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愛媛大学 ×リクルート共同開発の長期インターンシップ「愛媛Food Camp」成果報告イベントレポート


大学×学生×企業の持ち味を生かしあう実践学習型インターンシップで働くイメージをつくる

2022.04.26

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地方企業がインターンシップを活用して成果を出した取り組みを紹介するレポートの第2弾です。

愛媛大学農学部生命機能学科とリクルートは、「学ぶ」と「働く」をつなげる産学連携の新たな取り組みとしてインターンシッププログラム「愛媛Food Camp」を共同開発。学部1~4年生と大学院1年生を対象に、2021年5月から半年以上にわたり実施しました。先ごろ行われた成果報告会の模様をレポートします。

編集部注:この記事はリクルート社から提供の寄稿レポートです。

第1弾:「インターンシップでリアルを伝えるための対話型セミナー」レポート 石川県6社が「ありのままの姿」を学生に伝え、企業理解促進へ

目次
  1. 「愛媛Food Camp」とは?企画意図と目的
  2. 参加学生による「ファイナルプレゼンテーション」
  3. 商品価値の低い「白くないしらす」をどう活用する?
  4. おせちだけでなく、1年じゅう黒豆を食べてもらうには?
  5. 自分はどんなふうに働きたいのか、具体的なイメージをつかむきっかけに

「愛媛Food Camp」とは?企画意図と目的

「愛媛Food Camp」は、愛媛大学農学部生命機能学科と県内の食品関連企業とが連携し、大学、学生の持ち味と企業の持ち味を活かし合う製品開発を目指した実践型インターンシッププログラム。「学ぶ」と「働く」をつなぎ、地域の活性化を目指す実践型学習の場として企画されました。

リクルートでは、企業と学生が相互理解を深め、よりよいマッチングを増やすことで人や組織のより良い未来があると考えており、インターンシップにおいてもそれが実現できるスキームを探っています。一方、愛媛大学では、大学では難しい実践的な学習機会や、社会に出てからも活かせる課題解決力の向上機会を提供したいと考えており、両者の思いが合致して今回の取り組みが実現しました。

今回は、62名の学生が愛媛県内のメーカーや商社、小売りなど18社の中からインターンシップ先を選び、製品開発に関する企業の仕事の上流から下流までを体験。企業担当者との打ち合わせや市場調査などを通じ、販売計画の制作・実行までを手がけました。インターンシップ内で生まれたアイデアが、実際に製品化された事例も生まれています。

参加学生による「ファイナルプレゼンテーション」

本インターンシッププログラムは、以下の10Daysで構成。Day1、2で自己分析と企業研究を行い、Day3~8では実際に企業内で企画や販売計画などの取り組みを行い、Day9で経験の振り返りを実施。そしてこの日がDay10の成果報告会の場となりました。

「プログラムを通して、学生はさまざまな問題にぶつかりましたが、話し合いながらできる・できないを見極め、元々のアイデアを活かせる形でブラッシュアップを重ねました。このように、一つひとつの問題を解決する過程で、しっかりとした力が装着される。これが愛媛Food Campの真骨頂だと感じています。来年度以降もこの取り組みを続けることで、学生の応用力、課題解決力向上だけでなく、実際に新たな製品を生み出すことで地域活性にもつなげていきたいと思っています」(愛媛大学大学院農学研究科・菅原卓也教授)

Day10の成果報告会(ファイナルプレゼンテーション)には、県内9社(朝日共販、キョクヨーフーズ、志賀商店、四国乳業、中温、日東物産、ハタダ、ピーコックフーズ、南商事)のインターンシップに参加した学生9チームが参加。それぞれの取り組み内容とその成果を発表しました。発表の中から一部を抜粋し、ご紹介します。

画像:愛媛大学 ×リクルート共同開発の長期インターンシップ「愛媛Food Camp」成果報告イベントレポートより

商品価値の低い「白くないしらす」をどう活用する?

朝日共販は、ちりめんやしらすなど水産食料品の製造販売会社。漁場の目の前に工場があり、地元で獲れた鮮度の高いちりめん、しらすを提供していますが、赤腹しらす、クリーム色しらすといった「白くないしらす」の活用について課題感を持っていました。

同社のインターンシッププログラムに参加した学生は、それらを原料にした「しらすラーメン」「しらす入り魚肉ソーセージ」の商品化を提案。

「赤腹しらすは触感がザラザラしていて、クリーム色しらすは脂が乗っていて魚の味が強い。味や触感、見映えの問題を解決する方法として、すり身にして使うことを考えましたが、全体の色が灰色になってしまうことが判明。そこで、色が気にならない麵、ソーセージへの活用を思いつきました。しらすに親しみを持ってもらい、赤腹しらす、クリーム色しらすの良さも知ってもらえるとも考えました」

実際に商品化するまでにはさまざまな苦労がありましたが、特にしらすラーメンの開発では、試行錯誤の連続でした。当初は麺にしらすを練り込むことを考えましたが、難易度が高く断念。通常廃棄されるしらすの釜揚げの煮汁をスープに使うことを思いつき、液体スープの開発に取り組みました。具にフリーズドライのしらすをトッピングすることで、しらすの風味豊かなラーメンが完成しました。

「現在はどのタイプのインスタント麺にするか話し合っている最中。魚肉ソーセージも含め、これから販売に向けて会議を進めていく予定です。しらす出汁のスープは上品で優しい味なので、鍋の素など他の商品にも活用できるのではないかと考えています」

参加学生は、今回のプログラムを通して「自分の強みと弱みについて見つめ直せるいい機会になった。新たな持ち味も見つけることができ、自信につながった」と話します。

「実際の商品開発の流れや、その際に考えるべきポイントについて学ぶことができたうえ、自分たちが考えた商品が、実際に形になったときは感動しました。温かく迎え入れてくださってありがとうございました」

おせちだけでなく、1年じゅう黒豆を食べてもらうには?

