@人事のおすすめサービス比較・解説
人事評価システム導入で解決できる課題とは? サービスの比較と選び方
2021.05.14
2021年上半期おすすめサービスの価格、サポート体制、連携可能なシステムを徹底比較
昨年度下期の人事評価がひと段落した今の時期、評価を通じて、さまざまな課題が見えてきた企業も少なくない。すでに対策に動いている企業もいるだろうが、人事評価に関連する課題の解決手段は多岐にわたり、有効な解決策を見出すにも時間がかかる。
そこで今回、@人事の人事コンサルタントが「人事評価システムによって解決できる課題」と自社にマッチするシステムの選び方を解説する。システム導入によって解決できる課題だけでなく、システム導入では解決できない課題(システム導入以外の解決が必要)についても整理をすることで、「自社に本当に人事評価システムは必要なのか」を検討できる。さらに、システム導入による解決が効果的な企業には、自社にマッチするシステムの選び方と、代表的な人事評価システムのコンセプトを紹介する。【企画・解説:@人事コンサルタント、制作:@人事編集部】
- 目次
-
- 人事評価システム導入によって解決できる課題
【1】人事評価業務の効率化
【2】公正な人事評価の実現
【3】人事評価の形骸化からの脱却 - 人事評価システムの導入以外で解決が必要な課題
- 人事評価システムの比較表
- 比較表掲載サービスの特徴・コンセプト紹介
- まとめ
- 人事評価システム導入によって解決できる課題
人事評価システム導入によって解決できる課題
人事評価システムとは、人事評価に関連する業務に必要なデータを一元管理するシステムのことです。
人事評価システムの導入により、解決できる課題とその解決方針は次の3つに分けられます。
【1】人事評価業務の効率化
人事評価の際、人事部門が社員の方に評価を依頼する・また社員が入力した評価情報を人事部門が収集するというやり取りが発生します。
紙やエクセルなどの表計算ソフトで評価情報を管理する場合、各社員への個別の評価シート送付や入力後の返答の集約などが手間になってしまいます。特に紙ベースでの管理の場合、評価対象となる社員一人ひとりの情報を資料としてまとめる必要がありとても手間となってしまいます。また、社員ごとにシートの入力が済んでいるのか・いないのかを確認し、それぞれに合わせた対応をすることも大変です。
人事評価システムの導入によって、紙・エクセル、給与システムなどに点在していた情報が一元化され、人事評価システム内で評価情報のやり取りが完結できます。社員はシステムにログインしてデータを確認できるため、わざわざ印刷して確認する必要もありません。
また、評価業務の対応状況が可視化され、進捗把握が容易に行えるほか、サービスの中には未対応者へリマインドやアラートのメールを自動送信する機能を持つシステムもあり、業務の効率化が高まります。
【2】公正な人事評価の実現
人事評価は評価者の主観による評価が行われてしまうことがあります。また、評価基準が十分に共有されず、評価がブラックボックス化してしまっているケースもあります。
人事評価システムの導入により、公正な評価や評価基準の明確化が期待できます。各企業で客観的な評価基準をシステム内で設定しておき、評価者が各項目の基準を見ながら評価できるようになるため評価者の主観に頼る評価がされづらくなります。また、各社員の目標達成データなどを客観的な指標を元に評価できたり、複数の評価者で評価対象のデータ共有が容易なため多面的な評価が可能になります。
【3】人事評価の形骸化からの脱却
人事評価制度とは本来、社員の成長や育成に寄与するものであるべきです。ただ、それが形骸化し「賞与を決めるための評価」になってしまう場合があります。
社員にとっては、評価面談のタイミングで設定した目標を振り返る機会が持てず、年2回の評価のタイミングでのみ振り返るという場合もあります。
人事評価システムの導入により、これらの課題を解決するための環境が作られます。
1つは社員の成長や育成に直接働きかけるコミュニケーションのサポートです。例えば、1on1を実施した場合にその記録をシステム内に蓄積することで、評価者・非評価者がいつでもシステムにアクセスして、FB内容を振り返ったり、定めた目標の達成度を確認しやすくなります。
