企画

with/afterコロナ時代に有効な採用手法


ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

2020.10.06

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コロナウイルスの感染拡大の影響により、採用活動にオンラインを取り入れる企業が増え続けている。特に2021年卒採用の現場では、手探りの中でオンライン面接を実施した企業が多く、現場からはさまざまな課題があがった。
コロナの収束はまだ見通しが立たず、今夏のインターンシップ選考をはじめ、22年卒採用活動も引き続きオンライン活用のシーンが続いていくと見られる。そのため、さらにハードルが上がる新卒採用市場で、いかにオンライン面接で成果を上げられるかが今後の課題になってくる。

株式会社ミクシィは2013年からオンライン面接を導入し、コロナ影響前の2020年卒採用では面接の35%をオンラインで実施した実績を持ついわば、オンライン面接の先進企業だ。今回、オンライン面接の効果的な運用から、失敗しないための注意点まで、いま読者が知りたい情報を同社の人材採用部で新卒採用グループを統括する佐々木忠輝さんに聞いた。【取材:2020年8月5日 @人事編集部がZoomで実施】

写真:株式会社ミクシィ佐々木忠輝氏With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

佐々木忠輝(ささき・ただてる)

2010年にSPを扱うベンチャーの広告会社に入社。入社2年目に新規事業の責任者となり、年間1億円を稼ぐ事業に成長させる。その2年後、組織をもっと大きく成長させたいと考え人事部に異動。2016年に中途で株式会社ミクシィへ入社し、人事部に配属。新卒の育成やタレントマネジメントの導入など組織開発に携わった後、2018年に新卒採用グループのマネジャーに就任。

目次
  1. コロナ前から選考学生の3割強がオンライン面接を体験。 1次面接合格後は学生1人につき人事が1人担当に付く
  2. オンライン面接を始めたのは「優秀な学生と数多く接点を持ちたい」から。
  3. 全国の学生との接点創出だけじゃない、多様なオンライン面接のメリット
  4. 現場の面接官が腹落ちできるよう、自分たちにもメリットがあるものだと真摯に訴え続ける
  5. オンライン面接は、採用が難しい時代だからこそ、まず勝負の土俵に乗るための選択

コロナ前から選考学生の3割強がオンライン面接を体験。 1次面接合格後は学生1人につき人事が1人担当に付く

──オンライン面接の概要を教えてください。
2013年から新卒採用で取り入れており、最終面接を除く1次から3次までの面接で学生が希望すれば実施をしています。今年の4月以降(2021年卒採用)に限っては、コロナの影響もあったため、最終面接も可能にしました。ただ、以前より学生側から「すべてオンラインだと会社の雰囲気が分かりにくいので1度は会社に行きたい」という声が多く、弊社としても対面でのコミュニケ―ションを図りたいという意図もあり、最終面接は会社で行う、という状況でした。
面接を実施するまでの流れは、オンライン・オフライン同様ですが、まず学生が弊社にエントリー後、マイページ上でエントリーシートを提出していただきます。エントリーシートの書類選考に合格した学生は、マイページ上にオンライン面接が可能な候補日が複数表示されるので【下写真】、自身が希望する日程を選び、そこで面接日時が確定します。面接の前日には学生へリマインドのメールが届くようにもなっていて、あとは当日に面接を実施する、という流れです。

写真:マイページ_With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

1次面接は新卒採用の人事担当者との面接です。ここまでは一般的かと思いますが、弊社の新卒採用の特徴として、1次面接を合格した学生1人に対し、新卒採用担当社員1名が必ず担当に付き、その後の面接はもちろんのこと、 内定後入社まで学生に寄り添い 1 対1でコミュニケーションを行うことにあります。2次面接からはお互いにとって意味のある面接にするべく、学生の経歴や志向にあわせて担当が「こういう社員がいるんだけど、どう?」と学生に提案しつつ、面接官をアサインしていきます。ここまではオンライン・オフラインに違いはないですね。
 
