@人事アンケート「あなたの会社にあるルール・風習は?」
働き方改革に全力逆行?! 時代に取り残された会社のおかしなルール
2019.03.01
「年末年始休暇の日程は社長の気分次第」「妊娠するのは、他の人と被らないように」
あなたの会社にも、おかしなルールはないだろうか。@人事では、「働き方改革」に関する独自アンケートを20~50代の男女800人に実施。働き方改革が進められず従来のやり方を変えることができない、いわゆる旧態依然とした会社には「一風変わった社内ルールが存在している」傾向があることが分かった。
また、働き方改革の実施状況を聞いたところ、「自社で働き方改革を実施している」と回答したのは全体の36.5%にとどまった。
これだけ「働き方改革」が叫ばれている中で、思うように導入が進んでいない理由や、推進を阻んでいるいるかもしれない企業独自のルールの存在など、働き方改革のリアルな実態を紹介する。
調査結果概要
・会社にあるルール・風習の上位3つは、「毎朝朝礼を行う(19.8%)」、「休暇が取りづらい(19.1%)」、「複業が禁止されている(17.7%)」
・働き方改革を「実施している」のは全体の35.4%。その一方で、「実施していない」39.5%、「分からない」25.1%という結果に
・多く導入されている働き方改革の施策は「残業時間の削減(63.9%)」「休暇の取得促進(55.5%)」
・働き方改革が進まない理由として多く挙げられたのは「社内にノウハウがないから(26.1%)」
「休暇が取りづらい(19.1%)」「複業禁止(17.7%)」働き方改革への道は遠い
会社にあるルール・風習について尋ねた所、「毎朝朝礼を行う(19.8%)」、「休暇が取りづらい(19.1%)」、「複業が禁止されている(17.7%)」という回答が多く挙げられた。
働き方改革の一環として「有給取得義務化」や「複業の促進」が行われているが、会社の風習として根付いている企業はまだ多くないようだ。
また、少数派ではあるが、「残業が評価される(6.6%)」「年功序列の思考が強い(5.6%)」「打ち合わせで使う資料は紙で印刷しなければならない(2.7%)」といった意見も見られた。残業削減やペーパーレスが多く叫ばれる中で、古くからの風習が残る企業も少なからず存在していることが分かる。
働き方改革を「実施していない」「実施しているか分からない」企業が過半数
働き方改革の実施の有無について尋ねた所、「実施している」と回答したのは全体の35.4%、「実施していない」39.5%、「分からない」25.1%という結果となった。
4月1日からの働き方改革関連法案の施行を目前に、社内での取り組みが進まない実態が明らかになった。
導入の多い働き方改革の施策は「残業時間の削減(63.9%)」「休暇の取得促進(55.5%)」
前問で「(自社で働き方改革を)実施している」と回答した方を対象に、実施している具体的な施策の内容を尋ねた所、「残業時間の削減(63.9%)」「休暇の取得促進(55.5%)」という回答が多く挙げられた。
2019年4月から改正・施行される「労働時間の上限規制」「有給取得義務化」に備えて、優先的にこの2つの施策に取り組む企業が多いのだろうか。また、働き方改革を支える柱の1つとして注目を集める「フレックス制度(10.9%)」「リモートワーク、テレワーク(7.3%)」だが、その普及率は未だ低いことが明らかになった。
働き方改革が実施されない理由は「社内にノウハウがないから(26.1%)」
「(自社で働き方改革を)実施していない」と回答した方を対象に、実施されない理由について尋ねた所、主な理由として「社内にノウハウがない(26.1%)」「経営層・管理職の理解を得られない(18.6%)」「必要性を感じないから(18.0%)」などが挙げられた。
一口に「働き方改革」といっても、それを支える関連法案は複数存在する。働き方改革実施のためには、それぞれの法案の内容や対応方法について詳細を把握しなければならず、それを1から行うのは困難なのかもしれない。
しかしその一方で、「ノウハウがない=働き方改革を進める意欲がない」とも見て取れないだろうか? ノウハウがないから働き方改革が進まないのか、働き方改革を進める意欲がないから社内にノウハウがた蓄積されないのか……。まずは働き方改革について、正しい情報を把握することが必要そうだ。
また、「その他」の理由として「外資系なので基本的に自由だから」「部署によってまちまちでよく分からない」「具体的な方針等がまだ示されていない」という声も寄せられた。
「休暇は社長の気分次第」「妊娠時期はずらせ」法的効力も何のその。我が社のおかしなルール
最後に、会社独自のルール・風習について聞いた所、働き方改革に逆行するようなものからユニークなものまで、多くの回答が寄せられた。以下、フリーコメント形式で回答の一部を紹介する。
スポーツ好きの社員にとってはラッキー?
「サッカーの試合の日や、ワールドカップの期間は、サッカー優先」
「勤務中でも、甲子園の中継であれば見ても良い」
間もなく「有給休暇の取得義務化」が始まるが……
「有休の申請は2か月前がルール」
「有給休暇は残して当然」
「年末年始休暇の日程は社長の気分次第」
社員のライフイベントに会社が介入
「同じ部署の人同士が結婚すると、どちらか片方の人が別の部署に異動になる」
「社内恋愛禁止」
「妊娠するのは、他の人と被らないように」
賛否両論? 参加必須な会社のイベントあれこれ
「歓迎会と新年会、ボーリング大会は強制参加」
「月に一回任意での地域清掃活動がある」
「クリスマスや年末年始のケーキ、そば等を取引先から暗黙の了解で買わされる。車も取引先のディーラー以外からは買ってはならない」
申請・決済が通るまでの道のりは長い
「社内決済は部長を必ず通さないとひっくり返される」
「業務や休暇の申請には必ず上司の決裁が必要となる」
休憩の形も会社それぞれ
「ラジオ体操が始まると手を止めてみんなで参加」
「昼食時間は1時間だが、社長のおなかの空き具合で時間が長くなる時がある」
「業務効率化」「生産性向上」もどこ吹く風
「分からないことがあれば直属の上司ではなく、わかる人に聞けと言われる」
「女子社員は手が空いていればおしゃべりをしていてよい」
「PCは独自の検疫システムを使用し、やたらと更新させられる」
「新人だから」「女性社員だから」発生する業務
「上司よりも早く出勤して、コーヒーを入れなければならない」
「新入社員は毎日日誌を書いて提出しなければならない」
「若い男子は休みも出勤して当たり前」
やりすぎ?! 社員の勤務時間はきっちり把握
「出先から会社に戻るとき必ず戻り時間の電話を入れなきゃいけない」
「残業時間が皆んな同じ時間に揃えて徹底的に管理されている。つまり、帰りたくても決められた時間まで残業をして行く習慣がある」
転職先の会社にあったら困惑するレベル?
「上司が部下が身の丈にあわない支払いをしていないかクレジットカードの支払金額をチェックしている」
「会長のイズムがまとめられたものがある」
「決められた日に国旗を掲げる」
ルール・風習を直すことから「働き方改革」が始まる
以上、働き方改革の実態や、会社に根付くルール・風習についての調査結果をまとめた。働き方改革の導入が進まない企業の存在や、企業によって実に多様なルールがあることが分かった。
あなたの会社はどうだろうか? 変なルールに慣れてしまうのではなく、まずは「変だ」「時代錯誤だ」ということを認識することから、働き方改革は始まるのかもしれない。
調査概要
・調査方法:インターネットによるアンケート
・調査対象:現在就業中の20~50代男女
・有効回答数:800名
・調査期間:2019年2月18日~2月20日
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