企画

書籍紹介


人事の10分読書vol.3『リーダーを目指す人の心得 文庫版』

2021.10.20

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@人事が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、人事のスキルアップにつながる書籍の要約をお届けする連載企画「人事の10分読書」。
第3回は『リーダーを目指す人の心得 文庫版』(飛鳥新社 )を紹介する。

>>>「人事の10分読書」シリーズ

※2021年10月31日まで会員以外の方も全文を閲覧できます。
【記事公開:2021年6月17日、更新:2021年10月20日】

目次
  1. レビュー
  2. 著者プロフィール
  3. 『リーダーを目指す人の心得 文庫版』の要点
  4. 【必読ポイント!】 コリン・パウエル13カ条のルール
  5. 仕事への心がけ
  6. 人を動かす
  7. 情報戦を制する
  8. 組織の力を引き出す
  9. 一読のすすめ

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レビュー

本書は、コリン・パウエル元国務長官が自身の経験談から導き出した仕事術と人生論をまとめあげた、世界的ロングセラーを文庫化したものだ。菅義偉総理の愛読書として、いま注目を集めている一冊である。

経験談とひと口に言っても、その重さが違う。何しろ、35年間の陸軍で異例の出世を遂げ、米陸軍総軍司令官、国家安全保障問題担当大統領補佐官などの数々の重職をこなし、ブッシュ政権時代には国務長官を務めた真のリーダーたる人物である。しかしパウエル氏には、えらぶったところや、上から物をいうようなところがまったくない。ありがちな手柄話や自慢話もない。本書の原題は『It Worked For Me』、つまり「私はこれでうまくいった」である。このタイトルからは「いつ何時、誰にでもあてはまるルールではないが、少なくとも私はこれでうまくいった」というメッセージが伝わり、パウエル氏の謙虚で実直な人柄をうかがい知ることができる。この姿勢こそが、アメリカという大国の要職を務めるリーダーとしての素質なのかもしれない。

米国務長官を務めた人物の経験談には、リーダーシップやマネジメントの要諦が詰まっている。それでいて、堅苦しい表現はなく、気軽に読める。パウエル氏の様々な逸話やエピソードは、読み物としても実に面白い。読者は読み進めるにつれ自分の働き方や生き方についておのずと振り返ることになるだろう。すべてのビジネスパーソンにとって得るところの大きい一冊だ。

【池田明季哉(ライター詳細)】

著者プロフィール

コリン・パウエル
1937年、ニューヨーク市生まれ。黒人としてはじめて、米国陸軍で四つ星の大将まで上りつめる。米国4軍のトップである統合参謀本部議員に史上最年少で就任する、2001年から2005年までは国務長官を務めるなど、4つの政権で政府の要職を歴任した。

トニー・コルツ
トム・クランシーと共著でフレッド・フランクス将軍、チャック・ホーナー将軍、カール・スタイナー将軍、アンソニー・ジニ将軍の回顧録を著す。

『リーダーを目指す人の心得』文庫版の要点

  1. 怒りや恐怖に自分をコントロールさせてはいけない。楽観的な姿勢を保つことで、大抵の問題は解決に向かう。
  2. どんなときも的確に状況を判断できるよう、常に冷静沈着でいることが重要である。
  3. よい組織の土台には信頼関係がある。まず部下を信頼すれば、部下は信頼を返してくれる。
  4. 「代えのきかない人物」を作ってはならない。何かあったときにいつでも交代できる人員を用意しておくべきだ。また自分自身も去り際を心得なければならない。

【必読ポイント!】 コリン・パウエル13カ条のルール

まずはやってみるべし

パウエル氏が座右の銘にしている13カ条のルールがある。その中からビジネスパーソンにとってより重要と思われるルールを紹介しよう。

「なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。」
これは状況の予測ではなく、心構えの問題だ。状況がどれほど厳しくとも、楽観的な姿勢を保つことで、大抵の問題は解決に向かう。

「まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。」
怒りはまっとうな感情だ。しかし、怒りを感じたときに重要なのは、それを乗り越えることだ。怒りを感じたら、さっとそれを乗り越え、自制心を失わないように心がけるべきだ。

「自分の人格と意見を混同してはならない。」
自分の意見に問題があっても、それは自分の人格に問題があるわけではない。これを混同すると、意見を却下されたときに自分自身も地に落ちたと感じてしまう。

「やればできる。」
やってもできないかもしれないが、それでもできると信じてやりはじめるべきだ。何をするにもできない理由ばかりを並べるのではなく、前向きな姿勢で取り組むようにしたい。

恐怖に支配されてはいけない

「選択には細心の注意を払え。」
急いで結論を出さなければならない場合でも、慌てて決めてはならない。一度それを選んだら、その結果は自分で引き受けなければならないからだ。選択を間違えれば、二度と訂正できないこともあるのだ。

