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特集

超急成長企業の採用戦略Vol.2/株式会社カカクコム編


◯◯は絶対にしない。カカクコムに学ぶ堅実な人材採用戦略

2019.04.08

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この会社には、派手な出来事って案外ないんですよね。
この一言が、カカクコム(東京・渋谷)の事業成長と採用戦略の姿を言い表している。

カカクコムは「価格.com」や「食べログ」を運営し、毎年着実に売上を伸ばす優良企業だ。それでも、事業を継続する中で何かしらの失敗やほころびを経験し、そこから好転する「山あり谷あり」のドラマチックな展開があるはず……と@人事編集部は期待していたが、彼らの言葉から浮かび上がったのは「堅実な成長を支える堅実な人事体制」だった。

確かな成長を続けるカカクコムの中途・新卒採用の戦略や採用手法の裏側を、@人事の読者にこっそりお伝えする。【取材日:2019年2月27日】

目次

カカクコムの事業展開を振り返る

カカクコムの創業は1997年。インターネットで家電等の価格情報を提供する価格.comは各小売店が価格をリアルタイムで直接登録できるシステムを独自開発し、国内最大級の商品・サービス比較サイトとなった。2005年には東証一部に上場し、同年にリリースした食べログも利用者数が順調に増加。現在は価格.comと食べログを基幹事業としつつ、旅行、保険、映画、求人情報サイトなど国内外でさまざまな新規メディアの立ち上げも行う。

カカクコムの強みは、時代の潮流に合わせてコンテンツを提供、そして改善を行う即応力だ。例えば、食べログではスマートフォンの普及を見越して2009年から専用アプリの提供を開始。価格.comでは電力・ガス小売りの全面自由化に先駆けて、電気・ガスの料金比較コンテンツを導入した。どちらのサービスも利用者の増加により掲載店舗や提携事業者への送客が拡大するビジネスモデルで、それに応じて業績が上がる。

カカクコム業績の推移と見通しグラフ(出典:株式会社カカクコム会社案内

現場社員が中途採用に積極的に参画

カカクコムの社員数は事業展開とともに着実な増加を見せ、中途・新卒採用ともに急激な社員数の変動はない。

カカクコム従業員数の推移(出典:カカクコム採用サイト

中途採用には各事業部の社員が積極的に関わる。中途採用チームリーダーの久保百合香さんによると、中途採用は年間100人ペースで採用。人事部の働きかけだけでなく、事業部の社員が事業課題に合わせてその都度どのような人材が欲しいのか要望を出すことも多い。人事担当者は現場社員と話し合い、具体的な「求める人物像」をすり合わせる。

中途採用チームリーダーの久保さん(左)と新卒採用チームリーダーの石原さん(右)

中途採用チームリーダーの久保さん(左)と新卒採用チームリーダーの石原さん(右)

カカクコムでは徹底したユーザー視点でのサービスづくりに取り組んでいる。ユーザー視点の姿勢に共感できるかどうかは新卒・中途採用ともに「最重要の採用基準」だが、中途採用ではさらに、そのときの事業課題に合わせてより詳細な「求める人物像」を決める。その人物像は、事業戦略に合わせて変わる。

人事担当者は「求める人物像」に出会うための最適な手法を提案する。エージェントサービスの利用、スカウトツールやソーシャルリクルーティングサービスの活用、求人媒体への掲載など選択肢はさまざまだ。実際の人材の見極めとなる書類選考や面接は事業部の社員を中心に進める。

鍵は「現場社員の積極性」「人事担当者の情報量とプロデュース力」

なぜ、カカクコムは現場社員が中途採用に積極的に関わる組織文化があるのか。久保さんによると、事業部のコンテンツづくりに関して経営者によるトップダウンはほとんどなく、日々現場社員が自らコンテンツの施策を提案している。採用活動でも現場の社員が「優秀な人材を採用して、流出させない」意識で自ら要望を挙げる。現場の課題感を身をもって感じている社員の協力は、採用活動を前進させる。

新卒採用活動の責任も人事部担当者に委ねられ、社長から「絶対に◯人採用してほしい」と指示されることもない。採用市場を理解した人事担当者が責任を持って採用活動に取り組む。 (取材では編集部が「社内に『一人ひとりの社員が事業をつくる』意識が浸透したきっかけはなかったのか」と食い下がったところ、「ユーザー視点という理念とともに、社内においても“人”を大切にするという文化が自然と醸成され、脈々と引き継がれてきている」そうだ)

