負けるな、不人気業界。【前編】
人材枯渇の不人気業界に「採用代行」が効くワケ。「最速で立て直せるって、本当ですか?」
2019.07.18
求職者の売り手市場が続いて採用難にあえいでいるのが、知名度のない中小企業や不人気の接客サービス業界だ。そんな中、RPO(Recruitment Process Outsourcing)と言われる採用代行サービスの市場規模が拡大している。“採用氷河期”とも言える今、どのような点が企業のニーズに合っているのだろうか。
教えてくれたのは、接客・販売系サービス業界を中心に採用支援の強みをもっており、総合的な採用代行(RPO)を提供するウィルオブ・
プロフィール
・田中寿昇 株式会社ウィルオブ・ワーク セールスアシスト事業部 営業推進部 部長(写真右)
2005年入社。親会社ウィルグループ人事責任者等を経て、現在は採用代行・派遣・委託事業で取引をしている主要企業の全国統括責任者として従事。
・山下泰斗 同セールスアシスト事業部 営業推進部 RPOグループ マネジャー(写真左)
2012年入社。派遣事業支店長、新規事業立上げ等を経て、現在は採用代行部門の責任者を務める。
ギモン①採用代行の波はどれくらいきている?
ここ5、6年でニーズが急増している。
あらゆる業務をアウトソースするBPO市場が、2023年には9,147億円に達するという驚きの調査結果が出た。中でも人事BPO業務はこの2年で他の領域に比べて最も高い成長率を示しているという。(※2019年4IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社発表)このアウトソース全盛時代、人事業務の中でも特に採用業務の代行への流れがすごいらしい、というウワサを聞いてウィルオブ・
セールスアシスト事業部営業推進部の部長である田中さんは「ニーズの高まりはこの5、6年でしょうか。背景としては、オフィスワークもそうですが、特に接客・サービス業界の採用難が色濃いこと。しかも年々、増しているという印象です」とその深刻さを語る。飲食、販売、宿泊といったサービス業では圧倒的に労働力が足りず、これまでのような採用手法では太刀打ちできなくなっているのだ。
また、これ以外の業界においても変化の波を感じているという。2021年春入社以降の新卒採用からは就活ルールが廃止。田中さんが「今のままでは壁にぶつかる。何かしら手段を変えていきたいと各企業が悩んでいる」と言えば、RPOグループのマネジャーの山下さんも「どうすればいいか分からないと相談に来る人事担当者も多い」と話す。採用手法や時期が多様化する中、プロの手を借りるという選択肢が当たり前になりつつあり、中小企業の依頼も増加しているという。
ギモン②業務はどんなことを任せられる?
「ノンコア業務」と「コア業務」の2種類ある。
採用代行サービスが支援する業務は、大きく分けると2種類ある。
★ノンコア業務
媒体差配、応募受付、電話対応、説明会調整などのいわゆる間接業務
・具体的には?
時給調査、他社リサーチ、媒体差配、媒体会社との商談・発注、原稿作成のための取材対応~修正・確認作業、採用の進捗確認/要因分析、社内報告用資料作成、学校訪問、面接対応、内定打診、雇用契約書の作成/発送、派遣人選のスクリーニングなど
★コア業務
募集計画の立案や企画提案、採用戦略・プロモーション・広報、面接・内定後フォローなどの採用活動の主業務
効率化を図るためにノンコア業務をアウトソーサーに任せ、自社の人事担当者がコア業務に集中するというパターンもあるが、最近ニーズが高まっているのはコア業務、特に採用戦略の立て直しの依頼だ。ウィルオブ・
コア業務の依頼をする多くの企業の悩みが「人が集まらない」。母集団形成や内定辞退の課題を少しでも改善するためにもっとも重要なのが「入り口の差別化」だ。
田中さんは「業種やエリア、社員かアルバイトか、新卒か中途か、それぞれにポイントがありますが、入り口部分のアドバイスを送ることが多いですね」と解説。業務範囲は予算に応じてオーダーメイドで発注が可能だ。山下さんは「悩んでいるプロセスをひも解いていき、ここを変えられるのではないか、と提案します。どんな小さなことからでも可能ですよ」と説明してくれた。
ギモン③コストダウンと効率化以上のメリットとは?
一番のメリットは、「最速での立て直し」
採用活動をアウトソースすることで企業側が得られるメリットは、人事担当者の「業務の効率化」や「コストダウン」、また成果として「最適な人材採用」につながることなどがよく挙げられる点だ。
とはいえ、これまで自社だけで採用活動をしてきた企業にとっては「コストを抑えて結果も伴うなんて、本当だろうか」という不安はあるはず。
そんなことを聞いてみると、田中さんは「一番のメリットは、最速での立て直しだと思っています。もちろん採用活動自体は長期戦ですしやり方としてはさまざまですが、予算の範囲で、スピード感を持って成果を出すためのアドバイスができる」と胸を張る。ウィルオブ・
ギモン④自社にノウハウが蓄積されないのでは?
ノウハウは共有され、むしろ内製化をおすすめしています。
採用代行のデメリットで気になるのは、企業と方向性のズレが生じないかということ、また任せてしまうことで自社の人事にノウハウが引き継がれないのではないかという2点だ。この課題の対策については、山下さんが説明してくれた。
「普段から、企業さまの担当者とはできるだけ接触数を多く持つことを心がけています。方向性はもちろん、細かく数値の目標を共有していますね。コミュニケーション量はかなり多いと思います」。日次、週次、月次の共有のほか、少なくとも月1でチームで顔を合わせてのミーティングを行い、プロジェクトマネジャーと人事担当者は1日に何度も連絡を取り合うことも。
また、ノウハウは顧客にどんどん共有し、むしろ顧客での内製化を促しているという。田中さんは「うちのノウハウを自社で生かしてほしい、という気持ちが強いんですよ。採用は1年ごとに企業のニーズも変わるので、そのノウハウは絶対ではないですし。当社で採用代行でお任せいただいたプロセスについては代行期間の作業内容を、いずれ内製化につながるようにフローチャートなど作業工程を可視化して成果物として提出することも可能です」という。なるほど、採用は永遠の課題。その「勝利の方程式」をシェアしても常にブラッシュアップが必要なことから、企業と単年度だけの付き合いにあることはほとんどないそうだ。
ギモン⑤就活ルール撤廃の影響は?
不透明だからこそ、自社の客観視が必要。
2021年春入社以降の新卒採用から、いよいよ就活ルールが撤廃される。早期化か長期化か、通年採用に移行していくのか。
先行きが不透明な中、新卒採用をアウトソースする勧めとして田中さんは「変化が起きようとしているとき、一番知りたいのは各社の動向や具体例ではないでしょうか。代行してみると、今までになかった選択肢が広がるはず。インプットする目的だけでも使わない手はないと思います」と話す。さまざまなデータを知り、自社の動き方を客観的に見られることが、まず採用革命の一歩と言えそうだ。
人手の集まらない中小企業や、人気がない接客サービス業は八方塞がりというところもあるだろう。これからどう戦っていけばいいのか。時代を知り、自社を知るためにも、採用をアウトソースするという選択肢も加えてみてはどうだろうか。
【後編】ではサービスの選び方のポイントについて
採用代行サービスもさまざま。後編は、自社に合ったRPOの選び方、見極め方について解説する。
>>>【後編】ミスマッチを防ぐ!自社に合った採用代行サービスを選ぶ、たった2つのポイント
株式会社ウィルオブ・ ワーク
【企画・制作:@人事編集部広告制作部】
【編集部より】
採用代行、新しい採用手法に関する記事はこちら
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