「他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない。」
決断の最終責任を負うのは自分だ。周囲に流されずに、自分の判断で選択しなければならない。ただし、これは自分ひとりで決めろという意味ではない。助言は求めるべきだ。

「冷静であれ。親切であれ。」
混乱した状況でこそ、冷静でいなければならない。リーダーは常に健全な感情のゾーンを持つよう心掛けるべきだ。また、部下に対する親切心を忘れてはならない。親切心を持つことは尊敬し合うことだ。互いを尊敬し合えば、部下もリーダーのことを考えて動いてくれるだろう。

「恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな。」
恐怖にコントロールされる者にリーダーの資格はない。悲観論ばかりを並べ立てるのは簡単だ。悲観論は進歩を殺す。耳を傾けるべき人から意見を聞き、恐れを乗り越えて直感に従うのである。

仕事への心がけ

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仕事バカになるな

仕事の99%は尊いものだ。下劣な仕事などまずない。それが日雇いの運転手であっても、国務長官であっても、同じである。どのような仕事でも学びはあるし、輝くことができる。報酬は受け取るものではなく、勝ち取るものだ。常にベストを尽くしていれば、必ず誰かが見てくれている。たとえ誰も見ていなくとも、自分自身は必ず見ている。自分を裏切るようなことをしてはいけない。

一方で「仕事バカ」になるのもよくない。仕事バカは遅くまで職場に残り、週末まで出勤してしまう。そうすると、何十人ものスタッフが同じように出勤しなければならなくなってしまう。ひたむきに働くのはもちろん悪いことではない。どうしても休みなしで働かなければならないときもあるだろう。しかし、仕事以外の部分も人生にはなくてはならないものだ。家族も大切にしなければならないし、休息も必要だ。仕事以外に興味を持つことも、それを追求する時間も必要だ。

「歩けるなら走るな。座れるなら立つな。横になれるなら座るな。眠れるなら起きているな。」これは若い陸軍士官が教わる戒めであり、誰もが心に留めておきたい内容だ。

問題解決はリーダーの本質

生きているだけで問題は起きる。責任ある立場になればなるほど、問題は増えていく。問題に遭遇したら、それに辛抱強く対処しなければならない。問題解決こそがリーダーの仕事の本質なのだ。

誰も問題を持ち込んでこなくなったら、信用されていないと考えていい。自ら問題を探し、部下にも問題解決の意識が浸透するように努めるべきだ。

リーダーの役割は、常に目を光らせていることである。それは部下に対する評価の場面でも同じだ。陸軍では詳細な評価が繰り返し行われる。上のポストが空いたとしても、外部から人を連れてくることができないからだ。必ず内部の人間から適材を探さなければならない。

リーダーには部下の理解が求められる。そして部下の中から有能な人材の背中を押す。ただし、リーダーも人間であり、万能ではない。能力を見逃すこともある。したがって、昇進の素質がないと思えるような人材にも投資しておかなければならない。

人を動かす

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信頼には信頼を

新しい組織に着任したら、よほどのことがない限り、まずはそこにいる人を信じるべきだ。こちらが信頼すれば、相手も信頼を返してくれる。新しい組織に着任するときは、前任者を信じ、トラブルがないと想定して行動するべきだろう。リーダーは常にチームの信頼関係を築くことに労力を割かなければならない。部下はリーダーを信頼するからこそ、役割を果たしてくれるのである。

リーダーは部下に対して一定の権限を持つ。給与を引き下げたり、降格させたりすることも可能だ。だからこそ、リーダーは部下に敬意を払わなければならない。リーダーと部下の間に尊敬と信頼がなければ、部下のやる気は起きないだろう。ただし、部下と近づきすぎてはいけない。リーダーが尊敬されるには、職権を乱用しないことはもちろん、無私であり、厳しくとも公正であるべきだ。こうした姿勢を保てば、組織内に目に見えて活気があふれる。部下がリーダーを助け、組織が成功するよう努力してくれるだろう。

間違いを見過ごすな

間違いを看過してはいけない。間違いは必ずその場で修正しなければならない。これは軍の若いリーダーに叩き込まれる教訓だ。小さな間違いを見過ごすと、さらに大きな間違いも容認する空気ができてしまう。

また、リーダーが間違いを見落とせば、部下はリーダーの能力を見くびり、信頼しなくなるだろう。そのため、リーダーは細かなところにも常に目を配らなければならない。相手の間違いを正すときはきちんと説明する。その上で明快かつ公正に対応すれば、相手も必ずわかってくれる。間違いを正すことが、互いにとっての学びになるよう意識するべきだ。

