コラム

求人媒体の運用で成功する企業と失敗する企業の分かれ目(第3回)


採用のプロが教える、返信率を上げるスカウトメールの書き方【文例あり】

2019.05.07

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現在、どこの企業も人材を必要としており、求人が世の中に溢れかえっている状態です。良い人材を獲得するためには、「求人情報を掲載し、待つ」だけではなく、企業自らが候補者にアプローチする「スカウト」を軸とした採用活動が必須になってきています。

今回、「スカウト」の中心である「スカウトメール」活用のノウハウを紹介します。

大手企業に比べて知名度が低い中小企業・ベンチャー企業は、特にスカウトを積極的に実施するべきです。スカウトには応募者数の増加だけでなく、企業認知度を上げる、という効果も期待できます。スカウトを積極的に行い、エンジニアの間で採用に積極的な企業として話題になり、結果としてスカウトをしていない人材からもご応募いただけたという事例もあります。

執筆者プロフィール

大和田菜々氏(株式会社Potentialightの採用コンサルタント

大和田 菜々(おおわだ・なな)
株式会社Potentialight(ポテンシャライト)の採用コンサルタント。人材派遣会社で営業担当・事業会社の人事・採用コンサルティングと、さまざま々な立場から採用に携わってきた経験を持つ。メルカリやLINEのような、時代をリードする企業が日本からもっと誕生するような未来を目指すため、採用という側面からベンチャー企業のサポートに携わる。現在、約30社のベンチャー企業の社外人事として採用の支援を行う。

目次
  1. スカウトメールの魅力とは?
    ┗参考)スカウト媒体6種類の比較
  2. 採用コンサルが伝授! スカウトメールの返信率を上げる3つのコツ
    ┗①アクティブユーザーを探す&条件を絞りすぎない
    ┗②一斉送信はNG! 1to1メッセージで「プレミア感」を演出
    ┗③送信時間を定めて狙い撃ち! 効果的なのは8時・17時
  3. 職種別に訴求ポイントを変えるとさらにGood【文例付き】
    ┗エンジニア向けスカウトメールの例
  4. 返信は原則1営業日以内で対応を! 返信が来ない場合は…?
    ┗返信が来ない場合の対応
  5. スカウトメールを工夫して採用成功につなげる(まとめ)

スカウトメールの魅力とは?

スカウトメールは、求めるターゲット層に直接アプローチができる点、気軽にスタートができる点が魅力です(Green/キャリアトレック/ビズリーチ等の求人媒体には一定数のスカウトメール送付機能が無料で付与されています)。

媒体により、仕様は若干異なりますが、以下がスカウトメールの基本機能です。

  • 媒体に登録されている候補者を検索し、レジュメチェック→スカウト送信
  • メール内容はテンプレートとして設定ができ、一斉送信も可能
  • スキル/経験職種の他に「最終ログイン日」「転職活動に意欲的か」などの項目でも検索が可能

参考:「中途採用メディア(求人・転職サイト)のスカウト機能を活用する方法」

参考)スカウト媒体6種類の比較

スカウト実施に伴い、貴社が求めるターゲットによって適切な媒体選定を行う必要があります。下の図は参考までに弊社でまとめた、スカウトメール機能がある中途採用媒体の比較表です。

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採用コンサルが伝授! スカウトメールの返信率を上げる3つのコツ

①アクティブユーザーを探す&条件を絞りすぎない

アクティブユーザーへのアプローチ

どうしても、スキル・過去の所属企業のみに目がいってしまいがちですが、それと同じくらい見逃してはいけない条件が【最終ログイン日】です。

転職媒体に登録したことがある方ならお分かりかもしれませんが、媒体には転職顕在層だけでなく、潜在層もたくさんいます。媒体によっては「転職する気は無いけど他社の就業条件が見てみたい」「自社でWantedlyページに社員登録して欲しいからとりあえず登録した」などが理由で登録されている候補者もいるのです。

これらの中から、転職意欲が高い「転職顕在層」を見分ける方法として、「最終ログイン日」でソートをかけます。ログイン1日〜1週間以内の候補者が狙い目です。また、【職歴更新日】も合わせてチェックすると良いです。職務経歴が古いままの方は転職潜在層である可能性が高いです。

候補者の検索条件はできるだけ幅広く

ズバリ、検索条件を絞りすぎないことがポイントです。 例えば、エンジニアであれば【Ruby/JAVA】などの業務上必須であるスキルでの検索は問題ありませんが、【BtoC向けのプロダクト開発3年以上】等、携わっていたプロダクト・期間までを指定すると、スカウトでの採用は難しくなってきます。

中小・ベンチャーにとってのスカウトは、もちろん採用が第1目的で実施するものの、会社認知度UPの目的もあります。条件をガチガチに設定してしまうと、検索される候補者数も少ないですし、どの企業も求めるような優秀な人物が選定されやすくなるため返信率も下がってしまいます。条件は出来るだけ幅広く設定しましょう。

絞り込む条件を広くすることで、アプローチ対象者が増え、面談数も多くなってしまう可能性を危惧する人事の方もいらっしゃいますが、候補者の温度感に合わせてWeb面接or来社を使い分けると良いです。

返信が合った際、「1度カジュアルにお話しできればと思っておりますが如何でしょうか?
※ビデオでのご面談でも問題ございません!」というような記載をすると、候補者側も面談参加のハードルが下がり、面談参加率が上がります。

②一斉送信はNG! 1to1メッセージで「プレミア感」を演出

現在、求人数が転職希望者数を上回り、市場に溢れかえっている状況です。候補者はスカウトメールを10社以上は受け取っています。そんな中、まさか媒体にプリセットされているテンプレートを使用されている企業様はいらっしゃいませんよね…?

