KDDI株式会社
KDDIが8月から独自のジョブ型人事制度を導入。21年4月入社社員から一律の初任給制度を撤廃し、能力に応じた給与体系も導入
2020.07.31
HRテクノロジーを活用したタレントマネジメントやデジタルトランスフォーメーション (DX) 人財の育成などの施策を開始
KDDI(東京・千代田)は2020年8月1日から、働いた時間ではなく成果や挑戦および能力を評価・称賛し、処遇へ反映することを目的とした、新人事制度を導入する。職務領域を明確化した「ジョブ型」人財マネジメントを導入することで、市場価値に基づく報酬制度や専門性の深耕を実現するのが目的。同制度導入により、ジョブ型の長所を生かしつつ、KDDIグループ内の広範な事業領域でのさまざまな成長機会を活用する、「KDDI版ジョブ型」を推進する。
【関連記事】日立製作所が在宅勤務を基軸とした働き方改革を推進 ジョブ型人財マネジメントへの転換を加速
ジョブ型人材マネジメントによる新人事制度導入は、2020年8月入社の中途社員および2021年4月から入社の新卒社員(21年3月卒)に順次行い、21年度から管理職にも導入予定。制度見直しについては、労働組合との協議を実施する。また、2021年4月入社の新卒社員については一律の初任給制度を撤廃し、能力に応じた給与体系の導入も開始する。さらに2019年から開始しているジョブ型採用や社内副業制度に加え、HRテクノロジー を活用したタレントマネジメントやデジタルトランスフォーメーション (DX) 人財の育成などの施策を開始する。
KDDIは、ニューノーマル (新常態) 時代で社員一人ひとりが時間や場所にとらわれず成果を出す働き方を実現することを軸とする「KDDI新働き方宣言」を策定した。「先進的なテクノロジーを活用し、働く時間と場所を選べる環境整備や新しい働き方を支援し成果や挑戦を評価する制度の導入により、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮することで、社員エンゲージメントと企業競争力の向上を目指していきます」(同社)
同社は6月から、人事制度改革の一環として正社員約11,000人を対象に、就業時間の約2割を目安として他部署で業務を経験できる「社内副業制度」を導入して注目を集めた。今回のジョブ型人財マネジメントも従来の手法にとらわれない、キャリア開発の視点を取り入れている。以下、リリースより。
【関連記事】同性パートナーの子も育休・産休制度などの対象に KDDIが「ファミリーシップ申請」を開始
時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現へ、KDDI版ジョブ型人事制度を導入
KDDIでは、緊急事態宣言下において社員の約9割がテレワークを活用しましたが、一方でテレワークの長期化によりコミュニケーション面などの課題も見えてきました。今後はこれらの課題解決に向け、社内DXの推進により、在宅勤務と出社のハイブリット型で、社員一人ひとりのスタイルに応じた働き方を実現していきます。オフィスでのフェイス・トゥ・フェイスによるコミュニケーションが生むメリットとテレワークを活用した柔軟な働き方を組み合わせることで、ハイブリッド型の働き方をスムーズに定着させ、業務効率を高めていきます。
KDDIは、「通信とライフデザインの融合」を推進し、”ワクワクを提案し続ける会社”として、社員の成長とイノベーション創出を加速し、新しい体験価値を創造していきます。
1. 新人事制度
働いた時間ではなく成果や挑戦および能力を評価・称賛し、処遇へ反映することを目的とし、以下の5つの考え方に基づいた新人事制度を2020年8月から導入します。
2. 社内DX
多様な働き方の実現に向け、オフィスやIT環境整備を進めていきます。
オフィス環境整備 | 法人の事業拠点である虎ノ門に新オフィスを開設。フリーアドレスを導入し、座席数を6割に削減 | 2020年8月から順次 |
オフィスの位置付けをハブオフィス/サテライトオフィス/ホームに再定義。業務内容に合わせて働く場所の選択を可能に | 2020年10月以降順次 | |
IT環境整備 | リモート会議を前提とした会議室のIT化 | 2020年7月以降取り組み中 |
リモートアクセス環境向上のための設備増強 | 2020年9月完了予定 | |
クラウド会議システムの拡充 | 2020年9月完了予定 | |
セキュリティを強化した社外持ち出し業務用ノート型パソコンを全社員向けに整備 | 2020年10月以降順次 | |
派遣社員向け在宅勤務用パソコン・ネットワーク環境の整備 | 2020年10月以降順次 |
3. KDDI 新働き方宣言
(1)骨子
