コラム

城繁幸、ニュースを斬る


うまく機能する人事評価制度とは チェックすべき3つのポイント

2015.06.17

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目次
  1. 人事評価制度がうまく機能しているかチェックすべき3つのポイント

人事評価制度がうまく機能しているかチェックすべき3つのポイント

自社の評価制度が課題を抱えていると考える、人事の人間は少なくない。評価制度がうまく機能するためには、クリアな評価プロセスと明快な評価基準が不可欠だが、それが自社に本当にあるのかどうか人事部にいてもなかなかわからないものだ。

というわけで、評価制度がうまく機能しているかどうかのチェックポイントを3つほど挙げておきたい。

1.「100%主観的な評価」は実現できているか

経営者や人事部長と話をすると、しばしば「客観的な評価基準を作るのに苦労しています」というような話を耳にする。だが、そもそも人が人を評価する以上、100%客観的な評価基準など存在しえない。むしろ、組織として目指すべきは「100%主観的な評価基準」であるべきだ。

たとえば、個人プレー重視で協調性に欠けるA氏と何事も組織第一のB氏が同じ部署に在籍していた場合。

「チームという意識が欠けているから」といってB氏の方を評価することは(A氏にとっては客観性に欠ける評価と映るだろうが)一つの主観に基づいたしっかりした評価だろう。要は、万人が納得する評価などありえない以上、皆がそれに沿って努力できるような統一された基準を作れということだ。

2.組織内の新陳代謝は維持できているか

欧米のようにホワイトカラーの労働市場が流動化していれば、低評価の続く人間やマネジメントに納得できない人間はさっさと転職していくから特に問題はないのだが、終身雇用が柱の日本だと、そのまま社内で人材の不良債権化をしてしまうリスクがある。

それを避けるのはなかなかハードルが高いのだが、とりあえずは組織内で新陳代謝を促す努力をするしかない。低評価が偏ってしまうのは仕方がないとしても、昇格レース等で後からでも十分に挽回できる制度にしたり、社員自身が手を上げて異動できる社内公募のような仕組みを導入したりするなど、とにかくモチベーションが燃え尽きないように維持してやることが重要だ。

3.評価者自身の成果評価はしっかり行われているか

意外に見落とされがちなのが「評価者自身の成果評価が、一般従業員のものとしっかり整合する形で行われているか」という点だ。たとえば、若手社員には厳しく目標評価を行いつつも、評価する管理職側は目標も成果評価も非公開とされているようでは、評価制度として整合性以前の問題だ。
会社全体の目標が〇〇で、その中で部署、つまり管理職のミッションは〇〇で、自分の役割は〇〇だと認識できてはじめて、評価システムは機能することになる。

むしろ一般従業員の評価制度より、管理職の評価制度の方が組織全体に与える影響は大きいというのが筆者の見方だ。

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執筆者紹介

城繁幸(じょう・しげゆき)(人事コンサルタント・作家) 1973年生まれ。東京大学法学部卒。富士通を経て2004年独立。06年よりJoe’sLabo代表を務める。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社)、『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』(筑摩書房)、『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』(PHP研究所)など。

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