今日、「スカウト文面のカスタマイズ」は必須です。さらに、その候補者のためだけの1to1メッセージもつけるとなお良しです。このひと手間を惜しまず実施するかでどう違うのか。下記のメール文面を見てください。

【A】ご経歴を拝見し、ご連絡させていただきました。弊社は、採用コンサルティングを行なっている会社で…。

【B】〇〇さんの人材業界でのご経験を拝見しご連絡致しました! エージェントから人事に転職され、人材業界の中でもさまざまな立ち位置からのご経験をお持ちで素晴らしいですね!
是非、弊社にお力を貸していただけないでしょうか? 弊社は…。

【A】と【B】だったら、【B】の方が返信したくなるメールですよね。
ちなみに、私が転職活動時、某媒体にて受け取ったスカウトメールのうち、26通中3通のみが1to1メッセージ付きのメールでした。1to1メッセージは、他社との差別化を図るのにもってこいの方法です。

③送信時間を定めて狙い撃ち! 効果的なのは8時・17時

通勤時間の朝8:00、夕方17:00のスカウトメールは、返信率が高くなる傾向にあります。お昼の時間帯なども良いかもしれませんね。送信相手の行動を予想し、狙い撃ちするのがポイントです。

職種別に訴求ポイントを変えるとさらにGood【文例付き】

メールで相手を惹き付けるためには、ターゲットが知りたい情報を盛り込むのが大切です。職種ひとつとっても、「セールス」と「エンジニア」では求人情報に対する着眼点が違います。
例として、以下に挙げるような情報を意識して伝えるようにしてみましょう。

セールス:ノルマがあるのか?  商材は? チーム制か?  予算の設定方法は?  評価制度は?
エンジニア:言語、開発環境は?  PC/キーボードは選べるのか?  何を開発するのか?  PM/営業の開発に対する知識は?

「この会社の人事、わかってるな」
と、思わせるのが成功の鍵です。

エンジニア向けスカウトメールの例

【A】件名:エンジニアとしてスキルを生かしませんか?

【B】件名:【リモート勤務OK!】toC向けSaaSベンダーにて、フロントエンドエンジニア募集!

【A】は対個人に向けて送るスカウトメールとしては抽象度が高く、受け取った側が「自分のどのスキルを何に生かせるのか」が判断しづらく、「クリックしてみよう」という気が起きにくいです。
一方、【B】のように、どんな会社がどのポジションで募集しているのかが明確で、さらに、受け手が惹き付けられるような「働き方の特徴」の情報まで紹介してあると、スカウトメールの開封率も大きく変わってきます。

また、使用媒体により、候補者のメール受信画面のUIも変わってきます。自分が送ったメールがどのように表示されるのかを事前に確認しておきましょう。

返信は原則1営業日以内で対応を! 返信が来ない場合は…?

スカウトメールは一度送って終わりではありません。送った後、返信がきたのであればスピード感を意識した対応が大切です。
原則、1営業日以上の時間を空けないように返信した方が良いでしょう日程の調整や、書類選考等で返信に時間がかかってしまいそうな場合は、「確認してご返信いたしますので今しばらくお待ちください」という旨の一次返信だけでも入れておくべきです。
スカウトメールをいくら丁寧に作り込んでも、その後の対応が適当になってしまっては、意味がありません。繰り返しになりますが、ベンチャー・中小企業のスカウトメールは認知度UPの意味もありますので、その点注意が必要です。

返信が来ない場合の対応

返信が来ない場合は検証が必要です。スカウト文面が悪いのか? 送信時間が悪いのか? 添付している求人が悪いのか…。常に実行→検証を繰り返して初めて、より良いスカウトのノウハウを得ることができます!

<確認すべき項目>
  • 文面:候補者側の画面ではどのように表示されているのか? 読みづらい文面になってしまっていないか確認しましょう。
  • 開封率:そもそも送付メールは開封されているのか。タイトルに問題がある場合が多いです。シンプルかつ具体的なタイトル付けを行いましょう。
  • 返信率:開封されているのに返信率が低い時は、メール文面or添付している求人情報の内容を確認しましょう。候補者に「なぜスカウトを送ったのか」「どんな仕事を任せたいのか」などを具体的に記載しましょう。
  • 送信時間:夜中にメールを送ってしまっている場合は要注意です。「こんな時間まで働いている企業なのか」とネガティブな印象を与えてしまいます。ターゲットが一番メールを確認するであろう時間を想定し、メールを送付しましょう。

スカウトメールを工夫して採用成功につなげる(まとめ)

大和田菜々氏(株式会社Potentialightの採用コンサルタント)単純に見えるスカウトメールですが、工夫できる点はいくらでもあります。
メールを送って終わりではなく、ぜひ、振り返り→次の施策→振り返り…と改善を繰り返してみてください! 採用成功はもちろん、認知度アップにも使えるスカウトメール。手間はかかりますが、工夫しただけ成果は出ます。

メールテンプレートの設定や、候補者検索条件の決定など、スカウト開始時は少しだけ工数がかかってしまいますが、1度設計をしてしまえばあとはメールを送信するだけです。
少しでも皆様の企業で返信率が上がり、採用成功に繋がれば嬉しいです。


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執筆者紹介

大和田 菜々(おおわだ・なな) 株式会社Potentialight(ポテンシャライト)の採用コンサルタント。人材派遣会社で営業担当・事業会社の人事・採用コンサルティングと、さまざま々な立場から採用に携わってきた経験を持つ。メルカリやLINEのような、時代をリードする企業が日本からもっと誕生するような未来を目指すため、採用という側面からベンチャー企業のサポートに携わる。現在、約30社のベンチャー企業の社外人事として採用の支援を行う。

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