- 従来のオフィス勤務を前提とした勤務形態から、テクノロジーを活用し、働く時間や場所にとらわれず成果を出せる柔軟な働き方に変革するための環境整備、制度改革を進めます。
- 同時に、役職や組織などによらず垣根を越えたコラボレーションを進め、オープンに知見を共有するカルチャーへの改革を進めます。
- 働き方とカルチャーの改革を通じ、社員の能力発揮を最大化し、エンゲージメントを高め、企業の持続的な成長を目指します。
(2)社員の働き方の指針となる4つのモデルケース
新働き方宣言に基づき、社員の新しい働き方の指針となる4つのモデルケースを規定しました。それぞれのワークスタイルや組織における役割、生活環境に合わせて、社員一人ひとりが自身にあった働き方の最適解を見つけていきます。
(3)参考:働き方改革に関するこれまでの主な取り組み
KDDIは、働き方改革・健康経営を推進し、残業時間を含む年間総労働時間の削減、テレワーク勤務制度の導入など多様な働き方の実現に取り組んできました。2019年には「働き方改革・健康経営推進室」を新設しました。
緊急事態宣言下では、原則としてすべての業務でテレワークを推進し、社員の約9割が活用しました。緊急事態宣言解除後も、オフィスへの1日あたりの出社率を6月以降は3割以下、7月以降は5割としていました※。
※新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、2020年7月28日からは出社率を3割に変更しています。今後も状況にあわせて適切に対応していきます。
-
時期 働き方改革に関する取り組み 2005年 在宅勤務制度 2015年 勤務間インターバル制度を就業規則で規定 2017年 36協定特別条項変更 (年間の時間外労働の上限を720時間から540時間へ変更) 2017年 「20時までの退社」をルール化や、朝型勤務の推奨による働き方改革の推進 2018年 シェアオフィスの導入、拡充 2019年 「働き方改革・健康経営推進室」を新設
※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。
商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
【ニュースリリース「時間や場所にとらわれず成果を出す働き方の実現へ、KDDI版ジョブ型人事制度を導入」より|2020年6月26日・KDDI株式会社】
【編集部より】緊急事態宣言解除後の各社の新たな働き方改革関連記事はこちら
- GMOインターネットグループがwithコロナの勤務体制やガイドラインを策定。「新しいビジネス様式 byGMO」へ移行
- 日立製作所が在宅勤務を基軸とした働き方改革を推進 ジョブ型人財マネジメントへの転換を加速
- オプトグループが「新しい生活様式」に対応したワークスタイル方針を策定。6月1日から従業員の出社は週2日以内、訪問は原則禁止
- LIFULLが6月1日から勤務ルールを変更。9月30日まで原則週2日在宅勤務に
- 日清食品ホールディングスが6月1日から原則出社率25%を上限とする「予約出社制」へ移行
- クラウドワークスが新たな勤務体制へ移行。ニューノーマルに対応した出社ガイドラインを公開
- GMOペパボが全従業員対象テレワークへ移行。削減するオフィスコストをテレワーク用の補助金・手当として従業員へ還元
- ギャプライズがワークスタイル改革。Withコロナに対応した自己決定感と幸福感が高い組織へ
- カヤックの鎌倉オフィスが6月から「NO密オフィス」に改装。新型コロナに対応した働き方へ
- リモートワークでも「孤立しない」。CIがバーチャルオフィスを活用した新しい働き方を開始
- noteが7月1日から全従業員対象の在宅勤務をベースとした「フレキシブル出社制度」を導入
- カルビーが7月からオフィス勤務者約800人を対象に原則「モバイルワーク」へ移行
- KDDIが正社員約11,000名を対象に「社内副業制度」を導入。就業時間の約2割を目安
- グロービスが社員の声を反映させたニューノーマルの働き方「ワークスタイル・ウェイ」を導入
- ヤフーが2020年10月1日から“無制限リモートワーク”を導入。フレックス勤務のコアタイムも廃止へ
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。
「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
ニュース・トレンド
KDDI株式会社
KDDIが正社員約11,000名を対象に「社内副業制度」を導入。就業時間の約2割を目安
最大6カ月間実施し、社内副業先の業務も人事評価の対象にKDDI(東京・千代田)は2020年6月1日から、人事制度改革の一環として、正社員約11,000人を対象に、就業時間の約2割を...