もう1つは、人事評価制度の内容整備及び効果的な運用の際のサポートです。【2】で挙げた、評価基準の明確化、客観的な評価を通じて、人事評価制度の見直しや改善が期待でき、人事評価の効果的な運用につながります。
人事評価システムの導入以外で解決が必要な課題
ここまで、システム導入により解決できる課題とその解決手法を紹介してきました。
人事評価ならびに、人事評価制度の運用においては、上記以外の課題も存在しています。それら全ての課題をシステム導入で解決できるわけではありません。
例えば、次のような課題には人事評価システム導入以外の解決方法が考えられます。
課題:自社にあった人事評価制度がどのようなものかわからない
→解決方針:制度設計を専門家にサポートしてもらう、人事評価における従業員のランク付けを廃止する
■参考:新時代の評価制度「ノーレイティング」のメリットとデメリット(@人事ONLINE)
課題:評価基準は明確だが、評価者により捉え方が違い評価にばらつきが出てしまう
課題例:
→解決方針:評価者への研修を行う
大切なのは、自社が人事評価システム導入によりどのような課題を解決したいのか明確化することです。
システム導入以外の解決方針が見えてくるかもしれません。
人事評価システムの比較表
人事評価システムの導入により、前述した人事課題を解決できます。
しかし、各システムの機能や特徴、得意とする課題解決はそれぞれです。
今回は@人事の調査により、5つの人事評価システムをピックアップして比較しました。調査結果を比較表としてまとめています。ぜひ貴社の効率的な情報収集にご活用ください。
まずは比較項目について、カテゴリごとに解説いたします。
項目カテゴリ①サービスの選定条件となりうる機能
人事評価システムの導入を検討する際に選定条件となりうる機能についての搭載有無などを記載しています。
・対応する評価形態
評価方法の中で、代表的な次の4つの手法に対応しているか
└MBO(目標管理制度)/コンピテンシー評価/360度評価/OKR
・価格
サービスの無料トライアル機能の有無や、導入・運用に必要な費用
・サポート体制
サービス導入時、および導入後のサポート内容や体制
・連携可能な他システム
・その他の機能(実務・人材管理)
└スキル管理機能:社員の持つスキル・経験・特性について管理・可視化ができる機能
└ワークフロー管理機能:情報の入力状況など、評価業務に関連するフローの可視化や進捗管理ができる機能
└給与テーブル:給与テーブルと評価情報との連携機能
└従業員満足度/意識調査:従業員満足度/意識調査を実施できる、またその情報を管理できる機能
└1on1:ミーティング時の情報を蓄積するなど、1on1の実施をサポートする機能
項目カテゴリ②各サービスのおすすめポイント
サービス利用対象としておすすめの企業規模や解決できる課題について記載しています。
・おすすめの企業:おすすめの企業規模、解決できる課題
・アピールポイント:サービスの特徴
項目カテゴリ③人事評価に関連する課題の解決方針
本記事前半で述べた下記課題をどのように解決できるかを記載しています。
・人事評価業務の効率化
┗人事評価業務そのもの
┗人事評価に付随する業務(異動・給与等)
・公正な人事評価の実現
・人事評価の形骸化からの脱却
以上の項目を記載した比較表がこちらです。※クリックすると拡大します。サービス名は一部略称で表記しています。
比較表掲載サービスの特徴・コンセプト紹介
最後に比較表掲載の各サービスの特徴・コンセプトとともに、どんな企業様に適しているかをご紹介します。※記載内容は2021年4月9日調査時点の情報
クラウド人材管理システム「HRBrain」/株式会社HRBrain
▼@人事から見た特徴/サービスコンセプト
・戦略的な情報活用を、「誰でもシンプル」に行える
・人事評価/目標管理/タレントマネジメントのいずれの目的にも対応
▼これらを実現したい企業様におすすめ
・評価の煩雑さをなくすことで、人事評価における人事の負担を軽減したい