ただ、やはりオンライン面接の場合、学生・面接官ともに実際に会って話す機会がないため、事前のコミュニケーションを取る時間を意図的に増やしています。具体的には、面接の前に新卒採用担当と面接官とで学生のレジュメを一緒に見る時間を15分程度とっています。そこで、「どういう学生なのか」「なぜ人事面接で合格したのか」をすり合わせています。一方、学生とも現場社員との面接を組む直前の15分前からオンラインで人事との雑談をする時間を用意しています。アイスブレイクを兼ねていて、テキストでの情報提供も含め、「今日の面接官はこんな人だよ」と伝えます。それをもとに、本番はどんな質問をしてみたいかを考えてもらいながら、緊張を和らげます。

──例年と比べて、今年のオンライン面接で感じた学生の傾向に違いがあれば教えてください。
オンライン面接に慣れているな、というのが所感としてあります。少なくとも、オンラインで話すことに戸惑う学生は少なく感じています。これは他の多くの企業でもオンライン面接をやりだしたからか、デジタルネイティブだからなのかは分かりません。ただ、ガチガチに緊張する学生はあまり見受けられなくなったな、という印象です。

──コロナが収束してもオンライン面接は採用手法のスタンダードになると思われますか。
そうなるとは思いますし、ミクシィとしても競合が増えるので苦しいところはありますが、学生の目線で考えると、オフラインでは出会えなかった企業もオンラインだと出会える可能性が広がるので、とても良いことだと思います。

【編集部チェック】選考が進むにつれて入社動機が高まるミクシィの1対1コミュニケーション

ミクシィが学生にマッチする面接官をアサインしたり、事前に面接官の情報の情報を共有したりするのは、学生に意義のある面接をしてもらいたいと考えるからだ。「人事としては、あくまで学生に企業を選んでもらいたいというのがあります。学生に合わせた面接官のアサインや情報共有も、すべてはフラットにコミュニケーションをとりたいからです。オンラインは対面より得られる情報が少ないので、より丁寧にやろうという意識も持っています」(佐々木)。
人事担当者が間に入り、面接官にはどういう学生か、学生には面接官がどんな人物なのかをしっかりと事前に理解できた上で、面接が行われる。時間的コストはかかるが、こうしたコミュニケーションにより深い関係性が構築されるため、選考が進むにつれ学生の入社動機は高まると予想できる。

オンライン面接を始めたのは「優秀な学生と数多く接点を持ちたい」から。

写真:株式会社ミクシィ佐々木忠輝氏_With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

──ミクシィにエントリーする学生のほとんどはオンライン面接が受けられることを認知していますか。
具体的に調べたことがないので正直分からない部分ではあります。2013年からやっているので、コロナがあったから今年になって特別なアピールをしたということもありません。今考えると、確かにそういうアプローチの仕方もあったかもしれないですね。
普段の採用活動で、遠方の学生を対象に大学側に時間をもらいオンラインで説明会を実施しているのですが、その際に、オンライン面接もできることは伝えています。そのため、ミクシィを認知してもらえていれば、オンライン面接ができることも知ってもらえていると思っています。

 ──遠方の学生という話が出ましたが、オンライン面接を導入したきっかけを教えてください。
例えば、九州の学生が「ミクシィが良いな」と思っても、どうしても移動というコストがかかるとなると、就職活動のハードルになる。私たちはそのハードルを極力下げたいと考えています。「優秀な学生と数多く接点を持ちたい」、目的としてはこれにつきます。出身地によってミクシィが求める優秀さが変わることはありません。だから、わざわざ東京に来てもらう必要もない。私たちはいわゆるIT企業で働いていますし、「テクノロジーを活用して対策できないか」と、2013年から実施しました。
採用活動の経験上、優秀な学生ほど忙しい傾向にあると思っています。都内や関東近郊の学生でもなかなか時間がとれず、接点を持つ機会が後ろ倒しになり、こちらの動きが後手後手になってしまうこともある。その点、オンラインであれば、学生が学校に居ても直接ネットでアクセスしてもらえれば接点が持てます。理系の学生であれば、研究室からでも話すきっかけを提供できるのです。
対面で1時間の面接をするとしても、前後の移動や準備で実際には3時間程度の時間を拘束してしまう。それが、オンラインであれば、必要な1時間の面接にだけ時間を割いてもらえれば良い。これは遠方の学生以外のメリットにもなります。