志賀商店は、黒豆や大豆、ブドウ豆などの煮豆、調理豆や甘納豆、ぜんざいなどを製造販売する豆の専門メーカー。同社のインターンシッププログラムに参加した学生は、製造現場を見学し、できたての黒豆のおいしさに感動。「おせちだけでなく、1年じゅう黒豆を食べるきっかけを作りたい」「豆を食べる機会の少ない若年層をターゲットに、黒豆の魅力を伝えたい」と考え、愛媛県特産の「みかん」を黒豆に合わせるアイデアを考え提案しました。

「志賀商店こだわりの黒豆と、愛媛県特産のミカンを合わせて、これまでとは違う新しいイメージの商品を作れないかと提案しました。コロナ禍で、途中からWebでのやり取りに変わり、商品化できるのか不安になったときもありましたが、我々のアイデアをもとにサンプルを作ってくださって感動しました」

こうして、黒豆とみかんの皮を煮込んだ、食べやすい甘さの「みかん香る黒豆」のサンプルができ上がりましたが、市場調査アンケートを行ったところ「みかんの皮の白いわたが気になる」「あまりおいしそうに見えない」との意見が多いという結果に。

「食べ物に見えないという意見もあり、かなり落ち込みましたが、志賀商店さんからアイデアをいただきながら改善を実施。みかんの皮の白い筋が見た目を損なうため、4ミリダイスにカットしシロップ漬けした甘夏かん皮を使用し、糖度を下げて食べやすい甘さに調節しました」

一目でみかんとわかるよう、オレンジ色を強調したパッケージデザインにこだわり、側面にはお勧めの食べ方を記載。おやつとして、パンケーキやヨーグルトなどのトッピングとして、黒豆を食べる新たなシーンを提案しています。今後、さらに改善を進めた後、商品化が予定されています。

「以前は、自分の持ち味は『指示を待たずに自分で考えて動く』ことだと捉えていました。今回のインターンシップを経験して、周りと話し合い考えることで、自分だけで考えるよりも良い考えになること、そのためには自分の考えをしっかり持つことが大事だと学びました。これからは勉強でもアルバイトでも、積極的に他者とコミュニケーションを取り話し合うことで、より良い関係を築き物事をスムーズに進めたいと思っています」

画像:愛媛大学 ×リクルート共同開発の長期インターンシップ「愛媛Food Camp」成果報告イベントレポートより

自分はどんなふうに働きたいのか、具体的なイメージをつかむきっかけに

総勢約30名の学生 9グループが、試作品の内容や企業での実習の内容を発表し、ファイナルプレゼンテーションは終了。インターンシップを通じて発見した自分の強みや個性、持ち味がどのように発揮されたのか、インターンシップを通じてモチベーションがどのように変化しそれがチームにどういった影響を与えたのか、今後キャリアを考えていくうえで学んでいきたいことは何か、なども語られました。

最後に、愛媛大学農学部生命機能学科の関藤孝之学科長から講評がありました。

「自身のアイデアで、企業のいろいろな人たちが動く。責任は重く、やりがいだけでなくしんどさを覚えた学生が多かったのではないかと思います。ただこれは、社会に出て働くとき、実際に感じるプレッシャーと同じ。そういう意味でも、今回の愛媛Food Campは実践的な取り組みになったと感じています。そして、多くの社会人と触れ合う中で、『こんなふうに働きたい』という具体的なイメージを持てたのではないでしょうか。愛媛Food Campはこれからも続くので、今回やりきれなかったと感じた人は、ぜひ再チャレンジして今回以上の成果を挙げてほしいと思っています」

より本質的な就業体験を学生と企業、双方に提供

インターンシップを通じて自分の持ち味や価値観を理解したうえで就職活動を行うことは、自分らしいキャリア・働き方を選ぶことにつながります。そして企業は、学生一人ひとりの可能性を引き出すことで、組織としての生産性向上を図ることができます。

リクルートでは、「より本質的な就業体験を学生と企業、双方に提供することが、働く個人の才能開花、企業にとってはより良い採用と経営を作る」と捉えています。今後も、今回のような大学との協働も含め、さまざまな取り組みを通してインターンシップのより良い在り方を探っていきたいと考えています。【おわり】

※情報は2022年3月時点

>>>第1弾:「インターンシップでリアルを伝えるための対話型セミナー」レポート 石川県6社が「ありのままの姿」を学生に伝え、企業理解促進へ

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