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人事の10分読書vol.14『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』

2022.04.22

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@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。
第14回は『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を紹介する。

>>>「人事の10分読書」シリーズ

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目次
  1. レビュー
  2. 著者プロフィール
  3. 要約の見どころ
  4. 「5%社員」は何が違うのか
  5. 「95%社員」の行動
  6. 「5%社員」の思考と行動
  7. 「5%社員」の発言
  8. 「5%社員」の習慣
  9. 【必読ポイント!】「5%社員」のルーティン
  10. 一読のすすめ

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レビュー

どんな会社にも、常に成績がトップクラスの「デキる社員」が存在する。彼らは、どんな状況であっても淡々と業務をこなし、成果を上げる。上司や同僚からの信頼も抜群だ。「自分もそんな存在になりたい」と切望するビジネスパーソンも多いだろう。

本書を読めば、そんな「デキる社員」の秘密を知ることができる。著者は、クライアント企業25社の協力のもと、5%のデキる社員と95%の一般社員、合計約1万8,000人の働き方をリサーチし、収集したデータをAIと専門家で分析した。その結果からあぶり出された、「5%社員」と「95%社員」の違いをまとめたのが本書だ。

「95%社員」は「仕事を片付けること」や「作業完了」に安心感や満足感を抱く。一方、「5%社員」は、成果に対して満足感を得る。課題に直面したとき、「95%社員」は急いで解決を図るが、「5%社員」は課題の真因を探る。完璧な準備をするのではなく、ある程度準備ができた段階でスタートし、進めながら修正する。成功しても失敗しても内省し、自身を振り返る――。

その行動や考えはシンプルで、自身を厳しく律するというより、自分の目的をいかに合理的に達成するかを考え抜いたものだと感じた。読み進めながら、自分ができていること、できていないことを一つひとつチェックし、自分の働き方を内省することができるだろう。働き方や評価されるポイントが変わる中、ヒントがほしい方は必読の一冊だ。

【島田遼(ライター詳細)】

著者プロフィール

越川慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表。株式会社キャスター Caster Anywhere 事業責任者。元マイクロソフト業務執行役員。国内および外資系通信会社に勤務し、ITベンチャーの起業を経て、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、支援した企業は600社以上。場所と時間にとらわれず利益を上げていく「稼ぎ方改革」の実行を支援。著書は『働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法』(日本実業出版社)、『新時代を生き抜くリーダーの教科書』(総合法令出版)など、10冊以上。定額制オンライントレーニング「Smart Boarding」にて特別講座を提供中。講演や講座、メディア出演多数。
http://cross-river.co.jp/

要約の見どころ

  1. 多くの社員は目の前の作業を終わらせることに満足感を得るが、「5%社員」は作業の結果、成果が表れたときに満足感を得る。
  2. 「5%社員」は、意思決定を行う会議の最後ではアクションを決めなければならないと知っている。だから「〇〇をしよう」「〇〇をやってみよう」というレッツの言葉で会議を締める傾向にある。
  3. 「5%社員」は、多忙の中でも、2週間に1回、15分程度は自分自身を振り返る時間を持つ。

「5%社員」は何が違うのか

イメージ画像:「5%社員」は何が違うのか

「トップ5%社員」の5原則

本書では、各社の人事評価「上位5%」の社員の行動や働き方を調査し、そこで見つけた共通点が紹介されている。対象となる「5%社員」には、デスクに定点カメラを設置したり、ICレコーダーやセンサーを装着してもらったり、ヒアリングをさせてもらったりして、行動や発言を記録。これらのデータをAIと専門家によって分析して、「5%社員」の共通点や、95%の一般社員との違いを抽出した。「5%社員」の調査を元に導き出した成功ルールは、その後、29社で実証実験を行い、「5%社員」以外の社員でも効果がみられたという。

本書の冒頭ではまず、「5%社員」の5原則が紹介されている。(1)「目的」のことだけを考える、(2)「弱み」を見せる、(3)「挑戦」を「実験」と捉える、(4)「意識変革」はしない、(5)常に「ギャップ」から考える、だ。

「95%社員」の行動

成果達成ではなく作業完了に充実感を覚える

残業時間は減らさなければならないが、業務量は変わらない。その状況は誰しも同じだが、「5%社員」と「95%社員」では、時間の捉え方が異なる。「5%社員」は限られた時間の中で成果を上げる方法を探るが、「95%社員」は限られた時間の中で「やることリスト」を終えることに夢中になり、作業を終えることに安心感を持ってしまう。

16万人を対象にした調査で、「資料が完成すると満たされた気分になる」と回答した社員は89%いたが、「5%社員」のうち73%はそれに該当しなかった。「5%社員」の多くが満足感を得ると回答したのは、作成した資料によって成果を出せたときである。つまり、「95%社員」にとっては作業完了が充実感を得るポイントである一方、「5%社員」は成果達成が充実感を得るポイントなのだとわかる。

重要そうな資料を作る

著者のクライアント企業67社で調査した結果、従業員800名以上の企業では、1時間の役員会議のための資料作成に70時間以上の時間がかかっていた。しかしその一方で、作られた資料のうち23%は使われていなかった。

クライアント企業3社で重要「そうな」資料の再利用状況を調査したところ、1年以内に使用されたのは約7%。約1.2万枚の資料は保管場所を取るだけの厄介者になってしまっていたのだ。

課題解決に時間をかける

「95%社員」は、課題に直面したらすぐに解決を目指す。だが長い時間や費用をかけた挙句、解決できないままだったり、また同じ問題が発生したりする。なぜなら、目の前の課題解決にばかり注力し、本質を解決しないままだからだ。

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