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特集

活力を生み出すダイバーシティ(障がい者雇用編)


【第5回】スキルの高い障がい者を雇用できるよう教育支援に注力~沖ワークウェル~(2)

2016.04.11

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OKI(沖電気工業株式会社)の特例子会社OKIワークウェル(正式名称:株式会社沖ワークウェル)は、全社員74名のうち62名が障がい者であり、そのうち41名が重度障がいの在宅勤務者だ。彼らの居住地は首都圏以外に近畿、四国、九州など全国に広がっており、独自開発のシステムを活用しながら、ホームページ制作や顧客管理といったWebシステムの開発を担当している。同社の障がい者雇用の仕組みと、特別支援学校との連携について取材をした(2015年12月取材:編集部)。

働く意欲のある人を採用しマネジメントを任せる

会社設立当初はIT技術を教育する社会福祉法人からの紹介で採用を行っていたが(前回の記事リンク)、設立後に新聞で取り上げられたことや、OKIワークウェルのコーポレートサイト制作したことで、障がい者本人からの応募の問い合わせが増え、直接採用するようになった。

同社が障がい者を採用する際の採用基準は、以下になる。

①社会性がありコミュニケーションができること(「報告・連絡・相談」ができることで、話が巧みにといういみではない)
②情報処理の基本的な知識があること(情報処理技術者試験合格が望ましい)
具体的なスキルで言えば、メールや基本的な文章入力、表計算ソフトが使え、html言語がわかる程度だという。「即戦力ではないものの、1〜2年後にある程度の仕事ができるレベル」(OKIワークウェル代表・津田貴氏)。

入社後のスキルアップには力を注ぐ。一人ひとりに約3年間の育成計画表を作成し、1カ月ごとの期間や仕事の案件ごとに目標を立て、本人と指導するディレクターがフィードバックをする。その指導するディレクター自身も障がい者だ。

ディレクターになるためには例えば3つ以上のプロジェクトを並行して取りまとめや、クライアントと対外的なやりとりができることなどが求められる(2015年現在でディレクターは5人)。ディレクターの前段階としてプロジェクトごとに、希望すれば業務を細分化した際のまとめ役を担当するリーダーを経験する機会が与えられている。

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【提供:OKIワークウェル】

ディレクターになると、時給や賞与も当然上がる。年2回、在宅勤務者とディレクター、上司や津田氏が同席して行うスキルアップ面談あり、本人のキャリアアップの意向をヒアリングして、任せる仕事の内容やレベルなどを決めるようにしている。そのほかにも技術分野別の勉強会も定期的に開催し、全体のレベルの底上げも図っている。
「在宅勤務者の中からリーダークラスが育ってきて、ディレクターへと登用されていく。自主的な運用ができるようになっただけでなく、社員のモチベーションが高くなり生産性も向上していった」(津田氏)

【参照】教育体制や労務管理、評価など「OKIワークウェルの在宅勤務制度」
http://www.okiworkwel.co.jp/system/

障がい者雇用の裾野を広げる

OKIワークウェルは、これまでに培った在宅勤務のノウハウやワークウェルコミュニケータ(WWC)※のシステムを提供することで、障がい者雇用の裾野を広げる取り組みを展開している。平成28年4月より施行される「改正障害者雇用促進法」に合わせ、各社が障がい者雇用を推進していく気運が高まるなか、同社の取り組みは、スキルの高い障がい者採用に貢献できると注目されている。

障がい者雇用の裾野を広める取り組みに力を注ぐ想いを、津田氏はこう語る。
「障がい者自身が働き方を知らない、雇用側が雇用したいけどやり方がわからないという状況をなくしたい。もちろん健常者でも能力がなければ就職はできません。それはしかたがない。ただ、意欲や能力があるのであればそれを生かせる環境を作ってあげる必要はあります。なにより、『知らない』というのは一番もったいないですよね」

同社は2011年から肢体不自由特別支援学校を対象とした「キャリア教育の出前授業」を開始。2015年現在で22校を訪問し、障がい者による多様な働き方の講話やWWCの実演などを行っている。また、移動困難な重度障がいを持つ生徒のために、電話での挨拶マナーやPCの操作方法、プログラミングといったより実践的な訓練をインターネットを介して請け負う「遠隔職場実習」も行っている(2015年現在で全国29校・71名が参加)。

そして現在、力を入れているのが障がい者の在宅雇用を始めようとする企業への導入支援だ。これまでは企業見学の受け入れを行っており、毎年10社ほどが同社を視察し、実際に見学がきっかけで在宅雇用を始めた会社もいるが、今後はさらに一歩踏み込んだ支援をしていく。例としては、導入を検討する企業の担当者に在宅勤務者の自宅へ案内し、障がい者と直に接して慣れてもらうことや、在宅勤務者と電話やメールでコミュニケーションをしてもらうことを想定。アドバイスと体験を含めたコンサルティングを実施していく予定だ。

多様な障がい者の働き方を知ることから始める

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OKIワークウェル代表の津田貴氏

津田氏は障がい者雇用を考える人事担当者へ次のようにアドバイスを送る。

「育児女性の活躍、介護離職者の解消、BCP対策も含め、在宅勤務の推進は今後の経営や人事施策のキーワードになる。在宅勤務に対する心配はあるかもしれませんが、『やってみなければ何もわからないし、何も起こらない』。障がいは持っていても優秀な人材を採用できるかもしれません。まずは一歩踏み出して不具合があったら微調整を繰り返していけば良い。障がい者雇用の姿は在宅勤務だけではなく、知的障がい者や聴覚障がい者に合った働き方もあります。まずは、いろいろな働き方があるということを知ってほしいですね」

脚注と参考情報

※「ワークウェルコミュニケータ(WWC)」:インターネットを介し、PC上で在宅勤務者と本社社員など場所の離れた複数メンバー同士で一度に会話することが可能な常時接続型多地点コミュニケーションシステム。評価や労務管理にも役立てられる。
http://www.oww-networkers.net/wwc/index.html

「特例子会社制度の概要」【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf

「改正障害者雇用促進法」について【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shougaisha_h25/index.html

会社概要

株式会社 沖ワークウェル(東京都港区芝浦)
OKIの特例子会社を目指し2004年に設立。全社員数74名のうち障がい者が62名。62名中41名が重度障がいの在宅勤務者。通勤困難な重度肢体障がい者は、自宅でパソコンとネットワークを活用してホームページ制作やWebシステム開発(顧客管理システム、研修システムなど)冊子類の編集や各種デザインなどの業務を行っている。
【HP】 http://www.okiworkwel.co.jp/

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