「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」レポート
【速報】2018年に最も輝いた女性、最も女性が活躍した会社が決定
2018.12.20
2018年「Forbes JAPAN WOMEN AWARD」に39社が選出
2018年に最も活躍した女性と、女性活躍推進に取り組んだ企業を選ぶ「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」の表彰式が20日、都内で開かれた。
3回目となる今年は、現役東大生の起業家や、働き方改革に取り組む経営者ら6人、性別を超えて誰もが活躍できる職場をつくる企業39社が選出。受賞した女性たちの思いや各企業の取り組みに加えて、スペシャルゲストとして登場したレスリング女子の吉田沙保里選手のコメントを紹介する。
「無謀」と言われた挑戦を、日本中に広めたい
個人部門で「新規ビジネス賞」を受賞したのは、京都市内でステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」を経営する中村朱美さん【写真右】。
長時間労働や残業が多い飲食業界で、「おいしいものを1日100食限定で売り切り、全社員が残業ゼロで終業する」というビジネスモデルを実現させた。
中村さんは表彰式で「子供の送り迎えができる。そんな当たり前のことが、従業員に喜ばれている」と説明。「飲食業界で『無謀』と言われた挑戦がここまで進んでいるのだから、どんな会社でも実現できるはず。日本中にこの働き方改革を広めたい」と訴えた。
宿泊施設の企画、経営を手掛ける現役東大生
「ルーキー賞」に選ばれたのは、現役東大生で、宿泊施設の企画、経営を手掛ける龍崎翔子さん【写真右】。
幼い頃に家族でアメリカ横断旅行をした際に、どこのホテルも同じようなデザインだったことに違和感を覚えたのをきっかけに、今の事業を始めた。
龍崎さんがプロデュースする施設では、内装にその地域独自の雰囲気を取り入れるほか、宿泊客が地元の人々と交流できるようにしている。
龍崎さんは「ここではライフスタイルを『試着』できる。これからもホテルの可能性を広げていきたい」と夢を語った。
「私も企業のダイバーシティーアンテナの一つになりたい」
「編集部特別賞」を受賞したのは、社内でトランスジェンダーであることを打ち明けた岡部鈴さん。
広告代理店で長年男性社員として働き、役職にも就いていたが、2012年に「女性として生きたい」と社内で告白。現在は女性社員として過ごしており、「私を受け止めてくれた会社に救われた」と語る。
岡部さんは「複数のアンテナ(視点)で情報を集めると、企業は強くなり、安定する。私も企業のダイバーシティーアンテナの一つになりたい」と話した。
妊娠中のタクシー出社支援、男性幹部の意識改革を実現した企業が受賞
企業部門では多様性推進、人材開発、働き方改革の3賞を用意。妊娠中のタクシー出社支援、病児保育費補助などの支援体制を整えている企業、男性幹部の意識改革を実現させた企業など9社が選ばれた。
企業規模ごとの表彰もあり、長時間労働の是正やハラスメント対策、各自のライフイベントに対応した多様なキャリア構築を実践する企業など30社が受賞した。
各企業の代表者は「男性社会の金融業界で、女性が働きやすい職場づくりを進めた」、「男性か女性かではなく、人として各自がどう活躍できるのか考え、支援している」と取り組みの内容や工夫点を語った。
吉田沙保里選手の強さの秘密
この日は表彰に先駆けて、レスリング女子の吉田沙保里選手が登壇。五輪3連覇を果たして「霊長類最強」とも評される強さの秘密を打ち明けた。
吉田選手は小さな頃から父に厳しく指導され、ひたすらレスリングの練習に取り組んだ。「どんなに辛いときでも365日練習していたため、心が自然と鍛えられた。
目標を持ち、(それに向けて)何をすべきか考えられるようになってから、より強くなれた」という。
「人生は一度きり。自分のやりたいことを見つけて笑顔で過ごしてほしい」と女性たちにエールを送り、自身の今後については「レスリング以外のことも経験しながら、結婚や出産など女性の幸せもつかみたい」と笑顔で語った。
アワードは2016年に始まり、今年で3回目。グローバルビジネス誌「Forbes JAPAN」の主催。女性のキャリア支援事業を手掛ける「LiB」(東京・渋谷区)が協賛した。
今回は事前に企業1,000社と一般女性1,000人にアンケートを実施。ダイバーシティーや働き方改革に詳しい有識者9人が評議員となり、取り組みの先進性や独自性、育児休業の取得率、女性管理職の人数を参考に、受賞者と受賞企業を選んだ。
その他の受賞者はイベントの公式HPで公開している。
https://forbesjapan.com/womenaward/
写真で見るForbes JAPAN WOMEN AWARD 2018
【取材・撮影:編集部】
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