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『テレワーク時代のメール術』の著者・平野友朗氏が伝える、テレワーク時代の今まさに“メールの活用が求められていること”

2020.10.12

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多くの企業でテレワークが導入され、メールを含めたコミュニケーションの方法や在り方が大きく変わった。そこで起きる課題は、メールの活用法によって解決できるものがあるという。
10月8日に発売された『テレワーク時代のメール術 評価される人は1通のメールで仕事が終わる』(WAVE出版)は、ビジネルメールの第一人者で、ビジネスメール教育の専門組織・一般社団法人日本ビジネスメール協会の代表理事を務める平野友朗氏が執筆した30冊目の著書。メールの可能性を追求し続けてきた平野氏が「テレワーク時代の今まさに、メールの活用が求められている」と、“テレワークだからこそ活用したい”メールのノウハウや実践法を紹介している。

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今回、発刊にあわせて平野氏から「@人事」読者向けにコラムを寄せていただいた。以下、全文をそのまま掲載する。

テレワークが増えてメールが難しくなった!?

写真:『テレワーク時代のメール術』著・平野友朗氏(WAVE出版)

2020年10月8日WAVE出版さんより『テレワーク時代のメール術 評価される人は1通のメールで仕事が終わる』を発売しました。

これは私自身30冊目となる書籍です。メールをテーマとした本を30冊近く出してきたというと「メールでそんなにネタがあるの?」と驚かれたことがありますが、メールは答えのない世界です。誰一人として同じ人がいないように、コミュニケーションにも同じ瞬間はありません。感情を持った人間同士が使う手段、それがメールです。

相手や状況が変わればメールも変わります。Aさんに送って喜ばれたメールを、そのままBさんに送ったら気分を害されるかもしれない。自分ではアリだと思ったことが、相手にはナシと映るかもしれない。唯一の正解、魔法のテンプレートは存在しないのです。書いて伝えるコミュニケーションの難しさは、そこにあります。その代表例がメールです。そしてメールの奥深さも、そこにあります。メールの悩みは数知れず、時代が変わればコミュニケーションの在り方も変わり、ネタは尽きません。

自信を持って「私のメールは問題なし」と太鼓判を押せる人がどれだけいるでしょうか。それに「私のメールは大丈夫」という人がいたら、ちょっと怪しいなって思いませんか。コミュニケーションに唯一の正解がない以上、メールの模索は続きます。それがコロナ禍の今、新たな課題を浮き彫りにしていると感じます。

私は起業してから約18年、会うよりも、電話をかけるよりもまず、メールを使って仕事を進めてきました。部下への指示や取引先への提案、アポ取りや料金交渉、クレーム対応といった難しいことも全てメールで行っています。

会社員時代、飛び込み営業が苦痛で、気合と根性ではアポがとれず、なんとか効率よく営業成績を上げたいと思っていました。そこで手元にたまった名刺を活用すべく、メールを定期的に送って接触頻度を高める案を上司に提言しました。でも、思うようには通らなかったので起業しました。飛び込み営業やテレアポを一切せずとも仕事はできることを証明するために、会社を立ち上げたのです。

会わずに、電話をせずに、いかにメールを使って文字だけで意思の疎通を図るか。コミュニケーションを取り、業務を遂行するか。それを極め、専門としています。

今回、本の企画がスタートしたのは2020年の2月頃。企画を練っていく中で、世の中の皆さんの悩みが、これまでとはガラリと変わりつつあることを実感しました。そう、コロナ禍です。

コロナ禍のため、テレワークが急に増えました。オンラインツールの導入が一気に進みました。今までは、ちょっとした声がけや電話をかけることによってメールでの「噛み合わない部分」を口頭で埋めることができていた人も、出社しないから会わない、電話よりはメールという状況に陥り、伝わらない壁にぶつかって苦しんでいる声を多く耳にしたのです。

取引先へ訪問することができない、相手が在宅勤務だから簡単には電話ができない、電話よりはメールが優先される。いや応なしに働く環境が変わり、相手の状況をよりおもんぱかる人が増えたように感じます。

まずはメールを使う。どんなときもメールを使いこなさなければならない。それが、急速にテレワークへ舵を取った時代の変化に困惑しながらも、ついていかなければならない私たちの新たな課題となりました。

テレワーク時代の今まさに、メールの活用が求められています。これまで以上にメールは不可欠なコミュニケーション手段として、仕事で重要な役割を担うでしょう。だからこそ、メールの可能性を追求してきた私にできることがある。それが、本書を執筆したきっかけです。

「かもしれない」にこだわる

テレワーク中だと相手の姿が見えず、電話するのもはばかられる、メールで確認するのも面倒。そうなれば「読んでいるだろう」「そろそろ返事がくるだろう」と希望的観測に依存して、当てが外れたら相手を責めてしまいかねません。返事がこなかったとき「なぜ読まないんだ」「なぜ返事をしないんだ」と相手を責めることができるでしょうか。逆の立場なら、それがいかに危険なことか想像できるでしょう。

メールを正しく使うためには次の三つを心に留めます。

・届いていないかもしれない
・読んでいないかもしれない
・伝わっていないかもしれない

「かもしれない」と思うことで、自分や相手を過信しなくなります。決めつけて相手を責めることもなくなります。「もしかして」と常に疑い続けることで、トラブルを未然に防げるようになるのです。

「伝える」「理解する」「管理する」

ポイントを押さえているかどうかでコミュニケーションは変わります。メールでのコミュニケーションのポイントは「伝える」「理解する」「管理する」の三つです。

◎「伝える」

メールは、相手の感情や理解を確認する手がかりが対面や電話に比べて格段に少ないため、相手の性格や思考パターンを考えて文章を作らなければなりません。相手の反応や理解を先回りする必要があります。

