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特集

企業の競争力は設備投資から人材へ


ハリウッドスター級の称賛を贈る 全社員総会〜リンクアンドモチベーション〜

2016.06.15

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リンクアンドモチベーションは、創業時から「全社員総会」を実施している。三カ月に一度、四半期の振り返りと来期に向けた「視界の共有」を目的に文字通りグループの全社員が一堂に会する。総会のハイライトは、その期に活躍した個人やプロジェクト、組織を表彰する「アワード」だ。期ごとの人事評価をもとに受賞者が選ばれ、壮大なBGMとともに名前が読み上げられると、どよめきと拍手が起きる。受賞者はライトに照らされ、レッドカーペットを歩いて登壇、誇らしげな表情でスピーチをおこなう。アカデミー賞さながらの凝った演出が受賞者はもとより全社員に強烈な印象を刻み込む(2016年3月取材:浜田有希子、構成:編集部)。

目次
  1. モチベーションを上げる報酬は無尽蔵に作り出せる
  2. 組織の「血液」はサラサラか?

モチベーションを上げる報酬は無尽蔵に作り出せる

リンクアンドモチベーショングループデザイン本部の川村マネージャー

グループデザイン本部の川村マネージャー

同社はモチベーションにフォーカスした組織人事コンサルティング事業で2000年に7人で創業。8年後には東証一部に上場、現在はグループ全体で1,400人という規模にまで成長した。企業経営においてなぜモチベーションが大切か、グループデザイン本部の川村宜主マネジャーは次のように話す。

「産業構造でサービス業が増加する今、企業の競争力は設備投資からクリエイティビティ、アイデア、ホスピタリティといった人に由来する部分へ移っています。さらに転職やリストラなど人材の流動は一般的になり、優秀な人材を確保し、活躍し続けてもらうことも重要です。これらを支えるのがモチベーションのマネジメントです」。同社は独自に開発・提供する企業のモチベーション診断ツールの運用実績から、モチベーションの高さは企業の利益と相関関係にあると確信している。

リンクアンドモチベーション 全社員総会の様子

全社員総会の参加者は1000人を超える

「アワード」の実施も、集団の前で賞賛されるなどスポットライトが当たれば、行動を継続するモチベーションにつながるとの考えからだ。「モチベーションアップに有効なのは金銭報酬だけではありません。自分の成長を感じるといった“意味報酬”も重要で、しかも意味報酬は工夫次第で無尽蔵に作り出せます」(川村氏)。凝った演出は会社からの期待の大きさを伝える手段の一つだが、意味報酬を作るのに必ずしも大掛かりである必要はない。

例えば、表彰状の文章を手紙風にして、ありきたりな言葉ではなく、受賞者が苦労した点や成し遂げた仕事の価値を記す。また、サプライズプレゼントとして同僚からのメッセージを集めて贈ったり、スピーチの姿を撮影して後日DVDで渡し、受賞者自身が振り返ることができるようにしたりしている。これらの工夫は受賞者に「またここに来たい」と思わせることに加え、周囲への評価の納得や刺激にもつながり、結果として全員のモチベーションが上がるのだという。

組織の「血液」はサラサラか?

組織のモチベーションを高めるポイントの一つが「コミュニケーション」ととらえる同社にとって、全社員総会でトップが自らの言葉で社員に直接語りかけることを重要視している。「コミュニケーションは身体に例えれば血流。滞れば肩こりや頭痛などさまざまな不具合が生じます。モチベーションアップの秘訣は組織内でいかに血液がサラサラ(コミュニケーションが円滑)な状態ができているかです」(川村氏)。

経営トップの視界を社員が共有できず、そこに起因する問題が増えて社員のコミュニケーションが減り、モチベーションが下がる…。そうならないために、メール連絡やWeb会議が当たり前の時代にあえてリアルの場を設け、経営者の温度感を感じ、自分事ととらえてもらうよう心がけている。

総会を実施するうえで頭を悩ませるのは、社員の多様性にいかに対応するか。グループの成長過程で新卒採用やM&Aを実施し、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が増えたためコミュニケーション不全が起きやすい環境になった。そのため、全社員総会で「思いを共有する機会」を大切にしている。

リンクアンドモチベーションの小笹芳央社長

小笹芳央社長から表彰を受ける

「ALT(英語指導助手)を派遣する会社をM&Aした際、総会でその会社が子どもの英語教育にかける思いやビジョンをムービーで上映しました。実は我々は組織人事コンサルをおこなっていると、学校を変えたほうがいいんじゃないかという教育への思いも出てきます。

ムービーを見ることで共感し、お互いに思いが重なる部分があると認識できたのです」(川村氏)。こうした取り組みを実現させるためには、事前に買収先の経営者や従業員にインタビューをして、フィットする部分を探し出すことが重要だという。

派手な演出や工夫ばかりに目が行きがちだが、組織が大きくなればなるほどこうした細やかな心遣いが大切になるだろう。同社の躍進がそれを証明している。

執筆者紹介

浜田有希子(はまだ・ゆきこ) フリーライター。大学卒業後、日本テレビ系列の地方民放テレビ局に入社。夕方のローカルニュース番組で7年間に渡り事件事故・行政・災害・地域ネタなどを幅広く取材。2015年、夫の転勤に伴い東京に転居しフリーランスに転身。ライターとして企業インタビューなどを行うほか、個人起業家を対象に動画制作術をレクチャーする講座を開催。

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