東北大のイケてる団体代表へのアンケート調査と考察による
現役東北大生が分析! タイプ別東北大優秀層の採用アプローチ方法
2019.05.16
突然だが、、、
「優秀層を採用したいけど、どうしたらいいかわからない」「就活生は何を軸に就活をしているのだろうか?」そんな疑問をお持ちではないだろうか?
当記事では東北大生が自らが優秀層を調査し、タイプ別に対策をまとめた。優秀層といっても一括りにはできない。企業が取るべき対策は、学生の性格・タイプに応じて変わってくるはず。
トップ層のタイプ別傾向を把握することで、採用活動に使えるヒントが得られるはずだ。
東北大生は本当に優秀なのか?
あまり知られていないかもしれないが、実は東北大学の学生は採用市場において人気のようだ。「人事が採用したい大学」※によると東北大学が採用したい大学ランキング1位である。※日経カレッジカフェ.2018.9.21
研究力や教育力が高いことに加え、指定国立大学にも選出されており公的機関からの評価もあることがこの結果の要因だろう。したがって今回の記事では、調査対象を東北大学の学生に絞り調査を実施した。
また、東北大学入試センター/大学案内によると、文系学生の就職先は三菱UFJ銀行、アクセンチュア、伊藤忠商事など有名大企業からベンチャーまでさまざまであり、理系では味の素、花王、トヨタ自動車に研究・開発職などで就職していることがわかる。
優秀層は3つのタイプに分類できる!?
こうした状況を受け@人事では、人事担当者向けに旧帝国大学の一つである東北大学の学生を採用ターゲットとして認識し、かつアプローチしやすくするための企画を考えた。
また、東北大生の中でも今回は「イケてる団体」※の現役の代表や前年まで代表を務めていた「トップ層」に絞って解説することにした。彼らを「トップ層」と定義する理由は、筆者自身も東北大の某学生団体の代表を務めており、自分が代表の人たちと直接話をして感じたのはもちろんのこと、団体の歴代の代表に優秀な人材が多く、実際に有名企業に就職している方も少なくないからだ。
トップ層の実態を把握するため、2018年12月にアンケート調査を実施。10団体から回答を得、どのような観点で会社を選定しているのかを分析した結果、東北大のトップ層が3つのタイプに分類できることが分かった。※調査結果の詳細は後述
※「イケてる団体」について
筆者の視点で、全国大会出場等優秀な活躍を見せていたり、ボランティアや国際交流等のカテゴリーごとで一目置かれていたりするような東北大学の運動部や国際系サークル、学生団体を「イケてる団体」と定義している。
【タイプ別】トップ層に選ばれるためのアプローチ方法
アンケート調査で優秀層の各タイプごとの傾向・志向が明らかになった。この結果をもとに、それぞれのタイプごとの優秀層を採用するために企業はどのようなアプローチを取ればよいのかについて考察した。
【A】理想家タイプには、熱く語れ!
このタイプは、企業の理念への共感度を就職活動の軸にしている事が多い。金銭待遇など表面的な情報だけではなく、その企業がどれだけ社会に貢献しているかなどという点を重視して企業を選んでいるのだ。
彼らは、代表時代から目的や理念へのこだわりが強い傾向にある。実際に「何もない状態から、ビジョンだけを語り続けて15人の学生が集まった」(工学部・志望未定)などの声が聞かれた。
このような学生に対しては、アツい想いを持った社員が直接語る機会を設けることなどにより、理念・Visionを伝えることが好ましい。また、社会貢献度の高い事業を好む傾向にあるため、CSR活動などを多めに話すことも有効だ。更には労働問題などの社会問題に関心が強い場合もあるため、福利厚生面の充実を押し出すことも有効だろう。
実際に、「理念を重要視する」(農学部・食品系志望)、「家庭との両立も大切な観点」(経済学部・コンサルティング志望)という声が聞かれた。
理想家タイプはVisionや理念を大切にしているため、長期的視野でどのように発展していくつもりかを説明をすることも大切だ。目先の利益しか考えていないような印象を与えてしまうことは致命傷になりかねない。
【B】一致団結タイプは、チームワークで惹きつけろ
このタイプは、チームでの仕事を好む。 彼らは、代表時代からコンセンサスを取ることに重きをおいていたようだ。実際に「全員の目指したいものを作り上げることを意識した」(経済学部・公務員志望)などの意見があった。
このような学生に対しては、丁寧な接触を豊富に設け、親身に相談に乗るなどにより、会社や社員へ信頼感・安心感をもってもらうことが有効だ。実際に「インターンシップへ参加し実際の雰囲気や働いている方の様子を見たい」(経済学部・国際協力系志望)などの声も聞かれた。
一致団結タイプの学生はチームでの仕事を好み、一人一人の意見が反映されるような企業を好むため、担当社員が一人一人の学生に対して親身になって相談に乗る等の地道な努力が必要になる。
【C】成果主義タイプには、キャリアアップを強調!!
