コラム

社員に選ばれる会社の人事制度・人材開発


有給取得率を劇的に向上させる「社風に合った休暇制度」を導入しよう

2018.12.19

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2019年4月から労働基準法が改正されることはご存知でしょうか? 日本で事業を展開する会社の「働き方」を改革する内容が盛り込まれており、今回の法改正によって就業規則の何らかの見直しは必須となってくるでしょう。

そこで今回は、法改正の1つである「年次有給休暇取得の義務化」に着目し、概要と人事担当者が知っておきたい休暇制度の事例についてご紹介します。

法改正により「5日以上の年次有給休暇の取得」が義務化される

今回の労働基準法の改正によって、年次有給休暇取得の義務化が明文化されます。

1年間に10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、5日の有給休暇を取得させることが会社側に義務付けられます。具体的には、使用者、すなわち会社は、有給休暇のうち5日間については、社員毎に時季(取得時期)を定めて与えなければならないとされました。

計画年休制度により有給休暇を取得している、あるいは、社員からの申請によって有給休暇を消化している場合、その日数分は、改正法による有給休暇取得日指定の義務の日数から差し引かれます。

どのように運用するのかは会社によって異なると思いますが、有給休暇が付与された早い時期に、事前に会社が社員の希望を聞いた上で、「何月何日に休んでください」と時季を指定して有給休暇を取るようにするか、年度の途中で有給消化日数が5日間以下の社員に対して、不足日数分の時季指定をすることになるでしょう。

日本の有給消化率は世界ランキング最下位 その原因は「罪悪感」

現在、日本における年次有給休暇消化率は50%未満にとどまっています。この消化率について、ある調査によると、世界30カ国の中で日本は2016年から2018年の3年連続最下位という結果が出ており、かなり改善の余地があります。こういった状況に対する具体的な施策が、今回の「年次有給休暇取得の義務化」なのかもしれません。

また、同じ調査の中で、有給休暇を取得することに「罪悪感・後ろめたさがある」と答えた人が、日本では60%以上。世界で最も高い割合となったようです。

社員の有給取得を促す、ユニークな休暇制度6例

「有給休暇の取得に対する罪悪感」を課題と捉え、休暇を取得しやすくなる仕組みを導入する会社も増えつつあります。ここでは、6つの具体的な例をご紹介します。

1.ボランティア休暇

会社が社員のボランティア活動への参加を支援・奨励する目的で、有給休暇を認める制度です。日数は会社によって異なりますが、私が以前在籍していた事業会社では年に3日間のボランティア休暇が付与されていました。さらに、2020年に開催される東京五輪に関連したボランティアに参加する場合は、最大で5日間のボランティア休暇を認めることにしたようです。

2.永年勤続休暇

勤続5年・10年など節目を迎える社員に対して、連続で5日間の有給取得を社内のルールとして定着させている会社もあります。この休暇を利用して旅行に出かけることも想定して、報奨金を併せて支給するケースもあるようです。

3.アニバーサリー休暇

社員にとって記念となる日(本人あるいは家族や恋人の誕生日、結婚記念日など)に休暇が取れる制度です。

4.ペット忌引き休暇

親族の忌引き休暇を制度として設ける会社が多い中、ペットフードの販売メーカーである日本ヒルズ・コルゲート株式会社では、社員の飼っているペットが亡くなった場合に、社員に休暇を1日与える「ペット忌引き休暇」制度を設けています。
(出典:日本ヒルズ・コルゲート株式会社

5.有給奨励日・オセロ休暇

飛び石連休の中日や、お盆や年末など「この1日(または2日)を休むと大型連休になる」という日をあらかじめ会社が「有給取得奨励日」として定義し、社員に告知することで有給休暇取得を促している会社は少なくないと思います。また、これをさらにルール化して、「休日と休日の間にはさまれた平日も休日とする」というオセロ休暇を導入している会社もあります。
(出典:未来工業株式会社

6.ずる休み制度

パスクリエイト株式会社では、「ずる休みさせて下さい」と申告することで、3カ月に1回までは、申告が当日でも有給扱いにすることができる制度を設けています。「ずる休み」をすることで英気を養い、次の日からはまた精力的に仕事に取り組んで欲しいという会社の想いが込められた制度のようです。
(出典:パスクリエイト株式会社

休暇制度導入のメリットとその背景

このような休暇制度を設けると、会社の社風や特徴を制度面から打ち出すことができるだけではなく、採用面などにおいて社外へのアピールにつなげることができます。ただし、「他社(特に同業種)が導入しているからうちの会社でも導入しよう」という動機では、「休暇制度自体は存在しているが、使う機会がない/使いにくい」状態になるだけです。前提として、各社ごとの課題や事業内容に則した休暇制度であることが重要ではないかと思います。

今回は、労働基準法の改正による有給取得の義務化と、それに関連して特徴的な休暇制度について取り上げました。多くの社員が抱える「休暇を取ることに対する後ろめたさ」を軽減し、積極的な休暇取得を促進することは、今回の法改正に対する手段というだけではなく、健康な心と身体で仕事に取り組んでもらいたいという「Well-Being」に取り組む会社が増えつつあることの表れなのかもしれません。

【編集部より】
有給休暇に関する記事はこちら。

執筆者紹介

永見昌彦(ながみ・まさひこ) アルドーニ株式会社代表取締役。外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。

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