中途採用の鍵を握るのは、人事担当者の情報網と現場社員に対するプロデュース力だ。 カカクコムでは人事担当者が他社の人事担当者や人材サービス提供者と交流するなど、情報交換によって業界の最新の採用情勢や手法を把握しているらしい。競合の状況も参考にしながらカカクコムがどのような採用手法を選ぶべきなのか戦略的に考え、現場社員とともに採用成功に導く「採用プロデューサー」になっている。

新卒採用で就職情報サイトは一切使わない。採用難でも採用基準は絶対に下げない

カカクコムは2007年から新卒採用を始め、初年度の入社は6人、現在も年間20人程度の入社にとどまる。サービスの知名度が上がって事業が拡大しても大幅に採用人数を増やさないのは、応募者が「ユーザー視点」の姿勢に共感できるかどうかの見極めを重視している点に加え、無理なく育成できる組織づくりを堅実に目指しているからだ。

しかし、「食べログ」や「価格.com」の知名度が上がるにつれて学生の応募が大幅に増加、カカクコムの企業理念にマッチする人材を見極めるための採用工数も増大した。そこで、2015年新卒採用からは就職情報サイトの利用を一切停止。ダイレクトリクルーティング、セグメントを絞った就職イベントへの参加、内定者や新卒1~2年目の社員によるリファラル採用などの「攻めの採用」に切り替えた。

カカクコム石原さん「最初は就職情報サイトなしで上手くいくのか不安だったが、今まで余計に取られていた工数を、『ユーザー視点』を持った当社にマッチする人材かを見極め、仲間になってもらうコミュニケーションに費やせるようになった」(石原さん)

また、母集団形成の工数が減った分、面接にかける工数は増えた。面接では学生の個人的な意見より、具体的な行動面を中心に掘り下げる。これまでに課題をどう分析し、どう解決したのか、他者(ユーザー)目線かどうか、カカクコムの未来を創る「愚直に、誠実に、主体的に行動ができるタイプ」かどうかはあくまで前提条件。それよりも、そういったタイプの応募者に会社・事業・仕事の魅力を伝える時間にリソースを投入する。

石原さんは「どんなに採用市場が厳しくなっても、今後も採用基準は絶対に下げない。ただし、事業を成長させるために、事業のビジョン・事業部側のやりたいことや、採用マーケットの環境に応じて、新卒・中途ともに柔軟に手法を変えていきたい」と言う。

※参考記事
「ダイレクトリクルーティング」で候補者の入社動機を高める3つのポイント
新卒採用にこそ、リファラル採用が必要だ

「価格.comや食べログの会社」から「働く場所」としての魅力付けへ

カカクコムは業績推移、採用活動ともに安定的に推移しているといえる。中途採用は現場社員の主体的行動、また人事の情報網とプロデュース力で着実に必要な人材を採用。新卒採用は「ユーザー目線」のサービスをつくり続けられる人材かどうかを見極め、採用人数のボリュームだけを目指す大量採用はしない。これがカカクコムの採用戦略だ。

今後の新卒採用における課題は、働き方の希望のミスマッチを防ぐこと。カカクコムでは、部門や職種などによって、専門性が求められるケース、幅広い業務やスキルが求められるケースなど多様な働き方がある。新卒社員の希望と配属のミスマッチを防ぐため、入社前には現場社員との面談(人事担当者は同席しない)を設けて「実際の働き方」を正確に伝える取り組みを行っている。石原さんは「採用ホームページも見直し、社員の働きぶりがより具体的に理解できるコンテンツをつくりたい」と語った。

また、新卒採用・中途採用に共通する課題は、入社を希望する人に「価格.comや食べログの会社」というイメージだけではなく「働く場所」としての魅力を感じてもらうこと。これを目的とした採用ブランディングにもいっそう取り組む予定だという。

堅実な採用が事業成長をかなえる

事業成長のために成長志向の人材ばかり採用したり、急激に人数を増やしたり企業もある。しかし、カカクコムは身の丈に合った堅実な採用戦略で企業のミッションとマッチする人材との出会いを成功させている。堅実な採用が事業成長を実現させる、独自の「採用のカタチ」が浮かび上がった。

企業情報

株式会社カカクコム
・事業内容:インターネットメディア事業、ファイナンス事業
・設立:1997年12月
・従業員数:単体639人、連結851人(2018年3月末時点)
・東証一部上場(2005年3月)
・本社所在地:東京都渋谷区恵比寿南3丁目5番7号 デジタルゲートビル

【シリーズ】超急成長企業の採用戦略

【編集部より】
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