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ミレニアル世代はいかに職場を変えたか―米ギャラップ会長

2016.03.25

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ミレニアル世代の人材に適応するために、組織と人事部は大きく変化を遂げる必要がある――。世論調査企業ギャラップのジム・クリフトン会長は3月15日、米ワシントンDCで開催された全米人材マネジメント協会主催の会合で講演を行い、若い世代のための職場づくりについて語った。

若い世代は仕事が生きがい

「ミレニアル世代の働き手は、仕事を何にもまして重視する傾向がある。これはきわめて重要な社会的変化で、今後数十年の職場環境に影響をもたらす」とクリフトンは語った。

アメリカのミレニアル世代(1980~2000年生まれ)の人口は8300万人。いまやベビーブーマー世代を追い越して国内でもっとも大きな割合を占める。彼らのニーズや、行動規範、モチベーションを理解すれば、エンゲージメント、リテンション(人材定着)、生産性が向上する、とクリフトンは語った。

エンゲージメント強化が課題に

ギャラップの最新の世論調査によると、ミレニアル世代はエンゲージメントの高い従業員の割合が他の世代と比較して低い(28.9%、全体では31%)。ギャラップは、エンゲージメントの高い従業員を「仕事と職場に積極的に関与する熱意ある人材」と定義している。

一方で、「自分はエンゲージメントが低い」と認めた従業員は20%に達した。このグループは自分自身が「惨め」なだけでなく、他の従業員にも悪影響をもたらすという。

そして残りの50%は「型どおりの仕事をこなしているだけ」とクリフトンは主張。

クリフトンは雇用主らに対して、自社の従業員がこの3つのカテゴリーのどこにあてはまるのか見極めるべき、と推奨する。

「エンゲージメントの高い従業員を30%から70%に引き上げることは十分に可能なはず。エンゲージメントが低い従業員を1桁まで低下させることもしかりだ」

ミレニアル世代をエンゲージさせるためには新たな戦略が要る、とクリフトンは主張。「ミレニアル世代は、私の世代より優れた働き手になると思う(64歳の彼自身はベビーブーマー)。だがそのためには適切な環境をつくる必要がある」

もし人事部が考え方や習慣を改めて、ミレニアル世代に適応しないかぎり、「スター(優秀な人材)は惹きつけられない。並みの従業員は集まるだろう。だがスターは無理だ。たまたま運よくスターを獲得しても、定着は望めない」

新しい成功の定義とは?

ベビーブーマー世代にとって成功とは、「結婚して、家庭を持って、年に2週間の休暇を取ること」だったとクリフトンは言う。

「ミレニアル世代は晩婚化している。結婚をしない者もいる。少子化傾向も強く、子どもを持たない者もいる。仕事こそが彼らの人生だ。つまり仕事に意義を見出せなければ、人生が無意味になる」

また現在20~30代の働き手は、サラリー(報酬)よりもワークライフ・バランスや、正当な評価を受けること、仕事の社会的意義などを重視する傾向があるという。

クリフトンは仕事の価値観の変化について、以下のようにまとめている。

満足から自己啓発へ

ミレニアル世代をエンゲージさせるためには、いわゆる「卓球台とエスプレッソマシン」のようなソフトな福利厚生ではうまくいかない。今日の若い世代の働き手は、企業に貢献してその価値を高めることを望んでいる。「『満足』だけでは十分ではない。彼らはより高い志を抱き、自身の可能性を知りたがっている」

ボスからコーチへ

「コマンド&コントロール(指揮統制)」の管理手法はもはや過去のもの。「これは大きな変化だ。彼らが求める上司像は、自身のスキルや強みを発展させ最大限に伸ばしてくれる存在」

年次評価から継続的対話へ

「年次業績評価は、この世代には通用しない」とクリフトンは言う。「年次評価の問題点は、常に過去を指向していること。年に一度では、目標を与えて指導を行うことはできない。少なくとも週に一度は対話の機会を設けるべき」

ソース:From Paycheck to Purpose: How Millennials Are Changing Work (March 16, 2016) | SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

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