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コラム

@人事 ドイツ支部通信


ドイツでは日曜労働は禁止? 休み下手な日本人としっかり休むドイツ人

2019.06.21

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2019年4月から、有給休暇取得が義務付けられた。「ワークライフバランス」という言葉が浸透したこともあり、『休み』に対する価値観は少しずつ変化している。ではどうすればさらに休みやすくなるのか、仕事スイッチをオフにしてリフレッシュできるのか。ドイツを引き合いに出して、考えていきたい。

雨宮紫苑雨宮 紫苑(あまみや・しおん)

ドイツ在住、1991年生まれのフリーライター。大学在学中にドイツ留学を経験し、大学卒業後、再びドイツに渡る。ブログ『雨宮の迷走ニュース』を運営しながら、東洋経済オンラインやハフィントンポストなどに寄稿。

目次
  1. 有給取得率は最下位、罪悪感はトップの日本
  2. ドイツ人の『休み』に欠かせない「Ruhe」とは
  3. のんびりと静かに過ごすことがドイツ流の『休み』
  4. 働き方の意識改革とともに、休み方の意識改革も

有給取得率は最下位、罪悪感はトップの日本

10連休となった今年のゴールデンウィーク、みなさんはどのようにお過ごしだっただろうか。リフレッシュできた人もいるだろうし、することがなくて退屈だった人もいるだろう。変わらず働いていた、という人も結構いるかもしれない。

最近では24時間営業や年中無休営業の見直しなども進み、『休む』ことへの注目度は高まっている。「休んでいても生産力が高い国」というモデルケースもあり、「24時間働けますか」から「労働時間より質を」という方向に変わりつつあるのだ。

しかし、いままでの慣例がすぐに変わるわけではない。エクスペディア・ジャパンの『世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018』によると、日本人の有給休暇取得率は3年連続最下位(支給日数20日、取得日数10日で取得率50%)。また、有給休暇取得に罪悪感がある人の割合は、58%で最多となっている。

取得率が低い理由として、1番に挙げられているのが「人手不足」。2番目は「緊急時のために取っておく」で、3番目は「仕事する気がないと思われたくない」。これを見ると、休むことが軽視されていると強く感じる。体力的にも、精神的にも、限界は存在する。いい仕事をするためには、『いい休み』が必要なのだ。

ドイツ人の『休み』に欠かせない「Ruhe」とは

「労働時間が短いのに生産性が高い合理的なドイツ」。そんなイメージをもつ人も多いだろう。実際はそんなに完璧なわけではないのだが、日本と相対比較すれば、たしかに働きやすい環境であることが多いとは思う。さまざまなデータからも、相対的にドイツの労働時間は短く、1人あたりの生産性が高いことが読み取れる。

では、なぜドイツはそんなにも休めるのだろう。日本人のように、休むことに罪悪感を感じないのだろうか。そこには、『休み』に対する考えにちがいがある。日本人の多くにとって『休日』とは、「仕事がない日」。しかし、ドイツ人にとって『休日』とは、文字通り「休む日」である。

ドイツには「Sonntagsruhe」(日曜の安息)というキリスト教的な考えが浸透しており、日曜と祝日は基本的に店が閉まっている。早朝や深夜という時間帯も安息の時間に含まれ、騒音を出すことが法律で禁じられているほどだ。賃貸契約によっては、22時〜朝6時までシャワーを浴びれず、洗濯もできないなんてことも。

穏やかな休日のイメージ

「Ruhe」という名詞には、まず「騒音がない静かな状態」という意味があり、ほかにも「リラックスすること」「なにもしないこと」「回復すること」「争いがないこと」など、穏やかで休んでいることを指す。たとえば騒音を禁止する決まりは「Ruhezeit」といい、お店に「Ruhetag」と書かれていれば休日(店が開いていない日)ということだ。

