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【社労士解説】労務担当者の年間スケジュールと6つの重要業務のポイント-2021年3月版-

2021.03.16

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労務担当者が年間業務を漏れなく対応できるように、社会保険労務士の松井勇策氏の協力のもと、主要な労務業務を一覧化し、月ごとにまとめた年間スケジュールを作成した。
労務担当者が行う「社会保険関連業務」「安全衛生関連業務」「税金関連業務」の3つのカテゴリごとに時系列でどのような業務があるのかが把握しやすくなっている。

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【社労士監修】労務担当者の主な業務「年間スケジュール」-2021年3月版-

また、年間スケジュールの監修とあわせ、主要業務の中でも特に重要な、感染症の流行や社会の変動による手続や制度の変更・新設、「『36協定』の更新、届出」「労働保険の年度更新手続」「高年齢者雇用状況報告書・障害者雇用状況報告書の提出」「ストレスチェックの実施・報告​」「算定基礎届の提出」について松井氏に解説していただいた。年間スケジュールと照らしあわせながら活用いただきたい。

目次
  1. 目まぐるしく変わる法改正への対応が必要
  2. 36協定の更新、届出
  3. 高年齢者雇用状況報告書・障害者雇用状況報告書の提出(7月)
  4. ストレスチェックの実施・報告
  5. 労働保険の年度更新手続(6月)
  6. 算定基礎届の提出(7月)
  7. 感染症の流行や社会の変動による、手続きや制度の変更・新設等

目まぐるしく変わる法改正への対応が必要

労務担当者が行う労働・社会保険関連の手続きについては、働き方改革に伴う制度変更や法改正などに伴って、近年大きく変化しています。

手続きも企業のルール設定や日常の運用と密接に関わる事がほとんどで、ただの事務手続きだと考えていると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。そのため、社会保険労務士をはじめ専門家と連携して、不明点の確認や最新の情報を取得する必要性が高まっているのです。

【関連記事】2021年版 人事・総務に関する法改正一覧【社労士解説】

36協定(三六協定)の更新、届出

画像:安全衛生関連「労務担当者の年間スケジュール」(@人事)時間外労働をする可能性のある企業は、規模に関わりなく年1回(4月でなくてもよい)、時間外労働に関する協定(36協定)を締結し、定められた様式で労働基準監督署への提出することが必要です。

協定書には、業務別に残業の限度時間を書き出す必要があるため、労働時間についての社内制度をよく検討する必要があります。

また、平成31年度(2019年度)から36協定の書式が変更され、時間外労働が多くなった場合の法令上の特別条項が適用される場合についても、詳細に要件を特定する必要が出てきました。

また長時間労働者への社内の健康確保措置を設定して提出する必要があり、実施の仕方の検討が必要でしょう。近時の行政の方針を見ると、36協定の提出や内容についての監督が厳しくなると考えられます。確実に締結・提出するようにしてください。

令和3年4月1日からの36協定様式変更

・届出の際、使用者の押印及び署名が不要
・過半数労働組合及び過半数代表者についてのチェックボックスが新設
※新しい「36協定届」の様式は厚生労働省のHPからダウンロードができる。
URL: https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/
※ウェブ上の入力フォームに必要事項を入力して印刷し、労働基準監督署へそのまま届出ができる「36協定届」を作成できる無料ツールを厚生労働省が公開している。
URL: https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/

高年齢者雇用状況報告書・障害者雇用状況報告書の提出(7月)

これらの報告書の提出が必要な対象事業場には人数要件があります。毎年6月初旬に、提出が必要な事業所に書面が届きます。7月15日までに提出する必要があるので注意してください。

高年齢者や障害者については、現在制度の見直しが進んでいます。障害者に関しては数度の改正が行われ、雇用する人数などを含めた改正が行われてきました。また直近では高年齢者に関する法改正が予定されており、雇用義務のある年齢の引き上げや、雇用確保措置等について変更が行われる予定です。それに伴い書式や記入欄も変更が多いため注意が必要です。いずれにしても障害者雇用促進法や、高年齢者雇用安定法に定められた、適法なルールの設定と運用を行っていることが前提です。