規律を守ることは重要だが、リーダーが権力で部下を支配する組織を作ってはならない。そうしたリーダーは部下を虐げることで自信のなさをごまかしている。強く叱りつけるようなやり方では、部下の力を引き出せないだろう。

情報戦を制する

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ハードウェアよりも考え方(ブレインウェア)を変えろ

技術の進歩に伴い、世界はめまぐるしく変化している。新しいテクノロジーが日々現れ、アップデートを迫られる。しかし、新しいハードウェアやソフトウェアの導入はそれほど難しくはない。その大半は実務的、機能的な問題であり、手間がかかってもするべきことは明らかだからだ。

組織全体の考え方(ブレインウェア)を変えたければ、リーダーが率先して変わらなければならない。しかし、リーダーが変わるだけでは組織は変化しない。導入する新しい技術によって生産性が高まり、成果が上がると部下に認められなければならないのだ。

これだけ情報が速く手に入るようになっても、いまだにリーダーに素早く伝わらない情報がある。それは問題発生の情報だ。悪いニュースを上司に知らせるのをできるだけ遅らせようとする者がいる。だが、これは何の解決にもならないどころか、状況を悪化させるだけだ。リーダーは悪いニュースをすべて掌握する必要がある。早い段階で知ることができれば、様々な視点から解決を図れるからだ。問題が発生したら、速やかにすべてを報告することを、組織のルールとして徹底しなければならない。

その情報は本当に正しいか?

速やかに情報を集めることは極めて重要だが、第一報には気をつけなければならない。それは100%正しい可能性もあるが、全面的、あるいは部分的に間違っているかもしれないからだ。

信じられないような第一報が入ってきたら、まずは深呼吸をする。そしてその確認に要する時間と確認方法を考える。それから特別な状況がないか思いを巡らせ、その情報が間違っている場合のリスク、正しい場合のリスクをそれぞれ考える。ここまで考えたらもう時間切れだ。すぐに何らかの行動を起こさなければならない。

正しい情報を得ることと同様に、正しい情報を発信することも重要だ。軍部の人間としてメディアの前で話をする場合、聞き手は記者だけではない。本当に情報を伝えなければならないのは、その向こうにいる国民である。さらに、他国の政治家や軍部関係者、敵、現場の兵士も意識すべき聞き手だ。公の場で話をするときは、誰に対して話しているのかをよく考えなければならない。

組織の力を引き出す

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ひとつのチーム、ひとつの戦い

アメリカ南方軍に伝わる有名なスローガンがある。「ひとつのチーム、ひとつの戦い」だ。ひとつの目的のもとに、全員がひとつのチームとして戦うという意識は、組織になくてはならないものだ。共通する目的があるからこそ、組織の各部門が協調してひとつの方向に進める。この目的を示すのがリーダーの役割である。時間の許す限り、仕事の目的を丁寧に説明し、部下自身に「やりたい」と思ってもらえるよう努力するべきだ。

また、組織や自分自身が前に進むために欠かせないのが、自省である。徹底的な自省は難しいが、特に不満足な結果のあとの自省は重要な役割を持つ。何が起き、誰がどういう判断をしたのか、どの行動がよくなかったのかを振り返るのだ。目的は責任者を糾弾したり、採点したりすることではない。大事なのは、次へ活かす学びを得ることだ。パフォーマンスを高めるために、チーム内で忌憚のない意見をぶつけ合うことが求められる。

代えのきかない人物を作るな

ある一人の人物を、その作戦で欠けてはならない人物にしてはいけない。責任ある立場であればあるほど、何かあったときにすぐに交代できる人員を用意しておくべきだ。組織を定期的にチェックし、能力のない人間を取り除くこともリーダーの役割のひとつだ。リーダーは職務に見合う能力を失った者を交代させられるよう、常に準備を整えておかなければならない。

また、「自分がいなければ」と組織にしがみついていてはいけない。陸軍では、離任するときはきっぱりと離任する。長期にわたる引継ぎは行わない。後任者にはこちらから連絡はしないが、聞きたいことがあればいつでも連絡するよう伝えておくといいだろう。自分がいなくとも、有能な後任者が組織を支えてくれる。役割が終わった者は、すぐにその場を離れるべきだ

一読のすすめ

アメリカの国務長官を務めた著者自身の経験から導き出されたリーダーの心得は、重みがある。要約ではそのエッセンスを凝縮してまとめたが、ぜひ著者の言葉とエピソードを本書で確かめてほしい。リーダーだけでなく、働くすべての人にとって参考にしたい仕事術が満載だ。「元国務長官の話にじっくり耳を傾ける」というぜいたくな体験を楽しんでほしい。

【出典:「リーダーを目指す人の心得 文庫版」株式会社フライヤー

>>>「人事の10分読書」シリーズ

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