忙しい日が続いたときやちょっと疲れたときなどは、「Ich brauche (meine) Ruhe」(わたしには静かな時間が必要です) 「Ich muss mich ausruhen」(わたしは休息を取らなくてはいけません)という言い回しを使う。もし家族や恋人がそれを言ったら、「のんびりしたいからそっとしておいてくれ」という意味だ。

ちなみに、「あしたは仕事がないからRuhetagにする」と言われれば、「家でのんびり静かに過ごす日」という意味なので、飲みには誘わない。『休む』ことが「静かにおだやかに」と強く結びついているのは、日本とちがうところだなぁと思う。

のんびりと静かに過ごすことがドイツ流の『休み』

一方日本は、休み=仕事がない時間、という認識が強い。「休みの日なのになにもせずムダに過ごしてしまった……」と後悔するのがその証拠だ。『休む日』と認識していれば、なにもせずとも問題はないのだから。そのあたりの認識のちがいが、休みやすさにもつながっているのだと思う。

ドイツでは、休暇中に病気になると、それは病欠として扱われ、有給休暇取得日数から差し引かれる。休暇は『休む』時間であり、療養とは別、という認識なのだ。

また、「休暇中の人を呼び出そう」なんてことにもならない。他人の「Ruhe」をジャマするのは、とても非常識である。これを理解できていなかったわたしは以前、「Ruheが必要だからYouTubeでも見てゴロゴロしてるよ」と言ったドイツ人パートナーに話しかけまくり、「休みたいと言っただろう」と怒られた。反省している。

休暇中はのんびりすることが大正義なので、「1週間ビーチでごろごろしていたよ!」と言えば、みんな「最高だね!」と言う。休みの日は、おとなしく休んでいればいい。他人が休んでいるなら、ジャマしちゃいけない。これが、ドイツにおける『休み』の感覚だ。

働き方の意識改革とともに、休み方の意識改革も

価値観のちがいには「いい」も「悪い」もないから、ドイツ的考えが正解というわけではない。しかし休みを休む時間にあてるためには、ドイツのような考え方のほうがやりやすいのは事実だ。

いい仕事をするには十分休むことが大切。ではそれを周知し、実行するためには、どういうことができるのだろう。

わたしは、有給休暇の事前スケジューリング、つながらない権利導入の検討をまず提案したい。くわしくはすでに『夏休みは1カ月? ドイツ人がきちんと休むために行っている3つの工夫』で書いているのでぜひ一読していただきたいが、ざっくりいえば、半年や1年以上前にみんなの休暇スケジュールを組み、それに合わせて仕事をいれていくのだ。「休めるときに休む」では、ズルズルと仕事優先になってしまう。だからこそ、「まず休みを確保」をする。

これもまた上で紹介した記事にくわしく書いているが、つながらない権利として、休暇中に連絡をすることを禁止し、メールが自動消去されてほかの担当者に転送される、という強硬手段も有効だろう。

メールを確認するビジネスマン

小さな部分では、休憩時間に仕事の話をしないこと、休暇明けにお土産持参の文化を禁止することも大事じゃないかと思う。休憩時間なのになぜか仕事の話ばかり、気づいたらランチを食べながら手帳を開いている、なんてことはないだろうか。それでは「休み」にならない(以前のバイト先である結婚式場はまさにコレでうんざりした)。

また、休暇明けにお土産を持参するのも、個人的にはなくしたい。というのも、どこでなにをしたかは完全にプライベートなことだし、休暇中に否が応でも「職場」について考えさせられるうえ、どこかに出かけないといけない気分になるからだ。

大きなこと、小さなこと。さまざまな角度から「休む」ことに対する認識が変わり、充実した休日を送れる人が増えてほしいと思う。

執筆者紹介

雨宮紫苑(フリーライター) ドイツ在住、1991年生まれのフリーライター。大学在学中にドイツ留学を経験し、大学卒業後、再びドイツに渡る。ブログ『雨宮の迷走ニュース』を運営しながら、東洋経済オンラインやハフィントンポストなどに寄稿。著書に『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』(新潮新書)がある。

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