ビースタイル調べ
「子連れ出勤」8割が未経験 反対派からは「職場は『子育て』の場ではない」との声
2019.07.04
主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』は、7月2日、働く主婦層を対象に行った「子連れ出勤」に関するアンケート結果を発表した。
同調査によると、子連れ出勤や、子連れ出勤をする同僚とは働いた経験がある人は、全体の2割に満たないことが分かった。また、子連れ出勤を反対する人からは「職場は『子育て』の場ではない」「子育て後も職場に戻れる環境を議論するべき」という声が上がっていることが明らかになった。以下、リリースより。
■調査結果概要
1.子連れ出勤をしたことが「ある」15.4%、「ない」84.6%
2.子連れ出勤する人の同僚として、一緒に働いたことが「ある」16.7%
3.子連れ出勤のメリット「保活に失敗しても働くことができそう」48.5%
4.子連れ出勤のデメリット「職場に迷惑をかけそう」81.1%
5.子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも「賛成」36.5%
6.フリーコメントより
1.子連れ出勤をしたことが「ある」15.4%、「ない」84.6%
2.子連れ出勤する人の同僚として、一緒に働いたことが「ある」16.7%
3.子連れ出勤のメリット「保活に失敗しても働くことができそう」48.5%
4.子連れ出勤のデメリット「職場に迷惑をかけそう」81.1%
5.子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも「賛成」36.5%
6.フリーコメントより
◇フリーコメントより(年代:子どもいる・いない)
<スタンスとして「子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも賛成」と回答した人>
・子連れ出勤が良いとは思わないが、復職する意欲はあるのに保育園に落ちて仕事が出来ず収入に影響するなどやむを得ないのであれば賛成せざるを得ない。一緒に働く側として反対する権利は無いと思うから(40代:いる)
・私も子供がいるので、成長見守りつつ幼稚園入園するまで一緒にいたいから(30代:いる)
・職種によって、集中や精密、セキュリティなどが必要なものがあるので、職場では保育士に預けられる環境が望ましいと思う(40代:いる)
<スタンスとして「子連れ出勤するのは賛成、同僚として一緒に働くのは反対」と回答した人>
・本人の立場なら賛成だが、逆の立場を考えると、家ではなく、職場のため、周りに迷惑をかける可能性が高いと思う(40代:いない)
・実際、自分がその状況になったときに子連れ出勤可能なら有り難い。自分は出勤したいし休まなくても良くなるから。でも、逆に同僚がそれをした時に良い気持ちで一緒に仕事出来るかと聞かれたらそうじゃない(20代:いる)
・自分の立場にたった場合、子供をおいてこなくてすむが、子供が嫌いな方もいらしゃるし、また、どうしても子供にきをとられ子供にたいしても、しごとにたいしても中途半端になる可能性もある。親ばなれ、子離れの機会をうしなうことも可能性としてある(50代:いる)
<スタンスとして「子連れ出勤するのは反対、同僚として一緒に働くのは賛成」と回答した人>
・子供を通勤電車に乗せたり、外遊びが出来ない環境に置くのは抵抗がある。さらには子供が居ることで仕事に集中出来ないし、回りに気を遣うので疲れてしまいそう。私自身は嫌だが、同僚が納得の上連れて来るのであれば、否定はしない(40代:いる)
・同僚の子は可愛がれるけど、自分の子だと周囲に申し訳なさすぎて辛そう(30代:いる)
・自分の子どもばっかりになり仕事に集中できない。でもどう思うかは各家庭で考え方が違うと思うので、それを受け入れる側としてはいいと思う(30代:いる)
<スタンスとして「子連れ出勤するのも、同僚として一緒に働くのも反対」と回答した人>
・仕事に集中できないから。子連れ出勤を議論するのではなく、子育てしながらキャリアを継続させる方法は在宅勤務を取り入れる等々あると思うし、子育て後に職場戻れる環境を議論するべきだと思う(50代:いる)
・職場は「子育て」の場ではありません。給料をもらうための場所です。近年の親は公私混同甚だしいです(40代:いる)
・子供が欲しくてもできなかった方、不妊治療中の方もいらっしゃるかもしれない。そういう方の心情に配慮はないのか?(50代:いない)
しゅふJOB総研 所長 川上敬太郎より
育休中の同僚がお子さん連れで顔を出すと、職場に和やかな雰囲気が漂います。しかし中には子どもが苦手な人がいるかもしれない、と顔を出す方は気を使ったりします。ましてや子連れでの出勤となると、考え方は分かれそうです。
働く主婦層に「あなたは「子連れ出勤」をしたことはありますか」と尋ね、お子さんがいる人だけを抽出して集計したところ、あると答えた人は15.4%でした。殆どの人はお子さんを連れて出勤した経験を持っていません。一方逆の立場で、子連れ出勤する人の同僚として一緒に働いたことがあるかについて尋ねると、あると答えた人は16.7%。子連れ出勤は、まだまだレアなケースだと言えます。
子連れ出勤のメリットとして上位に挙がったものとしては、「保活に失敗しても働くことができそう」「保育施設に預けに行く手間が省けそう」「子どもが近くにいて安心して仕事できそう」の3つで、どれも40%台です。一方デメリットとして上位に挙がったのは「職場に迷惑をかけそう」「仕事に集中できなさそう」が約8割、「通勤が大変そう」が6割、「子どもにつらい思いをさせそう」も4割を超えています。メリットよりもデメリットの方が相対的に比率が高く、子連れ出勤はメリットよりもデメリットの方が想像しやすいのかもしれません。
子連れ出勤の賛否を見ると、子連れ出勤する立場から見て賛成の人は43.8%、一方同僚として子連れ出勤者と一緒に働く立場から見て賛成の人は55.1%。どちらの立場もおおよそ半々ではありますが、同僚として受け入れる立場の方がやや寛容なようです。
フリーコメントにも、多数の意見が寄せられましたが、「保育園が見つからなかったのであれば仕方ない」「子どもは社会全体で育てていくもの」という声もあれば「子どもが嫌い」という声もあり、見方は様々です。子連れ出勤に賛成していても、必ずしも諸手を挙げての賛成ではない人もいれば、反対であっても意地悪ということではなく、仕事場のあるべき姿や子どもへの負担などを考慮した意見の人もいます。また常時子どもを連れて出勤するのか、致し方ない時だけなのか、でも意見は分かれています。女性が子育ての負担を背負うことを前提としているのでは、と疑問を投げかける声もありました。
子連れ出勤の是非は単に人としての寛容さの問題という話でくくれるものではなく、子連れ出勤せざるを得ない環境や子育てのあり方、職場への影響など広いテーマに関わる問題だと認識した上で、個人・企業・社会それぞれの立場を踏まえて適切に対処していく必要があると考えます。
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:1000名
調査実施日:2019年3月13日(水)~2019年3月15日(金)まで
調査対象者:ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者
【プレリリース『子どもを連れて出勤するってどうなの?!働く主婦に意識調査 子連れ出勤経験なし 84.6%』(PR TIMES)より|2019年7月2日・株式会社ビーススタイル】
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