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「HOT×LOCAL×HR 2019」レポート後編


【地方×HR】取り組むべきは本質的な経営。地方中小企業が大企業に勝つための唯一無二の正攻法とは。

2019.03.27

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「地方の抱えている問題は企業の抱えるHRの問題に通ずる」。主催のチカイケ秀夫氏(パーソナルベンチャーキャピタル代表)はそんな危機感を抱き、地方HRを盛り上げるため、HRのSNS界隈で発信力を有するメンバーを緊急招集した。後編では働き方改革(第二部)と採用(第三部)をテーマに、企業や経営者が本質的に取り組むべきことについて議論を交わした様子を伝える。【2019年1月取材:野澤麿友子、撮影:高井直樹】

レポート前編:【地方×HR】採用目的のインターンは捨てるべき。「地方の色はいらない」人気インターンから見えた学生を集めるシンプルな法則。

第二部 登壇者プロフィール

西崎康平
トゥモローゲート株式会社代表取締役社長。ブラックな企業ブランディングで新卒学生7,000人集客。全ての判断基準は「オモシロイかどうか」とする新卒採用に特化した採用ブランディング事業を展開。

福本真士
未来電子テクノロジー株式会社CEO。企業と学生をカジュアルにつなげるGOuniteの運営。人事戦略・制度設計・PR・オンボーディング領域のインターン特化事業を展開。田端大学初代MVP。

押田絵梨香
株式会社キャスター所属。BPO事業(業務アウトソーシング)、RPO事業(採用代行)、人材派遣などリモートワークを活用した働き方改革を推進。個人では「生き方に合わせた働き方」をビジョンに新規事業準備中。女性に特化した生き方改革を推進する「onestep project」を運営。

深澤了
むすび株式会社代表取締役。ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター/コピーライター。企業、地域、商品、採用市場のブランド開発から制作物までを手がける。著書『採用ブランディング』(幻冬舎)。

堀尾司(モデレーター)
1994年(株)リクルート入社。2004年ソフトバンクBB(株)入社。ソフトバンク通信事業3社を兼任。2012年グリー(株)入社。国内HR領域の責任者を歴任。2014年より東京東信用金庫に入庫し地域活性化に従事。現在は株式会社All Personal代表取締役CEO。

第二部:地方×働き方改革

第二部は「地方×働き方改革」について。モデレーターに堀尾氏を迎え、経営者(西崎氏、福本氏、深澤氏)および多様な働き方を提供するキャスターの押田氏を中心としたディスカッションが繰り広げられた。

「HOT×LOCAL×HR 2019」イベントレポート後編②

冒頭、そもそも働き方改革は一般に「残業を減らす」というような時間の使い方をメインに語られることが多いが、「そこにまず違和感がある」と深澤氏は述べる。好きな仕事だからこそ長時間働きたい人もいれば、家庭を大切にしたいという社員もいるという考えだ。

それに対し、西崎氏は時間ではなく「選択」を提供することが、今後の働き方改革において多様な価値観を受け入れる上での真価につながるのではないかと示唆する。

例えば、トゥモローゲートでは社員の希望に合わせて裁量労働制のフルフレックス勤務または完全固定勤務のワークライフバランス勤務から勤務形態を選ぶことができ、いずれも成果で評価することで公平性を担保しているという。

柔軟な働き方で意識すべきは企業との「カルチャーフィット」

その点、押田氏が所属するキャスターは、時間にも場所にもとらわれないフルリモートの勤務形態だ。同氏は、複数企業をまたいだ働き方・生き方をしたいというビジョンを明確に持っているため、「自身の働き方に対する不安は一切ない」と断言する。

ただし、周囲を見ていると、どういう生き方をしたいかが明確に定まっていない人ほど将来の働き方に不安を抱いている傾向にあるという。そのため押田氏は、働き手と企業をつなぐ同社において「どのような働き方を実現したいのか?」といった自分自身の軸を働き手に明確化してもらうよう意識しているという。

「HOT×LOCAL×HR 2019」イベントレポート後編3

一方で、働き手を募集する企業側にも、どのような人材を紹介してほしいのか、条件面の要望をもらうだけでなく、そもそもどういう社風や方向性なのかといった企業のカラーを教えてもらい、働き手にも共有するようにしている。

