リンクアンドモチベーション主催「HR Transformation Summit 2022」レポート vol.1
【伊藤邦雄教授・経済産業省登壇】人的資本経営を実践していくために人事が行うべきアクション
2022.11.11
リンクアンドモチベーションは、7月20日と8月4日に「人的資本経営」や「サステナビリティ経営」などHR業界でいま話題のトピックスに関して、専門家の解説や対談、事例共有などを行うイベント「HR Transformation Summit 2022」を開催した。
今回、開催プログラムの中から2つのセッションの様子をダイジェストで紹介する。
第1回目は7月20日開催の「『人的資本経営』の実践に向けて〜人材版伊藤レポート2.0を経営のpowerへ〜」。人的資本投資元年と言われる2020年以降、今年は政府から骨太方針が発表されるなど一段と人的資本開示の機運が高まっている。日本企業の経営変革のチャンスとなりうるのか、キーパーソンの人事担当者がどのようなアクションをとっていけば良いのかが示された。
【関連記事】人的資本経営において今後注目される重要KPIとは〜日本国内の先進事例と国外のデータから紐解く〜
⼈材版伊藤レポートの徹底実装を:一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄氏
30年で日本と海外に差が生まれた
伊藤邦雄氏(以下、伊藤氏):今や企業価値は無形資産で決定されています。残念ながら日本は無形資産投資競争において、世界の中で劣後したと認めざるを得ません。
この図は米国のS&P500の市場価値に占める無形資産の割合を示すデータです。企業の市場価値に占める割合を有形資産と無形資産に分けて、10年刻みでその推移を表しています。時代が進むにつれて、ゴールドで示している無形資産が企業価値の大半を占めるようになったことが一目瞭然です。
もう一つ、無形資産投資率と有形資産投資率の時系列推移のデータも、米国における有形資産投資率が時代の推移の中でどんどん下がってきております。
一方、無形資産投資率はまさに右肩上がりです。大体1993年頃に無形資産投資率と有形資産投資率が逆転しています。1993年は、当時のクリントン大統領と副大統領が「情報スーパーハイウェイ構想」を打ち出した年で、この5年後にGoogleが生まれています。それ以降どんどん無形資産投資率が高まっています。
では日本はどうだったのかというと、残念ながら1990年にバブルが崩壊してから、失われた10年、20年、そして30年と言われてきました。
日本メンバーシップ型雇用の限界
この無形資産投資競争について、過去に私が衝撃を受けたエピソードをご紹介したいと思います。当時のサムスンの会長と、三洋電機の会長の間で交わされた会話です。サムスンの会長が「三洋電機は人材にどれぐらいのお金をかけているの?」と聞いたわけです。
人材にどのぐらいお金かけているかを言える経営者は、なかなか少ないと思います。あるいは、ほとんどいないかもしれません。するとサムスンの会長は間髪入れずに、「サムスンはR&D(研究開発)と同じぐらいお金をかけているよ」って言ったんですね。
後のサムスンの成長・成功は、まさに人材育成投資がもたらした部分が非常に大きいというエピソードであります。
長い間、日本では「人材は大事だ」と言われてきました。確かにメンバーシップ型雇用ですので、メンバーを突然辞めさせることはなかったわけです。しかし本当の意味で「大事」という言葉にふさわしい行動をとっていたのでしょうか。
メンバーシップ雇用が長く続いたことである種の楽観主義が働いてしまって、「非常にキーとなる社員が明日辞めるかも」という危機感が薄かったのではないかと思います。
さらに、仕事をしていれば人は育つという「手なり文化」もありました。それに「人材については、おおらかに捉えておいた方が良い」と考えていた経営者が多く、「レポートを読んで、初めてこれではいけないんだと気がつきました」という声もいろいろ聞いてまいりました。
日本企業は本当に人に優しかったのか、社員のやりがいやウェルビーイングに丁寧に向き合ってきたのか疑問です。また、不採算事業であっても他の会社に売却すると社員がかわいそうじゃないかということで、事業の新陳代謝がどんどん遅れてきたということもあったと思います。
従業員エンゲージメントに関する調査では、世界の中で日本はほとんど最下位に近いんですね。メンバーシップ型雇用が、社員の自律性・自立性を削いできたのかもしれません。
