【人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当調査】株式会社リクルート
世界的な人的資本経営の潮流や「人的資本の価値を高める 3 ステップ」について解説
2022.03.22
リクルート(東京・千代田)は3月15日、企業の人事担当者3,007名を対象に実施した「人的資本経営に関するアンケート調査」の結果概要第三弾を発表した。
発表では、世界的な人的資本経営の潮流や調査の分析結果から作成した「人的資本の価値を高める 3 ステップ」について解説した。
以下、リリースより。
調査結果概要の詳細
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2022/0315_10074.html
世界的な人的資本経営の潮流
人的資本経営とは何か
昨今、世界的に「人的資本経営」が注目されています。人的資本とは、人材が保有する経験や知識・スキ ル・能力、およびイノベーションへの意欲・戦略の遂行能力などを意味します*1。現代の企業には人的資本 の価値を向上させるようなマネジメント、すなわち人的資本経営の実践が求められています。
人的資本経営の定義はさまざまですが、私たちは「人材を経営上の最も重要な『資本』と捉え、全ての人 的資本を活かし、その価値を持続的に向上させる人材戦略の実践を通じて、経営目的の実現と企業価値の向 上を図る経営の在り方」と考えています。単に人を大切にする経営ではなく、経営目的実現と企業価値向上 という視点から見て、人材を最も重要な資本だと見なし活用しているかどうかが問われるのです。
*1 人的資本の定義は文脈によって複数存在する。本リリースでは島永(2021)*9 で言及されている Barney(2001)、IIRC(2013)を参考に作成した
いま人的資本経営に注目が集まる4つの視点
人的資本経営へのシフトが起きている背景は、以下の4つの視点が考えられます。1つ目は社会的視点で す。2019 年、アメリカの経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」では、従来の株主資本主義から脱却 し、顧客・従業員・サプライヤー・地域社会・株主など全てのステークホルダーを重視する方針を表明しま した。ESG の一連の取り組みにも代表されるように、持続可能な社会づくりに向けたコミットメントが求 められています。
2つ目は経済的視点です。投資家の判断指標として「見えざる資産」を評価する傾向が強くなっていま す。かつては主に財務的資産が企業価値の評価に反映されていましたが、近年は人的資本や知的財産といっ た非財務資産が評価される方向へ変化していきます。
3つ目は戦略的視点です。DX をはじめとした産業構造の転換期において、企業はイノベーションを創出 する必要に駆られています。イノベーションの源泉である人を引きつけ、生き生きと創造的に働く環境を整 備することが戦略的にも重要性を増しています。
4つ目は世代価値観の視点です。ミレニアル世代や Z 世代、それに続くアルファ世代は、環境問題や社会 課題に対して非常に関心が高いといわれています。こうした若い世代の社会的価値観を企業経営に織り込ん でいくことも、重要な経営課題となっています。
人的資本経営における2つの経営アジェンダ
このように人的資本に注目が集まる中、企業はどのようにして自社の人的資本の価値向上を図ればいいのか。人的資本経営をプロアクティブに実践していくためには、2つの経営アジェンダがあると考えられま す。1つは「人的資本の価値を高める戦略」の推進です。このアジェンダにおいては、従業員に対してどの ような働きかけを行い、人的資本の価値を持続的に向上させていくべきかを検討して、戦略的に推進してい く必要があります。
もう 1 つのアジェンダは「人的資本の情報開示」です。多様なステークホルダーに対して、自社の人的資 本の状況を透明性高く開示することが求められています。具体的にどのような人的資本の情報を、どのよう に測定し、社内および社外のステークホルダーに情報開示をしていくかについて検討する必要があります。
この 2 つのアジェンダはそれぞれ切り離すのではなく、人的資本経営を促進するための構成要素として捉 えることができます。人的資本の価値向上に関する一連の取り組みを社内外に開示し、各ステークホルダー と積極的な対話を行う。その中で得られた指摘やフィードバックを、人的資本のさらなる価値向上に活用し ていくという循環を回していくことが重要です。
調査概要
- 調査名:人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当者調査(2021)
- 調査目的:人的資本経営や人材マネジメントなどに関する実態を明らかにする
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の人事業務関与者(担当業務2年以上)
- 調査期間:2021年10月29日(金)~11月12日(金)
- 調査回答数:3,007人
- 回答属性:下表参照
≪調査結果を見る際の注意点≫
%を表示する際に小数点以下第2位で四捨五入しているため、%の合計値と計算値が一致しない場合がある
【プレスリリース:「人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当者調査(2021)第3弾:人的資本の価値を高める3ステップの提案 従業員の自律を促し「変化対応力」を育む要素を解説」より|2022年3月15日・株式会社リクルート】
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。
「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
コラム
特別寄稿
人材版伊藤レポート2.0から、人的資本経営がどう進むかを読み解く
国内の人的資本関係の動きが加速している。経済産業省や内閣府から新しい情報が次々に発信され、民間企業でも人的資本関係の情報を含んだ開示が複数行われはじめている。[caption id...