フルリモート勤務で、対面では一度も顔を合わせることのない働き手と企業をつなぐからこそ、お互いの相性を大事に考えカルチャーにフィットするかどうか丁寧にすり合わせることが重要と捉える。

そんな押田氏が抱える課題感は、ITリテラシーの企業間格差だ。
社内チャットツールやスプレッドシートなどのクラウドサービスを利用する企業も増えてきているが、まだまだ馴染みのない企業もある。場合によっては、遠方の企業の支援が難しくなってしまうこともあるという。

そうした企業に直面するたびに、ITリテラシーさえ向上すれば業務のアウトソースの幅が広がるのに……と忸怩たる思いを抱く。押田氏は今後リテラシー格差を補うようなテクノロジーが生まれてくると、一層の業務効率化ひいては働き方改革が進むのではないかと期待している。

とはいえ、働き方改革にはトップの理解が重要な部分もある。

それについて登壇者全員が、「経営者の理解は得られないだろうと最初から諦めずに一度は経営者に提案するべきだ」と述べた。

人はすぐ変わるものではないが、そこで提案を受け入れてくれるような経営者であれば一緒に頑張るのが良いだろう。

なお、仮に経営者が高齢でかたくなに抵抗を示す人であっても諦めるのはまだ早い。
出世街道にのっているポスト経営者候補と今のうちから働き方に関する課題感をすり合わせておき、将来的に企業を変えていくのも1つの有効な手段だという。

第三部:地方×採用 重視すべきは人事戦略

「HOT×LOCAL×HR 2019」イベントレポート後編5

第三部 登壇者プロフィール

三木芳夫
株式会社ノバレーゼの人材戦略部長として従業員50名から1800名まで拡大を経験。現在は渋谷のベンチャー企業の執行役員。経営管理本部長。

望月祐介
株式会社メイプルシステムズ代表取締役。中小システム開発会社を2社経験後にフリーランスエンジニアとして活躍。2009年に創業し、現在10期目となる。理念は「全ての仕組みに逆張りを」。

橋本祐造(モデレーター)
早稲田大学卒業後、NHKに入局。その後、人材コンサルティング会社を経て、GMOインターネット株式会社にてグループ人事部として活躍。現在は、ユニファ株式会社の人事責任者として従事。

西崎、福本両氏が引きつづき参加

「HOT×LOCAL×HR 2019」イベントレポート後編6

第三部は「地方×採用」について。モデレーターに橋本氏を迎え、採用の相談を受けることが多いという経営者(西崎氏、福本氏、望月氏)および人事(三木氏)のメンバーを中心としたディスカッションがなされた。

まず、地方採用を経験したことがあるという三木氏から、「地方は地域結束が強く、外部の意見を聞き入れてくれないことも多い」という所感が述べられた。そうした際は、土地のカルチャーに馴染む、地域のメンバーに打ち解ける努力をする、その土地出身のリクルーターを味方につけるといった工夫が必要になるという。

しかし、一方で「人が来ない、人が採れない、採り方がわからない」という課題感を抱えた地方企業が相談に来ることもある。福本氏は、ツールやブランディングなど「手段」に関する相談が多いこと自体が、「そもそもナンセンスだ」とし、次のように指摘する。

「人を増やすことに視点がいきがちで、深掘りすると人事戦略をしっかり立てていないケースが多いです。でも経営を続けていく中で市況が厳しくなり、事業を縮小しなければならない場合もありますよね。そこまで考えて人事戦略を練っていかないと、いざという時にせっかく雇った人材を切るという選択肢しかなくなってしまうわけです」

西崎氏も顧客の課題を支援する中で同様の危機感を抱いている。
デザインやブランディングなど「見せ方」の相談にくる企業に対しては、本質的にどういう価値を提供する会社にしていきたいのかを一緒に考え、それらを行動に移していくべきだと伝えるようにしているという。

2,105件の質問に回答。大切なのは言行一致の経営

たしかに、経営理念は多くの企業に存在するが、それを体現している企業は少ない。
経営上の広報活動とその実態を一致させることで採用成功に導いている企業の1つが、望月氏が代表を務めるメイプルシステムズだ。