2020.06.26
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
KDDI株式会社
同性パートナーの子も育休・産休制度などの対象に KDDIが「ファミリーシップ申請」を開始
同性パートナーの子を、社内制度上“家族”として扱うKDDI(東京・千代田)は6月1日、LGBT当事者が生き生きと働くことができる環境を整備するため、会社が認めた同性パートナーとの子...
2020.06.01
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社日立製作所
日立製作所が在宅勤務を基軸とした働き方改革を推進 ジョブ型人財マネジメントへの転換を加速
日立製作所(東京・千代田、以下、日立)は5月26日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府による緊急事態宣言の全面解除後の新常態(ニューノーマル)を見据え、幅広い職務で在宅勤務活用...
2020.05.26
-
ニュース・トレンド
育休取得における対象者と上司の意識調査:江崎グリコ株式会社
育休対象者の4割が申請にためらい。上司側は約5割が「育休・産休のフォローに不安がある」
江崎グリコ(大阪市)は11月14日、育休経験者及び育休取得予定者250名と育休の申請を受けた経験のある上司250名を対象に実施した「育休取得における対象者と上司の意識調査」の結果を...
2024.11.22
-
ニュース・トレンド
ビズリーチ WorkTech研究所
直近1年での退職者が増加傾向。大企業では7割超が「退職者が増えている」と回答
ビズリーチ(東京・渋谷)が運営する、働く人の活躍を支えるテクノロジー“WorkTech”に関する研究機関「ビズリーチ WorkTech研究所」は10月22日、ビズリーチまたはHRM...
2024.10.24
-
ニュース・トレンド
KDDI株式会社
社員の自律的なキャリア形成・スキルアップ支援を目的に「ジョブ図鑑」を公開
KDDI(東京・千代田)は10月21日、社員の自律的なキャリア形成・スキルアップ支援を目的として、社員向けに「ジョブ図鑑」を公開した。【TOP写真はジョブ図鑑のイメージ(リリースよ...
2024.10.22
あわせて読みたい
あわせて読みたい
人気の記事
国内・海外ヘッドライン
THE SELECTION
-
PRTHE SELECTION企画
「置き型健康社食」がもたらす可能性とは
健康経営、採用強化、コミュニケーション活性化にも。 手軽に導入できる「食」の福利厚生
-
PRTHE SELECTION企画
街なかの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で、もっと社員の顔写真管理をラクに
社員証の写真、「最適化」できていますか? チーム力を強化する顔写真データ活用法とは
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
特集「人手不足業界の逆襲」~外食産業編~
「見える化」と「属人化」の組み合わせが鍵。 丸亀製麺が外食業界を変える日
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION会員限定特集
働きやすい職場づくり~サイバーエージェント編
「妊活支援」や 「働くママ・パパ支援」を、 一部の社員のものにしないためには?