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編集部通信

【@人事主催】人事の個別相談会「人材マネジメント編」レポート


人材マネジメントの課題解決、評価制度運用やマネジメント力強化のポイントを人事担当者が解説

2021.03.19

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@人事を運営するイーディアスは2月25日に「人事の個別相談会・人材マネジメント編」をオンライン形式で開催した。「マネジメントに関する課題の解決策が分からない」「課題整理も兼ねて他社事例を知りたい」などの人事担当者が持つ課題に対して@人事の人事コンサルタントが個別相談を行った。また、施策を行う最初の一歩につなげるべく、実際に課題解決に取り組み、成果をあげた企業の人事担当者を招き、どのような点が障壁になるのか、対策のためにどのような準備をして、社内にどのように働きかけていったのかなど、解決のプロセスを具体的に解説してもらった。

マネジメント層の教育を強化したミクシィ(東京・渋谷)と社員を巻き込んで制度改革を行ったネクスウェイ(東京・港)、企業戦略と人事評価制度の乖離を解消したイーブックイニシアティブジャパン(東京・千代田)の解説を中心を相談会の様子をダイジェストで紹介する。【2021年2月25日取材、文:株式会社イーディアス・長谷川久美】

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目次
  1. 参加企業が抱える人材マネジメント課題
  2. 【課題解決事例①】株式会社ミクシィ:マネジメント層の育成ができていない
  3. 【課題解決事例②】株式会社ネクスウェイ:社員の協力・改善意識が醸成されていない
  4. 【課題解決事例③】株式会社イーブックイニシアティブジャパン:現在の企業戦略と人事評価制度の乖離
  5. 【課題解決事例④】株式会社イーブックイニシアティブジャパン:リモートワーク下でのマネジメント強化
  6. 相談会を終えて
  7. セミナー概要

参加企業が抱える人材マネジメント課題

画像:スライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

はじめに、参加した3社の人事と@人事のコンサルタントがZoomのブレイクアウトルームを活用して個別相談を行った。

画像:個別相談の様子(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

@人事のコンサルタント(中央)が参加者からヒアリングをしながら、課題の顕在化、整理を行った。

参加した3社の人事担当者からは次のようなマネジメント課題を挙げられた。

A社
「目標管理を導入しているが、目標のレベル感が合っていないため、納得感のある相対評価ができていない。等級ごとの役割定義の見直しも課題に感じている」

B社
「自社の人事評価の評価項目が具体的になっておらず分かりにくい。人事だけでは現場の実態が把握できず人材開発のための制度が整備できていない」

C社
「人事評価制度がある部署とない部署があり、賃金の決め方に透明性がない。現在の制度では昇給のためにどんな行動が必要なのか具体的に組み込まれていない」

各社に共通して、自社の評価制度の運用に課題を感じており、本格的な制度改革のための工数確保が難しい、という声もあった。以下、人材マネジメント課題の解決策となりうる、ミクシィ、ネクスウェイ、イーブックイニシアティブジャパンの3社が語った課題解決事例を紹介する。

【課題解決事例①】株式会社ミクシィ:マネジメント層の育成ができていない

画像:株式会社ミクシィのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社ミクシィのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

人事戦略グループマネジャーの杉村元規さんが取り組みを解説した

人事戦略グループマネジャーの杉村元規さんは、「施策実施前にミクシィが抱えていた最大の課題はマネジメント層の育成ができていないことだった」と話した。

杉村さんは改革の背景をこう語った。「2020年には東証一部に市場変更に至り4年で正社員の従業員数が約2倍の1,000人に増加。急激な成長を遂げた一方で、増加したマネジメント層の育成不足や人事評価の全体像を把握できない状態がありました」
当時は現場のマネジャーからも「昇進したものの、具体的なマネジメント業務の仕方が分からない」という声があり、一般社員への評価やマネジメントにも必要以上に工数がかかっていたという。

ミクシィが課題に対して行ったのは以下の3つの施策だ。

画像:株式会社ミクシィのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

①マネジメント層のための行動指針「mixi Management Beliefs」の策定

最初の取り組みとして「2020年4月からマネジメント層のための行動指針『mixi Management Beliefs(ミクシィ マネジメント ビリーフス)』の策定とマネジメント層の役割を組織成果の最大化とである定義した。行動指針の素案作成から完了までにはおよそ4カ月を要したという。

②行動指針を活用したワークショップを実施

次に行ったのはマネジメント層を対象にしたワークショップの実施だった。各行動指針が達成できているか行動を内省するというプログラム内容で、杉村さんは「ワークショップだけでなく、現場では1on1ミーティングを活用し行動指針に対する振り返りも実施しています」と付け加えた。2020年1月から本部長以上、2021年2月から部室長、2021年4月以降からマネージャーを対象に360度フィードバックも実施中である。