このタイプは、自己成長できるか、自分の個性を生かせるか等を重視している。そのため建前で話すことは好まず、自分にあった企業を探す傾向にある。また、将来的なステップアップとして転職や起業も視野に入れていることも多い。
彼らは、代表時代には背中で語るタイプだったことが多く、実際に「みんなが活発に取材に行くために率先して取材先を見つけたり記事を書いたりした」(工学部・ベンチャー志望)などの声が聞かれた。
企業という枠にとらわれず、自分のやりたい仕事を追求しているのだ。調査でも、「キャリア形成を重要視する」(工学部・ベンチャー志望)という声や、「なにか将来、文化や価値などを社会に残したい」(経済学部・宇宙開発系志望)という声も聞かれた。
成果主義タイプの学生には、社内で優れた実績を持っているエース社員との接触機会を設けることや、会社の業績をわかりやすく示すことが有効である。
タイプごとでの丁寧なアプローチが採用のカギに
あらためて3タイプのアプローチの要点をまとめよう。同じ優秀層を取ってみてもタイプごとに適切なアプローチ方法は違ってくる。そのため、求める学生像に合わせたアプローチ方法を選択してもらいたい。
A:理想家タイプ
会社のVision、存在意義、中長期発展などを語ることにより惹きつけられる。
B:一致団結タイプ
社員一人一人の優しさや社内チームワークの良さでアピールすると響く。
C:成果主義タイプ
キャリアアップを強調し成長欲求に訴えかけると効果的だ。
また、特にハイレベルな大学の理系学生は大学院に進むことが圧倒的に多くなるため理系大学院生のための就活なども考慮に入れるとよいだろう。
実際に「就職をやめた」(Aタイプ・工学部・志望未定)、「大学院に進むため就活は考えていない」(Bタイプ・農学部・食品系志望)、「部活動になるべく影響が出ないようにしたい」(Cタイプ・経済学部・宇宙開発系志望)といった声が聞かれた。選考時期をずらす、早期接触を行うなど多様なアプローチ方法が必要になってくるだろう。【終わり】
調査概要
対象
全国大会出場等優秀な活躍を見せていたり、ボランティアや国際交流等のカテゴリーごとで一目置かれていたりするなど、活動量・実績・理念等を考慮し、下記の運動部や国際系サークル、学生団体等を対象とした。
調査対象団体名(回答実績に関わらず):東北大学学友会男女ラクロス部、東北大学SCRUM、TUFSA(東北大学留学生協会)、他学生団体など計17団体
調査方法
自身のリーダーシップ像を分析してもらい、就職活動においてどのような観点で企業選びをしたか・しようと思っているかをアンケートで尋ねた。
回答時期
2018年12月15日~2019年1月18日に実施。
トップ層のタイプわけ~リーダーシップ像分析の解説と設問
トップ層の学生はメンバーのモチベーション維持を意識!
Q:あなたのリーダーシップに近いタイプはどれですか?(補足質問:団体の運営で気をつけている点、こだわっている点を教えてください)
【リーダーシップの選択肢】
A:理想化タイプ(団体のVisionに共感し、夢や志をメンバーに語ることでチームを引っ張る)
B:お兄ちゃん:お姉さん系(包容力があり、メンバー全員の気持ちを考えられる、チームワーク重視で縁の下の力持ち)
C:一匹狼タイプ(背中で語り実績・個人で成果を出すチームを作る)
D:ファシリテータータイプ(チームそれぞれのパフォーマンスを最大化させる)
Q:就職活動においてどのような観点で企業選びをしたか・しようと思っているかを教えてください
結果1
「お兄ちゃん・お姉ちゃん系」が大部分を占めた。この結果より、東北大トップ層の学生は親しみやすく、メンバーのモチベーション維持に力を注ぐ傾向にあることがわかった。大学の部活やサークルなどは給料がなくモチベーションを保ちにくいため、このような結果になったことが推測できる。
結果2
結果1に加え、「就職活動においてどのような観点で企業選びをしたか・しようと思っているか」のコメントを分析してみると、トップ層の学生は団体メンバーのモチベーション維持を前提にしながら、以下の3つのタイプに分類できることが分かった。
A:理想家タイプ
このタイプの学生は、代表時代には、メンバーに自分の思いを伝えることを得意としたようだ。就活の際には、会社のVisionなどを重視する。また、社会貢献度等も重要視する傾向にある。
B:一致団結タイプ
このタイプの学生は、代表時代には、チーム全員のコンセンサスを取ることを得意としたようだ。また、就活の際には、社員一人一人の意見が聞いてもらえるようなチームワークの良さそうな会社を好む傾向にある。
C:成果主義タイプ
このタイプの学生は、代表時代には、背中で語るタイプで自分にも周りにも結果を求め、成果を出すことを得意としたようだ。また、就活の際には自己成長できるか、個性を活かせるか等を重視する。転職や起業を視野に入れていることもある。
執筆者紹介
大木雄人 ライター。東北大学農学部生物生産科学科資源環境経済学コース3年。幼少期からの経験より、食に強い関心を持つ。アイセック仙台委員会代表。仙台若者1000人花見代表。趣味は、プロサッカーチーム清水エスパルスのハイライト動画を見ること。※情報は2019年4月時点
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