──オンライン面接をするようになって、地方の学生がどの程度入社するようになったのですか。
例えば昨年度(2020新卒採用)の実績では、内定者の約45%が一都三県以外の方でした。地方の学生へのフォローという意味では、オンライン面接以外に入社時に転居を行う場合、荷造運送料※1に加え、本人の引っ越しに伴う旅費片道分の費用も会社が負担しています※2。また、本社から 3km 圏内に居住する場合、月額3万円の住宅手当も支給しています。このように学生の入社へのハードルを少しでも下げられるよう、さまざまな制度を整えています。
※1 家具家財の荷造費、輸送費および輸送保険料
※2 上限30万円で一部条件あり

──学生がオンライン面接を希望する時間帯や場所に傾向はありますか。
以前分析した際は、「平日の15-16時が多い」ことが分かりました。土日は基本的に受け付けていませんが、これは土日も働く会社という印象を持たれたくないためです。実際に弊社は土日休みですし、学生に案内する面接可能時間も、平日の10-19時で提示するケースが多いです。

全国の学生との接点創出だけじゃない、多様なオンライン面接のメリット

──オンライン面接のメリット、デメリットを教えてください。
先ほどもお話しました、全国の優秀な学生と接点を持てることが大きなメリットですが、継続していくうちに他にもさまざまなメリットを感じるようになりました。

メリット1:選考の質を高める事前情報共有

ひとつは「事前情報をお互いに細かく伝えることができるようになった」ことですね。最近痛感しています。対面ではなくオンライン面接だからこそ、学生側も事前に自己紹介資料を作成して提出するなど、きちんと時間をかけて準備をするようになってきています。そうした資料を面接前に面接官へ共有できるため、対面時のエントリーシートの情報のみを参照する場合よりも、学生の情報をよりインプットできた状態で面接をスタートできるようになりました。これは選考の質を高めることにつながっています。
事前の情報共有という意味では、面接前の学生や面接官とのすり合わせは、もちろん対面の面接時でも実施していましたが、時間は短かったです。学生をアテンドして、面接部屋で待ってもらって、面接官が来て5分もとれていなかったと思います。オンライン面接では学生、面接官ともに15分しっかり時間をとって、「こういう人だ」と説明したうえで、面接を実施するようになったのでその差は大きいです。
今年はオンライン面接の実施回数が増え、対応してもらう面接官の数もかなり増えました。より面接の質を高めるためにはどうしたら良いのかを改善していくなかで、「事前のすり合わせ時間が必要だ」という点に行きつきました。採用活動の後半になるころには、面接官も慣れて15分も取らなくて良いという人がでてきましたね。

メリット2:面接官の面接スキル向上や申し送りに活用

もう一つ、オンラインのメリットとしては「面接官の面接力が向上した」ことです。どうしても対面よりオンラインのほうが得られる情報量が少ないため、いかに聞きたい情報を引き出せるか、数を重ねているうちに対面でも生かせるような質問の仕方や、身ぶり手ぶりを使った伝え方などを試行錯誤し、ノウハウもたまりました。そうしたノウハウを面接官へ事前に伝えて面接に臨んでもらった結果、面接スキルもそうですが、場の雰囲気づくりもどんどん上達していきましたね。

また、ミクシィ独自の取り組みですが、学生に許可をもらって面接の様子を録画しています。オンラインでは録画も違和感なくできますし、学生と面接官のどちらの表情も分かる形で残すことができます【下写真】
録画をする目的は大きく2つあり、1つは面接の振り返りをするためです。面接官にその日の面接の良かった点や改善点などを具体的にフィードバックできるため、今後の面接力の向上につながります。そして2つ目は次の面接官への申し送りとして使うためです。例えば前の面接官と質問が重複しないようオーダーをしたり、次の面接官は前の面接で深掘りが浅いと思う質問があれば、より詳しく聞いたりなどより良い面接にできます。

