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特集

社労士が解説 働き方改革のポイントvol.6


同一労働同一賃金の法改正のポイントと企業がいま行うべきこと

2019.01.16

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働き方改革関連法について解説する連載企画「社労士が解説 働き方改革のポイント」も6回目になりました。今回は「同一労働同一賃金」を取り上げます。
法改正の重要なポイントや施行される2020年に向けてとるべき対策を、社会背景とともに徹底的に解説します。

※関連:【特集トップ】社労士が解説 働き方改革のポイント

目次

同一労働同一賃金が、いま社会に求められている背景

2020年4月に、同一労働同一賃金に関する法改正が施行されます。同一の労働を行っている場合は同一の賃金を支払うという原則に基づいて、法制度化して規制することになります。パートタイム有期雇用労働者法・派遣法・雇用対策法など、複数の法令にわたってこの原則の下に法制化が行われます。これにより、パートタイマー・有期雇用労働者・派遣社員など正規社員以外の方が正規社員と同じ労働を行っている場合は、同じ労働を行っている範囲において同一の賃金を支給することがルールとなります。

例えば、正社員と契約社員が入り混じって同じように働いているにも関わらず、支給される賃金に大きな差がある職場は少なくないと思います。このような場合は今後規制の対象になります。

この制度の運用についてはまだ具体的に定まっていない点も多いですが、働き方改革の中で非常に大きな意義を持っていると言えます。

201812_doitsu02働き方改革の理念は、多様な働き方が許容される社会をつくることでした。その背景として、再チャレンジが可能な社会をつくることが大きな目的となっていることが挙げられます。我が国においてキャリアが断絶することは、現状、非常にリスクが大きいと思われます。例えば育児による退職後の就業や中年期以降にやむを得ず転職した場合などに、収入が大きく下がってしまうことは珍しくないでしょう。

企業側から見ると、長期間のブランクがある場合や経験がない職種に取り組む場合は生産性が低い場合が多いため、給与が低くなるのは当然のことだ、と考えるのは不自然ではありません。よって、キャリアアップのためには働く方の主体的な努力や計画によって、自身の業務能力を上げることが必要であることは言うまでもありません。

多様な働き方が許容され、再チャレンジが可能な社会の実現のためには、まずは自助努力によって、賃金や処遇が不当に差別されない能力を開発していくことが必要だと考えられます。

しかし、努力して生産性を上げることができたとしても正社員として雇用されず、契約社員や派遣社員になり、収入が低いままになってしまう事例が多く見られます。これが根本的な問題なのです。

こうした構造を変えていくためには、労働時間管理や休日休暇などを確保し誰もが平等に働けるような仕組みを整備することも重要なことです。ただ、これらは業務内容や処遇の中身に踏み込んでいるわけではありません。これに対して同一労働同一賃金のルールは、まさに労働の内容や処遇自体に対するルールであり、働き方改革の根幹だと言えます。

同一労働同一賃金の法制度のポイント

今回の同一労働同一賃金に関連する法改正について、具体的に定められている大きなポイントは、以下の3つです。

① 待遇に不合理な差を設けないというルール設定の義務
② 労働者から求められた場合の説明義務
③ 紛争が起きた場合の紛争手続き

細かい違いはありますが、パートタイム労働者と有期雇用労働者、派遣労働者のいずれも、この3つのルールが設けられる点では同じです。

1. 待遇に不合理な差を設けないというルール設定の義務

事業主・派遣元事業主は、正規社員と短時間・有期雇用労働者・派遣労働者との間で、基本給・賞与その他の待遇に不合理な差を設けないことが定められています。

2. 労働者から求められた場合の説明義務

労働者から説明を求められた場合は、比較対象となる労働者との待遇の差について、理由や、待遇の決定をするに当たって考慮した事項を説明しなければならないと定められています。

3. 紛争が起きた場合の紛争手続き

同一労働同一賃金に関する法改正は、法律が検討された時点の記録を見ると、企業に対するルールを定めるとともに、紛争が起きた場合の根拠規定になることを大きな目的としています。その目的に沿って、裁判外の行政機関での助言指導や紛争解決手続きなどについて具体的に定められています。同じような手続きは旧来からあったものですが、まとまって規定されることによって手続きが明確になり、利用されやすくなったと考えられます。

以上のようなルールを柱として、同一労働同一賃金の制度が運用されていくことになります。

2020年の法改正のために、いま行うべきこと

201812_doitsu03同一労働同一賃金の施行は2020年4月からです。そのため、細かい運用についての基準等はまだ出されていない部分も多く、どういった基準で何から規制を行っていくのかは不明確な点が多いです。

しかしこのルールに関しては、法改正があるから対応するというよりも、先行して本質的な検討を行うことが企業の成長や業績向上につながるのではないか、と考えています。当然、早めに対応を行えば施行後のリスクも低減します。

まずは現在の社内の体制が、正社員や契約社員といった契約形態を偏重していないか、年齢や健康状態などを不合理な形で取り扱っていないかをチェックする必要があります。不平等な雇用条件で運用している場合には、働く方の業務へのモチベーションが低下し、社内の体制の機能不全につながっている場合も多いと思います。

今回の同一労働同一賃金のルール化をきっかけにして、上記のような点に気付き改善ができれば、より働きやすい環境を作ることができ、結果として経営的な効果も大きいと思います。働き方改革の目指す多様な働き方が許容される社会をつくることは、単に社会的に必要であるということではありません。個別の企業の経営においても、業績を向上させ働きやすい環境をつくっていく上で、軸になり得る指針ではないかと思います。

【編集部より】
■同一労働同一賃金に関する記事はこちら


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執筆者紹介

松井勇策(社会保険労務士・産業カウンセラー・Webアーキテクト) 東京都社会保険労務士会 広報委員長(新宿支部)。フォレストコンサルティング社会保険労務士事務所代表。名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて広告企画・人事コンサルティングの営業職に従事、のち経営管理部門で法務・監査・ITマネジメント等に関わる。その後、社会保険労務士として独立。労働法務の問題や法改正への対応、IPO支援、人事制度整備支援、ほかIT/広報関連の知見を生かしたブランディング戦略等を専門にしている。

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