企画

会員限定

書籍紹介


人事の10分読書vol.7『残業学』

2021.09.29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。
第7回は『残業学』(光文社)を紹介する。

>>>「人事の10分読書」シリーズ

目次
  1. レビュー
  2. 著者プロフィール
  3. 『残業学』の要点
  4. 【必読ポイント!】なぜ「働き方改革」が必要なのか
  5. 残業のメカニズム
  6. 働き方改革のカギ
  7. 一読のすすめ

「学び続けられる組織」が育つ。本の要約サービスflier

画像:本の要約サービスflier(フライヤー)本の要約サービスflierは、良書との出会いを促進する時短読書サービスです。ビジネス書のエッセンスを1冊10分で読める分量に要約しています。社員が負担なく効率的にビジネストレンドにキャッチアップできるため、自己成長に積極的な風土がつくれます。
▼累計250社が法人導入している書籍を通じた学びの場はこちら
https://bit.ly/37SpBo8

レビュー

本書は、2万人を超える人を対象とした大規模な調査のデータを分析し、あらゆる角度から徹底的に残業の実態を解明した一冊である。

近年、「働き方改革」が叫ばれている。実際、パソコンの強制シャットダウンなどの施策を実行している企業も増えたはずだ。一方で、現場の実情を顧みないトップダウンの人事施策ばかり実施され、現場に「やらされムード」が漂っている企業もまた多いのではないだろうか。

そもそもなぜ、日本には長時間労働の慣習があるのか。どんな歴史を経て、長時間労働が当たり前の社会になってしまったのか。残業はなぜなくならないのか。長時間労働に従事する人は、何を思っているのか。これらの問いは、個人の経験談だけではなく、データやエビデンスをもとに、その構造的な面から検討されなければならない。

そうした構造的な検討をしてくれるのが本書だ。本書を読めば、日本における残業のすべてがわかるだろう。もちろんあらゆるデータだけでなく、データをもとにした、具体的な残業削減施策も提示されている。「自社でも同じことが起こっていないか?」「この施策を自社に導入するとしたら?」という視点で読み進めていただければと思う。

どうすれば、会社も働く個人も希望を感じられる働き方を実現できるのか。少子高齢化が進む日本において、どうすれば働き手を確保できるのか。それを考えるきっかけとして、ぜひ本書を手に取ってほしい。

【西広海(ライター詳細)】

著者プロフィール

中原淳(なかはら じゅん)
立教大学経営学部教授。同大学ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)主査、リーダーシップ研究所 副所長。1975年北海道生まれ。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・リーダーシップ開発について研究。

パーソル総合研究所(ぱーそるそうごうけんきゅうじょ)
パーソルグループの総合研究機関。2017年、中原淳とともに「希望の残業学」プロジェクトを立ち上げた。

『残業学』の要点

  1. 長時間労働は、個人にも企業にもリスクをもたらす。
  2. 残業は仕事ができる人に「集中」し、暗黙の了解のもとに「感染」し、上司から部下へと「遺伝」していく。
  3. 残業削減施策には、「外科手術」的な方法と「漢方治療」的な方法がある。「外科手術」を成功させるには、残業を「見える化」すること、会社としてのコミットメントを高めること、導入後1カ月の「死の谷」を乗り越えること、効果を「見える化」して残業代を「還元」することがポイントだ。

【必読ポイント!】なぜ「働き方改革」が必要なのか

kk_flier07_210929 (1)

「働く人」=「長時間労働が可能な人」?

残業や長時間労働は昔からあった問題だ。なぜ今、これほど注目を集めているのだろうか。

その背景には、少子高齢化がある。高齢化した社会を支えていくためには働き手を増やさなければならないが、「長時間労働」がその障壁になっているのだ。長時間労働の慣習をなくさない限り、長時間労働が可能な人しか働くことができない。つまり共働き夫婦、外国人、高齢者などの「長時間労働ができない人」が働けなくなってしまう。働き手不足の日本社会を運営していくためには、長時間労働が当たり前という風潮をなくし、一人ひとりのニーズにあった働き方を選べるようにしなければならない。

長時間労働の弊害は、労働力が不足することだけではない。過労死や労働生産性の低さなどといった課題とも密接に結びついている。残業は、今すぐ改善に着手すべき問題だといえるだろう。

残業が個人にもたらすリスク

長時間労働は、働く人にとって2つのリスクがある。

第1に、「健康リスク」である。少子高齢化が進む日本では、働き手を確保するため、老後も働き続ける必要がある。長く働き続けるには心身ともに健康でなければならないが、長時間労働によって健康やメンタルを損なう可能性がある。「長期間」働き続けるためには、「長時間」働き続けないことが重要だ。

こちらは会員限定記事です。

この記事の続きを読むには、@人事へのログインが必要です。

{{error}}

メールアドレス

{{ errors.first('user_id') }}

パスワード

{{ errors.first('password') }}

会員登録がお済みでない方は
こちらから登録を行ってください。

無料会員登録

編集部おすすめ関連記事・サービス

残業だらけのIT企業が、失敗を経てようやく残業ゼロを達成したワケ

pr_smp_1small

2012年から完全な残業ゼロを実行。17年には「ホワイト企業アワード」(主催:日本次世代企業普及機構)で労働時間削減部門大賞に選ばれた。顧客の都合に左右されやすいシステム開発業で、どうやって残業ゼロを成し遂げたのか。同社の米村歩社長に一度経験した「失敗」と、長時間労働から抜け出した理由を聞いた。
>>詳細をチェックする【@人事編集部(株式会社イーディアス)】

1日当たりの平均残業時間8分で上場? カオナビの組織改革の裏側

pr_smp_3small

カオナビえは、社員の1日当たりの平均残業時間は8分らしい(2019年1月時点)。彼らは一体どうやって働いているのか? 限られた時間で成果を上げる組織文化のつくり方や社員のモチベーションの高め方を同社執行役員でコーポレート本部の藤田豪人本部長に聞いた。【取材:2019年2月27日】
>>詳細をチェックする【@人事編集部(株式会社イーディアス)】

働き方改革の裏で起きるサービス残業の実態 3つの手口と対策を解説

pr_smp_2small

「年金博士」として広く知られ、社会保険制度や労務の問題に関する評論家としてもテレビ・雑誌で活躍する社労士・北村庄吾氏が、働き方改革の裏側を解説する連載コラム。第3回となる今回は、「サービス残業」やそれを是正するための法案について解説していただきます。
>>詳細をチェックする【北村庄吾(社会保険労務士)】

@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。

@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。

今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料

@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。

「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」

「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」

そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

あわせて読みたい

あわせて読みたい


資料請求リストに追加しました

完全版 HR系サービスを徹底解説! HR業務支援サービス完全ガイド 勤怠・労務管理 採用支援 会計・給与ソフト など