写真:オンライン面接_With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

メリット3:学生にその場で見てもらいたい情報を一緒に見てもらい、履歴に残せる

そしてオンラインのメリットの3つ目ですが、「面接中に必要な情報を共有できる」ことです。例えば面接中に共有したい情報がある場合、チャット機能を使ってその場で見てほしい情報ページのURLを送って共有ができ、その場でその情報にアクセスしてもらいコミュニケーションをとることができます。また、実際にページを開いてもらうと、学生側PCのブラウザーのタブに残るので、面接後もそうした情報を見てくれる可能性が高いです。そこが対面との大きな違いで、対面の場合は面接後に「メールで送るので見てください」、と一方通行のコミュニケーションになるため、その障壁を1回で乗り越えられるのがメリットですね。これはやらない手はないと思います。

デメリットになるオンラインならではの学生の緊張しやすさを防ぐために、採用チームがフォロー

最後にデメリットについて、あまり大きく感じてはいないんですが、やはり対面よりも情報量が少ない点です。空気感が感じられにくいのはどうしてもあるので、必要以上に学生が緊張しやすくなります。そこを強く意識して、なんとか学生が緊張しないように雰囲気づくりや、面接官に情報を引き出すためのテクニックを身に付けてもらうように、採用チームがフォローしています。
また、学生側の通信環境が悪く、面接が中断してしまうこともあげられます。これはどうしようもないので日を改めてもらったり、場所を移動してもらったりして適宜対応しています。

──面接官へのフォローアップは具体的にどんなことをしていますか。
毎年、面接官は変わりますので、最初のキックオフでどんな人物を求めているのかを新卒採用担当からインプットをして、録画データを見ながら話の引き出し方が良かった面接のケースを紹介したり、あとは聞いてはいけない質問を共有したりしています。

学生の緊張を和らげる点については、弊社独自の取り組みだと思いますが、人事面接の際に、最初に各担当者が用意した自己紹介資料を見せて、私はこういう人ですよ、と説明しながら会話を進めていきます。資料の内容もこだわっていて、見てもらうとわかるんですが、趣味や学生時代のこと、キャリアなどあえて正直に書いて、突っ込みどころが多いようにしています(笑)【下写真】
多くの情報を見せることで、学生に興味を持ってもらい、話すきっかけになればと思いますし、実際にそこから話が弾んで、いいアイスブレイクになることが多いです。

面接官にも、学生が自己紹介の際に好きなことや趣味などの話をした際には、必ず一度それを拾って、アイスブレイクをしてから本番に入るようにしてほしいとオーダーをしています。例えば「ラーメンが大好き」という話が出たら、「私も大好きですよ、この店がおススメです」といったコミュニケーションは取ってもらうよう伝えています。

写真:新卒採用チーム担当者の自己紹介資料With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

学生時代の活動やキャリア、趣味などを着飾らず正直に書くことで学生からの「ツッコミ」を引き出せるという

現場の面接官が腹落ちできるよう、自分たちにもメリットがあるものだと真摯に訴え続ける

写真:株式会社ミクシィ佐々木忠輝氏With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

──オンライン面接が軌道に乗るまで、どのような点に苦労しましたか。
いくつかのアップデートをしてきていますが、実は2016年ぐらいまでオンライン面接は社内で推奨されていませんでした。オンライン面接より、やはり対面のほうが情報量も多いですし、学生の雰囲気も分かるのでオフラインのほうが現場から要望されていたのです。私たち人事側も、公共交通機関を使って来社できる学生には交通費を支給するかたちで面接の日程を調整していました。今ではそれをなくして、完全にフラットな状態で、学生側にオフラインとオンラインを選んでもらっています。