メイプルシステムズには地方からもたくさんの応募がくる。
その要因の1つが代表の望月氏が運用するTwitterアカウントだ。同氏はTwitterに質問箱を設置し、会社や本人個人に対する外部のユーザーからの質問を自由に受けつけ、送られてきた全ての質問に回答している。

4カ月間で望月氏のもとに届いた質問はなんと2,105件。中には同氏の年収がいくらか? という際どいものまであるが、全て正直に答えるという。

「とにかく透明性を大切にしている」というメイプルシステムズの採用広報は功を奏し、現在ではメイプルシステムズで働いたことのない求職者が同社を候補者に勧めるという現象まで起きている。

今回、登壇者全員が積極的にTwitterを企業活動に活用し、その効果を実感していることもあり、採用に悩んでいる企業へはまずTwitterを始めることを推奨した。ただし、本気でやるとなると結構な時間を割かなければならないため、一定の覚悟も必要だ。

型破りな発想の源泉は「常に考え続けること」

「HOT×LOCAL×HR 2019」イベントレポート

さて、今回の登壇者はそれぞれの業界の大手企業に引けを取らず採用で成功している企業ばかりだ。そこで、大手企業にも負けない採用手法について意識していることを聞いた。

三木氏は、これまでの採用経験の中で「あえて市場で勝っている大手企業にぶつけにいく」ことを意識してきたと語る。
例えば、人材業界の会社であればリクルートとバッティングするように仕掛ける。そうすると母集団は大きく形成されるが、そこに集積する候補者全員がリクルートに入社できるわけではない。中小企業には「大手企業にない魅力」が必ずあるため、そこを候補者に対して訴求するのだという。

西崎氏は、社員が3名しかいなかった頃、普通に戦っても勝てないと知恵を絞った結果、コーポレートカラーの黒にちなんで「ブラックな企業」とブランディングを仕掛けた。
結果、自社サイトが検索の上位に表示され応募が殺到し、新卒採用で7,000人もの学生を集客したという。

また、そうした経営者達の型破りな経営手法の発想はどこから思いつくのかを尋ねた。
望月氏は「ずっと考えている」と回答。朝起きてから寝るまで、会社のビジョンを体現する方法を常に頭の片隅で考えていて、これと組み合わせたらいいのかも? と、ふとしたきっかけで思いつくのだそう。

その思いつきで生まれた1つが「ノールック採用」。エンジニアの中には技術力があるのに面接が苦手で選考過程で落とされてしまう人もいる。だったらとりあえず入社させてしまおうという発想のもと、“面接なし”で入社ができる制度を作った。

メイプルシステムズが掲げる「離職率100%(スキルアップを理由に転職する社員を応援するための理念)」も、社員が会社を離れても接点をずっと持ち続けたいと願う望月氏の想いから生まれたものだ。

望月氏は、対外的に発信したことは絶対に社内で実施することをコミットしている。
そんな同氏から見て、外部に出せる部分だけを綺麗に見せようとする会社は多いが、内情の実態がかみ合っていない企業ほど採用がうまくいっていないように思えるという。

「地方ほど地域の結束や口コミ力が強みなのだから、人に勧めたくなる会社を作ってリファラルに力を入れるのが良いのではないでしょうか。そのためには表面的な部分ではなく中身に力を入れて頑張るのが大事だと思います」(望月氏)

どのような価値を社会や社員に提供したいのかを考え、経営者自自身が体現し続けていく

地方のHR課題解決へのヒントを得るため、開催された本イベント。多岐にわたるテーマでディスカッションが行われたが、イベントを通じて参加者が得た最大の教訓は、「自社がどのような価値を社会や社員に提供したいのかを考え、それを経営者自ら体現するという正攻法を積み上げていくこと」。そうした努力の積み重ねが地方や中小企業を明るい未来へと導いていくだろう。

【おわり】

イベント概要

HOT×LOCAL×HR 2019~まだ東京だけでHRやっているの?~
日時:2019年1月16日(水) 19:00~22:00
会場:freee株式会社(東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル9階)
主催:チカイケ秀夫氏

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