・誰しもが操作しやすい、かつ情報を見つけやすいシンプルなシステムを導入したい
▼サービス情報(@人事サービスガイド)
https://at-jinji.jp/service/698/837
▼HR Brainの資料DLはこちらから
【さらば、アナログ管理】人事評価にシステムを使うべき3つの理由
カオナビ/株式会社カオナビ
▼@人事から見た特徴/サービスコンセプト
・「タレントマネジメントシステム」の1機能として「人事評価機能」を搭載
・システム導入を通じて社員の評価への納得度・満足度を向上し、会社への信頼を醸成する
・将来的にタレントマネジメント施策を実施・成功させるための環境を作る
▼これらを実現したい企業様におすすめ
・評価関連業務を効率化し、評価の精度や質を改善することに社員の時間を割きたい
・社員の評価への納得度を高めたい
▼サービス情報
https://www.kaonavi.jp/
CYDAS PEOPLE/株式会社サイダス
▼@人事から見た特徴/サービスコンセプト
・社員全員で使う人材管理のプラットフォームとして位置づけられる
・社員自らが能動的に社員情報を更新することで、人事部門の負担が削減される
▼これらを実現したい企業様におすすめ
・社員自らがシステムに訪れ設定した目標を確認できる状況を作り、目標の形骸化を防ぎたい
・社員の成長・育成のため適材配置を実現したい
▼サービス情報
https://www.cydas.com/service/cydas-people/
・関連サービス情報(@人事サービスガイド)
タレントマネジメントシステム「CYDAS」
https://at-jinji.jp/service/517/633
WiMS/SaaS 人事考課システム/株式会社ソリューション・アンド・テクノロジー
▼@人事から見た特徴/サービスコンセプト
・従業員規模500人以上の企業向けに、人材育成/開発の戦略をヒアリング
・企業ごとに実現したい理想像に合わせたサービスの利用方法を提案
▼これらを実現したい企業様におすすめ
・評価情報を人材育成に活用することも踏まえて、自社にあった運用方法を一緒に設計してほしい
・自社の評価制度に合わせて、システムをカスタマイズしたい
▼サービス情報(@人事サービスガイド)
https://at-jinji.jp/service/247/282
ヒョーカクラウド」/株式会社シーグリーン
▼@人事から見た特徴/サービスコンセプト
・低価格で評価の効率化が実現できる
・他に展開するサービス「1on1管理」「モチベーション管理」と組み合わせることが可能
▼これらを実現したい企業様におすすめ
・コンピテンシー評価/MBO評価/スキルマップ評価のいずれかを採用しており、評価情報の収集を効率化したい
・できるだけコストをかけずにシステム運用をスタートさせたい
▼サービス情報
https://www.seagreen.co.jp/hyoka/
まとめ
人事評価システムの導入によって解決できる課題および、具体的な5つのサービスについて特徴を解説しました。
人事評価に関連する課題解決の一助になりましたら幸いです。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、働き方が大きく変わり、私たち@人事にも人事評価に関する多くの問い合わせをいただいております。人事評価や組織における普遍的かつ見えづらかった問題が、新しい働き方への対応を通して、課題として顕在化したのが、今の人事評価を取り巻く環境と考えております。
会社・組織を良くする動きを止めないためにも、もし顕在化した課題と、人事評価システムで解決できる課題が一致しているのであれば、人事評価システムの導入をご検討されてはいかがでしょうか。
システムの具体的な検討についてお困りごとや、自社の人事評価の課題を明確にしたいなどのご要望がございましたら、@人事の人事コンサルタントがご相談を受け付けております。
下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちらより
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