2022.04.15
-
特集
「経営判断ツール」「企業価値創出ツール」としてのISO 30414実務完全マニュアルvol.1
ISO 30414とは――日本企業が労務と人事企画で取り入れる価値
人事界隈でもISO 30414への関心が高まっている。2018年12月に国際標準化機構(ISO)が発表した「人的資本の情報開示のためのガイドライン」の考え方を、組織開発や人材開発へ...
2022.02.04
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
【人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当調査】株式会社リクルート
人的資本経営の課題は「従業員のスキル・能力の情報把握とデータ化(54.5%)」がトップ 自社の状況把握やデータ化ができていない実態が浮き彫りに
リクルート(東京・千代田)は1月27日、企業の人事担当者3,007名を対象に実施した「人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当者調査(2021)」の結果概要第二 弾を発表した...
2022.02.04
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社MIXI
アルムナイ専用サイトを開設し、カムバック採用の強化へ
株式会社MIXI(東京・渋谷)は、カムバック採用の強化に向けて、退職者とつながり続ける場を創出するためのアルムナイ専用サイトを開設した。同社は、2022年以降で12名(2024年6...
2024.11.22
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
名古屋鉄道株式会社
グループ内での公募による副業・異動を促進へ「キャリアチャレンジ制度」を新設
名古屋鉄道は11月13日、グループ内での公募による副業・異動を実現できる「キャリアチャレンジ制度」を新設したと発表した。従業員の自律的なキャリア形成による成長の促進や、適材適所の人...
2024.11.14
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社岡三証券グループ
初任給30万円への引き上げ、雇用上限年齢の撤廃、社内FA制度など人材確保へ向け人事制度を刷新
岡三証券グループおよび中核子会社の岡三証券は10月30日、働き方に対する価値観が多様化するなど人材市場が大きく変容していることを受けて、新たな人事制度を2025年4月に導入すると発...
2024.11.01
あわせて読みたい
あわせて読みたい
人気の記事
国内・海外ヘッドライン
THE SELECTION
-
PRTHE SELECTION企画
「置き型健康社食」がもたらす可能性とは
健康経営、採用強化、コミュニケーション活性化にも。 手軽に導入できる「食」の福利厚生
-
PRTHE SELECTION企画
街なかの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で、もっと社員の顔写真管理をラクに
社員証の写真、「最適化」できていますか? チーム力を強化する顔写真データ活用法とは
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
特集「人手不足業界の逆襲」~外食産業編~
「見える化」と「属人化」の組み合わせが鍵。 丸亀製麺が外食業界を変える日
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION会員限定特集
働きやすい職場づくり~サイバーエージェント編
「妊活支援」や 「働くママ・パパ支援」を、 一部の社員のものにしないためには?