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2021年1月改正のポイント解説と就業規則への規定例


【社労士解説】2021年の育児介護休業法の法改正と育児介護休業制度の全体像について

2021.03.03

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2021年1月、育児介護休業法の法改正施行により育児休暇・介護休暇が1時間単位で取得できるようになった。施行から1カ月以上が経つが、自社の就業規則に適切に反映できているのかという不安を持つ人事・総務担当者もいるのではないだろうか。2回目の緊急事態宣言発出も重なり、新たな規則の運用面での課題感も十分にまだ見えていない状況もある。
今回、フォレストコンサルティング労務法務デザイン事務所代表の社会保険労務士・松井勇策氏に、あらためて育児介護休業法の改正についての詳細と、前提となる育児介護休業法に規定された制度の全体像について解説してもらった。自社の就業規則に適切に反映されているのか、運用時に懸念点が出ないかをチェックするのに役立てていただきたい。

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目次
  1. 2021年1月の育児介護休業法改正の概略
  2. 育児介護休業制度が作られた背景と目的
  3. 制度の全体像【1】 育児休業・介護休業とその他のルール
  4. 制度の全体像【2】 子の看護休暇・介護休暇の位置づけ
  5. 中抜けの規定について
  6. 労使協定による対象者の限定について
  7. 就業規則への規定例

2021年1月の育児介護休業法改正の概略

今回の改正により、育児や介護を行う労働者が、子の看護休暇や介護休暇を1時間単位で取得できるようになりました。
改正前の法令では、半日単位での取得が可能で、所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない制度になっていました。今回の改正により、4時間単位での取得が可能となり、さらに全ての労働者が取得できる制度に変更されました。
今回の改正は、子どもの看護や家族の介護と仕事の両立をさらに行いやすくするための改正だと言えます。

イメージ画像(22021年1月改正のポイント解説と就業規則への規定例   【社労士解説】2021年の育児介護休業法の法改正と育児介護休業制度の全体像について【@人事】)

画像はイメージです

育児介護休業制度が作られた背景と目的

今回改正された育児介護休業法について、これをきっかけに制度の全体像を改めて理解し、今回の法改正の位置づけや詳細内容を理解することが有益だと言えるでしょう。育児介護休業法は頻度高く改正が行われ、関連した運用や助成金等の制度も多くあり、全体の理解の重要性が非常に高いものだと言えるためです。

厚生労働省等の資料に述べられている制度の背景としては、何よりも我が国においては少子化の進行があります。少子化の急速な進行は、労働力人口の減少、地域社会の活力低下など、社会経済に深刻な影響を与えます。

一方で、子どもを生み育て、家庭生活を豊かに過ごしたいと願う人々は男女ともに、また期間の定めのある労働者においても多いにもかかわらず、こうした人々の希望が実現しにくい状況がみられます。こうした問題を解決するために、全ての労働者を対象に長時間労働の抑制などの仕事と生活の調和策を進めていくとともに、特に、子育てや介護など家庭の状況から時間的制約を抱えている時期の労働者について仕事と家庭の両立支援を進めていくことが必要となります。これが制度の目的だと言えます。

イメージ画像(22021年1月改正のポイント解説と就業規則への規定例   【社労士解説】2021年の育児介護休業法の法改正と育児介護休業制度の全体像について【@人事】)

画像はイメージ

制度の全体像【1】 育児休業・介護休業とその他のルール

育児介護休業法の全体で、最も大きな割合を占めているのが、育児休業と介護休業です。
これは子が保育所などに入所できず男女労働者が退職を余儀なくされる事態を防ぎ、さらに育児をしながら働く男女労働者が、育児休業などを取得しやすい就業環境の整備等を進めていくため、育児・介護休業法が大改正され、平成 29年10月1日から施行されました。

この改正により、子が保育所等に入れない場合、最長2歳まで育児休業の再延長が可能になり、法律で定める制度はさらに充実したものとなりました。また、子どもが生まれる予定の労働者に育児休業等の制度等を知らせることや未就学児を育てながら働く方が子育てしやすいよう、育児に関する目的で利用できる休暇制度を設けることが事業主の努力義務として創設されました。

図表:「育児介護休業制度の全体像① 育児休業・介護休業とその他のルール」(@人事編集部制作)

上記の休業のほかに、育児や介護を行っている労働者について、時間外労働の制限、深夜業の制限や、短時間労働についてのルールがあります。
他にも、職場におけるハラスメント防止対策を強化するため、令和2年6月1日に、職場における育児休業等に関するハラスメントについて相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止等を内容とした改正育児・介護休業法が施行されています。