なぜ人的資本経営なのか
日本人は自己肯定感が低いので、多少は割り引いてみる必要がありますが、それでも納得がいかないですよね。それで「パンドラの箱を開けよう」ということで、人材版伊藤レポートに繋がる研究会が組成され、2つのレポートに結実したわけです。
メンバーシップ型雇用の特徴とされてきた「一律一斉思考」は非常に効率的です。しかし、efficient(効率的)の発想からeffective(効果的)の発想にパラダイムチェンジすべきときが来ているように思います。
これまでの割り算の発想、つまり分子のアウトカムを上げるために分母の人的資源をどんどん小さくすることは効率的と見られてきました。しかし、これからは割り算の発想ではなく、人材の潜在価値を顕在化してアウトカムを最大化するという発想に変えていくことが必要です。
人材は適切な環境を提供されれば価値を伸ばせますし、放置されれば価値が縮んでしまう。この意味で、人材は資源ではなく資本と捉えることが大切です。
人事部門においては、調整型人事と決別して価値を創造する部門に変身することが必要になってきました。そして会社と個人の間で「選び、選ばれる関係」を構築していくことがこれから非常に重要になります。
日本を救う道は、人的資本経営を徹底的に実践すること。そういう意味で今年が人的資本投資の本格的な元年になってほしいと思っております。
⼈的資本経営という変⾰への道筋:(経済産業省経済産業政策局 産業⼈材課⻑(併) ⼤⾂官房未来⼈材室⻑ 島津裕紀⽒
人的資本経営の議論で重要な「開示」と「実践」の両輪
島津裕紀⽒(以下、島津氏):人的資本経営の議論においては「開示」と「実践」の両輪が重要だと思っております。情報開示については、例えば金融庁のディスクロージャーワーキンググループや内閣官房の非財務情報可視化研究会で議論を積み重ねていただいております。
人材戦略の実践においては、人的資本経営実現検討会で議論を積み重ねて「人材版伊藤レポート2.0」を公表しました。
青字で示したものは人的資本の情報開示に関する政策、赤字は人材戦略の実践に関する政策です。このように、2020年頃から開示と実践のための政策ツールが非常に充実してきています。
企業の方にはぜひ人的資本経営を実践していただき、働き手と組織の関係を閉鎖的なものから「選び、選ばれる関係」と変化させていただきたいと思います。
これは、人材版伊藤レポートで明らかにした変革の方向性です。レポートの中では経営戦略と連動した人材戦略をうたっていて、そのためにはまず経営陣の意識を変えていく必要があります。例えば、これまでは人的マネジメントの目的について「人的資源・管理」と表現していたところを「人的資本・価値創造」と考え方を変える、などです。
人材戦略に求められる「3つの視点と5つの共通要素」
それから「3つの視点と5つの共通要素」も、最初の人材版伊藤レポートで提示させていただいたコンセプトです。
図にある視点1~3と、要素1~5が共通して抽出されるといった内容になっております。
「人材版伊藤レポート2.0」では、3つの視点と5つの共通要素のそれぞれについてまとめました。具体的にどのような取り組みが考えられるのか、どのような観点でそれが重要か、実施にあたってどんな工夫が考えられるかなど、実際の取り組みに落とし込んでいく際のアイデアの引き出しとなるようにしています。
「人材版伊藤レポート2.0」の中で最も重要な点は、経営戦略と人材戦略を連動させるための取り組みです。何から手をつけたら良いかわからない企業はここから始めていただくほうが良いのではと思います。
最後に、人的資本経営を考える上でヒントになりうる話を用意しました。経産省の過去の会議で、父親の育児休暇取得を促進するには、相互触発が大事なのではないか、という議論がありました。
これは2019年の経産省の会議資料です。赤枠の中では、「同僚・同士効果」「雪だるま効果」という言葉を使って、相互触発についてアメリカの論文で言われていることを説明してあります。
この具体的事例として、父親の有給休暇取得率が紹介されました。実際に、ノルウェーではこれらの効果を活用した政策手法によって、父親の育児取得率が順調に推移しました。
人的資本経営についても「同僚・同士効果」「雪だるま効果」の活用が、今後のヒントになるかもしれないと考えています。
ディスカッション~「⼈材版伊藤レポート2.0」を経営のpowerへ~:伊藤氏×島津氏
人的資本の動きを加速するための産官学連携は?