③評価制度のガイドラインを作成、2021年4月より運用

杉村さんは従来の評価制度の問題点について「人事評価を各部署に一任していたため、統一的な基準を用いた評価ができておらず、暗黙知になっていたルールもありました」と指摘。杉村さんら人事は本部長や部室長クラスにヒアリングを実施した上でガイドラインの見直しを実施、2021年4月から新ガイドラインの運用をスタートさせる予定だという。

施策実施後の変化

画像:株式会社ミクシィのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

杉村さんは施策実施後の成果として「データがなかった状況からマネジメント層の育成における方向性が定まったことが特に重要な変化でした」と語った。また、マネジメント方法に悩むマネジャーの負担に配慮したサポートをしたことで「マネジメント工数の大部分を占めていた『悩む時間』の削減につながりました」と手ごたえを感じている。

質疑応答

参加者からの質問:評価者の研修や教育はどのように行ったのでしょうか。また、360度フィードバックは難しい面もあると思いますがどのように運用するのでしょうか。
杉村さん:評価のズレ防止のため定期的に社員とコミュニケーションを取るよう評価者であるマネジャーに徹底してもらいました。日頃からの1on1でフィードバックをなるべく多くするように伝えています。また、心理的安全性が確保されなければ、社員も本音を言えません。事前に360度フィードバックを行う目的と狙いを明確に社員に伝えるなど、人事や評価制度の信頼性を積み上げる取り組みを行っています。

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【課題解決事例②】株式会社ネクスウェイ:社員の協力・改善意識が醸成されていない

画像:株式会社ネクスウェイスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社ネクスウェイのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

人事広報室の柳田彩佳さんが取り組みを解説した

ネクスウェイで人事業務を行う人事広報室の柳田彩佳さんによると、同社が抱えていた最大の課題は会社運営に対する社員の「協力意識」と「改善意識」だという。「もともとネクスウェイはリクルートから分離独立して設立された企業。2015年から約4年間、ネクスウェイに合った組織文化を目指し見直しを開始しました」(柳田さん)

当時の課題として、以下の3点を挙げた。
1.給与テーブル見直しによる不満
2.所属する組織を意識した内向き思考
3旧態依然とした社内ルールへの不信感

課題解決のための施策:「取捨選択プロジェクト」の実施

画像:株式会社ネクスウェイスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

ネクスウェイが人事制度改定後に行った施策のひとつが「取捨選択プロジェクト」だ。プロジェクト内容について次のように解説があった。

「設立当時からある慣習やルールを洗い出して、続けるものやめるものを選別するプロジェクトです。社内では、やめるプロジェクト=やめプロと呼んでいました。『管理職視点の洗い出し』『メンバー社員視点の洗い出し』『管理職とメンバーから出た意見を擦り合わせ、続けること・やめることを分別』という手順で施策を行いました。」

柳田さんが「取捨選択プロジェクト」をはじめ各取り組みを通し人事として特に重視したポイントは以下の3つ。

画像:株式会社ネクスウェイスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

①人事として感じたことを定期的に経営陣に伝える

柳田さんははじめに、「経営陣が改革を進めるリーダーとしてやってみようという意思を持ち、そのメッセージを社員に向けて発することがとても大事でした。幸いネクスウェイの経営陣は変える意思が固かったので進めることができました」と振り返った。人事として関わった点についてはこう語った。「何を変えるのかが大事なので課題を洗い出すためにも、社員から出た意見はもちろん、私自身がいいと思う、おかしいと思うこと、を社長と意見交換する時間を最低でも週1回1時間は実施しました。その中で人事、社員、社長の考えを互いに知り、どこから始めるかを考えていきました」

②現場の社員に経営陣が考えていることを丁寧に伝える

次に行ったのはマネジメント層を対象にしたワークショップの実施だった。各行動指針が達成できているか行動を内省するというプログラム内容で、杉村さんは「ワークショップだけでなく、現場では1on1ミーティングを活用し行動指針に対する振り返りも実施しています」と付け加えた。2020年1月から本部長以上、2021年2月から部室長、2021年4月以降からマネージャーを対象に360度フィードバックも実施中である。

③社員に「変わっていくこと」を意識してもらう

「振り返ってみると、やめプロを通して、社員に変わる体験をしてもらったことが全体の推進力になりました。」と語った。「やめプロの後、社内の有志が集まり様々な施策を進めていたのですが、その中には “やろう課”という新しく始めるための活動も動きはじめ、社長と有志メンバーで直接どうやるのかを話合って進めていました。」という話があり、施策が次の動きにもつながっていることがうかがえた。

質疑応答

参加者からの質問:変わることに対する反発など、苦労した部分はありましたか。
柳田さん:ありました。メンバーよりも管理職の方がこれまで積み上げてきたことや気持ちも大きいので、変わることへの抵抗は強かったと思います。そのため、管理職との対話量が最も多かったです。