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ストレスチェックの実施・報告

労働環境の変化に伴って、ストレスチェックの実施が重視されています。ストレスチェックは、50人以上の企業では一年に一度の実施義務があり、全ての企業に努力義務があります。実施後は労働基準監督署に報告書を提出します。
厚生労働省から「新職業性簡易ストレス調査票」やツールが配布されており、これらを活用することができます。

誤解が多いのですが、ストレスチェックの実施方法として、社内で担当者がアンケート配布のように配布して社内で集計するという方法は行うことができません。法令で、医師や公認心理師などいくつかの資格者に実施者が限定されており、収集した情報の取り扱いも厳格に決まっています。

ストレスチェックは、適切な分析により、働く方のメンタルヘルス上の多くの情報が把握できるものですので、積極的に実施を検討しましょう。

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労働保険の年度更新手続(6月)

画像:社会保険関連「労務担当者の年間スケジュール」(@人事)労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料の清算手続きです。

基本的には提出時までの1年間の保険料を確定し、前年に支払った概算保険料との差額と、提出時までの1年間の保険料に基づいた概算保険料(今後1年の保険料見込額)を同時に支払うことになります。

また一時的に働いたアルバイトであっても、少しでも労働が行われれば労災保険の対象になるため、計算に含める必要があります。

確実に作成、提出するためには、賃金台帳などの帳簿類を日常的に作成・保管しておくことが必要です。

【関連記事】休職中の社員の給料はどうなる? 保険手当の申請手順も解説(業務ガイド)

算定基礎届の提出(7月)

算定基礎届の提出時期以外でも定常の運用として、厚生年金保険などの社会保険料については、個人別に給与額の変更があり、法律上の要件に当てはまる場合、随時、等級を変更する書面を年金事務所に提出する必要があります。

算定基礎届とは、こうした変更がない社員の方についても年に1回の給与額などの提出を行う手続きです。最近になって書式の変更でマイナンバーの記載が必須となったり、電子申請による届け出が推奨されたりと、さまざまな運用変更が行われています。最新の情報を確認して、間違いなく作成することが重要です。

【関連記事】人事担当者が知っておくべきマイナンバー制度(特集)

感染症の流行や社会の変動による、手続きや制度の変更・新設等

2020年には、感染症の流行に伴って、労働保険の年度更新手続きの提出締め切りが緩和され延長されたり、社会保険の月額変更に関するルールについて報酬が著しく低下した方については期間が短縮されたりするなど、企業や労働者に有利なルールへの一時的な変更が行われました。
その他にも、休業手当支払関連の、雇用調整助成金の要件の大幅な緩和や、各種の助成金や補助金の新設などが行われました。

社会情勢の変動に伴って、制度の一時的な変更や新設が行われることは今後も起こってくるものと思われます。こうした情報は日頃から注意して情報収集を行わないと取得が難しく、またさまざまな情報が流れるため正確な情報を把握することが必要です。

また手続きに当たっては日頃からの帳簿の的確な作成や、手続の控え等の保存が求められることが多く、労務関係の運用整備が求められるものと言えるでしょう。

労働基準監督署で行う届出や申請等の「電子申請」

労働基準監督署で行う届出や申請等については「電子申請」が可能だが、令和3年4月1日から、労働基準法関係の電子署名及び電子証明書の添付が不要になる。

厚生労働省「労働基準法等の規定に基づく届出等の電子申請について」

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編集部より

「社会保険関連業務」「安全衛生関連業務」に「税金関連業務」に加えた年間スケジュールをひとつにまとめたPDFデータ(下)を、@人事デジタルライブラリーで公開しています。@人事会員登録(無料)をしている方は無料でダウンロードができます。

【社労士監修】労務担当者の主な業務「年間スケジュール」-2021年3月版-

画像:「労務担当者の年間スケジュール」(@人事)

執筆者紹介

松井勇策(まつい・ゆうさく)(社会保険労務士、公認心理師、Webフロントエンジニア・グラフィックデザイナー) 東京都社会保険労務士会 広報委員長(新宿支部)。フォレストコンサルティング労務法務デザイン事務所代表。名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて広告企画・人事コンサルティングの営業職に従事、のち経営管理部門で法務・監査・ITマネジメント等に関わる。その後、社会保険労務士として独立。労働法務の問題や法改正への対応、IPO支援、人事制度整備支援、ほかIT/広報関連の知見を生かしたブランディング戦略等を専門にしている。(2020年1月末時点の情報です)

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