モデレーター・リンクアンドモチベーション林幸弘(以下、林):人的資本への投資という国全体の動きについて島津さんからも伊藤先生からも整理していただきました。これからはパイオニア企業を含めて社会を動かしていくことが重要になっていると思うのですが、この動きに各企業を巻き込むために、どのように産学官で連携していくのか、お考えをいただいてもよろしいですか。
島津氏:政策ツールは揃ってきたと思います。実践のためのアイデアの引き出しとして、「人材版伊藤レポート2.0」も出させていただきました。情報開示に関する基準やガイドラインの類も相当あります。あとは、各企業が実際の行動に移していただけるかどうか。いろんなトライアルを経て、実際に企業価値に結び付くと腹落ちしてもらうことが非常に大切だと思います。
そこで腹落ちのためのヒントが必要になってきます。それで、伊藤先生が座長を務められた非財務情報可視化研究会の、内閣官房の資料にROICの逆ツリーのスライドを一度ご覧いただくとよいと思います。逆ツリーというのは、売上高利益比率が向上するというところから、どういう構成要素が貢献しているのか、書き下していくものです。内閣官房の資料には、この逆ツリーを人材に関する取り組みと結びつけるとどのような絵が書けるのか、イメージ図で書かれています。これは悩んでいる方にとっては、何か光が一筋差すようなスライドではないかと思いました。
伊藤氏:2014年8月に経産省から「伊藤レポート」というものを出しました。レポートのメッセージは、少なくとも自己資本利益率(ROI)を8%にしてください、資本コストを上回る資本生産性をあげてくださいというものでした。その後「人材版伊藤レポート」を2020年に出したところ、「財務とか資本資産性の話から人材の話になって、つながらない」という見方もあったんですね。
しかし、私と一緒に議論をしていた人たちの間ではよく分かっているように、ROICに財務レバレッジをかけると実はROEなんです。
つまり、やっぱり企業価値を高めていかないとジリ貧になってしまいますし、そこで働いている社員の皆さんもなかなか幸せになりません。だから企業価値を上げるんだ、稼ぐ力を上げるんだということから、必然的に人材に繋がってきているわけです。人材を基軸にした経営は、資本生産性も高めるし、それをテコとして企業価値を高めるし、さらには社員の皆さんのウェルビーイングにもつながります。こういう願いを込めて一連のレポートを出してきました。
経営戦略と人材戦略を連動させるためのポイントは?
林:企業価値を高めていく経営戦略と、アナログでソフトな人材戦略の連動がやはり難しいと思います。さまざまな会社様を見ていらっしゃる伊藤先生のお立場から、難所だなと思われる点や、うまくいっている会社様の特徴などを少し深掘りしていただきたいです。
伊藤氏:まず自社の経営戦略と人材戦略が本当に連動しているのかどうか直視してほしいと思います。レンズを相当引いて見ると「連動しているに決まっている」と思いがちですが、それは思い込みです。もっと被写体を、つまり経営戦略と人材戦略のつながりを点検すると、連動していないという不都合な現実に行き当たります。
日本で外資系の人材コンサルティング会社に勤めている友人は、「15年ぐらいやっているけど、経営戦略と人材戦略がちゃんと連動している企業って見たことないよ」と言っていました。多少誇張して言ったかもしれませんが、やっぱりそれが不都合な現実だと思うんですね。
うまくいっている会社の特徴としては、一つは本社部門があまりサイロ化してないことです。本社ってかなり縦割りになっていて、横連携できてないですよね。例えば経営戦略に関わっている経営企画部門と人材に関わっている人事部門が日頃からコミュニケーションしている会社のほうが、経営戦略と人材戦略の連動度合いが高いと思います。本社が縦割りでいいことはありませんので、経営企画部門、人材部門の皆さんはまず対話を始めることがすごく大事になってくると思います。
現在、中期経営計画作りをしている会社やこれから取り組む会社は、経営戦略部門と人事部門が最初から計画作りに入るのがいいと思います。従来、中期経営計画というと経営企画部門が中心となって作り、計画ができたら人事に展開するという流れでした。しかし、最初から人事部門も計画作りに参加し、経営戦略やビジネスモデルを実現する上でどう人材を育成するか、という話し合いを早くからやってほしいと思います。
