「日本一オーラがない監督」中竹竜二氏に聞く
新人育成の当事者意識を、社内に浸透させるためには?
2016.05.25

みなさんこんにちは。ちょうど会社や部署に新人が入ってきて、気分も新たに育成や業務に励んでいることと思います。今回は、組織全体で新人をどのように育成していくのかをテーマに進めていきましょう。
若手指導というと「師匠と弟子」といったイメージを持たれる方も少なくないでしょう。特に日本では「個と個」の関係性を大切にする文化が強く残っています。例えば、◯◯派、△△派といった、師匠の考えや技術を基に個人の教えを引き継いでいくしきたりが今なお多く残っています。それは、道を極める武道、茶道、華道から絵画、音楽、芸術といった幅広い分野に見られます。当然、企業文化の中にもその影響は多少なりともみられるでしょう。例えば、多くの企業で導入されているメンター制度。先輩と新人が1対1で関係を強化していくことは非常に大切なことです。
その傾向は、スポーツのコーチングの世界では、特に個人競技において強くあります。しかし、近年コーチングにおける科学的な進歩により、新たな傾向が生まれてきました。
複数の人間からメッセージを伝えるのが効果的
ヒトは複数の人間から同じことを言われた方が刺激は高まる、ということがわかってきたのです。選手は、一人のコーチから同じメッセージを複数回言われるより、複数のコーチから同じメッセージを伝えられた方が浸透しやすいのです。
みなさんも、経験ありませんか? 親や先輩、上司から何かを言われ「もう、そんなのわかってるよー」とうんざりすること。一人の指導者が一貫性をもって同じことをいうのは当然大切です。しかし、人間に限らず動物には「馴れ」というものが生まれます。それを払拭するには、常にメッセージに「 Fresh=新鮮さ」を加えることです。ですので、同じメッセージでも伝え方を変えることは大切ですが、それには限界があります。そこで有効なのが、複数の人間でメッセージを発すること。
私の場合、ラグビーチームを作るときは、監督として選手との個人面談で話した内容をある程度、コーチやスタッフ陣と共有します。そのための情報共有ミーティングを開き、彼らが選手と接する中で私のメッセージを伝えて欲しいということをお願いします。その進捗を確認しながら、チーム作りを進めていきます。当然、手間はかかりますが、非常に効果的です。
メンターはぜひ集まって課題の共有を
大切なのは「みんなで新人を育てる」という文化を築くこと。そのためには「個で育てる」より「皆で育てる方」が有効であることを論理的に知ってもらうことです。だからこそ「うちの部署には新人がこなかったから関係ない」「私は今年、メンターではない」といった当事者意識の低いメンバーたちを啓発する必要があります。そうした人たちがどのように貢献できるかを示すことが肝となります。
特に、直接の上司部下といった「上下の関係」ではなく、別フロアや隣の部署の上司といった直接の業務には関係ない「斜めの関係」は指導において新鮮さを増加させる傾向にあります。また、そうした関係性の方が、本音や悩みも引き出しやすいそうです。
メンター制度がある場合は、それぞれのメンターが課題を抱え込むのではなく、メンター同士が課題を共有する場を持つことで、皆で育てる文化の醸成と具体的な解決策までの到達が早くなります。なぜなら、メンターの多くは同じような課題意識をもち、つまずいているからです。メンターの方々、ぜひ、集まって課題を共有してみてください。メンター同士の一体感が生まれ、新人の育成がより好きになるかもしれません。
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執筆者紹介

中竹竜二(なかたけ・りゅうじ)(株式会社TEAMBOX代表取締役) 1973年、福岡県生まれ。早稲田大学人間科学卒業後、単身渡英。レスタ―大学大学院社会学部修了。三菱総合研究所でコンサルティングに従事した後、早稲田大学ラグビー蹴球部監督、ラグビーU20日本代表監督を務め、「監督の指示に従うのでは無く、自ら考え判断できる選手を育くむ」という自律支援型の指導法でとして多くの実績を残す。日本で初めて「フォロワーシップ論」を展開したひとり。早稲田大を2年連続で全国大学選手権優勝に導きながらも、自らを「日本一オーラがない監督」と称する。
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