制度の全体像【2】 子の看護休暇・介護休暇の位置づけ

今回の2021年1月の法改正の対象である、子の看護休暇・介護休暇は、育児介護休業法の中で上記の休業制度とは別の制度として規定されています。
育児や介護を行わなくてはならない状態にある労働者について、中長期の休業ではなく、主に急な必要性が発生した場合を想定し、休暇制度を定めたことが制度趣旨となります。それぞれの内容は以下の通りです。

図表:「育児介護休業制度の全体像② 子の看護休暇・介護休暇の位置づけ 育児休業・介護休業とその他のルール」(@人事編集部制作)

看護休暇・介護休暇を取得した日について、有給か無給かについては、法律上の定めはありません。就業規則などにおいて、看護休暇・介護休暇を有給とする旨の定めをしなければ、原則として無給となります。
また、5日間などの取得の権利が生まれる「1年間」がいつからいつまでか、ということは会社ごとに決めることができます。そのため、就業規則や育児介護休業規定などについて、いつからいつまでの1年間とするかを定めておく必要があります。

これらの休暇制度について、2021年1月から1時間単位での取得が義務化され、全労働者が対象となったということが法改正の内容と位置づけとなります。今回の法改正は、育児や介護が必要な労働者について、労働との両立をさらに可能とするような方向性の改正であると言えます。次に、法改正についての詳細について解説します。

中抜けの規定について

今回の法改正における「時間」とは、1時間の整数倍の時間を指し、労働者からの申し出に応じ、労働者の希望する時間数で取得できるような制度である必要があります。しかし、法令で求められているのは、いわゆる「中抜け」なしの時間単位休暇です。
つまり、労働の開始や終了等に接続した時間についての、1時間単位の休暇の取得を認めることが義務化されたということです。

法を上回る制度として、「中抜け」ありの休暇取得ができるように配慮するようなお願いが厚生労働省の資料等には書かれています。また、既に「中抜け」ありの休暇を導⼊している企業が、「中抜け」なしの休暇とすることは、労働者にとって不利益な労働条件の変更になるため、正当な事由や代償措置、労働者の同意などが通常必要になりますのでご注意ください。

労使協定による対象者の限定について

今回の看護休暇や介護休暇を時間単位で取得することは「業務の性質や実施体制に照らし1日未満の単位で休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者」については、労使協定を締結することにより、時間単位の休暇制度の対象から除外することができます。

困難な業務の範囲は、労使で⼗分に話し合って決めることが必要とされています。
その他の通達上の規定から推測すると、こうした制限のためには、客観的に、1時間単位などの単位で休暇を取得することが、業務の性質上物理的に無理であったり、業務の付加価値を著しく毀損したりすることなどの客観的な理由が必要であると考えられます。
たとえば、業務の態様にかかわらず一律に「1日の所定労働時間数が4時間以下の者」であることをもって時間単位の看護・介護休暇の取得対象から除外する取扱いは許されないとされています。

就業規則への規定例

育児介護休業法の内容は、企業にとっての義務となる内容であるため、就業規則の内容として必須で記載することが求められている内容となります。今回の法改正について、就業規則に規定する場合の例として、たとえば以下のような内容とすることが考えられます。

第○条

  1.  ⼩学校就学の始期に達するまでの⼦を養育する従業員(⽇雇従業員を除く)は、負傷し、⼜は疾病にかかった当該⼦の世話をするために、⼜は当該⼦に予防接種や健康診断を受けさせるために、就業規則第◯条に規定する年次有給休暇とは別に、当該⼦が1⼈の場合は1年間につき5⽇、2⼈以上の場合は1年間につき10⽇を限度として、⼦の看護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4⽉1⽇から翌年3⽉31⽇までの期間とする。
  2. ⼦の看護休暇は、時間単位で始業時刻から連続⼜は終業時刻まで連続して取得することができる。

【おわり】


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執筆者紹介

松井勇策(まつい・ゆうさく)(社会保険労務士、公認心理師、Webフロントエンジニア・グラフィックデザイナー) 東京都社会保険労務士会 広報委員長(新宿支部)。フォレストコンサルティング労務法務デザイン事務所代表。名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて広告企画・人事コンサルティングの営業職に従事、のち経営管理部門で法務・監査・ITマネジメント等に関わる。その後、社会保険労務士として独立。労働法務の問題や法改正への対応、IPO支援、人事制度整備支援、ほかIT/広報関連の知見を生かしたブランディング戦略等を専門にしている。(2020年1月末時点の情報です)

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