林:ありがとうございます。経営戦略と人材戦略の連動はしてないという前提で現実を直視した方が、話がスタートできるんじゃないかということですね。島津さんにもお伺いしたいのですが、「人材版伊藤レポート2.0」の中ではケーススタディとして先端事例がたくさん掲載されていました。その中で、問いのテーマに関連して思われるところあれば一言いただきたいです。
島津氏:先進的な取り組みをしている19社のご紹介をさせていただいたのですが、その中で「経営戦略と人材戦略の連動は双方向性である」と謳っている会社があり、これについて検討会ではかなり議論があり、私はこれがキーだと思いました。
経営戦略と人材戦略の連動が難しい理由として、各企業さんが挙げる一番シンプルな理由は「経営戦略は2、3年、人材は10年で、時間軸が違う」でした。確かにそうかもしれないと思ったのですが、よくよく考えると本当にそうかなという気もします。
経営戦略の中に人材戦略が入っている会社さんと、そうではない会社さんに最近分かれているように思っておりまして。非常に変化の激しい時代ですから、経営戦略の中に、変化に伴って会社の人材をこういうふうに変えていくという内容が入っているか入ってないか、双方向性の視点で捉えられているかという点はヒントかなと思います。
伊藤氏:耳障りなことを言うと、自社の経営戦略を深く理解しなくても、人事をやれてしまっている感がないでしょうか。そうだとしたら、当然連動度合いは低くなりますよね。自社の経営戦略を深く理解すれば、どうやってそれを実現するのか、どういう人材が必要なのか、どういう人材を適所適材で配置するのか、どういうふうに育成していくのか、どういうスキルを新たに獲得してもらうのかという議論に必然的になると思います。だから、人事部門の中でもっと経営戦略を深く理解していってほしいなと思います。
人材戦略と経営戦略に共通して求められる「従業員の理念への共感」は?
林:今の戦略の理解にもかなり通じる部分だと思いますが、いかに従業員の共感を生み出していくのかに関して、いろんな会社様が苦労していたり、オリジナリティを発揮されていたりします。この理念や共感に関しては、どのように見てらっしゃいますか?
伊藤氏:確かに、パーパスを策定するという企業はすごく増えてきたと思います。ほとんどの日本企業がもう素晴らしい理念を持っているんですが、理念について経営者と社員の皆さん、社員同士があまり対話してないんですよね。パーパスを作るということは、ある意味では対話の始まりだと捉えた方がいいと思っております。対話なくして経営者と従業員との共感は生まれません。同調圧力的に「パーパスを作ったぞ、みんなやってよね」というのでは、歴史の針が戻ってしまいます。パーパスを作ったら、様々な部署・部門・階層で対話を進めていくことがとても必要です。
会社のパーパスと社員1人1人のパーパスが、最初は距離があるかもしれません。しかし対話することで社員の皆さんそれぞれに気づきが生まれて、パーパスとの距離が縮まってくるんです。それが共感につながって、「もっといい会社にしよう」という変革のムーブメントになっていくと思っております。
人的資本が広がっていくためのキードライバーは?
林:人的資本経営が広まっていくためのキードライバーについて、どういうふうに見てらっしゃいますか?
島津氏:大きく2つあると思っていまして、まずは会社経営陣の意識を大きく変化させられるのかどうかです。もう1つは人事部門の方々が自分たちをどのように自己認識をしていくのか、事業部門との関係における役割を変える必要性について思いをめぐらせられるかどうかです。
経営陣の話については、人事を経営戦略と結び付ける責任や人材に関するKPIの責任を負うCHROという役割を、その意味を理解した上で会社の中にポジションとしておけるかどうかだと思います。
人事部門の役割については、人事と事業の両部門のどちらが企業価値全体を見て、どちらが事業価値全体を高めるのか。この認識が曖昧なままでいると、人事部門の役割を再定義することは難しくなります。
例えば、経営人材の育成やパーパス・企業文化の浸透のような、全社レベルで繰り返し行っていく必要があるものについては、人事部門が取り組む必要性が増していると思います。
一方で事業単位の価値の最大化においては、会社にもよりますが事業部門で人事の責任を持っていくことで、現場でつぶさに人事を見ている方が、事業戦略と人材戦略を今後どういうふうに連動したらいいのかより深く考えられるかもしれません。その場合、人事部はそこに伴走するという役割になって関係性に変化が起きてくるのではと思います。
人的資本経営に関して日本が世界に貢献できることは?
