学生ライターが分析!ベンチャー・中小企業向けの斬新なマッチングイベント
まるで婚活?学生と早期に出会える“採用オーディション”イベントに潜入
2019.11.01
@人事の学生ライター、畑中茜仁梨と松田悠花(早稲田大学2年生)です。私たちもだんだん就職活動が迫ってきましたが、いつからどう就活を始めたらいいか分からず、なんとなく不安を感じています。
企業も「学生との出会いの場がない」「早期に採用したいがどうしたらいいか分からない」と、新卒採用に悩んでいると聞きました。
今回は、そんな学生と企業の悩みを解決できるかもしれないオーディション形式の就活イベント「リクルートオーディション」を発見。互いに自己PRをしあい、マッチングするとそのまま食事会に行けるという、まるで婚活のようなイベントに興味を持ちました。
就職活動なのに「オーディション」とはどういうことなのだろう? 企業と学生はどんなやり取りをするのだろう? そんな疑問を抱いた私たちがイベントに潜入し、会場の様子や企業や学生のリアルな思いを取材しました。記事執筆は畑中が担当します。
【取材:2019年9月25日 @人事編集部 畑中茜仁梨、松田悠花(学生ライター)】
そもそもリクルートオーディションとは?
2021卒からは就活ルールがなくなり、通年採用が拡大するそうです。通年採用では企業の採用活動の時期が自由になるため、早期から優秀な学生の取り合いが激化すると聞いています。
今回のリクルートオーディションは、学生が3年生の9月の時点で企業と出会い、座談会を通じてお互いをアピールできるイベントです。最後のマッチングタイムでお互いに「気になる」「もっと話を聞きたい」相手を選んで、思いが通じ合えば、そのまま食事会に行ったり、後日の特別選考やインターンへの参加資格を得たりすることができます。まさに、早期に学生と企業のつながりを生み出せる場所なのです。
主催するのは、就職支援サイト「アールエイチナビ」を運営するプレシャスパートナーズ(東京・新宿)。サイトでは中小企業やベンチャーの社長が自社のメッセージをインタビュー記事で発信し、企業と求職者のミスマッチ解消を目指しています。今回のイベントは「就活ルールが廃止された今、できるだけ早い段階から企業と学生の接点をつくり、互いの思いを伝え合ってマッチングしてほしい」との思いから初めて開催したそうです。
就職活動では仕事内容だけでなく、学生と企業のマインド面でのミスマッチをなくすことも重要だそうです。今回は2021年卒(現3年生)の中でも「ベンチャー志向」「誰と働くか」「早期選考」に共感する約50人が参加(文系理系の両方が参加。男女比9:1で男性の方が多い)。企業側も「誰と働くか」を大切にするベンチャーや中小企業6社(IT、飲食、コンサルティングなど)が集まり、互いの「就活(採用)の軸」を合わせた上で開催されました。
「人生の軸は『モテたい』」「会社の大変な出来事は幸せを味わうために必要」と互いにアピール
イベントは6社の社長や役員によるトークセッションからスタート。ベンチャー企業の良さについて、それぞれ意見を交わしました。
続いて、企業と学生が直接交流できる座談会(15分×6回)を実施。学生は6つのテーブルに8~9人ずつに分かれ、6社の社長や役員が各テーブルを順番に回る形式で行われました。
15分間の使い方は企業によってさまざまです。自社の業績や社長自身の経験をPRする企業もあれば、学生に一人ずつ自己アピールをしてもらい「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を知ろうとする企業、学生からの質問を受け付ける企業もありました。「会社での大変な出来事は、後から幸せを味わうために必要なもの」と語る社長もいて、印象に残りました。
一方、学生は「起業した経験がある」「グローバルに活躍したい」と自己アピールしたり、「経営する上で一番大切なことは?」「自分に自信を持つためにはどうすればいいか」と質問したりしていました。学生の中には「モテたいが人生の軸」、「誰よりも良い顔をして死にたい」など企業のインパクトに残るようなことを言っている人もいて、これぞオーディションだと感じました。
最後にマッチングタイムがあり、学生は「もっと話を聞きたい社長・経営者」を3人、企業は「気になる学生」を15人選びます。ここで会場は一気に緊張感に包まれて、まるでテレビで見た婚活マッチングのようでした!1社につきマッチングした3人の学生がステージに呼ばれ、そのまま企業ごとに食事会に向かいました。選ばれた学生はとびきりの笑顔や、ほっと一安心した表情を見せていました。
食事会に選ばれなかった学生にも、個別に各社からインターンや特別選考につながる特別パスチケットが配られました。
学生の「素」を引き出す工夫も
イベントは学生が素を出せるような工夫もされていました。基本的には私服での参加で、茶髪、Tシャツ、ジーパン姿の学生もいました。会場には常に音楽がかかっていて、リラックスして話せそうでした。
他にも、各企業には一人ずつ、すでに内定をもらっている3~4年生がモデレーターとして付いています。座談会ではモデレーターが企業と学生の間に入り、話しやすい雰囲気をつくってくれて、時々笑い声が聞こえるような雰囲気でした。企業は学生のありのままの様子やアイデンティティーを感じ取ることができると思います。
法政大学経営学部の男子学生は「いつか起業したいが、何から始めたらいいのか分からない」という悩みを抱えながらイベントに参加したとのこと。「社長の方々から起業のアドバイスをもらえた。どの企業とも偶然の出会いでしたが、参加してよかった」と満足した様子でした。
ある社長は「参加していた学生の意欲的な姿勢が素晴らしく、ベンチャーマインドの高い学生と早期に接触できる貴重な経験だった」と話し、イベントにメリットを感じたそうです。
「社長の話を直接聞ける貴重な体験」「短時間で互いを理解するのは難しいかも」
私たち学生ライターも来年から就活が始まります。初めて斬新な就活イベントを見て、それぞれメリットや疑問点を感じました。
畑中茜仁梨:イベントに参加するまではたった一日で自分を判断されてしまうことは怖いと思っていました。しかし、実際は思っていたよりもリラックスした空間で、気楽に参加できました。
社長の話が直接聞けることが何よりも貴重な体験で、取材をしにいったことを忘れるくらい話に夢中になってしまいました。最後の食事会に行くことが参加目的ではないと感じました。
松田悠花:社長と学生の座談会を見て感じたのは「マッチングの難しさ」でした。
社長の中には学生に一人ひとり自己紹介してもらう人もいれば、自らの考えを話すことに集中する人もいました。学生も、自分のことを積極的にアピールする人も、緊張しているのか小さめな声で話す人など多種多様です。
このような状況で、座談会の15分という短い時間でお互いのことをよく知ってマッチングするのは難しいかもしれないと感じました。ただ、学生の服装や髪型がとても自由で、社長と気軽に話せる雰囲気はとてもいいなと思いました。
畑中:リクルートオーディションは、リラックスした雰囲気で企業と学生が積極的に関わることができます。学生一人ひとりの個性も見ることができ、マインド面でのマッチングに効果的な空間だと感じました。早期に学生の素を見られて、選考できる取り組みは他にも増えているそうなので、企業の方々は今後の採用手法の候補の一つにしてみてはどうでしょうか?就活の時期が来たら私も参加して、いろいろ吸収したいと思いました。
【編集部より】
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