例えば「なるべく多く」「できるだけ早く」のような言葉も、こちらの意図と相手の理解がずれる可能性があります。こちらの意図は3日以内でも、相手は5日以内と受け取るかもしれません。対面なら互いの認識違いを瞬時に確認できますが、メールはそれができないのです。メールで伝えるときは曖昧さを徹底的に排除します。

◎「理解する」

メールを読んで分からないことがあったき、対面ならすぐに質問していたことも、テレワーク中だとあえて聞くまでもないと控えたり、聞く手間を惜しんだりして「こういうことかな」と推測することが増えます。ここでボタンの掛け違いが発生すると、その後が大変です。トラブル解消のために無駄な時間を使うことにもなりかねません。

メールを使うときは相手を理解することが大切です。送信者の立場では、誤解を招いたり、推測させたりするような書き方はしないこと。受信者の立場では、メールを受け取ったら相手の意図を考えること。この言葉の裏にはどんな意図があるんだろう。何を考えてこの言葉を使ったのだろう。この言葉を使っているということは、理解できていないのではないだろうか。そう考え抜くことで相手の意図が見えてきます。

◎「管理する」

メールを管理するのは、自分の携わっている業務を管理するのと同じことです。返事のない相手に催促したり、自分の返信漏れがないかを確認したり。自ら働きかけて仕事を進めます。メールボックスは仕事をしている机の上と同じくらい整理整頓しましょう。

メール整理の代名詞ともいえるフォルダ分けも、構造が複雑になればメールが見つからなくなります。必要なメールが10秒以内に見つからなければ、その管理方法には問題あり。検索が速いメールソフトなら、検索を徹底的に使いこなしましょう。件名を付けるときはパターン化する。届いたメールは、読んだらすぐに返事をする。メールをパターン処理すると効率が上がります。

一人でも多くの人に楽をしてほしい

仕事では書く力が求められますが、素晴らしい文章を書けるようになる必要はありません。よく考えてみてください。今まで「このメールは素晴らしい!」と感動したメールに何通出会いましたか。私は今まで140万通以上のメールを送受信してきましたが、ゼロです。素晴らしい文章は必要ありません。

・自分の考えや感情を整理する
・分かりやすい表現を使う
・理解しやすい構成で文章にする
・読みやすいレイアウトを意識する
・過不足なく伝える

これらを満たすようなメールは仕事をスムーズに進めます。ただ、多くの人はこれらを「普通のメール」だと評価するでしょう。メールのプロである私が書くメールも「普通のメール」です。仕事では、それで十分なのです。

高度な文章力を求められていると勘違いして、メールを書くことに苦しんでいる人をたくさん見てきました。メールの特性を理解し、ポイントを押さえてコミュニケーションを取る。それで十分、テレワーク時代の荒波を乗り越えることができます。

本書では今すぐに実践していただきたい、さまざまなポイントを紹介しています。一人でも多くの方がメールのストレスから解放され、メールをビジネスの味方につけていただくことを願っています。
【おわり】
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本を読んだ感想や、こういう時はどうしたらいいの?などのご質問は、Twitterで「 #テレワーク時代のメール術 」というハッシュタグをつけてつぶやいてください。平野ができる限りのアドバイスをお伝えします。

著者プロフィール

写真:平野友朗氏(一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事、株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役)

一般社団法人日本ビジネスメール協会 / 代表理事
平野 友朗

メールマナーに関するメディア掲載1,500回以上、著書30冊のビジネスメール教育の第一人者。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5,000社の顧客を開拓。

得意とする分野は、メールコミュニケーション効率化や時間短縮などの業務改善。ウェブマーケティングの戦略立案やメルマガ・ウェブサイトの改善。メディア戦略を含めたブランド構築や出版プロデュースなど多岐に渡る。優れた専門性と指導力を有し、メールのスキルアップから、メールの効率化による業務改善までを多くの企業で指導。ビジネスメール教育に力を入れる官公庁、企業などへのコンサルティングや講演・研修回数は年間150回を超える。

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書籍紹介

写真:『テレワーク時代のメール術』著・平野友朗氏(WAVE出版)

書名  :テレワーク時代のメール術 評価される人は1通のメールで仕事が終わる
著者  :平野友朗 
出版社 :WAVE出版
発売日 :2020年10月8日
定価  :1500円+税
URL  :WAVE出版:https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866213088/
Amazon :https://www.amazon.co.jp/dp/4866213086

Contents
・序 章  テレワークだからこそメールを活用
・第1章 速く・確実に伝える メールの書き方
・第2章 振り回されない メール処理の仕方
・第3章 仕事を管理するメールコミュニケーション
・第4章 主導権を握る メール交渉術

新刊紹介 『テレワーク時代のメール術』著・平野友朗

購読者特典:無料で4本の動画閲覧可能

書籍購入者には特典として、4本の動画が無料で閲覧できる。

◎実演! 平野友朗がメール作成
・手元と画面を同時にチェック
・これが達人の入力だ

◎解説! 平野友朗がメールを作成するときに考えていること
・解説しながら実際にメールを新規作成
・解説しながら実際にメールを返信

◎復習! 本書での学びを深めるために
・本書のエッセンスを動画でギュッと解説
・押さえておきたい5つポイント

◎ヒント! 組織のメール業務改善
・メールの業務改善がうまくいかない3つの理由
・具体的な手順と、期待できる効果

『テレワーク時代のメール術 評価される人は1通のメールで仕事が終わる』

WAVE出版:https://www.wave-publishers.co.jp/books/9784866213088/
Amazon :https://www.amazon.co.jp/dp/4866213086

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