林:経営学の知識や事例というと海外から入ってくるものが多いですが、人や共感、相互理解、信頼などを大切にすることにおいては日本らしさが出せる領域ではないかと思っています。人的資本経営に関して日本が世界に貢献できることについて、伊藤先生いかがでしょうか。
伊藤氏:この問題意識はすごく大事だと思うんです。日本のメンバーシップ型雇用を仮にモデル1.0と呼んでみます。そこにジョブ型という欧米型のモデル2.0をただ単純に移植しようというのでは非常に座りが悪いんですね。定着しないのではないかと思います。
欧米型のジョブは、例えば新規事業を始める場合に、ふさわしい情報を持っている人をリクルートします。しかし事業ポートフォリオを組み替えて、事業の位置づけが低くなると、そのジョブで入ってきた方は会社を去っていくわけですよね。
このようにジョブの入れ替えが自由に行える点が欧米におけるメリットですが、日本ではこのようなことはまずできないし、やるべきではないと思います。
そう考えると、ジョブ型を入れながら新しいジョブを獲得できるような「リスキル」を会社の重要な戦略的テーマと捉えて、ジョブメンバーシップ型とジョブ型それぞれの良いところを残したモデル3.0を模索する必要があるわけです。そういうスタイルの経営をこれから行っていって「こういう人的資本経営ができるんだ」「これは日本から発信されたものだ」と世界の皆さんに訴えていければすごくいいなと思っております。
人的資本経営の実現がもたらす社会とは?
林:人的資本経営を実践していくことでどんな社会が実現できるのかという点について、一言ずついただければと思います。
島津氏:人的資本経営という企業変革を通じて日本社会で働く個人の能力が十二分に発揮されるようになると期待しています。
日本社会の一部に根強く残っている画一的な雇用システムから個人が解放されることで、個人のキャリアがますます多様化します。これまで閉鎖的とみなされてきた日本の労働市場が開かれて、グローバルにシームレスな環境が形成されていくことにも繋がるかもしれません。
伊藤氏:個人が自分自身の価値を高められるように支援できる社会を実現できたらと思っております。会社と個人がともに成長するという言葉は前から言われていますが、本当に実現できたかなというと僕はちょっと心もとないなと思います。人的資本経営を実践することで、会社を真の意味で楽しめるような、そんな社会にできたらいいなと。それが社員あるいは社会の皆さんのウェルビーイングに貢献していくことになるんだろうと思います。
林:ありがとうございます。最後に主催の私どもからメッセージをお伝えさせていただきたいと思います。リンクアンドモチベーションとしましても、本当に人的資本経営の新しいモデルを作っていくタイミングにしていきたいですし、チャンスなんじゃないかと思っております。
そのためには根本課題を直視することが大切だと改めて思いました。できていない点はちゃんと突き詰めて、諦めずに未来志向で語る。部門・会社・産学官を越えていって相互触発していくという、そんな面白い日本にしていきたいなと改めて思いました。
リンクアンドモチベーションは今年、日本・アジアで初めて人的資本に関する情報開示のガイドライン「ISO 30414」の認証をいただいきましたが、これからも見える化の精度も上げて変革を怠らず、投資家の方にわかりやすい開示をしていきます。
「従業員エンゲージメント」向上は、「営業利益率」「労働生産性」といった事業成果にプラスの影響をもたらすことがわかっていますので、もっと解像度を上げて効果的な指標を作り出していく。それが企業価値に繋がり、企業同士で相互作用を生み出すような取り組みができれば非常に面白いと思っております。【vol.1おわり】
>>>vol.2 :JT、バンダイナムコエンターテインメント 変化に対応するために。「管理職育成」を起点にした2社の取り組み に続く
※本記事は株式会社リンクアンドモチベーションによる寄稿です。記事内の画像は同社より提供されたものを使用しています。
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