コラム

元DeNA人事による「採用の現場」論


競合に勝つための採用ブランディング〜はじめの一歩

2016.04.20

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core words株式会社CEO/Creative Directorの佐藤タカトシと申します。企業の採用ブランディング事業を展開しております。
私は、人材系企業で11年にわたって、100社以上の企業の採用支援を行い、その後、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)にて3年間、自社の採用活動に従事しました。そこで学んできた、採用ブランディングのために必要なエッセンスを公開いたします。

「競合に勝つための採用ブランディングを行いたい」という方の中で、「まず、何から手をつけるべきなのか」迷っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そこで今回、「はじめの一歩」としてやるべきことをご紹介いたします。

ポイントは3つです。
(1) 採用ターゲットを言語化する
(2) 自社の魅力を言語化する
(3) コンテンツに落とし込む

採用ターゲットを言語化する

そもそも採用ブランドとは、何でしょうか? 私は、「特定のターゲットに対して、自社の魅力を伝え、“働きたい”と思ってもらっている状態」と定義しています。広く浅く、ではなく、特定のターゲットに、ということが重要です。結果として採用につなげることが目的ですので、「ターゲット=どういう人を採用するべきか」を綿密に設計することで、ブランディングの対象を絞った方が効率的なのです。

その言語化にあたっては、過去の内定者や、活躍している社員が持っている要素を洗い出してもいいですし、現場キーマンや経営層と議論してみてもいいかもしれません。たとえば、私が在籍していたDeNAでは、「思考の独立性」「逃げずにやり抜く力」が抜きん出て強い人、と定義されています(※こちらをご覧ください)。ターゲットをここまで明確に言葉に落とすことができれば、社内の採用活動のベクトルを揃えられますし、人材紹介業者や採用メディア業者といった外部の協力者も動きやすくなります。

大切なことは、経験やスキルといった履歴書や職務経歴書に書けるものではなく、志向や性格のような、可視化されていない要素を言語化することです。要は、自社の欲しい人材の「ペルソナ」を独自に定義できれば、自ずと他社と差別化され、施策の効果がより一層高まります。かつ、対象がぐっとフォーカスされてもいるので、無駄も少なくなります。

自社の魅力を言語化する

曖昧模糊としたイメージでは、学生や中途採用候補者の気持ちを動かすことはできません。こちらも言葉に落とすことが求められます。

発想の起点は、上記の採用ターゲットが求めているもの。すべてをここから考えます。たとえば、営業職の募集で、「自社の商品に甘んじずに、独自のソリューションを創造できる人」とターゲットを設定したとしましょう。彼らが就職先に求めているものは、「他にないイノベーティブな事例をつくれる」ことであり、「周りにクリエイティブな人が溢れている」ことだったりします。こういったペルソナが求めているものを想像し、自社で合致している事実を抽出し、言語化していきます。

さらに、複数の事実をひとことで伝えるキャッチフレーズのようなものに落とせるとベストです。そのひとことを、あらゆるメディアや面接官経由で伝えていくことで、一貫したイメージを形成することが可能になります。ぜひ、言葉を収斂させてみてください。その後がかなりスムーズに進みますので。

コンテンツに落とし込む

『リクナビ』や『マイナビ』など求人サイトや自社HP、採用説明会にて、言語化された自社の魅力を一貫して伝えていくことで、徐々に採用ブランドが形成されていきます。たとえば、先ほどの例ですと、掲載される職種名を単に「営業職」とするのではなく、「クリエイティブ・セールス職」のようなものにしてもいいかもしれません。あくまで、ターゲットが求めているものであれば、という前提ではありますが。

ここで大切なことは、前回の記事でもお伝えしましたが、優秀な人材ほど、日々の仕事の中でオファーをもらっているので、転職や就職を決意する前に自社の魅力を伝えておく必要があるということです。自社の公式SNSで採用のことに触れてもらうのもいいですし、現場スタッフによるブログを立ち上げたり、勉強会や社員との懇談会を開催したりするのもいいでしょう。

つまり、自社の広報担当の方とどれだけ協業できるかが、これからの時代の採用ブランディングとしてキーポイントになってきます。また、将来の候補者との接点も増えるので、人事担当者ご自身が広報担当としての意識を持つことも必要です。ご自身が多くの人に自社の魅力を語ることで、採用ブランドは向上していきます。ぜひ、一度、試してみてください。

執筆者紹介

佐藤タカトシ(core words株式会社 CEO/Creative Director) 2001年4月、大手人材系企業に入社。11年にわたり、100社以上の採用ブランディングを支援。2012年7月、DeNAに転職。採用ブランディングとダイレクトリクルーティングをメインとして活動。2015年7月、採用ブランディング支援会社、core wordsを設立。

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