──コロナのような緊急対応の状況でもないのに、オフライン面接を希望していた面接官の社員が、オンライン面接を受け入れられるようになったきっかけを詳しく教えてください。今年、オンライン面接を実施している企業の採用担当者の中には、オフラインの方が良いけど、今年は状況的にしょうがないからオンラインを実施している点があります。ミクシィの現場の面接官はどのようにして腹落ちできたのですか。
学生が望んでいるからです。その一言につきます。遠方の学生はどうしても来て面接を受けるハードルがある。極論ですが、優秀なのに就職先を地元企業しかみていない学生がいたとして、ミクシィと接点をもち、面接ができる状況だったら学生の人生が変わっていたかもしれない。そう考えると、現場の方に問うのは「そこを救わないのは、チャンスを逃すことになりますが、どう思いますか」と。
どの企業も現場の方が採用活動に協力する際は、良い学生に入ってもらいたい、ゆくゆくは一緒に働いて良いものをつくりたい、良い会社にしたいという思いがあるからこそだと思います。そのメリットを最大限享受できるような形ってどういうことかを考えた時に、「オンライン面接というやり方があるんじゃないですか」と、真摯に伝え続けるだけだと思っています。

とはいえ、「対面の面接の方が分かるよね。オンラインだと分からないよね」という言い方をする方もいらっしゃいますが、コロナに関係なく、今は採用がとても難しい時代になっています。自分たちで「すごく良い会社」と言い続けても、学生に伝わらなければ意味がなくて、その伝える方法の1つに、「フレキシブルに面接ができる」というのもあるだろうと考えます。売り手市場の状況もあるので、こういう寄り添い方もしないと勝てないとも思っています。
学生と向き合っている人事にしか分からない大変さや、思いになってしまうところはあると思いますが、それを現場の方に分かっていただくために、「オンライン面接が学生に望まれている」というようなデータを調べて紹介したり、訴え続けたりしていくしかないです。

──現場の面接官が選考に支障が出ると感じてしまえば、採用活動全体への影響があるのでは。
そうですね。「オンラインでは見極められない」という声も一部ありました。そこは試行錯誤するというよりも、“それでも見極められるようにするためにはどうような項目の精査が必要なのか”に時間を使うように切り替えました。人事・現場・役員と面接がある中で、それぞれ何を見てもらうのかを明確化し、面接官が何をもって合否の判断をするのか、ということをガイドラインとしてしっかりと定めました。
これは、1度作って完成ということではなく、毎年アップデートしています。「ここの文言をこういうふうにしたらいいよ」と、面接官の振り返りの意見も参考にしながらやっています。
これは、オンラインだからやったというよりは、より採用を良くしようとしてきた中の一部がオンライン面接でも活用できるため、変えてきたところがあるということです。

──オンライン面接をやって良かったエピソードと失敗したなと思うエピソードを教えてください
良かったエピソードは本当にたくさんあるんですが、今年は特に採用活動をスピード感をもって進められたことですね。コロナの感染拡大当初、かなり多くの企業が「対面でなければ最後まで選考ができない」というスタンスをとっていた中で、弊社ではオンラインでのみで内定まで出せるというコミュニケーションを学生にとっていました。それで意思決定をしてもらえた学生がいました。
中には、どうしてもほかに1社受けたいという学生がいて、コロナの影響でその学生が選考を受けるまでに2か月空くことになりました。内定を出していた弊社はその間、魅力付けの観点で、ミクシィで働くにあたってどんなことが懸念になるかを話してもらったり、複数の社員とオンライン面談の機会を設けたりしました。学生はその企業にも縁があったようですが、最終的にはミクシィを選んでくれたというような成功体験もありました。

今年は例年と違い内定後のフォローもオンラインで実施せざるをえず、いろいろと試行錯誤をしましたね。内定者同士がなるべく、同期ということを感じられるよう、内定者懇親会をオンラインで実施しました。
最初は、会社から食べ物と飲み物を郵送で手配して飲み会形式で一斉に参加できるようにしたのですが、とても盛り上がったものの、飲食をしながらだと一部、コミュニケーションがうまくいかないことが分かりました。2回目からは飲み物だけを用意して、かつ1人5分くらいずつプレゼンをするライトニングトークのコンテンツを実施して、プレゼン中はオンラインのチャット機能を駆使して盛り上がることができました【下写真】

