株式会社リンクアンドモチベーション
日本・アジアで初 人的資本に関する情報開示のガイドライン 「ISO 30414」の認証を取得
2022.04.14
株式会社リンクアンドモチベーション(東京・中央)は3月31日、人的資本に関する情報開示のガイドライン「ISO 30414」の認証を日本・アジアで初めて取得した。取得企業は2022年3月時点で4社あり、同社が世界で5番目の取得企業になる。
また、同社の組織戦略について、経営の考え方を含めた重点ポイントをまとめた「Human Capital Report 2021」を発行した。以下、リリースより。
人的資本情報開示の状況と今回の取得背景
現在、「人的資本」への注目は非常に高くなっています。海外では、2020年に米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対して「人的資本の情報開示」の義務化を発表。日本でも2020年9月に「人材版伊藤レポート」が発行されるなど、世界中で取り組みが加速しています。
一方で、米国の時価総額30億ドル以上の53社のフォーム「10-K」を調べた調査によると、人的資本情報の開示義務化後、情報の開示は進んでいるものの、その中身は不十分で、3分の1の企業が、人的資本に関して300語以下の記載に留まっており、その多くは人的資本に関して1つか2つのアジェンダにしか言及していない状況です。(※)
国内においては、当社が独自にアンケ―トを行ったところ、今後開示が必要な非財務資本の第1位が「人的資本」となり、投資家の7割が「人的資本は投資判断に影響を与えている」と回答した一方で、非財務資本の開示状況に満足している投資家は全体の3割に留まっています。
▶︎調査結果はこちら
※経済産業省 第1回人的資本経営の実現に向けた検討会 事務局説明資料P.27
当社は、2000年の創業以来、組織人事コンサルティングのパイオニアとして、基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を基盤に多くの企業変革を実現してきました。そして、顧客に提供するサービスは徹底的に自社でも活用するなど、誰よりも「従業員エンゲージメント」向上に向けて本気で向き合ってきました。世界的に人的資本に対する注目度が明らかに高まっている中で、日本、さらには世界の「従業員エンゲージメント」向上に貢献するとともに、投資家にとって有益な情報開示を実現すべく、「ISO 30414」の認証取得ならびに「Human Capital Report 2021」の発行に至りました。
「ISO 30414」について
「ISO 30414」とは、2018年に国際標準化機構(ISO)が、人的資本マネジメントに関して、社内で議論すべき指標、社外へ公開すべき指標を整理した情報開示ガイドラインです。「コンプライアンス」や「ダイバーシティ」をはじめ、「生産性」や「後継者計画」などステークホルダーの関心が高い11項目・58指標が網羅的にカバーされており、多くの指標に計算式が設定されていることから、定量化による比較が可能となっています。
2021年1月にドイツ銀行グループのアセットマネジメント会社が世界で初めて認証を取得して以降、国内外において「ISO 30414」を活用した人的資本マネジメントは進んでいるものの、取得企業は現在世界で4社となっています。当社では、2021年より社内プロフェッショナルの育成をはじめ、取得に向けた準備を進め、株式会社HCプロデュースに審査を依頼し、この度世界で5番目、日本・アジア初となる「ISO 30414」の認証取得を実現しました。
「Human Capital Report 2021」について
さらに、ISO 30414のデータをただ網羅的に開示するのではなく、当社の組織戦略について、経営の考え方を含めて重点ポイントをわかりやすくまとめた「Human Capital Report 2021」を同時に発行しました。
「事業戦略と組織戦略をリンク」する当社の経営モデルに加えて、組織戦略の重点領域である「採用」「育成」「制度」「風土」の4領域についてのマネジメントの詳細を紹介しています。
▶︎詳細はこちら
HCプロデュースからのコメント
インタビューで伺った「ようやく時代が追い付いて来た」という小笹会長の言葉が印象的でした。創業時から、人のモチベーションやエンゲージメントを事業の核としてきたリンクアンドモチベーションが、アジアで初めてISO 30414の認証を取得したことは、自然の帰結だったのかもしれません。
ISO 30414は人的資本に関する58の指標から構成され、そのうち対外的に開示が推奨されるのは24指標で、残りは社内で適切に管理されることで本来は足ります。しかしながら、リンクアンドモチベーションは、24指標以外の27指標についても対外開示する点で、グローバルに見ても画期的です。また、それらを人的資本レポートという形で対外的に開示する取り組みも、日本初の試みだと思います。
人を育てて事業を大きくしていく経営は、実は元来、日本企業が得意としてきた手法です。今後、ISO 30414の導入や取得を目指す日本企業のモデルケースになると思うので、さらなる改善を重ね、質の高い情報開示を継続していただきたいと思います。
▶︎株式会社HCプロデュースについて
今後に向けて
組織と個人を取り巻く環境が激変する中、多くの企業が持続的に成長していくためには、「従業員エンゲージメント」の向上をはじめ、人的資本のマネジメントが不可欠となっています。長年、企業の組織変革に携わってきた当社自身が、人的資本の情報開示のフロントランナーとして、ステークホルダーの皆さまへ有益な情報開示を積極的に行うとともに、組織の診断、変革ならびに公表まで支援することで、企業の持続的な成長を実現していきます。
リンクアンドモチベーショングループの概要
・代表取締役会長:小笹 芳央
・資本金:13億8,061万円
・証券コード:2170(東証一部)
・本社:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー15階
・創業:2000年4月
・事業内容
組織開発ディビジョン(コンサル・クラウド事業、IR支援事業)
個人開発ディビジョン(キャリアスクール事業、学習塾事業)
マッチングディビジョン(人材紹介事業、ALT配置事業)
ベンチャー・インキュベーション
※2022年12月期より、新しい事業区分に変更しています。
本事業区分における決算開示は、第1四半期からを予定しています。
【プレスリリース「日本・アジア初!人的資本に関する情報開示のガイドラインである『ISO 30414』の認証を取得!」より|2022年3月31日・株式会社リンクアンドモチベーション】
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