていない段階で選考を通過しました。直感的に、gCストーリーを選びましたが、たぶん僕は自分を完全にさらけ出したかったのだと思います。

殻を破り切れない、つらい時期を乗り越えられたのは、社内環境のおかげです。先輩社員は、みなさん完全に自己開示をして、仕事に没頭ができている。しかも、お互いの人間性を完全に認め合っている。

完全な自分の内面を見せている状態で、人から認められたり、褒められたり、励まされたりする環境は本当にありがたいです。もちろん、叱られもしますが(笑)。

いま、新設の部署で、新しくマーケティングの仕事にチャレンジさせてもらっています。力不足はもちろん多々ありますが、雑念がすべて消え、仕事に集中できています。

「誰かの幸せのために働く」という考えが、gCストーリーの根本的な考えなのですが、「誰かのため」も「自分のため」も結局、つながっていることに、いまさらながら気がつきました。僕がやったことで誰かが幸せになると、やっぱり僕も幸せを感じます。そうやって、周りに幸せな人があふれてくれたら、きっと僕はすごく幸せです。

素直にそう思える今は、人生がすごく楽になりました。自分の人生に、はじめて誇りを持てるようになりました。生きていてよかった。そう感じています。

執筆者紹介

玉寄麻衣(たまよせ・まい) 1979年生まれ。立命館大学政策科学部卒業。外資系大手人材派遣・人材紹介会社で、営業として主に中小企業の人材採用をサポート。その後フリーランスのライターとなり、人材採用、人材育成、大学教育、広報・PR、企業経営等に関する取材・執筆を行う。

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