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厚生労働省


令和元年度は約半数の15,593事業場で労働基準関係法令違反を確認。そのうち月80時間超は5,785事業場

2020.09.09

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厚生労働省は9月8日、令和元年度(2019年4月~2020年3月)に実施した、長時間労働が疑われる事業場に対しての労働基準監督署による監督指導の結果を公表した。
調査結果によると、対象となった32,981事業場のうち、15,593事業場(47.3%)で違法な時間外労働を確認。是正・改善に向けた指導が行われた。また、このうち実際に1カ月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、5,785事業場(37.1%)だった。

監督指導は、各種情報から時間外・休日労働時間数が1カ月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象としている。 
厚生労働省は、今後も長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行うとともに、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行う方針を発表している。以下、報道発表資料より。

【業務ガイド】労働基準法上の労働時間は1日何時間? 割増賃金と残業上限を詳しく解説

【平成31年4月から令和2年3月までの監督指導結果のポイント】

(1) 監督指導の実施事業場:32,981事業場

(2) 主な違反内容[(1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]

① 違法な時間外労働があったもの:15,593事業場(47.3%)
  うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が
     月80時間を超えるもの:       5,785事業場(37.1%)
     うち、月100時間を超えるもの:   3,564事業場(22.9%)
     うち、月150時間を超えるもの:    730事業場( 4.7%)
     うち、月200時間を超えるもの:    136事業場( 0.9%)

② 賃金不払残業があったもの:2,559事業場(7.8%)
③ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:6,419事業場(19.5%)

(3) 主な健康障害防止に関する指導の状況[(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]

① 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:15,338事業場(46.5%)
② 労働時間の把握が不適正なため指導したもの:6,095事業場(18.5%)

監督指導事例

事例(接客娯楽業)

  1. 各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる大企業の事業場に対し、立入調査を実施した。
  2. 労働者4名について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月99時間)を超え、かつ労働基準法第36条第6項に定められた時間外・休日労働の上限時間(月100時間未満、複数月平均80時間)を超える違法な時間外・休日労働(最長:月130時間)が認められたことから、指導を実施した。
  3. 時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者の情報を産業医に情報提供を行っていなかったことから、指導を実施した。

立入調査において把握した事実 と 労働基準監督署の対応

1 大企業の事業場において、労働者4名について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月99時間)を超え、かつ労働基準法第36条第6項に定められた時間外・休日労働の上限時間(月100時間未満、複数月平均80時間)を超える違法な時間外・休日労働(最長:月130時間)が認められた。
【労働基準監督署の対応】
①36協定で定めた上限時間を超えて時間外労働を行わせたこと(労働基準法第32条違反)について是正勧告
②労働基準法第36条第6項に定められた上限時間を超えて時間外・休日労働を行わせたこと(労働基準法第36条違反)について是正勧告
③時間外・休日労働を月80時間以内とするための具体的な方策を検討・実施するよう指導⇦参考資料2-1参照

2 時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者の情報を産業医に情報提供を行っていなかった。
【労働基準監督署の対応】
時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者の情報を産業医に情報提供を行っていなかったこと(労働安全衛生法第13条違反)について是正勧告

時間外労働の上限規制

2019年4月1日に改正労働基準法が施行され、法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができなくなりました。
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも
・時間外労働・・・年720時間以内
・時間外労働+休日労働・・・月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
とする必要があります。
(注1)中小企業については、令和2年4月1日から適用です。
(注2)建設事業など、特定の事業・業務については、上限規制の適用が猶予・除外されています。

産業医等に対する労働者の健康管理等に必要な情報の提供

産業医を選任した事業者は、産業医に対し、以下のアからウまでの情報を提供しなければなりません。
ア ①健康診断、②長時間労働者に対する面接指導、③ストレスチェックに基づく面接指導実施後の既に講じた措置又は講じようとする措置の内容に関する情報(措置を講じない場合は、その旨・理由)
イ 時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者の氏名、当該労働者の超えた時間に関する情報
ウ 労働者の業務に関する情報であって産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要と認めるもの

事例(製造業)

  1. 各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる中小企業の事業場に対し、立入調査を実施した。
  2. 労働者19名について、1か月100時間を超える時間外・休日労働(最長:月136時間)が認められた。36協定を確認したところ、労働者代表について、特定の役職者が代々労働者代表を引き継ぐ形で決められており、民主的な手続により選出されていなかったことから、指導を実施した。
  3. 時間外労働の割増賃金について、いわゆる固定残業代制を採用しており、実際の時間外労働に対して不足が認められたことから、指導を実施した。

立入調査において把握した事実 と 労働基準監督署の対応

1 労働者19名について、1か月100時間を超える時間外・休日労働(最長:月136時間)が認められた。36協定を確認したところ、労働者代表について、特定の役職者が代々労働者代表を引き継ぐ形で決められていた。
【労働基準監督署の対応】
①36協定の締結当事者の要件を満たさず、36協定が無効であるにもかかわらず、時間外労働を行わせたこと(労働基準法第32条違反)について是正勧告
②時間外・休日労働を月80時間以内とするための具体的な方策を検討・実施するよう指導

2 時間外労働の割増賃金について、いわゆる固定残業代制を採用しており、実際の時間外労働に対して不足が認められた。
【労働基準監督署の対応】
時間外労働の割増賃金について、いわゆる固定残業代制を採用しており、実際の時間外労働を基に法定計算で算定したところ不足が生じていたことから、全額支払っていないこと(労働基準法第37条違反)について是正勧告

36協定の締結当事者の要件 ⇦参考資料3参照 ~過半数組合がなく、過半数代表者と協定する場合~

すべての労働者(パート、アルバイトを含む)の過半数を代表していること
②すべての労働者が参加した民主的な手続により選出された労働者であること
 使用者の意向に基づき選出された労働者でないこと
 〇:投票、挙手、労働者による話し合い、持ち回り決議等
 ×:会社側の指名、親睦会の幹事などを自動的に選任等
管理監督者に該当しないこと
◎36協定の締結当事者の要件を満たさない場合には、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ても無効になり、労働者に法定外の時間外・休日労働を行わせることはできません。

【報道発表資料長時間労働が疑われる事業場に対する令和元年度の監督指導結果を公表しますより|2020年9月8日・厚生労働省】

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