参加者からの質問:意見のすり合わせは会話の積み重ねを通じて行ったのですか。
柳田さん:はい。外部の方に入っていただいて、ファシリテーションはお願いし、直接は言いにくい意見も回収しました。

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【課題解決事例③】イーブックイニシアティブジャパン:現在の企業戦略と人事評価制度の乖離

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

イーブックイニシアティブジャパンは当日の都合がつかず相談会には参加していないため、事前にヒアリングシートで調査した内容を@人事編集部が資料にまとめた。

1つの目の課題は「現在の企業戦略と人事評価制度に乖離が出始めている。現状の企業戦略とそれに伴う組織戦略が制度制定当時と大きく変化していたことを受け、2020年4月に改定を行った。完成した評価制度はグレードと賃金体系をリンクさせたことによって、評価者が評価の相対評価がしやすくなり、昇格判断の参考材料にもなりえるものとなった。また、社員から評価基準が整理され、年収とリンクしたグレードが論理的で良いと支持された。
以下、スライドで紹介する。

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

【課題解決事例④】株式会社イーブックイニシアティブジャパン:リモートワーク下でのマネジメント強化

2つの目の課題は「リモートワーク下でのマネジメント強化」。100%リモートワーク下でどのようにコミュニケーションを確保し、支障なくマネジメントしていくか。そして、人事や管理職は、部下のコンディション(メンタル、フィジカル)をどのように把握していくか。この2点を解決するために、「上司と部下のコミュニケーション量確保」を実施した。

2020年4月の緊急事態宣言下で、毎朝執行役員MTGを開催してその中で施策を決めていく。「コロナ禍は誰も経験したことのない環境であったため、『まずやってみよう。効果がなければ止める』という考えで実施していきました」(同社)。施策の効果を測るために毎月1回「コンディションチェックアンケート」を実施し、従業員の状態をチェックすると同時に施策の効果もこのシートで確認することにした。
以下、スライドで紹介する

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

画像:株式会社イーブックイニシアティブジャパンのスライド資料(人事の個別相談会・人材マネジメント編の実施レポート)

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1on1は「斜め」が効く? 社外の人材がキャリアを拓くイーブックイニシアティブジャパンの「斜め1on1」

相談会を終えて

各社の解説では、制度の構築そのものだけでなく、人事として評価制度の適正な運用をするための工夫や、意見のすり合わせなど社員や経営陣とのコミュニケーションのあり方についても具体的な言及があった。

相談会を終え、参加企業の人事からは「相談会や他社事例を聞けたことで解決へのヒントを得られたと思う」「人事制度構築する手法として、文化の形成や経営陣との意見のすり合わせといった具体例が勉強になった」という声が寄せられた。
今回のレポートを通じて各企業の人材マネジメント課題と解決策の整理、課題解決のための一歩を踏み出すためのヒントとして役立てて欲しい。【おわり】

※情報はすべて2021年2月25日取材時点

@人事主催 人事の個別相談会「人材マネジメント編」概要

 

【@人事主催】人事の個別相談会「人材マネジメント編」レポート 人材マネジメントの課題解決、評価制度運用やマネジメント力強化のポイントを人事担当者が解説

企業の人材マネジメントに関する課題と解決策を@人事コンサルタントが個別相談で整理し、実際に人材マネジメントの課題解決に取り組んだ人事担当者が、どのような課題解決をどのような手順で行ってきたのか、解決事例を解説しながら参加者の質問に答える。

▼プログラム
 1.課題の根本と解決策の整理
  ―@人事の人事コンサルが、貴社の課題と解決策を整理します
 2.課題解決事例のご紹介
  ―株式会社ミクシィ、株式会社ネクスウェイ、株式会社イーブックイニシアティブジャパン
▼目的
 人材マネジメントに関する課題と解決策を整理し
 実際の事例から、課題解決のための行動が取れる状態になる
▼こんな課題・お悩みをお持ちの方にオススメです
 ・悩みはあるが根本的な課題・解決策がわからない
 ・解決までの具体的なステップがわからない
 ・すぐ動き出すわけではないが、他社事例などを知りたい
▼参加者特典
 ・@人事編集部制作ホワイトペーパー「課題解決ガイド 人材マネジメント編」の提供

開催日:2021年2月25 日(木)
開催場所:オンラインで開催
主催:株式会社イーディアス

また、@人事は常時、無料のコンサルティングを実施している。現在、オンラインミーティング形式で企業の人事担当者から課題をヒアリングし、整理した課題に対して解決策につながる企業事例の紹介やWeb版@人事で公開しているノウハウ提供やアドバイス、具体的なソリューションサービスの紹介を行う。
コンサルティングを希望する方は下記の問い合わせフォームよりお問い合せください。

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