写真:内定者懇親会_With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

内定者同士がコミュニケーションをとるのはかれこれ3回実施しています(取材時点)。内定者研修の案内をするためにSlackを使っていますが、自己紹介のチャンネルや雑談のチャンネルを用意して、可能な限りオンラインでもコミュニケーションが取れるようにしています。

失敗したエピソードは… すみません。コレというのがないです。これ以上かけられないというくらいの時間はかけているので、これで失敗したらしょうがないくらいの気持ちでいつも活動しています

オンライン面接は、採用が難しい時代だからこそ、まず勝負の土俵に乗るための選択

写真:株式会社ミクシィ佐々木忠輝氏With/afterコロナ時代に有効な採用手法 ミクシィに学ぶオンライン面接で成果を上げる方法

──オンライン面接でやってしまいがちな失敗や、これは注意したほうがよい点があれば教えてください。
注意したいのが、「自己紹介してくださいと」と伝えると、20分ぐらい話をしてしまう学生が一定数いるので、必ず時間を区切って伝えると良いと思います。学生もどこまで言えば良いかが分からず不安です。こちらがきちんとレジュメを読んでくれているのか、ESも見てくれているのかも分かりません。弊社では、「いただいたレジュメやESには目を通しているので、あらためてアピールしたい点がありましたら2,3分程度でお願いします」というような伝え方をしています。

ここで大事なことは、情報の開示も対等であるべきだという考え方です。学生は慣れない就職活動に臨み、かつ慣れないオンライン面接をしています。だから本来の力を出し切れていない前提に立たないといけません。学生側からすると、面接官がどうしても立場的に偉いと思いがちですが、私たちは対等であるべきだと思っています。当然、情報の開示の部分も対等であるべきなので、学生が自己紹介したら面接官はしなくて良いということはない。そういうところで、会社のカラーも出てしまうので、学生に寄り添うためには注意したい点だといえます。

──これからオンライン面接の導入を予定している企業の人事担当者に向けてメッセージやアドバイスをお願いします。
この状況で、オンライン面接に対応していない会社さんは、おそらく何か障壁があるのだと思います。その一つのケースとして「オンラインで何が見極められるのか」と考える現場や役員の方との戦いがあるかと思いますが、成果を出すためには、会社の意向に寄り添い過ぎると、後手になってしまうと思います。
今は、優秀な学生はどこの企業も欲しい。内定を7、8個もらっている学生も多いです。そうしたどこの会社も欲しがる優秀な学生を採用しようと思ったときに、このオンラインで面接をやるかどうかというのは、勝負の土俵に乗れるかどうかの入り口として立ちふさがっていると考えられるのではないでしょうか。「見極められないから」、ではなくて、「見極めるためにはどうしたらいいのか」を我々(人事)と一緒に考えていきましょうと話せるスタンスをとれたら良いのではないかと思います。

先ほどいくつか紹介しましたが、オンラインならではのメリットは枚挙にいとまがありません。そうしたメリットを説明して、理解をしてもらえるよう粘り強くコミュニケーションを取ってほしいと思いますね。「オンライン面接は絶対にできる」と考えて行動してもらえると嬉しいです。

ちなみに採用に限らず、「例えば社内が見たい」という学生に対しては、人事がPCを持って社内を映して見せるということもできます。弊社は3月からオフィスを移転したので、Googleストリートビューでオフィス内を公開していて、学生と一緒にその画面を見ながら案内をすることもあります。こうしたことは、少しでも学生の不安を解消できるようという思いからです。
学生に選んでもらうためには、何ができるのかを考えて実行する。それはオンラインだからに限りません。

──ありがとうございました。

※情報は取材時点。記事内の写真で、ミクシィのロゴマークが左上に表示されているキャプチャ画像以外は、同社の提供写真を使用しています。

企業情報

株式会社ミクシィ
本社所在地:〒150-6136 東京都渋谷区渋谷2-24-12
渋谷スクランブルスクエア36F
代表:代表取締役社長 木村 弘毅
事業内容:デジタルエンターテインメント、スポーツ、ライフスタイル
サービス・グループ会社一覧情報
従業員数:1080名(連結・正社員のみ)【2020年6月末現在】
■HP:https://mixi.co.jp/


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